- 英
- anticoagulant therapy
- 同
- 抗凝血薬療法
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抗凝固薬(こうぎょうこやく)は、血液凝固を阻害する薬物である。
血液を固まらせないようにする医薬品(抗血栓薬)のうち、凝固系に対して主に作用するもののことである。体内に投与する場合には、血栓塞栓症の治療と予防やカテーテルの閉塞防止に用いられる。体外においては、人工透析装置や人工心肺装置の体外回路の凝固防止、輸血用血液の保存や血液検査の際に用いられる。
目次
- 1 治療薬としての抗凝固薬
- 2 抗凝固薬の種類
- 2.1 ビタミンK依存性凝固因子合成阻害薬
- 2.2 直接トロンビン阻害薬
- 2.3 第Xa因子阻害薬
- 2.4 ヘパリンとヘパリン類似物質
- 2.5 体外で用いられる抗凝固薬
- 3 関連事項
- 4 類似効果食材
- 5 脚注
- 6 出典
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
治療薬としての抗凝固薬[編集]
血栓塞栓症の予防、治療に対して用いる。深部静脈血栓症、心筋梗塞、心房細動、脳卒中、人工弁置換後、冠動脈バイパス後などに有効である。長期にわたって使用する必要があるので、ワーファリンのような経口投与可能な抗凝固薬を用いる。
抗凝固薬の種類[編集]
ビタミンK依存性凝固因子合成阻害薬[編集]
クマリン誘導体。凝固因子のうち第II因子 (プロトロンビン)、第VII因子、第IX因子、第X因子合成の補因子 ビタミンKに対する拮抗作用により抗凝固作用をもつ[1]。効果が最大になるまでに投与を開始してから48〜72時間かかる。即効性を求めるならばヘパリンの併用が望ましい。また、抗凝固効果の判定と出血危険性を判定するため、定期的にプロトロンビン時間を測定する必要がある。次のようなものがある。
直接トロンビン阻害薬[編集]
トロンビンの競合阻害作用を持ち、フィブリノゲンのフィブリンへの転換を抑制する。
- 経口投与。ワルファリンのような定期的効果判定の必要がない (裏を返せば、効果判定の手段がないともいえる)。またワルファリンとのランダム化比較試験では、心房細動 (非弁膜症性) 患者の脳梗塞・その他の塞栓症発症率を同等にする用量では大きな出血の発生率は低く、またワルファリンよりも脳梗塞発症率を低下させる用量では、大きな出血の発症率は同等であった[2]。
- 経静脈投与
第Xa因子阻害薬[編集]
トロンビンの活性化を促進する第Xa因子 (活性化した第X因子) を阻害する物質。補因子なしに阻害する直接阻害薬と、補因子としてアンチトロンビンIIIを必要とする間接阻害薬がある。
- 直接第Xa因子阻害薬
いずれも経口投与
- 間接第Xa因子阻害薬
皮下投与
ヘパリンとヘパリン類似物質[編集]
ヘパリンは豚や牛の腸から抽出される。アンチトロンビンIIIの活性作用により抗凝固作用を持つ[3]。血管内投与を行う。
体外で用いられる抗凝固薬[編集]
次のような目的で抗凝固が行われる
- 血漿と血球を分離するため
- 液体としての流動性を残すため
- 血液凝固因子を消費させないため
- クエン酸
- クエン酸三ナトリウムとして用いられ、カルシウムイオンと結合する。
- EDTA
- 二価の金属イオン(カルシウムイオンもこれである)をキレートする。
- フッ化ナトリウム
- NaF。カルシウムイオンと結合。解糖系を阻害するので血糖測定に用いられる。
- ACD
- Acid Citrate Dextrose Solution。クエン酸とデキストロースを含む。輸血用保存血液に添加される。
関連事項[編集]
抗血栓薬には他にも、抗血小板薬と血栓溶解薬がある。
- アスピリン等の非ステロイド系消炎鎮痛剤は血小板の凝集を阻害するので血栓形成を抑える効果がある。ワーファリンによってもたらされる出血傾向が増悪するので、ワーファリン服用者が感冒薬等を服用する時は十分注意する必要がある。
- 一度できた血栓を分解するには線溶系の酵素を応用した血栓溶解薬を用いる。
- DICではヘパリンだけでなく、アンチトロンビンIIIの直接投与も行われることがある。
類似効果食材[編集]
アホエン (ajoene) は、ニンニク (Allium sativum) に含まれる化合物の1つである。抗血栓剤(抗凝固剤)としての作用も持ち、血液中の血小板が血栓を起こすのを防ぐことにより、心臓病や脳梗塞の危険性を減らすとされる。外部リンクも必要に応じ参照のこと。
脚注[編集]
- ^ Majerus PW. et al. (2006) p.1476
- ^ Connolly SJ. et al. (2009)
- ^ Olson ST. et al. (2002)
出典[編集]
- Olson, ST; Chuang, YJ (Nov 2002). “Heparin activates antithrombin anticoagulant function by generating new interaction sites (exosites) for blood clotting proteinases”. Trends Cardiovasc Med 12 (8): 331-338. PMID 12536119.
