- 1歳の男児。湿疹を主訴に来院した。生後6か月ころから湿疹を認め治療していたが軽快しなかった。皮膚の掻破によってしばしば膿痂疹を形成した。身長68cm(-1.5SD)、体重7.1kg(-2.OSD)。体温37.0℃。脈拍96/分、整。全身に湿疹を認める。右肋骨弓下に肝を1cm触知する。血液所見:赤血球370万、Hb9.8g/dl、Ht30%、白血球13,000(桿状核好中球5%、分葉核好中球30%、好酸球10%、単球2%、リンパ球53%)、血小板2.1万。血液生化学所見:IgG1,260mg/dl(基準460~1,220)、IgA 200mg/dl(基準16~128)、IgM 10mg/dl(基準57~260)。CRP2.1mg/dl。
- この疾患と遺伝形式が同じなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G040]←[国試_102]→[102G042]
★リンクテーブル★
[★]
- 31歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。交通事故で胸部を打撲したが、そのまま帰宅していた。脈拍96/分、整。血圧126/78mmHg。血液所見:赤血球450万、Hb14.2g/dl、Ht42%、白血球11,000(桿状核好中球5%、分葉核好中球62%、好酸球2%、好塩基球2%、単球5%、リンパ球24%)、血小板32万。D-ダイマー6.8μg/ml(基準1.0以下)。CRP9.8mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.43、PaO2 54Torr、PaCO2 35Torr、HCO3 25mEq/l。心電図に異常はない。胸部エックス線写真では両側肺野にすりガラス陰影を認める。
- この患者で正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G041]←[国試_102]→[102G043]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102G039]←[国試_102]→[102G041]
[★]
[★]
- 英
- Wiskott-Aldrich syndrome, WAS
- 同
- ウィスコット・オールドリッチ症候群, ウィスコット・アルドリック症候群, ウィスコット・アルドリッヒ症候群, Wiskott-Aldrich症候群
- アルドリッチ症候群 オールドリッチ症候群、オールドリッチ症候群、オルドリック症候群、Aldrich症候群、Aldrich syndrome
- 関
- 血小板減少、免疫不全症候群、原発性免疫不全症候群
概念
- 血小板減少と湿疹を伴う免疫不全症
- B細胞-活性化↓
- 男児のみ
- 免疫不全症、血小板減少、湿疹
遺伝
病因
- Xp11.22:WASP遺伝子 (WCH.49によれば、Xp 11-23)の異常による。
病態
- 細胞骨格となるアクチンの再構築に関与している。この機能が損なわれることで免疫シナプスの形成に打撃を与える。
症状
- 1) recurrent infefction 免疫不全 細胞性免疫、IgE高値
- 2) thrombocytepenia 出血性素因 血小板減少による、血便。進行性。
- 3) dermatitis アトピー性皮膚炎 難治性湿疹
- 4) 自己免疫疾患:40-70%の患者で報告がある (参考1)
- 5) 悪性腫瘍:小児でも起こりうるが、思春期と若年男性に好発 (参考1)
免疫不全
- Triad of symptoms includes recurrent pyogenic Infections, thrombocytopenic Purpura, Eczema (WIPE)
- capsular polysaccharides of bacteriaに対するIgMの反応が起こせなくなる
- 緑膿菌、黄色ブドウ球菌、ヘルペスウイルス属、カンジダ属
皮膚症状=
-
合併症=
検査
- 参考1
- T細胞数の減少と機能低下。Treg細胞の機能低下 B細胞も伴うらしい。
- 免疫グロブリン:(減少~正常)IgG, IgM, (増加) IgA, IgE
- 特定のワクチン抗原に対する反応の欠如
- NK細胞数は正常~増加、細胞殺傷能力低下
- 食細胞(好中球など)の遊走能低下。
- リンパ球数:幼小児時は正常、成長につれて減少。
治療
予後
参考
- 1. [charged] Wiskott-Aldrich syndrome - uptodate [1]
国試