- 英
- lisinopril
- 商
- アスラーン、ゼストリル、リシトリル、ロコプール、ロンゲス、ロンゲリール
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 血漿交換療法が奏効した巣状分節性糸球体硬化症の1例
- 日本小児腎臓病学会雑誌 = Japanese journal of pediatric nephrology 23(1), 47-52, 2010-04-15
- NAID 10026412157
- アンギオテンシン変換酵素阻害薬リシノプリルによって低ナトリウム血症, 横紋筋融解症を来たした1症例
- 日本集中治療医学会雑誌 = Journal of the Japanese Society of Intensive Care Medicine 13(3), 263-264, 2006-07-01
- NAID 10018810620
Related Links
- ゼストリル,ロンゲスとは?リシノプリルの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ られる(おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
*ロンゲリール錠5mg
1錠中リシノプリル水和物5.45mg(リシノプリルとして5mg)を含有する。
添加物としてD-マンニトール,リン酸水素カルシウム,アルファー化デンプン,ヒドロキシプロピルセルロース,カルメロースカルシウム,タルク,ステアリン酸マグネシウムを含有する。
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫,遺伝性血管浮腫,後天性血管浮腫,特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]
- デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。(「相互作用」の項参照)]
- アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシー様症状を発現することがある。(「相互作用」の項参照)]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 高血圧症
- 下記の状態で,ジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合
- 慢性心不全(軽症〜中等症)
高血圧症
- 通常,成人にはリシノプリルとして10〜20mgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では5mgから投与を開始することが望ましい。
慢性心不全(軽症〜中等症)
- 本剤はジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤と併用すること。
通常,成人にはリシノプリルとして5〜10mgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,腎障害を伴う患者では初回用量として2.5mgから投与を開始することが望ましい。
- クレアチニンクリアランスが30mL/分以下,又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では,投与量を半量にするか,もしくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。[排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。(「慎重投与」の項参照)]
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 重篤な腎機能障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
- 脳血管障害のある患者[過度の血圧低下により病態を悪化させるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
血管浮腫(頻度不明)
- 呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,アドレナリン注射,気道確保等適切な処置を行うこと。
腹痛,嘔気,嘔吐,下痢等を伴う腸管の血管浮腫があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
急性腎不全(頻度不明)
- 急性腎不全があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(頻度不明)
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。
膵炎(頻度不明)
- 膵炎があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),天疱瘡様症状(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),天疱瘡様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
溶血性貧血,血小板減少(頻度不明)
- 溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸(頻度不明)
- AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,ごくまれに肝不全に至った症例が報告されている。
*抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
- 低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- リシノプリルはアンジオテンシン変換酵素を阻害することにより,アンジオテンシンIIの産生を抑制する。アンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用とアルドステロン分泌促進により血圧を上昇させる生体内物質であるから,これの産生を抑制することにより血圧を低下させる。なお,アンジオテンシン変換酵素はブラジキニンの分解酵素キニナーゼIIと同一の酵素であるので,本薬はブラジキニンの分解を抑制する。従って,ブラジキニンの血管拡張作用も本薬の降圧に関与すると共に,副作用である咳嗽にも関与すると考えられている。心不全に対する効果も認められるが,これは後負荷の軽減と共に,心不全に伴う心筋のリモデリングを抑制して心肥大の発現と進展を改善することも示唆されている。7)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- リシノプリル水和物(Lisinopril Hydrate)
化学名
- (2S)-1-{(2S)-6-Amino-2-[(1S)-1-carboxy-3-phenylpropylamino]hexanoyl}pyrrolidine-2-carboxylic acid dihydrate
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末で,わずかに特異なにおいがある。
水にやや溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 英
- angiotensin-converting enzyme inhibitor angiotensin converting enzyme inhibitor , ACE inhibitor, ACEI
- 同
- アンジオテンシン変換酵素阻害剤 アンギオテンシン変換酵素阻害薬 アンギオテンシン変換酵素阻害剤 アンジオテンシン転換酵素阻害薬、ACE阻害薬 ACE阻害剤 ACE inhibitor、アンギオテンシン変換酵素拮抗薬, アンギオテンシン変換酵素拮抗薬, angiotensin-converting enzyme antagonist
