- 英
- atypical pneumonia PAP
- 同
- 原発性異型肺炎 primary atypical pneumonia
定義
特徴
- 胸部X線画像で、陰影が淡く、両側性、skip lesionなどが非定型的であり、βラクタム薬が無効であることが特徴
病因
症状
検査所見
- 胸部X線画像:間質性陰影 →普通の肺炎では影は見られない
診断
細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別
- 1. 年齢60歳未満
- 2. 基礎疾患がない、あるいは軽微
- 3. 頑固な咳がある
- 4. 胸部聴診所見が乏しい
- 5. 痰がない、あるいは、迅速診断法で原因菌が証明されない
- 6. 末梢血白血球数が10,000/uL未満である
上記6項目を使用した場合
- 4項目以上合致:非定型肺炎疑い
- 3項目以下:細菌性肺炎疑い
- (感度:77.9%、特異度:93.0%)
上記の1.-5.までの5項目を使用した場合
- 3項目以上合致:非定型肺炎疑い
- 2項目以下:細菌性肺炎疑い
- (感度:83.9%、特異度:87.0%)
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/16 16:38:27」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2013年6月) |
非定型肺炎(ひていけい・はいえん)とは、βラクタム系薬剤の効果がみられない肺炎のうち、結核などを除く一群のこと。
目次
- 1 総論
- 2 各論
- 2.1 マイコプラズマ肺炎
- 2.2 クラミジア肺炎
- 2.3 レジオネラ肺炎
- 3 脚注
- 4 外部リンク
総論
肺炎の原因となる細菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ、肺炎桿菌、ブドウ球菌など多岐に渡るが、これらにはβラクタム系薬剤が作用する。しかし原因菌のなかでも、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラ、百日咳、Q熱コクシエラなどは、独特な生態からβラクタム系薬剤の効果が見られない。これらβラクタム系の効果がみられない肺炎を総称して「非定型肺炎」と呼ぶ。肺結核、非結核性抗酸菌症は一般的な非定型肺炎の治療では治癒しないため、非定型肺炎には含まれない。
非定型肺炎の特徴としては、乾性咳嗽、症状が長期に渡る、生命予後に影響が少ない(レジオネラは例外)などがある。
各論
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマには細胞壁がないため、細胞壁合成阻害剤であるβラクタム系薬剤は作用しない。
クラミジア肺炎
クラミジア(クラミドフィラ)は、細胞壁にペプチドグリカンを含まないため、βラクタム系薬剤は効果を示さない。
レジオネラ肺炎
細胞内寄生菌であり、βラクタム系、アミノグリコシド系抗菌剤は効果を示さない。
脚注
外部リンク
気道感染 |
|
上気道 |
風邪
|
ライノウイルス - アデノウイルス - パラインフルエンザウイルス - RSウイルス - コロナウイルス - エコーウイルス - エンテロウイルス
|
|
喉頭炎
|
急性喉頭蓋炎 - クループ
|
|
咽頭炎
|
|
|
下気道 |
急性細気管支炎
|
|
肺炎 |
原因
|
定型肺炎
|
グラム陽性
|
肺炎球菌 - 黄色ブドウ球菌
|
|
グラム陰性
|
肺炎桿菌 - インフルエンザ菌 - モラクセラ - 大腸菌 - 緑膿菌
|
|
|
非定型肺炎
|
ウイルス性
|
RSウイルス - インフルエンザ肺炎 - 重症急性呼吸器症候群
|
|
肺真菌症
|
ニューモシスチス肺炎 - クリプトコッカス症 - アスペルギルス症
|
|
レジオネラ菌 - マイコプラズマ - クラミジア肺炎 - オウム病
|
|
|
抗酸菌症
|
結核 - 非結核性抗酸菌症
|
|
|
機序
|
市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎
|
|
病態
|
肺胞性肺炎
|
大葉性肺炎 - 気管支肺炎
|
|
化膿性肺炎
|
|
|
|
胸壁 |
膿胸
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 成人における市中感染肺炎と抗菌薬治療 (特集 外来診療における正しい抗菌薬の使用)
- 芦澤 和人
- 日本内科学会雑誌 100(12), 3527-3532, 2011-12-10
- … 肺炎における画像診断の役割として,存在診断,重症度判定.細菌性肺炎と非定型肺炎との鑑別.経過観察・治療効果判定が挙げられる.特に院内肺炎では,早期診断や重症度判定,さらには非感染性肺疾患との鑑別を含めて画像診断の役割は大きいCTの適応は慎重であるべきだが,市中肺炎と院内肺炎・日和見感染に分けて.代表的な起因病原体の特徴的な画像所見を把握しておく必要がある. …
- NAID 10030390892
Related Links
- 旧JRS市中肺炎ガイドラインの特徴の一つは,非定型肺炎と細菌性肺炎. を鑑別して, 治療に当たる方法を採った点である.今回改定する前に行っ. た調査でも,約80%の 呼吸器科医師がこの方法の継続を希望した.今回. の鑑別法は前回のものを継承する もの ...