- Connolly SJ, Ezekowitz MD, Yusuf S, Eikelboom J, Oldgren J, Parekh A, Pogue J, Reilly PA, Themeles E, Varrone J, Wang S, Alings M, Xavier D, Zhu J, Diaz R, Lewis BS, Darius H, Diener HC, Joyner CD, Wallentin L; RE-LY Steering Committee and Investigators (Sep 2009). “Dabigatran versus warfarin in patients with atrial fibrillation” (full text). N Eng J Med 361 (12): 1139-1151. doi:10.1056/NEJMoa0905561. PMID 19717844. http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0905561#t=article.
- Majerus, PW; Tollefsen, DM (2006), “Blood coagulation and anticoagulant, thrombolytic, and antiplatelet drugs”, in Laurence L. Brunton, Goodman & Gilman's the pharmacological basis of therapeutics (11th ed.), McGraw-Hill Companies, ISBN 0-07-142280-3
関連項目[編集]
- 血液凝固
- 抗血栓薬
- 血算
- 血液生化学検査
- 輸血
- 献血
- キレート
外部リンク[編集]
- ニンニク - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
薬理学:医薬品の分類 |
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消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 経口血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
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血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
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循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
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皮膚(D) |
皮膚軟化薬 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
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泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
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内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
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感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
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悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
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免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
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筋肉、骨、関節(M) |
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脳、神経(N) |
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- 高血圧,心疾患と脳神経疾患 (特集 内科疾患と脳神経疾患 : 診断と治療の進歩)
- 症例 未分画ヘパリンによる抗凝固療法中に大腿筋血腫を発症し,IVHカテーテルとの関連が疑われた3症例
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- 次の文を読み、59~61の問いに答えよ。
- 78歳の女性。右利き。会話が困難になったため搬入された。
- 現病歴:今朝、食事中に会話のつじつまが合わないことに家族が気付き、改善がみられないため救急車を要請した。昨夜の就寝までは異常はなかったという。
- 既往歴:50歳時の健康診断で耐糖能異常を指摘されたがそのままにしていた。
- 生活歴:息子夫婦と3人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:両親ともに高血圧。父親が脳出血で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 148cm、体重 43kg。体温 36.1℃。脈拍 104/分、不整。血圧 152/74mmHg。呼吸数 16/分。過剰心音と心雑音とを認めない。呼吸音に異常を認めない。発語は流暢であるが、錯語がみられ、言語理解が悪く、物品呼称も障害されている。復唱は可能である。読字は困難で、書字は可能であるが文意がとれない。構音障害を含め脳神経に異常を認めない。四肢の運動系と感覚系に異常を認めない。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性。
