- 英
- tricuspid insufficiency tricuspid incompetence TI
- 同
- 三尖弁逆流症 tricuspid regurgitation TR 三尖弁逆流 tricuspid valve regurgitation
- 三尖弁閉鎖不全 三尖弁閉鎖不全症
- 関
- 三尖弁、先天性三尖弁閉鎖不全症
概念
- 三尖弁位で収縮期に右室から右房へ血液の逆流が生じる疾患。
病因
身体所見
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/03 17:12:24」(JST)
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心臓弁膜症のデータ |
ICD-10 |
I05-I08, I34-I39 |
統計 |
出典: |
世界の患者数 |
人
(20xx年xx月xx日) |
日本の患者数 |
人
(20xx年xx月xx日) |
学会 |
日本 |
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世界 |
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心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう、英: valvular disease of the heart)は、心臓にある4つの弁のうちのひとつまたは2つ以上が機能障碍を起こす疾患の総称である。弁膜性心疾患と呼ぶ場合もある。
目次
- 1 概要
- 2 原因
- 3 種類
- 3.1 大動脈弁領域の疾患
- 3.1.1 大動脈弁狭窄症
- 3.1.2 大動脈弁閉鎖不全症
- 3.2 肺動脈弁領域の疾患
- 3.2.1 肺動脈弁狭窄症
- 3.2.2 肺動脈弁閉鎖不全
- 3.3 三尖弁領域の疾患
- 3.3.1 三尖弁狭窄症
- 3.3.2 三尖弁閉鎖症
- 3.3.3 三尖弁閉鎖不全症
- 3.4 僧帽弁領域における疾患
- 3.4.1 僧帽弁狭窄症
- 3.4.2 僧帽弁閉鎖不全症
- 4 統計
- 5 合併症
- 6 治療
- 7 診療科
- 8 各国において
- 9 関連項目
|
概要[編集]
ヒトの心臓は内部が4つの部屋(心房・心室)に分かれている。各部屋の出口には膜でできた弁があり、血液の逆流を防いでいる。この弁が何らかの原因によって硬化もしくは破損すると、血液の通過障害や逆流が起きる。これが心臓弁膜症である。心臓には4つの弁があり、障害される弁によって出現する症状が異なる。
原因[編集]
種類[編集]
大動脈弁領域の疾患[編集]
大動脈弁狭窄症[編集]
詳細は「大動脈弁狭窄症」を参照
大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう; AS)は、左心室から大動脈へ血液を流す大動脈弁が狭まった病気。
- 病態
- 狭まった大動脈弁に血液を通そうとして左心室が頑張り過ぎて左心室に負担が掛かる。左心室に負担が掛かる事を左室負荷という。
- 分類
- に分けられる。
- 統計
- 先天性 (ICD-10: Q23.0)
- 後天性 (ICD-10: I35.0)
- 治療
- 手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術では石灰化など器質的変化の強い大動脈弁を人工弁に取り替える。開胸術による弁置換が一般的である。
大動脈弁閉鎖不全症[編集]
詳細は「大動脈弁閉鎖不全症 」を参照
大動脈弁閉鎖不全症(だいどうみゃくべんへいさふぜんしょう; AR)は、大動脈弁が締まり切らない病気。
- 病態
- 拡張期に血液が大動脈から左心室に逆流してくるために、拡張期に開くはずの僧帽弁をこの血流が押して、相対的僧帽弁狭窄が生じる。
- 分類
-
- 梅毒性 (ICD-10: A52.0)
- リウマチ性 (ICD-10: I06.1)
- (ICD-10: I35.1)
- 先天性 (ICD-10: Q23.1)
- に分けられる。
- 検査
- 身体基本検査
-
- 聴診
- III音 : 拡張早期に大動脈から勢いよく逆流して来た血液が心室壁を振動させる事で生じる。
- オースチン・フリント雑音(Austin-Flint雑音) : 狭窄させられた僧帽弁を血液が通過する際に生じる雑音。
肺動脈弁領域の疾患[編集]
肺動脈弁狭窄症[編集]
詳細は「肺動脈弁狭窄症」を参照
肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう; PS)は、肺動脈弁が狭まった病気。
- 病態
- 狭まった肺動脈弁に血液を通そうとして右心室が頑張り過ぎて右心室に負担が掛かる。右心室に負担が掛かる事を右室負荷という。
- 分類
-
- 先天性 (ICD-10: Q22.1)
- 後天性 (ICD-10: I37.0)
- に分けられる。
- 症状
- 右室負荷によって右室の壁が厚くなる。右室の壁が厚くなる事を右室肥大と言う。
- 治療
- 右室圧が上昇してきたら手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行う。この血管内カテーテル手術は経皮的バルーン肺動脈形成術と言い、中心静脈からカテーテルを入れて、順行性に右心房、右心室、肺動脈へ向かい、バルーン(蒸留水で満たした風船)を膨らませてたり、ステント(金属等の網で出来た筒)を置いて狭まった部分を広げて、肺動脈弁を修復する。
