- 75歳の男性。頭部の皮疹を主訴に来院した。皮疹は3か月前に同部位を打撲した後に出現し、徐々に拡大して、わずかな刺激で出血するようになってきた。頭部の写真(別冊No. 4)を別に示す。
- この疾患について正しいのはどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 71歳の女性。発熱と下腿浮腫とを主訴に来院した。65歳時から2型糖尿病のため自宅近くの医療機関に通院中である。これまで網膜症は指摘されていない。1か月前から37℃台の微熱があり、両側の下腿浮腫を自覚するようになった。かかりつけ医で血尿と蛋白尿とを指摘され、精査のために紹介されて受診した。体温 37.6℃。脈拍 92/分、整。血圧 146/88mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。両側の下腿に浮腫と網状皮斑とを認める。左下腿の温痛覚の低下を認める。尿所見:蛋白3+、潜血3+、沈渣に赤血球 50~100/1視野、白血球 10~20/1視野、赤血球円柱を認める。血液所見:赤血球 324万、Hb 10.0g/dL、Ht 31%、白血球 10,300(桿状核好中球 20%、分葉核好中球 52%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 3%、リンパ球 22%)、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dL、アルブミン 2.3g/dL、尿素窒素 40mg/dL、クレアチニン 2.5mg/dL、血糖 98mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、Na 138mEq/L、K 5.0mEq/L、Cl 100mEq/L。免疫血清学所見:CRP 6.5mg/dL、リウマトイド因子(RF) 陰性、抗核抗体 陰性、MPO-ANCA 84U/mL(基準 3.5未満)、PR3-ANCA 3.5U/mL未満(基準 3.5未満)。胸部エックス線写真で異常を認めない。腎生検のPAS染色標本(別冊No. 5)を別に示す。
- この患者でまず行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A022]←[国試_112]→[112A024]
[★]
- 78歳の男性。4日前に肺癌のため右上葉切除術およびリンパ節郭清術を受けて入院中である。術後経過は順調だが、胸腔ドレーンはわずかな空気漏れがあり排液はやや血性のため留置している。昨日からせん妄症状がみられている。本日午後9時に患者は就寝していたが、2時間後には覚醒しており胸腔ドレーンが抜けていた。呼吸音に変化はみられず、直ちに胸部エックス線撮影を行ったが、日中に撮影した画像と比較して変化はみられない。SpO2 99%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)であり、胸腔ドレーン抜去前と比較して低下はみられない。
- 行うべき処置はどれか。
- a 右胸腔穿刺を行う。
- b ドレーン刺入部を縫合する。
- c 気管挿管下に人工呼吸管理を開始する。
- d 抜けた胸腔ドレーンを刺入部から再挿入する。
- e 鼻カニューラをマスクに交換し8L/分で酸素を投与する。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A020]←[国試_112]→[112A022]
[★]
[★]
- 英
- angiosarcoma, hemangiosarcoma
- 同
- 悪性血管内皮腫 malignant hemangioendothelioma、悪性脈管内皮細胞腫 malignant angioendothelioma
- 関
- 血管形成肉腫。悪性血管外皮腫 malignant hemangiopericytoma。軟部腫瘍。Stewart-Treves症候群
- 肉腫に分類される。
- 悪性血管内皮腫と悪性血管外皮腫を指す場合があるが、多くは前者
- 血管あるいはリンパ管の内皮細胞の増殖による悪性腫瘍。
- 好発部位は皮膚(頭頚部、下肢、体幹など)、軟部組織、乳房、内臓(肝、脾など→肝血管肉腫)、骨である。
- 高齢者に好発する。性差は無いと言われている(BPT.397)
- 軟部腫瘍の1-2%のまれな腫瘍
- 外観上は不明瞭は暗赤紫色の紅斑と血疱をなし、易出血性隆起性の局面も認める。
- 組織学的には、分化型では異型内皮細胞が単層、または多層の配列を示して増殖し、不規則に吻合する小血管腔を形成する(血管腫にたような病理像を取るものをhemangiosarcomaという)が、未分化型では明らかな血管内腔を認めず、未熟な異型内皮細胞の均一性、充実性の増殖をみる(癌腫や悪性黒色腫との判別が困難)。
- 診断は病歴、視診から診断できるが、確定診断には生検を要する。
- 治療は局所切除であるが、放射線や化学療法も組み合わせられる。
- 血行転移しやすい。肝臓やリンパ節などのほか肺にも転移しやすく、血気胸を呈し予後はきわめて不良。
- 局所再発率が高く、転移率も高いので予後は不良である。
- 初診時から死亡までの平均生存期間は約1年で、5年生存率は数%である。
鑑別
病理
国試