- 62歳の男性。腹部膨満感と褐色尿を主訴に来院した。1か月前から腹部膨満感と時々、尿の色が濃くなることを自覚していた。飲酒は機会飲酒で、薬剤の服用はない。身長 169cm、体重 62kg。体温 36.1℃。脈拍 68/分、整。血圧 134/86mmHg。呼吸数 14/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)、ウロビリノゲン (±)、潜血 (±)。血液所見:赤血球 428万、Hb 14.5g/dL、Ht 47%、白血球 9,300、血小板 20万。血液生化学所見:アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 1.3mg/dL、直接ビリルビン 0.9mg/dL、AST 98U/L、ALT 106U/L、ALP 492U/L(基準 115~359)、γ-GTP 92U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 58U/L(基準 37~160)、クレアチニン 0.6mg/dL。CRP 1.1mg/dL。腹部超音波検査で異常を認めない。上部消化管内視鏡像(別冊No. 33)を別に示す。
- まず行うべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D068]←[国試_113]→[113D070]
★リンクテーブル★
[★]
- 78歳の男性。背部痛、食欲不振と体重減少を主訴に来院した。3か月前から時々食後の背部痛を自覚していた。最近になり食後頻回に背部痛を認め、痛みは鈍痛で時に持続して眠れないことがあった。食欲も徐々に減衰した。体重は6か月で7kg減少し、起き上がれないこともあるため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は20本/日を40年間。飲酒は日本酒2合/日を40年間。80歳の妻と2人暮らし。家族歴に特記すべきことはない。身長 168cm、体重 48kg。脈拍 72/分、整。血圧 126/60mmHg。呼吸数 14/分。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。眼球結膜に異常を認めない。上腹部正中に径3cmの辺縁不整の腫瘤を触知する。血液所見:赤血球 275万、Hb 7.8g/dL、Ht 24%、白血球 9,800、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 5.2g/dL、アルブミン 1.9g/dL、総ビリルビン 0.4mg/dL、AST 34U/L、ALT 40U/L、γ-GTP 24U/L(基準 8~50)、尿素窒素 9mg/dL、クレアチニン 0.4mg/dL、総コレステロール 110mg/dL、トリグリセリド 48mg/dL。CEA 16.4ng/mL(基準 5以下)、CA19-9 580U/mL(基準 37以下)。CRP 2.0mg/dL。胸部エックス線写真と胸部CTで径1cmの腫瘤を右肺に2か所、左肺に1か所認める。腹部超音波検査および腹部CTで膵体部に径3cmの腫瘤、肝両葉に径1~2cmの多発する腫瘤陰影、胆嚢に径5~8mmの結石を数個認める。腹水の貯留を認める。
- 現時点で適切な対応はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D069]←[国試_113]→[113D071]
[★]
- 60歳の女性。1か月前から37℃台の微熱があり、1週間前に頸部のしこりに気付いた。2日前から背部、前胸部に紅斑が出現し、38℃台の発熱、倦怠感が強くなり、食事摂取もできなくなったため家族に連れられて来院した。家族歴は、母親が血液疾患のため60歳で死亡。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 32)を別に示す。
- この患者が有していると考えられる疾患の原因ウイルスについて正しいのはどれか。2つ選べ。
- a 抗ウイルス薬が有効である。
- b 母乳感染によることが多い。
- c 献血で発見されることがある。
- d 妊娠中に感染すると児に聴力低下を高率に起こす。
- e 妊娠中に感染が判明したら、出産後にガンマグロブリン注射を行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D067]←[国試_113]→[113D069]
[★]