- 英
- heart malformation, cardiac anomaly
- 関
- 先天性心疾患
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先天性心疾患(せんてんせいしんしっかん、英Congenital heart desease、Congenital heart defect)とは、胎生期から乳児期においての心臓・大動脈系等における形成異常の総称[1]。
疾患
一般に以下の疾患がある。
- 心室中隔欠損症(VSD)
- 心房中隔欠損症(ASD)
- 心内膜床欠損症(ESD)
- 動脈管開存症(PDA)
- 両大血管右室起始症(DORV)
- 両大血管左室起始症(DOLV)
- 左心低形成症候群(HLHS)
- 右心低形成症候群(HRHS)
- エプスタイン奇形
- ファロー四徴症(ToF)
- 大血管転位(TGA):左旋性大血管転位(l-TGA)、右旋性大血管転位(d-TGA)
- 大動脈縮窄(CoA):大動脈縮窄複合(CoA-complex)、単純性大動脈縮窄(simple-CoA)
分類
臨床的には古典的にチアノーゼを生じるか否かで以下のように分類されることが知られている。
チアノーゼ性
- エプスタイン奇形、左心低形成症候群、ファロー四徴症等
非チアノーゼ性
脚注
- ^ “先天性心疾患”. 札幌厚生病院循環器科 (2008年6月3日). 2010年1月16日閲覧。
関連項目
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先天性心疾患
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血圧異常
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末梢血管手術
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内科的治療
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循環作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(en)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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Japanese Journal
- S7-6. 複雑心奇形を合併した先天性気管狭窄症3例の治療経験(シンポジウム7「TEF」,小児外科集中治療の新しい展開,第28回日本小児外科学会秋季シンポジウム)
- 小森 広嗣,廣部 誠一,新井 真理,東間 未来,山本 裕輝,宇戸 啓一,大場 豪,加藤 源俊,小林 真史,清水 直樹,鎌形 正一郎
- 日本小児外科学会雑誌 48(6), 912-913, 2012-10-20
- NAID 110009544275
- 5. 先天性心疾患(<特集>日本の心臓・大血管外科レベルは欧米を超えているか?)
- 16. 心奇形,無脾症に発症した胃軸捻転症,膵位置異常の1例(一般演題,第46回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
Related Links
- <はじめに> 出生時に見出される先天奇形の頻度は約3%といわれています。心奇形は先天奇形の中で最も頻度が高く、約1%(生産児100人に1人)といわれています。生後1年以内に治療が必要となる重症心奇形はその1/3-1/2で、生 ...
- 先天性心奇形 もちろん、小児外科医が心臓の手術をできる必要はありません。しかし、相当高いレベルの知識を身につけるべきであると僕は考えます。日本小児外科学会には小児心臓外科医が含まれていますし、海外の小児外科手術書 ...
- 更に心奇形の病型別頻度を表にすると次のとおりです。 しかしながら、データが14年前のものであるので、今日の出生割合は若干変化してきている可能性はあります。
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★リンクテーブル★
[★]
- 30歳の女性。妊娠27週。腹痛を主訴に来院した。超音波断層法で羊水過多症と胎児発育遅延とが認められ、さらに胎児心奇形と胎児頭蓋内の異常とを指摘された。内診で子宮ロは2cm開大しており、子宮収縮が3分おきにみられる。出血はなく、破水はしていない。
- 処置として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A019]←[国試_104]→[104A021]
[★]
- 母体の感染と胎児・新生児疾患の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F070]←[国試_101]→[101F072]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106I001]←[国試_106]→[106I003]
[★]
- 妊娠30週の胎児診断の組合せで適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101B089]←[国試_101]→[101B091]
[★]
[★]
- 英
- tetralogy of Fallot TOF ToF TF
- 同
- (国)Fallot四徴症
- 関
- 先天性心疾患、心奇形
まとめ
