- 60歳の男性。喀血を主訴に来院した。
- 6か月前から、軽度の咳と喀痰とが出現し、徐々に増悪傾向にあった。1、2か月前からは微熱、盗汗および全身倦怠が出現した。2、3日前から咳とともに少量の血痰があった。
- 今朝、約50ccの喀血を認めた。23歳ころ、肺結核で1年間治療を受けた。55歳ころに尿糖を指摘されたが放置していた。
- 意識は清明。身長172cm、体重42kg。体温37.2℃。呼吸数24/分。脈拍88/分、整。血圧132/88mmHg。
- チアノーゼは認めない。胸部聴診では、右上肺で呼吸音の気管支呼吸音化が認められ、同部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
- 尿所見:蛋白(-)、糖(+)。
- 血液所見:赤沈35mm/1時間。赤血球450万、Hb13.4g/dl、Ht42%、白血球8,900。
- 血清生化学所見:空腹時血糖155mg/dl、総蛋白6.2g/dl。CRP1.5mg/dl(基準0.3以下)。胸部単純CTを以下に示す。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 21歳の男性。意識障害で下宿の友人に伴われて救急車で搬入された。午後1時ころから5時ころまで水田の農薬散布を保護具なしで手伝った。6時ころから多量の発汗と唾液分泌、嘔吐および下痢があり、めまいと頭痛とを訴えて意識が混濁した。身長165cm、体重58kg。体温36.0℃。脈拍48/分、整。血圧100/58mmHg。縮瞳を認める。皮膚は湿潤していて発赤はない。骨格筋の線維性攣縮がある。腹部は平坦で、肝・脾は触知せず抵抗を認めない。尿所見:外観は正常、蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球500万、白血球6,200、血小板32万。血清生化学所見:アルブミン4.8g/dl、クレアチニン1.1mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST35単位(基準40以下)、ALT30単位(基準35以下)、LDH300単位(基準176~353)、ALP200単位(基準260以下)、γ-GTP30単位(基準8~50)、コリンエステラーゼ40単位(基準400~800)、アミラーゼ40単位(基準37~100)、CK20単位(基準10~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):PaO2 98Torr、PaCO2 40 Torr。
- 原因として考えられる農薬はどれか。
- a. アミノ酸系
- b. アニリン系
- c. パラコート
- d. 有機塩素系
- e. 有機リン系
[正答]
E
- 徐脈なのは副交感神経の刺激によると考えられる。
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[★]
- 65歳の男性。右下腿の激痛と腫脹とのために救急車で搬入された。
- 7日前に農作業中に右足に怪我をしたが、自分で創の処置をしていた。4日前から右足の発赤、腫脹および疼痛が始まり、急速に増悪した。2日前から耐え難いほどの激痛となり、悪臭を放つようになったが、病院に行くことを拒否し続けていた。
- 既往歴には高血圧がある。右下肢は青紫色で著明に腫脹し、悪臭を発している。意識は清明。体温39.2℃。脈拍104/分、整。血圧180/96mmHg。
- 血液所見:赤血球420万、白血球18,500、血小板12万。血清FDP18μg/ml(基準10以下)。CRP38mg/dl(基準0.3以下)。
- 来院時の両側下腿エックス線単純写真を以下に示す。
- 適切な処置はどれか。2つ選べ。
- a. 右大腿切断術
- b. 抗血清の投与
- c. 高圧酸素療法
- d. 抗凝固薬の投与
- e. 経口抗菌薬の投与
[正答]
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