- 関
- アンジオテンシン, アンジオテンシン転換酵素 ACE, 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬 アンジオテンシンII受容体拮抗薬 ARB
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
=粉砕可能性
一般名
|
製品名
|
規格
|
剤形
|
用法
|
粉砕
|
アラセプリル
|
セタプリル
|
12.5,25,50
|
錠
|
1日
|
25-75mg
|
1日
|
1-2回分服
|
|
イミダプリル
|
タナトリル
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5-10mg
|
1日
|
1回
|
○
|
エナラプリル
|
レニベース
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5-10mg
|
1日
|
1回
|
|
カプトプリル
|
カプトリル
|
12.5,25
|
錠,細粒
|
1日
|
37.5~75mg
|
1日
|
3回
|
|
キナプリル
|
コナン
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
5~20mg
|
1日
|
1回
|
|
シラザプリル
|
インヒベース
|
0.25,0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.25~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
テモカプリル
|
エースコール
|
1,2,4
|
錠
|
1日
|
1~4mg
|
1日
|
1回
|
|
デラプリル
|
アデカット
|
7.5,15,30
|
錠
|
1日
|
15~120mg
|
1日
|
1-2回分服
|
|
トランドラプリル
|
オドリック
|
0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.5~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
トランドラプリル
|
プレラン
|
0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.5~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
ベナゼプリル
|
チバセン
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5~10mg
|
1日
|
1回
|
|
ペリンドプリル
|
コバシル
|
2,4
|
錠
|
1日
|
2~8mg
|
1日
|
1回
|
○
|
リシノプリル
|
ロンゲス
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
2.5~20mg
|
1日
|
1回
|
○
|
リシノプリル
|
ゼストリル
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
2.5~20mg
|
1日
|
1回
|
○
|
副作用
- 咳嗽:ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、血漿滲出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 高カリウム血症:間接的に血漿中のレニン濃度が低下するためにナトリウム取り込みとカリウム排泄が低下して高カリウム血症を来す
- 低血圧
- 腎不全
空咳の頻度
禁忌
- 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれ。アンジオテンシンIIによる輸出細動脈の収縮作用がblockされ、両腎共に腎血流が減少しているためにGFRの低下を代償できず腎機能の悪化をきたす。
参考
- http://www.naoru.com/ace.htm
- http://kanri.nkdesk.com/drags/arb.php
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
- 英
- chronic heart failure CHF, chronic cardiac failure
- 関
- 心不全
薬物療法
- 以下、左室収縮能不全に対する治療のみ採り上げる
- 左室収縮能不全の原因は非虚血性の拡張型心筋症と虚血性心筋症に大別できる。これらの疾患においては交感神経系とRAA系が賦活化され、進行性の左室拡大と収縮性の低下、すなわちリモデリングが生じ病態の悪化に繋がっていると考えられている。治療の焦点は神経内分泌系の抑制、心不全に伴う症状の緩和である。
- (PHD.244)慢性心不全の治療のゴールは5つある:(1)病因の同定、(2)増悪因子の除去、(3)心不全症状の管理(前方障害、後方障害の軽減)、(4)神経ホルモン系の調節、(5)長期予後の改善
治療に用いられる薬物
- 参考(1))
- 配糖強心薬(ジギタリス)
- 利尿薬:静脈還流量の減少 → 前負荷の軽減 → 左室拡張終期圧低下 → 肺うっ血の改善 → 低血圧誘発がありうる
- 血管拡張薬(vasodilator)
- venous dilator(ex.硝酸薬):静脈のcapacitanceを増加させる。利尿薬と同じ薬理作用。
- arteriolar dilator(ex.ヒドララジン):後負荷を低下させSVを上昇させる。血圧は下がりそうだが、SVが上昇する結果、血圧は軽度低下あるいは保たれる(PHD.246)
- "balanced vasodilator:「アンジオテンシン転換酵素阻害薬」心不全で起こる血管収縮、体液貯留(volume retension)、心室モデリングを防ぎ、回復(reverse)させうる?CHF患者の生命予後改善効果がある(PHD.245,246)。ACE阻害薬は循環血液中のブラジキニンを増加させる。ブラジキニンは心不全の患者において血管拡張という重要な働きをしている(PHD.247)。「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」はACE阻害薬とほぼ同等であり、ACE阻害薬による副作用が問題となる場合に用いる。(PHD.247)。これらの薬剤は腎不全と高カリウム血症が存在する場合には適さない。「nesiritide」human recombinant B-type natriuretic peptide。静注薬。速効で強力な血管拡張、心拍出量増加、RAA系の抑制、利尿作用(PHD.247)
カルシウム拮抗薬:長期に用いると心不全を悪化させる危険があり推奨されない。
- β遮断薬
- 抗アルドステロン薬
- アミオダロン
- 末梢血管拡張薬
- 経口強心薬
- ナトリウム利尿ペプチド:ANP製剤(カルペリチド) → 静注薬しかないので急性心不全の時に用いる。
治療に用いられる薬物名
参考
- 1. 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0049/1/0049_G0000132_0127.html
国試
[★]
- 英
- dibasic calcium phosphate、calcium hydrogen phosphate
- 化
- アスラーン、アムロジピン、アムロジピンOD、アリーゼS配合、アリチア配合、エバスチンOD、ガスペラジン、ガスポート、ガスメット、ガスリック、クエチアピン、サニアーゼ配合、スルカイン配合、セルニルトン、ソファルコン、デプロメール、トラベルミン配合、トリプタノール、パロキセチン、ファモチジン、フェニルアラニン除去ミルク配合、フスコデ配合、フルボキサミンマレイン酸塩、プロモーション、ミルナシプラン塩酸塩、リシノプリル、リン酸水素カルシウム水和物、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合、ロンゲス、ロンゲリール、第二リン灰
- 関
- 無水リン酸水素カルシウム