- 検査所見:尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 412万、Hb 12.1g/dL、Ht 40%、白血球 6,300、血小板 20万、PT-INR(prothrombin time-international normalized ratio) 1.09(基準 0.9~1.1)、APTT 24.3秒(基準対照 32.2)、血漿フィブリノゲン 306mg/dL(基準 200~400)、Dダイマー 2.2ng/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.1g/dL、アルブミン 3.5g/dL、AST 26IU/L、ALT 18IU/L、LD 232IU/L(基準 176~353)、血糖 138mg/dL、HbA1c 6.6%(基準 4.6~6.2)、トリグリセリド 154mg/dL、HDLコレステロール 38mg/dL、LDLコレステロール 143mg/dL。12誘導心電図で心房細動を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比52%。心エコー検査で左室壁運動は良好で、弁膜症を認めない。頸動脈エコー検査で左右とも有意な狭窄を認めない。頭部MRIの拡散強調像(別冊No. 9A、B)を別に示す。同時に行った頭部MRAに異常を認めない。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B060]←[国試_109]→[109B062]
[★]
- 次の文を読み、 66~ 68の問いに答えよ。
- 72歳の女性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。
- 現病歴:約半年前から労作時の呼吸困難を自覚していた。当初は階段や急な坂を登る時のみであったが次第に悪化し、より軽い労作でも呼吸困難を感じるようになった。現在では 2. 3分の平地歩行でも呼吸困難を自覚するようになったが、安静時には症状はない。
- 既往歴: 20歳時に副鼻腔炎手術。 38歳時に子宮筋腫手術。 10年前から高血圧症に対し内服治療中。
- 生活歴:喫煙歴はない。 1年前から室内でネコを飼っている。
- 家族歴:夫が 3年前に肺癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 152 cm、体重 52 kg。体温 36.1℃。脈拍 88/分、整。血圧 122/68 mmHg。呼吸数 18/分。 SpO2 97% ( room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張と口唇のチアノーゼとを認めない。心雑音を聴取しないが胸骨左縁第 2肋間で II音の亢進を認める。呼吸音は正常で、呼吸副雑音を聴取しない。腹部診察で異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)。血液所見:赤血球 396万、 Hb 13.0 g/dl、Ht 38%、白血球 6,800、血小板 23万、 Dダイマー 3.6 μg/ml(基準 1.0以下 )。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dl、アルブミン 4.2 g/dl、総ビリルビン 0.7 mg/dl、AST22 IU/l、ALT 20 IU/l、LD 256 IU/l(基準 176.353)、尿素窒素 10 mg/dl、クレアチニン 0.6 mg/dl、Na 139 mEq/l、K 4.9 mEq/l、Cl 109 mEq/l、脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉140 pg/ml(基準 18.4以下 )。 CRP 0.2 mg/dl。
- 平地歩行をしてもらったところ 1分程度で強い息切れを訴え、その時の SpO2は78% ( room air)であった。
- 今後の治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108E067]←[国試_108]→[108E069]
[★]
- 次の文を読み、72~74の問いに答えよ。
- 70歳の女性。発熱および左殿部痛のため救急車で搬入された。
- 現病歴:1か月前から左殿部に圧痛を伴う発赤が出現した。また、しばしば腟から排膿することがあった。10日前から発熱が出現し、以後は食事摂取量が少なかったという。左殿部の痛みにより歩行も困難になったため救急車を要請した。
- 既往歴:10年前に人工物による子宮脱の手術を受けた。
- 生活歴:専業主婦。家族歴:父が糖尿病、高血圧症。
- 現症:意識レベルはJCSⅠ-2。身長 145cm、体重 46.6kg。体温 39.0℃。心拍数 92/分、整。血圧 108/76mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 98%(マスク 5L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左殿部(別冊No.17A)を別に示す。同部に強い圧痛を認める。内診で腟後壁に瘻孔と排膿が観察され、膿は悪臭である。直腸指診では異常を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 403万、Hb 12.2g/dL、Ht 35%、白血球 1,800、血小板 3万、PT-INR 1.3(基準 0.9~1.1)、血清FDP 26μg/mL(基準 10以下)。血液生化学所見:総蛋白 4.6g/dL、アルブミン 1.7g/dL、総ビリルビン 2.4mg/dL、AST 48U/L、ALT 47U/L、LD 216U/L(基準 120~245)、γ-GT 40U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 17U/L(基準 37~160)、CK 72U/L(基準 30~140)、尿素窒素 32mg/dL、クレアチニン 2.1mg/dL、血糖 215mg/dL、HbA1c 9.0%(基準 4.6~6.2)、Na 132mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 19mg/dL。殿部CTの水平断像(別冊No.17B)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [114F072]←[国試_114]→[114F074]
