- 64歳の女性。右眼の充血と複視とを主訴に来院した。2週間前から症状を自覚していた。意識は清明。体温 36.4℃。脈拍 76/分、整。血圧 124/82mmHg。呼吸数 16/分。右外転神経麻痺を認める。右眼窩外側縁で血管性雑音を聴取する。両眼部の写真(別冊No. 10A)、頭部MRIのT1強調像(別冊No. 10B)及び右内頸動脈造影側面像(別冊No. 10C)を別に示す。
- 適切な治療はどれか。
- a 眼窩内腫瘍摘出術
- b 海綿静脈洞塞栓術
- c 脳動静脈奇形摘出術
- d 頸動脈ステント留置術
- e 脳動脈瘤頸部クリッピング術
[正答]
※国試ナビ4※ [112A030]←[国試_112]→[112A032]
★リンクテーブル★
[★]
- 5歳の男児。頭痛と嘔吐とを主訴に両親に連れられて来院した。1か月前から徐々に歩行がふらつくようになった。1週間前から頭痛と嘔吐が出現した。頭痛は早朝起床時に強いという。嘔吐は噴射状に起こるが、嘔吐後、気分不良はすぐに改善し飲食可能となる。意識は清明。体温 36.2℃。脈拍 92/分、整。血圧 116/78mmHg。呼吸数 20/分。CT検査のできる総合病院への紹介を検討している。
- 緊急度を判断するために当院でまず行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A029]←[国試_112]→[112A031]
[★]
- 7歳の女児。3歳でオムツが取れたにもかかわらず、下着が常に少し濡れていることを主訴に来院した。本人は「お漏らしはしていない」と言う。静脈性尿路造影では両側に完全重複腎盂尿管を認める。膀胱鏡検査で右側に2個、左側に1個の尿管口を認める。
- 尿失禁の原因はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A031]←[国試_112]→[112A033]
[★]
[★]
- 英
- carotid-cavernous sinus fistula, CCF, carotid cavernous fistula, CCF
- 同
- 頸動脈海綿静脈洞瘻、内頚動脈海綿静脈洞瘻?、内頸動脈海綿静脈洞瘻?
- 関
- 硬膜動静脈瘻
[show details]
概念
- 頚動脈、とくに内頚動脈と海綿静脈に異常交通をきたした状態(動静脈瘻)をいう。
- 一側の眼球突出、結膜の充血浮腫、心拍に一致した血管雑音が3主徴と言われている。
原因
- 頭部外傷:トルコ鞍近傍の前頭蓋骨底骨折により海綿静脈洞内で内頚動脈やその分枝が損傷受けて瘻が形成される
- 脳動脈瘤破裂:外傷などにより、海綿静脈洞内の内頚動脈に偽性動脈瘤が形成され、後日破裂して生じる。
- 動脈硬化
- 特発性
分類
- 直接型:海綿静脈洞~内頚動脈本幹
- 間接型:海綿静脈洞~内・外頚動脈硬膜枝
病態
- 動脈血が海綿静脈洞内に直接流入するため、眼窩内の静脈圧が亢進し、拍動性眼球突出、結膜充血と結膜浮腫、眼瞼周囲の血管雑音を呈する。また、眼球運動障害、視力障害、大量の鼻出血、頭痛、眼科部痛などを呈する。症状は瘻ができた側に強く認められるが、静脈洞は左右で連絡しているため、反対側や両側に症状が出ることもある。
症状
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
徴候
- 聴診:血管雑音
- 眼:眼球突出、結膜充血、結膜浮腫
- 外眼筋:外眼筋麻痺
経過
診断
- 脳血管アンギオ:内頸動脈と海綿静脈洞が同時期に造影される
治療
- 特発性の場合自然に閉鎖することがあるが、外傷性の場合は自然閉鎖は難しい。
- 手術療法としては、バルーンなどによる血管内治療が選択される。
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