- 英
- azosemide
- 商
- アゾセリック、ダイアート、ダイタリック
- 関
- 利尿薬、ループ利尿薬
- 健康成人では経口投与後1時間以内に作用が発現し、9時間後まで持続((株)三和化学研究所 社内資料(薬物動態に関する資料))。
- 浮腫患者においては12時間後まで作用が持続した(山田和生 他:基礎と臨床 18(9):4471,1984)。
Japanese Journal
- 心不全治療におけるループ利尿薬の位置づけ : J-MELODIC試験を受けて (AYUMI 利尿薬の最新エビデンス)
- 慢性腎臓病患者における長時間作用型と短時間作用型ループ利尿薬の効果と安全性の検討
- 駒田 敬則,吉田 泉,佐久間 由紀,森 穂波,雨宮 守正,中里 優一,田部井 薫
- 自治医科大学紀要 33, 79-90, 2011-03-01
- … 投与薬剤の順番をランダム化して,アゾセミドまたはフロセミドを,1-2ヶ月毎に交互に投与した。 … その結果,アゾセミド60mgとフロセミド40mgを同等力価と考えて交互に投与した場合,血圧,体重,尿量,尿中Na排泄量に差はなく,血液検査データ,尿中電解質などにも差は無かった。 … 尿蛋白量はアゾセミド投与後に有意に減少した(p=0.0556)。 …
- NAID 110008506955
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ダイタリック錠30mg
組成
成分・含量(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、炭酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、タルク
禁忌
- 無尿の患者[本剤の効果が期待できない。]
- 肝性昏睡の患者[低カリウム血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがある。]
- 体液中のナトリウム、カリウムが明らかに減少している患者[電解質異常を起こすおそれがある。]
- スルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
ダイタリック錠30mg:
- 通常成人1日1回2錠(アゾセミドとして60mg)を経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
ダイタリック錠60mg:
- 通常成人1日1回1錠(アゾセミドとして60mg)を経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
慎重投与
- 進行した肝硬変症のある患者[肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
- 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮をきたし、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
- 重篤な腎障害のある患者[排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがある。]
- 肝疾患・肝機能障害のある患者[肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
- 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者[痛風発作を起こすことがある。糖尿病が悪化することがある。]
- 下痢、嘔吐のある患者[電解質異常を起こすことがある。]
- 手術前の患者[1)昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させるおそれがある。2)ツボクラリン等の麻痺作用を増強するおそれがある。「相互作用」の項参照]
- セファロスポリン系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH、サリチル酸誘導体又は非ステロイド性消炎鎮痛剤の投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
- 減塩療法時の患者[低ナトリウム血症を起こすことがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 小児等(「小児等への投与」の項参照)
- 1.〜11.項は「副作用」の項参照
重大な副作用
電解質異常:
- 低カリウム血症、低ナトリウム血症等の電解質異常があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Chloro-5-(1H -tetrazol-5-yl)-N 4 -(2-thenyl)sulfanilamide
分子式
分子量
融点
性状
- アゾセミドは白色〜黄白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。N 、N -ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。光により徐々に黄色に着色する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- chronic heart failure CHF, chronic cardiac failure
- 関
- 心不全
薬物療法
- 以下、左室収縮能不全に対する治療のみ採り上げる
- 左室収縮能不全の原因は非虚血性の拡張型心筋症と虚血性心筋症に大別できる。これらの疾患においては交感神経系とRAA系が賦活化され、進行性の左室拡大と収縮性の低下、すなわちリモデリングが生じ病態の悪化に繋がっていると考えられている。治療の焦点は神経内分泌系の抑制、心不全に伴う症状の緩和である。
- (PHD.244)慢性心不全の治療のゴールは5つある:(1)病因の同定、(2)増悪因子の除去、(3)心不全症状の管理(前方障害、後方障害の軽減)、(4)神経ホルモン系の調節、(5)長期予後の改善
治療に用いられる薬物
- 参考(1))
- 配糖強心薬(ジギタリス)
- 利尿薬:静脈還流量の減少 → 前負荷の軽減 → 左室拡張終期圧低下 → 肺うっ血の改善 → 低血圧誘発がありうる
- 血管拡張薬(vasodilator)
- venous dilator(ex.硝酸薬):静脈のcapacitanceを増加させる。利尿薬と同じ薬理作用。
- arteriolar dilator(ex.ヒドララジン):後負荷を低下させSVを上昇させる。血圧は下がりそうだが、SVが上昇する結果、血圧は軽度低下あるいは保たれる(PHD.246)
- "balanced vasodilator:「アンジオテンシン転換酵素阻害薬」心不全で起こる血管収縮、体液貯留(volume retension)、心室モデリングを防ぎ、回復(reverse)させうる?CHF患者の生命予後改善効果がある(PHD.245,246)。ACE阻害薬は循環血液中のブラジキニンを増加させる。ブラジキニンは心不全の患者において血管拡張という重要な働きをしている(PHD.247)。「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」はACE阻害薬とほぼ同等であり、ACE阻害薬による副作用が問題となる場合に用いる。(PHD.247)。これらの薬剤は腎不全と高カリウム血症が存在する場合には適さない。「nesiritide」human recombinant B-type natriuretic peptide。静注薬。速効で強力な血管拡張、心拍出量増加、RAA系の抑制、利尿作用(PHD.247)
カルシウム拮抗薬:長期に用いると心不全を悪化させる危険があり推奨されない。
- β遮断薬
- 抗アルドステロン薬
- アミオダロン
- 末梢血管拡張薬
- 経口強心薬
- ナトリウム利尿ペプチド:ANP製剤(カルペリチド) → 静注薬しかないので急性心不全の時に用いる。
治療に用いられる薬物名
参考
- 1. 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0049/1/0049_G0000132_0127.html
国試
[★]
- 英
- loop diuretic, loop diuretics
- 関
- 利尿薬
- sodium-potassium-chloride symporter inhibitor
概念
種類 (SP.790)
作用機序
血清電解質の変化
|
Na
|
K
|
Cl
|
H
|
Ca
|
Mg
|
血清
|
↓
|
↓
|
|
↓
|
↓
|
↓
|
副作用
- GOO.752
- 過剰の投与によりナトリウムを喪失 → 低ナトリウム血症、細胞外液量減少 → 低血圧、GFR低下、循環虚脱、血栓塞栓の発生、(肝臓疾患が存在する場合)肝性脳症
- 過剰のナトリウムが遠位尿細管に到達する結果、(特にRAA系が体液喪失のために亢進していると)カリウムと水素イオンの排泄が亢進し、低Cl性アルカローシス(代謝性アシドーシス)を生じる。
- もともと体内にKが欠乏していれば、不整脈が誘発される。特に強心配糖体を摂取していれば顕著となる(ジギタリス中毒)。
- 骨粗鬆症を呈する閉経女性への投与は、骨代謝を悪化させうる。
- その他:耳毒性(難聴、眩暈、耳鳴)、高尿酸血症、高血糖、LDL上昇、TG上昇、HDL低下、皮疹、光過敏性、錯感覚、骨髄抑制、胃腸症状
禁忌
所属するループ利尿薬
等価量
- フロセミド 40mg
- アゾセミド 60mg
- トラセミド 8mg
臨床関連
[★]
- 英
- semi
- 関
- 準、半