肺動脈弁閉鎖不全[編集]
詳細は「肺動脈弁閉鎖不全症」を参照
肺動脈弁閉鎖不全症(はいどうみゃくべんへいさふぜんしょう: PR)は、肺動脈弁が締まり切らない病気。
三尖弁領域の疾患[編集]
三尖弁狭窄症[編集]
三尖弁狭窄症(さんせんべんきょうさくしょう: TS)は、三尖弁が狭まった病気。
-
- 概要
-
- 器質的; 右心房から右心室へ向かう血流が、三尖弁の狭窄により阻害される。
- 機能的; 三尖弁通過血流の相対的な増加により、三尖弁通過不全状態となる。
- 病態
-
- 器質的; 肺動脈および肺へ供給される血流が減少する。また右心房では血流が停滞し、右心房圧が上昇する。
- 機能的; 原疾患による症状が主。
- 治療
- 症状が軽度であれば、内服薬での治療を行う。重症であれば、内科的なカテーテル治療や外科的な切開・形成・弁置換などが行われることもある。
三尖弁閉鎖症[編集]
詳細は「三尖弁閉鎖症」を参照
三尖弁閉鎖症(さんせんべんへいさしょう: TA; ICD-10: Q22.4)は、右心房から右心室へ血液を流す三尖弁が閉じている先天性の病気。
-
- 概要
- 右心房から右心室への血流が途絶するためこのままでは出生出来ないが、心房中隔欠損症を合併することが多くここで右左短絡を生じ、さらに動脈管開存症等の左右短絡を合併すると、両循環が成立して出生できる。
- 病態
- 大きな右左短絡から大きな左室負荷が掛かり左室肥大を来たし、右左短絡からチアノーゼを来たす。チアノーゼ性心疾患の一つ。
- 治療
- 外科的治療を行う。手術は、フォンターン手術(Fontan手術)と言い、未発達の右心室を経由せず右心房から肺動脈へ直接血液を流すように吻合する。
三尖弁閉鎖不全症[編集]
詳細は「三尖弁閉鎖不全症」を参照
三尖弁閉鎖不全症(さんせんべんへいさふぜんしょう: TR)は、右心房から右心室へ血液を流す三尖弁の閉鎖不全により血液が逆流する病気。
- 病態
- 心室が収縮時に右心室から肺動脈へ駆出するだけでなく、右心房にも逆流してしまうため、右心房にも負荷がかかるし、無駄な血流を補うだけ右心室も頑張らないといけないため右心負荷もかかる。
- 症状
- 右心不全により静脈血が心臓へ戻りにくくなるため、下肢の浮腫や経静脈の怒張、肝臓の腫大がみとめられる。
- 分類
-
- リウマチ性 (ICD-10: I07.1)
- 非リウマチ性 (ICD-10: I36.1)
- に分けられる。
僧帽弁領域における疾患[編集]
僧帽弁狭窄症[編集]
詳細は「僧帽弁狭窄症」を参照
僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう: MS)は、左心房から左心室へ血液を流す僧帽弁が狭まった病気。
- 病態
- 肺循環から戻ってきた血液が左房で鬱滞し、左房に負荷が掛かる。
- 分類
-
- (ICD-10: I05.0)
- 非リウマチ性 (ICD-10: I34.2)
- 先天性 (ICD-10: Q23.2)
- に分けられる。
- 治療
- 手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行う。血管内カテーテル手術は、大腿動脈からカテーテルを入れて、逆行性に大動脈、心室と向かい、僧帽弁を修復する。
僧帽弁閉鎖不全症[編集]
詳細は「僧帽弁閉鎖不全症」を参照
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう: MR)は、僧帽弁が締まり切らない病気。
- 検査
-
- 身体基本検査
- 聴診
- III音 : 収縮期に心房へ逆流していた血液の分だけ拡張早期に心房から勢いよく血液が心室壁を振動させる事で生じる。
- 分類
-
- リウマチ性 (ICD-10: I05.1)
- (ICD-10: I34.0)
- 先天性 (ICD-10: Q23.3)
- に分けられる。
統計[編集]
リウマチ治療の進歩によって本症に至る症例は減ってきている。
合併症[編集]
治療[編集]
- 手術
- 開心術(弁置換術、弁形成術)
- 血管内カテーテル手術
診療科[編集]
各国において[編集]
日本[編集]
- 社会的影響
- 本症を取り上げた作品に橋本紡の小説(ライトノベル)「半分の月がのぼる空」がある。アニメ化及び実写ドラマ化もされ、また実写映画が2010年に公開された。
関連項目[編集]
心血管疾患 |
|
疾患 |
|
心疾患
|
不整脈
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徐脈性
|
洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
|
|
頻脈性
|
上室性
|
洞性頻脈 | 心房細動 | 心房粗動 | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
|
|
心室性
|
心室細動 | 心室頻拍
|
|
|
|
虚血性心疾患
|
狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症
|
|
弁膜性心疾患
|
僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症
|
|
先天性心疾患
|
心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖
|
|
心内膜・心筋
・心膜疾患
|
心内膜疾患
|
感染性心内膜炎
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心膜疾患
|
心膜炎(急性心膜炎 · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
|
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心筋疾患
|
心筋症(特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎
|
|
|
心臓腫瘍 | 心臓神経症 | 心臓性喘息 | 肺性心
|
|
|
血管疾患
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動脈
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動脈硬化 | 大動脈瘤 | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群 | 動静脈瘻 | 閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | レイノー病
|
|
静脈
|
静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
|
|
|
|
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全
|
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血圧異常
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高血圧
|
本態性高血圧症 | 二次性高血圧 | 悪性高血圧症
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低血圧
|
|
|
心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
|
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|
|
所見・検査 |
|
血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査
|
|
|
治療 |
|
外科的治療
|
冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
|
|
内科的治療
|
心臓作動薬
|
抗不整脈薬
|
Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
|
|
心不全治療薬
|
利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
|
|
狭心症治療薬
|
交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
|
|
|
血管作動薬
|
高血圧治療薬
|
利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
|
|
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|
|
|
循環器系の正常構造・生理 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 三尖弁閉鎖不全症犬において右心内圧と血中ANPならびにNT-proBNP濃度を測定した1例
- 堀 泰智,村上 春翔,佐藤 千早,中川 明奈,三浦 弘,菊池 元宏,大浪 洋二
- 動物の循環器 = Advances in animal cardiology 42(2), 37-42, 2010-05-01
- NAID 10026984458
- 大屋 聖郎,則尾 弘文,岸川 政信
- 日本外傷学会雑誌 = Journal of the Japanese Association for the Surgery of Trauma 24(1), 37-41, 2010-01-20
- NAID 10026098868
- 僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症ならびに腎機能障害を併発している犬の1例
- 粟津 孝子
- 獣医麻酔外科学雑誌 = Japanese journal of veterinary anesthesia & surgery 39, 149, 2008-12-20
- NAID 10025098023
Related Links
- 2010年3月1日 ... 軽度・中等度の三尖弁閉鎖不全では症状はほとんどありませんので、聴診や心エコー 図検査でたまたま見つかることも ... 三尖弁の形態が観察できるため、心奇形の有無、 弁輪拡大、弁逸脱など閉鎖不全症を起こしている原因も診断できます。 ...
