- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 10か月の乳児。けいれんを起こしたため搬入された。
- 現病歴:2日前の朝から38.5℃の発熱と喘鳴とがあり、抗菌薬と鎮咳去痰薬の投与を受けた。今朝から機嫌が悪く、昼過ぎから全身性強直間代性けいれんを起こした。来院時けいれんは停止していたが、けいれんの持続時間は40分間であった。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 発達歴:特記すべきことはない。
- 家族歴:母親が子供のころにけいれんを起こしたことがある。
- 現症:呼びかけても開瞼しない。身長73cm、体重9,210g。体温38.8℃。呼吸数36/分。心拍数120/分、整。皮膚に発疹を認めない。眼瞼結膜に貧血を認めない。咽頭に発赤を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を1cm触知する。四肢の腱反射は軽度亢進している。
- a. 発症年齢
- b. けいれんの型
- c. けいれん時の体温
- d. けいれんの家族歴
- e. けいれんの持続時間
[正答]
※国試ナビ4※ [102H036]←[国試_102]→[102H038]
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、35、36の問いに答えよ。
- 40歳の男性。左下肢の痛みを主訴に来院した。
- 現病歴:4週前から左腰の痛みが出現した。他院で腰痛症の診断で非ステロイド性抗炎症薬の投与を受け、週1回通院していたが症状は改善せず、左下腿外側の痛みと左足背のしびれとを自覚するようになった。患者自身としては以前経験した腰痛とは違うように思っていたが、腰痛症と診断した医師とは長い付き合いで、そのことを言い出せず、改善のないまま4週間服薬を続けた。しかし、全く改善がみられないため、紹介状を持たずに当院を受診した。
- 既往歴:30歳から時々腰痛を自覚。
- 生活歴・家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長170cm、体重65kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧124/66mmHg。左右膝蓋腱反射とアキレス腱反射とは正常で病的反射はみられない。徒手筋力テストでは左母趾の背屈力が4と低下している。
- a. 筋電図
- b. 大動脈造影
- c. 頭部単純CT
- d. 腰椎単純MRI
- e. 大腿静脈超音波検査
[正答]
※国試ナビ4※ [102H035]←[国試_102]→[102H037]
[★]
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 10か月の乳児。けいれんを起こしたため搬入された。
- 現病歴:2日前の朝から38.5℃の発熱と喘鳴とがあり、抗菌薬と鎮咳去痰薬の投与を受けた。今朝から機嫌が悪く、昼過ぎから全身性強直間代性けいれんを起こした。来院時けいれんは停止していたが、けいれんの持続時間は40分間であった。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 発達歴:特記すべきことはない。
- 家族歴:母親が子供のころにけいれんを起こしたことがある。
- 現症:呼びかけても開瞼しない。身長73cm、体重9,210g。体温38.8℃。呼吸数36/分。心拍数120/分、整。皮膚に発疹を認めない。眼瞼結膜に貧血を認めない。咽頭に発赤を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を1cm触知する。四肢の腱反射は軽度亢進している。
[正答]
※国試ナビ4※ [102H037]←[国試_102]→[102I001]
[★]
[★]
- 英
- febrile convulsion
- 同
- 熱性けいれん
- 関
- 痙攣
概念
- 発熱に伴って生じる年齢依存性の痙攣。
- 中枢神経系感染症に起因しない、明らかな頭蓋内の異常を伴わないもの。
疫学
- 日本では全人口の9%に見られる ⇔ 欧米では人口の5%。
- 6ヵ月から3-4歳。(1-2歳に発生しやすく、6ヶ月から6歳頃までありうる)。6ヶ月未満、6歳以降ではまれ
- 家族歴があることがある。親が熱性痙攣の場合20%、同胞が熱性痙攣の場合50%、双生児の一方が熱性痙攣であると80%の確立で熱性痙攣を発症。
- 1/4の症例では反復する
病型
- 以下の3つを満たす。
- 1. 全身性強直間代痙攣
- 2. 持続時間15-20分以下
- 3. 24時間以内に再発しない
- 単純型熱性痙攣の3つの条件の内いずれかを満たさないもの
- もう困らない救急・当直ver2 p.237
|
単純型熱性痙攣
|
複雑型熱性痙攣
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痙攣持続時間
|
15分未満
|
15分以上
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痙攣合計児間
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断続的30分未満
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断続的30分以上
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24時間以内
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1回のみ
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2回以上
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痙攣部位
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全身性痙攣
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局所性・片側性痙攣
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基礎疾患
|
神経学的基礎疾患なし
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神経学的基礎疾患あり
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年齢
|
1~6歳
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1歳未満、6歳超
|
てんかんに移行する危険因子
- SPE.630
- 1項目以上該当すれば複雑型熱性痙攣
- 1. 初発の熱痙攣が15分以上遷延、24時間以内に反復、片側性、焦点性
- 2. 熱性痙攣の発現以前より神経学的異常や知的障害、運動障害を示すもの
- 3. 両親、同胞にてんかんの家族歴がある物
熱性痙攣の再発率を高める因子
- SPE.630
- 1. 初発が1歳未満のもの。
- 2. 両親、または片親に熱性痙攣の既往がある
症状
診断
- 他の神経所見がないか見て、あれば髄膜炎や脳炎を考慮。
治療
管理
- ワクチン接種により熱痙攣をきたしたら、一年間は予防接種をしない方が良い。抗痙攣薬や解熱剤でコントロールできる場合はこの限りでない。
参考
- 1. [charged] 熱性けいれん - uptodate [1]
- 2. [charged] 患者情報:熱性けいれん - uptodate [2]
国試
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=6eQHWsNhkOg</youtube>
[★]
- 関
- 熱性痙攣
- 6ヶ月から5歳に多い
- 全身性強直間代発作
- 持続時間は15-20分以下
- 24時間以内に再発しない
- 体温は38℃以上のことが多い。38℃以下ではてんかんが疑われる。
国試