- 7歳の女児。3歳でオムツが取れたにもかかわらず、下着が常に少し濡れていることを主訴に来院した。本人は「お漏らしはしていない」と言う。静脈性尿路造影では両側に完全重複腎盂尿管を認める。膀胱鏡検査で右側に2個、左側に1個の尿管口を認める。
- 尿失禁の原因はどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 60歳の女性。血便と腹痛とを主訴に来院した。以前から便秘がちで、最後の排便が5日前であった。2日前から腹痛を伴うようになり、新鮮血の排泄が数回あったために受診した。脂質異常症と糖尿病とで治療中である。体温 36.7℃。脈拍 92/分、整。血圧 126/84mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球 430万、Hb 13.1g/dL、Ht 39%、白血球 8,700、血小板 19万。CRP 1.2mg/dL。下部消化管内視鏡検査を施行した。S状結腸の内視鏡像(別冊No. 11)を別に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A032]←[国試_112]→[112A034]
[★]
- 64歳の女性。右眼の充血と複視とを主訴に来院した。2週間前から症状を自覚していた。意識は清明。体温 36.4℃。脈拍 76/分、整。血圧 124/82mmHg。呼吸数 16/分。右外転神経麻痺を認める。右眼窩外側縁で血管性雑音を聴取する。両眼部の写真(別冊No. 10A)、頭部MRIのT1強調像(別冊No. 10B)及び右内頸動脈造影側面像(別冊No. 10C)を別に示す。
- 適切な治療はどれか。
- a 眼窩内腫瘍摘出術
- b 海綿静脈洞塞栓術
- c 脳動静脈奇形摘出術
- d 頸動脈ステント留置術
- e 脳動脈瘤頸部クリッピング術
[正答]
※国試ナビ4※ [112A030]←[国試_112]→[112A032]
[★]
[★]
- 英
- double renal pelvis and ureter
- 関
- 重複尿管
概念
- 尿路の発生過程で、尿管芽は胎生22日頃に中腎管の総排泄腔開口部に発生するが、このとき中腎管から一側につき2つの尿管芽が分岐することが重複腎盂尿管の原因となる。
- それぞれの尿管芽が伸長して後腎胚種質と接合し腎形成の誘導するが、重複腎盂尿管の場合それぞれの尿管芽は上腎盂と下腎盂を形作る。
- 2本の尿管が膀胱で独立して開口する完全重複と2本の尿管が途中で一本になり膀胱に開口する不完全重複がある。
- 完全重複の場合、上腎盂からの尿管は膀胱でより尾側に、下腎盂からの尿管は膀胱でより頭側に開口する。そのため、尿管は交叉することになり、これをWeigert-Meyerの法則という
症状
合併症
- 下腎所属尿管:尿管口の上に開口:膀胱尿管逆流
- 上腎所属尿管:尿管口の下に開口:異所開口尿管、異所開口尿管瘤
治療
- 無症状が多いため外科治療の適応になることは少ない。
- 尿路感染や排尿異常などの有症状である場合には、尿路再建などを行う。
参考
- https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/26879
国試
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- 英
- ectopic ureter, ectopic opening ureter
概念
- 尿管芽の中腎管からの分岐の過程の異常により、後腎の形成不全に加え、中腎管由来の性路に尿管が異所開口することが起こる。
- 男児の場合は極めて稀であるが、後部尿道や精嚢に開口する
- 女児の場合は膣前庭や膣に開口するので、持続的な尿失禁で気づかれることが多い。
- 所属腎機能が高度の場合には、所属腎尿管の摘除を行う。
- 所属腎機能が保たれている時には、異所開口尿管の膀胱への再吻合術や正常尿管への尿管尿管吻合術が行われる。
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