- 三尖弁閉鎖不全症(さんせんべんへいさふぜんしょう: TR)は、右心房から右心室へ血液 を流す三尖弁の閉鎖不全により血液が逆流する病気。 病態: 心室が収縮時に右心室 から肺動脈へ駆出するだけでなく、右心房にも逆流し ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 79歳の男性。呼吸困難のため搬入された。10年前から高血圧症、脂質異常症および2型糖尿病で加療中である。1年6か月前に急性心筋梗塞を発症し、左前下行枝の完全閉塞に対しカテーテル治療を施行された。その後、抗血小板薬、利尿薬およびβ遮断薬を投与され、日常生活で心不全の症状を認めなかった。数日前から労作時の息切れを自覚し、数時間前から安静時にも強い呼吸困難を生じたため救急搬送された。意識は清明。脈拍 104/分、整。血圧 154/102mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。心尖部を最強点とするIV/VIの収縮期雑音を聴取する。両側の胸部にcoarse cracklesとwheezesとを聴取する。血液生化学所見:AST 22IU/L、ALT 19IU/L、LD 218IU/L(基準 176~353)、CK 52IU/L(基準 30~140)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) 952pg/mL(基準 18.4以下)。胸部エックス線写真(別冊No. 5A)と心エコー図(別冊No. 5B)とを別に示す。
- 呼吸困難の原因として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B047]←[国試_109]→[109B049]
[★]
- 2か月前に歯科治療を受けた。1か月前から連日37℃台の発熱があり、近医で抗菌薬による治療を受けていた。2週前から労作時の息切れが出現するようになった。
- 意識は清明。身長160cm、体重45kg。体温38.3℃。脈拍96/分、整。血圧88/52mmHg。顔色不良。心尖部に4/6度の収縮期雑音を聴取する。
- 血液所見:赤血球340万、Hb9.8g/dl、Ht32%、白血球12,000(桿状核好中球12%、分葉核好中球65%、単球7%、リンパ球16%)、血小板8万。心エコー図を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G019]←[国試_099]→[099G021]
[★]
- 10歳の女児。運動中の失神を主訴に来院した。3か月前から動悸と息切れとを感じていた。意識は清明。チアノーゼは認めない。左前胸部が膨隆している。胸骨左緑第2肋間に収縮期クリックを聴取し、II音の分裂は狭く肺動脈成分は亢進している。同部位に拡張期漸減性雑音を聴取する。心電図は右室肥大を示す。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G018]←[国試_101]→[101G020]
[★]
- 38歳の女性。労作時息切れを主訴に来院した。幼少時に先天性僧帽弁狭窄症と診断され、経過観察されていた。1年前から買い物で長時間歩くと息切れを自覚していた。最近は家事でも息切れを生じるようになってきた。今回、精査の結果で人工弁置換術を施行する予定となった。
- 人工弁の種類(生体弁または機械弁)の選択において考慮すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109G056]←[国試_109]→[109G058]
[★]
- 34歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。意識は清明。身長185cm、体重58kg。脈拍92/分、整。血圧162/48mmHg。四肢は細長く、口蓋は高い。胸骨左縁第4肋間に3/6度の収縮期・拡張期(to and fro)雑音を聴取する。