[★]
- 55歳の男性。歩道を歩行中に突然右上下肢に脱力が生じ、思うように言葉がしゃべれなくなったため、救急車で搬送された。10年前から会社の健診で高血圧症、高脂血症および心房細動を指摘されていたが、特に薬物治療を受けていなかった。来院時の意識はJCSでII-10。身長160cm、体重76kg。体温36.8℃、呼吸数18/分。脈拍96/分不整。血圧180/100mmHg。皮膚色は正常。貧血と黄疸とはない。胸部でラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・肺を触知しない。下肢に浮腫を認めない。右片麻痺と失語とを認める。頭部単純CTで左被殻部に径2cmの高吸収域を認めたため、緊急入院した。血液所見:赤血球460万、Hb120g/dl、白血球6,200、血小板23万。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.4g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール290mg/dl、トリグリセライド180mg/dl、AST26単位、ALT20単位、Na139mEq/l、K4.1mEq/l。入院から3日間、絶食と安静とを保ち経過を観察した。意識は清明になった。右片麻痺と失語症との程度は入院時に比べて変化していない。第2,3病日の血圧は130~140/80~90mmHgで推移している。この時点での治療として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G041]←[国試_099]→[099G043]
[★]
- 64歳の女性。右腰痛を主訴に来院した。2、3か月前から階段歩行時に動悸を自覚するようになった。今朝、特に誘因なく突然に右腰痛を自覚し、持続するため受診した。症状は体動で変化しない。来院時、意識は清明。体温 36.7℃。脈拍92/分、不整。血圧 138/84mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心尖部を最強点とする拡張期ランブルを聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右肋骨脊柱角に軽度の叩打痛を認める。血液所見:赤血球 413万、Hb 11.8g/dL、Ht 35%、白血球 11,300、血小板 21万、PT-INR 1.0(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dL、アルブミン 3.5g/dL、総ビリルビン 0.4mg/dL、AST 17IU/L、ALT 23IU/L、LD 855IU/L(基準 176~353)、ALP 170IU/L(基準 115~359)、CK 42IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 11mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、尿酸 4.3mg/dL、血糖 98mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 107mEq/L。CRP 1.0mg/dL。心電図(別冊No. 4A)、胸部エックス線写真(別冊No. 4B)及び腹部造影CT(別冊No. 4C)を別に示す。
- まず行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A026]←[国試_110]→[110A028]
[★]
- 次の文を読み、 31、 32の問いに答えよ。
- 48歳の女性。左下肢の腫脹を主訴に来院した。
- 現病歴: 3日前から特に誘因なく急に左下腿の腫脹、疼痛が出現した。
- 既往歴: 2年前から更年期障害に対してホルモン補充療法を受けている。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長 154 cm、体重 65 kg。体温 36.8℃。脈拍 92/分、整。血圧 110/72 mmHg。呼吸数 15/分。 SpO2 96% ( room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢の写真 (別冊 No. 5)を別に示す。左下肢には部分的に表在静脈拡張が認められ、左下肢全体に圧痛を認めた。
- この患者で最も考えられる疾患についての諸検査の検査特性を表に示す。感度特異度Dダイマー測定 89% 55%空気容積脈波検査 85% 91%下肢静脈造影 MRA 91% 93%血小板シンチグラフィ 73% 68%下肢静脈圧迫超音波検査 91% 98%
- この疾患の治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108H031]←[国試_108]→[108H033]
[★]
- 34歳の女性。労作時の息切れと動悸とを主訴に来院した。2か月前から症状が出現していたが、次第に呼吸苦が強くなってきたため受診した。体温 37.8℃。脈拍 108/分、整。右上肢血圧 130/50mmHg、左上肢血圧 86/42mmHg。左頸部から左鎖骨上窩にかけて血管雑音を聴取する。胸骨左縁第3肋間を最強点とするⅢ/Ⅵの拡張期雑音を聴取する。胸部エックス線写真で心胸郭比 58%、少量の胸水を認める。赤沈 110mm/1時間。血液所見:赤血球 410万、Hb 12.2g/dL、白血球 12,600(桿状核好中球 13%、分葉核好中球 69%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 3%、リンパ球 12%)、血小板 23万。血液生化学所見:AST 48U/L、ALT 42U/L、LD 368U/L(基準 176~353)。CRP 9.3mg/dL。心エコー検査で左室拡張末期径 58mm、左室駆出率 60%、中等度の大動脈弁逆流を認める。胸部造影CTで上行大動脈壁の肥厚を認める。大動脈弓部と頸部血管の再構築画像(別冊No. 12)を別に示す。入院後、利尿薬の投与を開始したところ息切れは速やかに改善した。