- 非定型肺炎とは(マイコプラズマ肺炎を中心に)の特徴・作用機序・服薬指導内容など。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109I006]←[国試_109]→[109I008]
[★]
- 英
- mycoplasma pneumonia
- 同
- 寒冷凝集反応陽性肺炎 coldagglutinin-positive pneumonia、オリンピック病 Olympic disease、イートン因子肺炎
- 関
- マイコプラズマ、非定型肺炎。Mycoplasma pneumoniae
概念
- マイコプラズマは人工培地上で発育できる最小の微生物で、一般細菌と異なり細胞壁を欠く。
- Mycoplasma pneumoniaeによる肺炎
- 4年に1度オリンピックの開催年に多発する傾向がみられたためオリンピック病とも呼ばれたが、近年この傾向はあまりみられない。
- 若年者に多く、強い咳嗽と高熱が特徴である。
疫学
- 健康な小児や若年成人の肺炎でよく見られる。
- 好発年齢:5-25歳
潜伏期
感染経路
症状
- 初期には乾性咳嗽
- 発熱、激しい咳嗽、結膜充血、頭痛などを呈する。
- 喀痰が無いことが多い。
検査
- 白血球:増加することは少ない。80~90%の症例で10000/μL以下
- CRP:軽度上昇にとどまる。
- 血中寒冷凝集素価:陽性(256-512倍以上)。約50%の症例で上昇。
- 胸部XP:下肺野に陰影が多い。
- CT:非定型肺炎の陰影を呈する。間質性の炎症像を呈し網状影が主体で、次いで炎症が肺胞領域に及ぶと斑状影となり、いわゆる細葉性の陰影を示す。
診断
- CF法はIgGクラスの抗体を検出
- PA法はIgMクラスの抗体を検出
- たいていの迅速検査ではIgM抗体を検出している。
- 急性期と回復期(2~4週以降)のペア血清を用いて、特異抗体価が4倍以上の上昇を示す
治療
- テトラサイクリン、マクロライド系薬剤が有効。
- ペニシリン系抗菌薬、セフェム系抗菌薬、カルバペネム系抗菌薬は無効。
鑑別
国試
[★]
学会メモ
- 概日時計
- 自律性
- 同調性
- 温度補償性
- 哺乳類の場合、mPer1,2,3とmCry1,2がある。
- 培養細胞レベルでも時計機構を有する
- iPS
- iPSとES細胞との違い
- iPSは拒絶されない組織を作ることができるが、ES細胞は拒絶される。
- 現在のガイドラインは、個体作成は認めないこと、神経細胞を大脳皮質に移植しないこと、らしい
- 遺伝子治療
- ベクター系
- Pott症候群
- リンパ管内皮マーカー
特別講演メモ
要調査 080607
- 血中における白血球の比率が変動する遺伝的疾患とは?
[★]
- 英
- psittacosis
- 同
- インコ飼い病 budgerigar fancier disease、オルニトーシス ornithosis、鸚鵡病
- 関
- 人畜共通感染症(トリでは無症状なのだが・・・)、非定型肺炎
概念
- interstitial pneumonitis accompanied by headache, backache, and a dry, hacking cough
- a pale, macular rash is also found on the trunk(Horder's spot)
- 四類感染症
疫学
病原体
感染経路
- 経気道感染:トリの排泄物の吸入
- 経口感染:口移しで餌をやるなど
潜伏期
症状
- 初発症状は突然の発熱と咳嗽
- 激しい乾性咳、全身倦怠感、発熱、頭痛、比較的徐脈、
- 重症例では肝脾腫、黄疸
検査
治療
参考
- 1. [charged] オウム病 - uptodate [1]
[★]
- 英
- Chlamydia
- 同
- クラミジア、Chlamydia属
- 関
- 特殊な細菌
クラミジア属
[★]
- 英
- atypical pneumonia
- 関
- 非定型肺炎
- 英
- primary atypical pneumonia
- 同
- PAP
[★]
- 英
- primary atypical pneumonia PAP
- 関
- 非定型肺炎、肺炎
[★]
- 英
- pneumonia pneumonitis
- 関
疫学
- 日本の肺炎の受療率は人口10万対3、死亡率は人口10万対7。死因順位は第4位である。
- 受療率・罹患率共に高齢になるに従い急激に増加し、85歳以上の男性では死因第2位、90歳以上の男性では死因第1位となる(ガイドライン1)。
- 死亡者の95%以上が高齢者である。
- 年代と病原体
日本における肺炎の年齢階級別受療率と死亡率(人口10 万対,2002 年)
- ガイドライン1 2004 年「国民衛生の動向」 改変
|
年齢階級
|
総数
|
15~
|
25~
|
35~
|
45~
|
55~
|
65~
|
75~
|
85~
|
90~
|
19
|
29
|
39
|
49
|
59
|
69
|
79
|
89
|
|
受療率
|
外来
|
6
|
3
|
4
|
3
|
3
|
6
|
7
|
14
|
21
|
21
|
入院
|
19
|
2
|
3
|
2
|
3
|
7
|
21
|
86
|
309
|
489
|
死亡率
|
男性
|
76.4
|
0.5
|
0.5
|
1.5
|
4.6
|
15.2
|
69.2
|
339
|
2087
|
4317
|
女性
|
62.7
|
0.3
|
0.5
|
0.9
|
1.9
|
5.6
|
22.4
|
144
|
934
|
2291
|
総数
|
69.4
|
0.4
|
0.5
|
1.2
|
3.2
|
10.3
|
44.6
|
249
|
1291
|
2787
|
分類
発症の場
原因
病理
- 上気道から連続的に下気道へ、あるいは、直接下気道に及んでいる。炎症は上皮に包まれた管腔内
肺炎の比較
ガイドライン
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- atypical
- 関
- 異型、非定型性、非定型的
[★]
- 英
- typical
- 関
- 定型的、典型、典型的