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A020]←[国試_099]→[099A022]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099D079]←[国試_099]→[099D081]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B071]←[国試_101]→[101B073]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H024]←[国試_096]→[096H026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E024]←[国試_099]→[099E026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F025]←[国試_101]→[101F027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B072]←[国試_101]→[101B074]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106B031]←[国試_106]→[106B033]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103I008]←[国試_103]→[103I010]
[★]
- 英
- heart murmur, cardiac murmur
- 関
- 拡張期雑音、過剰心音、レヴァイン分類
収縮期雑音 systolic murmur
拡張期雑音 diastolic murmur
continuous murmur
- 連続的な圧較差の存在を示唆する
- A. continuous:動脈管開存症 PDA:肺動脈弁領域。動脈管を流れる血流と雑音が比例するので、S2に向かって大きくなり、S1に向かって小さくなる。
- B. to-and-fro: AS + AR, PS+ PR :S1~(収縮期:AS,PSによる駆出性雑音。ダイアモンド型)~S2, S2~(拡張期:MR,PRによる逆流性雑音。decrescendo)~S1 S1に向かって小さくなるので、連続音とは区別できるはず。
手技見えp.116
- 僧帽弁開放音(OS):MS
- 収縮中期クリック:MVP
- 拡張期ランブル + 前収縮期雑音:MS
- 拡張期灌水様雑音/拡張期逆流性雑音:AR、PR
- 収縮期逆流性雑音:心尖部:MR
体位との関係
呼吸との関係
右心系:三尖弁の雑音
- 吸うとき強く、吐くとき弱く
- 吸うと胸腔内圧が陰圧になり、静脈還流量が増加する
左心系:僧帽弁、大動脈弁の雑音
- 吸うとき弱く、吐くとき強く
- 胸腔内圧が上昇すると、肺から心臓に向かう血流が増加する(ホントニか?)ので、左心系の雑音が増強するのだ???????????
手技との関連
疾患別
MS
- 概念:拡張期ランブル
- 時相:拡張中期(open snap)に続いて。
- 最強点:心尖部
- 放散:
- 体位:左側臥位
- 音程:低音
MR
- 概念:収縮期逆流性雑音
- 最強点:心尖部
- 放散:左腋窩
- 体位:左側臥位
- 呼吸:呼気
- 音程:高音
AS
- 概念:収縮期駆出性雑音
- 最強点:2LSB
- 放散:右鎖骨下動脈、右頚動脈
- 体位:座位
- 呼吸:呼気
AR
- 概念:拡張期灌水様雑音
- 時相:拡張期
- 特徴:呼気で増強
- 最強点:3LSB
- 放散:
- 体位:座位前屈位
- 音程:高音
MVP
- 概念:収縮期逆流性雑音
- 時相:収縮期中期。クリック音の後から。
- 音程:高音 ← 圧較差が大きいため
ASD
- 概念:駆出期駆出性雑音
- 最強点:2LSB
- 放散:
- 体位:
VSD
病態特異的な心雑音
[★]
- 英
- pulmonary hypertension, PH
- 関
- 原発性肺高血圧症
定義
- 1. 原発性肺高血圧症:肺動脈平均圧≧25mmHg
- 2. 二次性肺高血圧症:肺動脈平均圧≧20mmHg
- 健常者では、安静臥位にて平均肺動脈圧は15mmHgを超えず,加齢による上昇を考慮しても20mmHg以上にはならない
- 従って、一般には、安静臥位での平均肺動脈圧が25mmHgを超える場合、また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性間質性肺炎といった肺疾患、睡眠時無呼吸症候群、肺胞低換気症候群では平均肺動脈圧が20mmHgを超える場合に、肺高血圧症と診断される。
病態生理
膠原病に伴う肺合併症
- IMD.722
|
SLE
|
RA
|
PSS
|
PM/DM
|
MCTD
|
SjS
|
肺高血圧症
|
+
|
±
|
+++
|
±
|
+
|
ー
|
- 強皮症が最も高頻度で、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病が次ぐ
検査
- 血液検査:肺高血圧の診断はできないが、重症度の判定、臨床経過の評価、基礎疾患の診断のためには行われる。重症化して、右心負荷や右心不全が生じると、BNPやNT-proBNP、UAが上昇する。また、うっ血肝を来すとトランスアミナーゼの上昇を認めるようになる。