- 肺動脈狭窄、心室中隔欠損、大動脈騎乗、右室肥大が四徴とされており、漏斗部中隔が右前方へ偏位したために生じた大きな心室中隔欠損と漏斗部狭窄が病態の核心である。出生後は体重増加正常であるが、生後数ヶ月後より徐々にチアノーゼが出現、次第に増悪していく。無酸素発作が出現するようになり、小児期には蹲踞の姿勢をとるようになる。聴診上、2-3LSBに駆出性雑音を聴取、またII音は単一II音として聴取される。低酸素血症の持続により、バチ指、多血症、鉄欠乏性貧血を来す。治療は鉄欠乏性貧血に対して鉄材内服、無酸素発作に対して胸膝位、酸素投与、モルヒネ、βブロッカーとし、予防的にβブロッカーを投与する。手術療法としては1歳頃までに頻回の失神発作、無酸素発作をきたす例に対して、Blalock-Taussig手術を施行、1-3歳頃に根治的に心内修復術(心室中隔欠損の閉鎖、肺動脈の拡張/右室流出路形成)を行う。合併症として脳血栓、脳膿瘍、感染性心内膜炎に留意する。(文献(2) YN.C-121 SPE.452)
原因
- 発生の過程で、円錐動脈管中隔(漏斗中隔)が前方に変位 → 円錐の不等分割 (L.225)
- 22q11の微少な欠損が関係する (PHD.391)
- 22q11.2欠失症候群 CATCH22
四徴
病態
肺動脈狭窄
- (左室の心筋収縮による駆出圧が、心室中隔欠損により右室壁に加わる)
PSと大動脈騎乗を伴う心室中隔欠損
疫学
- 9.6/10000出生。 5/10,000 live births(PHD.391)
- 心奇形を合併しうる (PHD.391)
症状
- 息切れ、易刺激性、チアノーゼ、頻呼吸、ときに失神、痙攣。無酸素発作
- 運動時、食事、哺乳 → 全身の血管が拡張 → 肺血管抵抗 >> 全身血管抵抗 → ↑右左シャント → チアノーゼ
- 子供は全身の血管抵抗を上げるためにしゃがむようになる(蹲踞)。大腿の血管が圧排されて全身血管抵抗が上がる → ↓右左シャント → ↓チアノーゼ
- 中心性チアノーゼ(生後2-3ヶ月) → 無酸素発作(生後6ヶ月) → 蹲踞の姿勢(2歳以降)
- 無酸素発作/低酸素発作:生後、3-4ヶ月移行、急に多呼吸になりチアノーゼが増強。呼吸困難、意識消失を来す。午前中の覚醒時に起きることが多い。右室流出路狭窄の増強が引き金となり、肺血流の低下が起こる。3ヶ月頃から出現。
身体所見
聴診 PHD.393
- RV heave:右室肥大
- 単一II音 ← 肺動脈への駆出路が狭窄しており、かつ肺動脈弁は低形成であるためP2成分は小さく聴取できない。そのためA2成分のみS2として聴くことになる。
- 左右の胸骨縁に収縮期雑音:右室の駆出路で乱流が発生することで生じる(肺動脈までの流路が狭窄しているから)
-
- 心室中隔欠損症 VSDによる雑音は生じない。欠損している部分が大きすぎるため
検査
胸部単純X線写真
- 心陰影は正常/やや小さい ← 拡大はない
- 木靴心:左第二弓陥凹、左第四弓突出
- 肺血管陰影の減弱
心エコー
[show details]
心電図
- 右室肥大所見(high RV1, deep SV6)
心カテーテル検査
右室造影
治療
内科療法
- 多血症:Ht>60%で注意、>70%で危険なので、瀉血を行う。 (PED.919)
薬物療法
- 鉄欠乏性貧血、無酸素発作の予防が目的。
- 無酸素発作:(治療)胸膝位、酸素投与、モルヒネ、βブロッカー、アシドーシス補正の補液。(予防)βブロッカー ⇔ 禁忌:β刺激薬 → 漏斗部狭窄(肺動脈弁下狭窄)を増強させてしまう
- 治療
- βブロッカー:右室流出路狭窄の改善
- モルヒネ:鎮静、漏斗部のspasm解除。
末梢血管の拡張、静脈還流量減少? ← 塩酸モルヒネ/ペチロルファンを用いる(PED.918)
- アシドーシス補正の補液:重炭酸を含む輸液
- 予防
- 塩酸プロプラノロール/塩酸カルテオロール (PED.918)
手術療法
- 新生児期において動脈管依存性の重症例では、プロスタグランジンE1の持続投与を行い、ブラロック・タウシグ手術(Blalock-Taussig手術)を行う。(ガイドライン1)。
- 動脈管非依存性の場合、1歳頃に頻回の失神発作、無酸素発作をきたす例に対して(YN.C-122)、内科的に無酸素発作のコントロールが困難な症例や著しい肺動脈低形成に対してブラロック・タウシグ手術を行う(ガイドライン1)。
- 1-2歳(ガイドライン1)/1-3歳(YN.C-122)頃に、根治的に心内修復術(心室中隔欠損の閉鎖、肺動脈の拡張/右室流出路形成)を行う。
合併症
ガイドライン
- 1. 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf
国試
症例
- 2歳男児。運動後にチアノーゼが見られるため来院した。家族の話によると、うずくまっていることが多くなってきたという。胸骨左縁第2肋間に駆出性収縮期雑音を聴取する。
[★]
- 関
- 糖尿病、083A022、妊娠糖尿病
母体糖尿病による先天奇形
- PED.234
- 母体糖尿病による先天奇形は発生の初期におこる
- 若年糖尿病妊婦における先天奇形の発生率:10% (一般人口の3倍のリスク)
- 母体のHbA1cと先天奇形の発生率の間には相関関係がある。(HbA1c≧10%の群では奇形発生率が20%を超える)
- 尾部退行症候群の発生率が高い。心奇形、中枢神経奇形、腎奇形が高頻度。
[★]
- 英
- congenital heart disease
- 関
- 先天性心疾患
[★]
- 英
- fetal cardiac anomalies
- 関
- 心奇形
[★]
- 英
- form、shape、figure、appearance
- 関
- 型、外見、形式、形成、形態、杢、出現、図、品種、編成、見かけ、形をとる、フォーム、外観、成立、様子、形づくる
[★]
- 英
- malformation (L), anomaly, deformity, teratism
- 関
- 先天異常、先天奇形