- 54歳の男性。腹痛と発熱とを主訴に来院した。1週前から体重の増加と腹部膨満とを認める。5年前から肝硬変で経過観察中である。眼球結膜に黄染を認める。腹部に波動を認め、腹部全体に軽度の圧痛を認める。腹水所見:淡黄色、比重1.012、蛋白2.1g/dl、アミラーゼ300IU/l、白血球950/μl(好中球多数)。腹部エックス線単純写真立位像で異常を認めない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 3か月の乳児。へその膨らみを心配する母親に連れられて来院した。生後間もなくからへその膨らみがあったが、出産した病院からは様子を見るように指示されて退院した。指示を守って育児をしていたが、徐々に膨らみは大きくなってきた。お腹がすいてミルクを欲しがるときには、号泣して、膨らみは直径3cmになり、皮膚も赤黒くなると言う。ミルクの飲みは良い。身長63cm、体重6.5kg。母親が持ってきた号泣時の写真を以下に示す。
- 母親への説明で正しいのはどれか。
- a. 「もう少し成長すると自然に治ることが多いです」
- b. 「心血管系奇形の合併が多いので検査が必要です」
- c. 「泣いて膨らんだ時に診察しないと分かりません」
- d. 「膨らんだときは手で押し込んでください」
- e. 「穿刺して診断をつける必要があります」
[正答]
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[★]
- 67歳の女性。就眠中に突然の腰痛が出現し、起き上がれなくなり搬入された。5年前から高血圧を指摘され、近医で内服薬を処方されていた。意識はやや混濁し、表情に乏しく、反応が鈍い。身長152cm、体重56kg。体温36.6℃。脈拍112/分、整。血圧88/64mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し腸音は減弱している。圧痛を認めるが反跳痛はない。四肢に冷感がある。
- 静脈路確保後に行う検査はどれか。
[正答]
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[★]
[★]
- 英
- spontaneous bacterial peritonitis SBP
- 関
- 腹膜炎、肝硬変
概念
病因
- 門脈圧亢進により腸管壁の細菌透過性が亢進するため、らしい。
- 腸内細菌の過剰増殖(腸管の運動低下による)、PPI使用による低胃酸症、肝硬変による腸管透過性亢進(uptodate.2)
病原体
- IRE.704
- 小児:肺炎球菌、A群β溶連菌>黄色ブドウ球菌・グラム陰性桿菌
- 成人:大腸菌>クレブシエラ属>肺炎球菌>>>黄色ブドウ球菌
症状
- uptodate.3
- 発熱、腹痛 and/or 圧痛、精神状態の変化。なかには好中球増多、アシドーシス、あるいは腎機能の低下しか示さない例もある。
症候
|
(%)
|
発熱
|
69
|
腹痛
|
59
|
精神状態の変化
|
54
|
腹部圧痛
|
49
|
下痢
|
32
|
麻痺性イレウス
|
30
|
低血圧
|
21
|
低体温
|
17
|
検査
- 腹水白血球:500個/ul以上 (YN.A-112)
診断
- 腹水中好中球が診断に重要 (YN.A-112)
- 腹水中の細菌培養(+)で、かつ多形核白血球の絶対的増加(250/ul以上) (uptodate.4)
参考
uptodate
- 1. [charged] 特発性細菌性腹膜炎の亜種 - uptodate [1]
- 2. [charged] 特発性細菌性腹膜炎の病因 - uptodate [2]
- 3. [charged] 特発性細菌性腹膜炎の臨床症状 - uptodate [3]
- 4. [charged] 特発性細菌性腹膜炎の診断 - uptodate [4]
- 5. [charged] 特発性細菌性腹膜炎の治療および予防 - uptodate [5]
国試