[show details]
- 右室肥大の所見
- II誘導に巨大なP波を認め、右房負荷が示唆される(肺性P)。I,aVFから右軸偏位が示唆される。V1-3?でストレインパターン。V1で若干Rが高い。
ガイドライン
- Guidelines Pulmonary Hypertension JCS2006.pdf
- 肺高血圧症治療ガイドライン(2006年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_nakano_h.pdf
国試
[★]
- 英
- Ebstein's anomaly Ebstein anomaly
- 同
- エブシュタイン奇形, Ebstein奇形
[show details]
まとめ
- 三尖弁中隔尖・後尖の右室内への変異により、右室の狭小化、三尖弁閉鎖不全症(TR)を来し、さらに合併する心房中隔欠損・卵円孔開存により右左シャントをしめし、またWPW症候群合併による発作性頻拍を伴うこともある。乳児から心不全を呈する場合、予後は不良である。軽度の場合、手術は不要であるが、心不全を来した場合、三尖弁形成術・三尖弁置換術を行う。(SSUR.378 YM.C-127)
概念
- 三尖弁、右室心筋形成異常
- 三尖弁中隔尖と後尖が右室内で下方へ変位し、その部分の心筋形成異常、右室の狭小化、三尖弁閉鎖不全症、心房中隔欠損症を伴う先天性心奇形(PED.926)
検査
心電図
- 巨大P波、PR延長、WPW症候群の合併、完全右脚ブロック(YN.C-127)
病態
- 三尖弁閉鎖不全症、右室の狭小化による右室拍出力低下、心房中隔・卵円孔開存による右左シャント、WPW症候群
症状
- 胎児期新生児早期発症例:機能不十分な右室に生理的肺高血圧による後負荷 → TRによる逆流増加 → 呼吸不全・心不全 → 予後不良
- 新生児期以降発症:軽度のチアノーゼ、運動能力低下を認めるのみで、無症状のことも → 成人になるにつれ右室拡張期圧↑ → 右房圧↑ → 不整脈、動悸、運動時の息切れ、易疲労感、チアノーゼ(右→左シャントがあるとき)
YN.C-127
- 右心不全、チアノーゼ(40-70%)、(WPW症候群による発作性)上室性頻拍(25%)
治療
- 軽症例の場合は手術適応とならない。チアノーゼ、心拡大、心不全が強い場合に手術適応(YN.C-127)。
手術療法
- 新生児:
- 成人:三尖弁形成術(予後良い)、三尖弁置換術
YN.C-127
- 新生児:三尖弁入口を自己心膜で閉鎖、将来Fontan手術。
- 幼児以降:三尖弁形成術、心房中隔欠損閉鎖術
[★]
- 英
- pansystolic murmur, holosystolic murmur
- 同
- 全収縮期雑音
- 関
- 収縮期雑音
- 収縮期が始まるとMRの場合は左室圧が左房圧を、TRの場合は右室圧が右房圧を、VSDの場合は左室圧が右室圧をすぐに上回る。このために雑音はcrescendoで始まらずに、最初からmaxの強さでpansystolic murmurが聴取される。(PHD.41)
[★]
- 英
- systolic murmur SM、systolic bruit
- 関
- 収縮期性心雑音、収縮期心雑音、腱索断裂、心雑音
収縮期雑音 systolic murmur
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- 英
- tricuspid valve (Z), TV
- ラ
- valva tricuspidalis
- 同
- 右房室弁 right atrioventricular valve valva atrioventricularis dextra
- 関
- 房室弁
臨床関連
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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- 関
- 機能不全、失敗、不十分、不全症、不足、無能、無能力、弁閉鎖不全、弁閉鎖不全症、機能不全症
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- 英
-
- 関
- 機能不全、逆流、不十分、不全、不全症、不足、逆流症、閉鎖不全症、弁閉鎖不全症、機能不全症
[★]
- 英
- failure、insufficiency、(ラ)imperfecta
- 関
- 機能不全、失敗、不十分、不全、不足、弁閉鎖不全、弁閉鎖不全症、機能不全症
[★]
- 英
- closure
- 同
- 縫合