- 次に行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D032]←[国試_111]→[111D034]
[★]
- 72歳の女性。動悸を主訴に来院した。5年前に大動脈弁狭窄症に対して機械弁による大動脈弁置換術を受けており、定期的に受診し、ワルファリンを内服している。これまでの受診時の心電図検査では洞調律であったが、来院時の心電図は心拍数 104/分の心房細動であった。意識は清明。脈拍 96/分、不整。血圧 120/76mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸部血管雑音を認めない。呼吸音に異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.7g/dL、白血球 7,300、血小板 18万、PT-INR 2.3(基準 0.9~1.1)。
- この患者への対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D018]←[国試_112]→[112D020]
[★]
- 16歳の女子。複視と歩行時のふらつきとを主訴に来院した。2週前に咽頭痛、全身倦怠感および微熱を生じたが数日で軽快した。昨日、起床時に物が二重に見えることと歩行時のふらつきとを自覚し、徐々に症状が増悪してきた。水平方向の眼球運動制限を認め、左方視で複視が出現する。四肢で筋力は正常であるが、腱反射が消失している。血液検査では異常を認めない。脳脊髄液検査では細胞数は正常、蛋白は軽度の上昇を認める。
- 適切な治療はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [100H033]←[国試_100]→[100H035]
[★]
- 34歳の2回経産婦。妊娠32週に性器出血と下腹部痛とがあり緊急搬送された。
- 不穏状態である。身長155cm、体重65kg。脈拍120/分、整。血圧80/60mmHg。子宮底長34cm。内診で子宮口は3cm開大し、外子宮ロから出血を認める。持続的に子宮は収縮しており触診で疼痛を訴える。血液所見:赤沈5mm/1時間、赤血球250万、Hb7.0g/dl、白血球9,200、血小板3万、血清FDP60μg/ml(基準10以下)、Dダイマー3.0μg/ml(基準1.0以下)。超音波検査で胎児死亡が確認され、胎盤後壁にエコーフリースペースが観察された。
- まず行う検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [099F043]←[国試_099]→[099F045]
[★]
- 68歳の女性。1週前に人工股関節全置換術を受け、入院している。
- 手術後の経過は良好であったが、昨日から左下肢の腫脹と鼠径部の痛みとを自覚している。
- 血液所見:赤血球420万、Hb12.4g/dl、白血球9,600、血小板12万、血清FDP16μg/ml(基準10以下)、Dダイマー8.4μg/ml(基準1.0以下)。
- 血清生化学所見:AST32単位、ALT20単位、CK35単位(基準10~40)。CRP12.4mg/dl。
- 適切な処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099F044]←[国試_099]→[099F046]
[★]
- 33歳の男性。脈の不整に気付き来院した。小学校時からサッカー選手として活躍し、現在も続けている。既往歴に特記すべきことはなく、自覚症状もない。来院時に記録した心電図を以下に示す。この患者で適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A016]←[国試_097]→[097A018]
[★]
- 64歳の男性。5日前から続く咳嗽と労作時呼吸困難とを主訴に来院した。2週前に左下腿の腫脹が出現した。胸部造影CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A018]←[国試_100]→[100A020]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102D009]←[国試_102]→[102D011]
[★]
- 英
- antithrombin III, ATIII
- 同
- アンチトロンビン antithrombin AT
- 商
- アンスロビン、ノイアート、ノンスロン
- 関
- トロンビン、抗凝固療法、血液凝固因子
概念
- アンチトロンビンと同じ。
- 抗凝固薬であるヘパリンによって活性化される
- 肝臓で産生される。
- 約65kDaの糖タンパク質 (c.f. アルブミン 69kDa) ゆえに、ネフローゼ症候群の際には腎から排泄されてしまう。
生理作用
*ヘパリンと結合して活性化され、セリンプロテアーゼ活性のある蛋白質と結合しセリンプロテアーゼ活性を不可逆的に消失させる。
- 第Xa因子、第IXa因子の中和 (SP.509)
- トロンビンの不活化。
- 薬剤としてのヘパリンによって活性化される。普段は血管内皮上に存在するヘパリン(heparine-like molecule)によって活性化される (BPT.88)
- セリンプロテアーゼを阻害する。
検査
低値
- DIC、血栓症
- 肝硬変、肝癌
- ネフローゼ症候群
- 敗血症
-アンチトロンビン
-AT III
[★]
- 英
- anticoagulation、anticoagulant
- 関
- 抗凝血、抗凝血剤、抗凝血性、抗凝血薬、抗凝固剤、抗凝固薬
[★]
- 英
- method、law
- 関
- 測定法、測定方法、訴訟、方法、法律学、手法、方式、法律
[★]
- 英
- therapy、regimen、cure、remedy、therapeutic
[★]
- 英
- clotting, coagulation