- 英
- laughing gas
- nitrous oxide, N2O 注意!:一酸化窒素 NO nitric oxide
- 同
- 酸化二窒素, 亜酸化窒素 dinitrous monoxide
- 関
- 麻酔薬
-
構造
作用機序
薬理作用
動態
適応
注意
禁忌
副作用
相互作用
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/08 20:48:16」(JST)
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亜酸化窒素 |
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融点 |
-90.86
|
沸点 |
-88.48
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
10024-97-2 |
KEGG |
D00102 |
ATC分類 |
N01AX13 |
|
特性 |
化学式 |
N2O |
モル質量 |
44.0128 |
外観 |
無色の気体 |
密度 |
1.977 g/L (gas) |
融点 |
-90.86 ℃ (182.29 K)
|
沸点 |
-88.48 ℃ (184.67 K)
|
水への溶解度 |
60.82 mL /100 mL ( 24°C) |
特記なき場合、データは常温(25 ℃)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
亜酸化窒素(あさんかちっそ)または一酸化二窒素(いっさんかにちっそ)は窒素酸化物の一種で、吸入すると陶酔効果があることから笑気ガス(しょうきガス)とも呼ばれる。化学式はN2O。 紫外線により分解されるなどして一酸化窒素を生成するため、亜酸化窒素の増加もオゾン層破壊につながる.
目次
- 1 歴史
- 2 特徴
- 3 用途
- 4 物性
- 5 参考文献
|
歴史[編集]
笑気は1772年、イギリス人の化学者ジョゼフ・プリーストリーが発見した。亜酸化窒素を吸入すると軽く酔ったような感じになることから、当時はパーティーなどを盛り上げるために使用していた。ところが1795年、こちらもイギリス人化学者のハンフリー・デービーが亜酸化窒素に麻酔効果があることを証明し、これから笑気麻酔としての用途が開けることになった。
特徴[編集]
硝酸アンモニウムを約250℃で注意深く融解させると、分解して一酸化二窒素が発生する。
常温常圧で、無色で反磁性の気体。香気と甘味がある。麻酔作用がある。形式的には次亜硝酸の無水物に相当するが、常温において一酸化二窒素は反応性の低い気体であり水と反応することはない[1][2]。またハロゲンとは反応しない。しかし高温では助燃性を発揮し、アルカリ金属および有機物などは一酸化二窒素中で燃焼する[2]。窒素原子の酸化数は形式的には+1であるが、亜酸化窒素の構造を考慮すると、末端の窒素に酸化数0を、中央の窒素に酸化数+2を割り振ることができる。
大気中にわずかに含まれ、濃度は約 310 ppb である。主な発生源としては、燃焼、窒素肥料の使用、化学工業(硝酸などの製造)や有機物の微生物分解などがあげられる。
肥料の使用や化学物質の製造過程で出る亜酸化窒素が、2009年時点でオゾン層を最も破壊する物質であることを、アメリカ海洋大気局の研究チームが突き止め、2009年8月28日付のアメリカの科学誌『サイエンス』で発表した。
二酸化炭素の約300倍(100年GWP(100年間で発揮する温室効果))の温室効果ガスであり、京都議定書でも排出規制がかけられた。
日本では安全衛生に関する規制はないが、アメリカでは長期間の職業的暴露により自然流産率が高くなるとの報告に基づき、通常の日8時間・週40時間労働の場合の環境濃度の上限が50 ppmに定められている。〔参考:1994-1995 Threshold limit values for chemical substances and physical agents and biological exposure indices. Cincinnati, OH: American Conference of Governmental Industrial Hygienists〕
用途[編集]
- 歯科治療時の鎮静用として酸素とともに吸入を行う。これにより麻酔注射やドリル研磨、抜歯などの恐怖心が緩和される。
- 手術の際の全身麻酔に用いる(詳しくは笑気麻酔の項を参照)。
- 車のエンジン内に吸気して、爆発的なエネルギーを得ることが出来る。仕組みとしては、酸素を通常よりも燃焼室に押し込む事と気化熱による吸気温度低下により馬力アップを図るもの。第二次世界大戦中に戦闘機に使用され、戦後暫く影をひそめていたがレースカーが使用を始め一般にも普及している。代表的な製品に「ナイトラス・オキサイド・システム (NOS)」などがある。
- さまざまな食材をムース状に加工するエスプーマ調理用のガスとして。
- 宇宙開発において、アポジキックモーターやスラスターの燃料として、ヒドラジン系に変わる材料としてエタノールとの組み合わせが検討されている。自己着火(発火)性がないため点火装置が必要になり、構造が複雑になる上に比推力も劣るが、毒性が低いため安全性が高く扱いやすいこと、融点が低く宇宙空間でも凍結しないことが利点とされている。
物性[編集]
- 分子量: 44.0
- CAS登録番号: 10024-97-2
- 沸点: −89 ℃
参考文献[編集]
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ a b FA.コットン, G.ウィルキンソン著、中原勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
窒素の化合物 |
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二元化合物 |
(CN)2 · NBr3 · NCl3 · NF3 · N2F2 · N2F4 · NH3 · N2H2 · N2H4 · NI3 · NO · NO2 · N2O · N2O3 · N2O4 · N2O5 · N2S2 · N2S4 · N4S4
|
|
三元化合物 |
B3N3H6 · HNO2 · HNO3 · H2N2O2 · HOONO · NCBr · NCCl · NCF · NCI · NH3•BH3 · NOBr · NOCl · NO2Cl · NOClO4 · NO2ClO4 · NOF · NO2F · NSF · NSF3
|
|
四元・五元化合物 |
HNCO · HOCN · HONC · NOBF4 · NO2BF4 · NOHSO4
|
|
窒素の化合物 - アンモニウムの化合物 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 亜酸化窒素アナルゲジアから笑気吸入鎮静法への歴史的変遷
- 亜酸化窒素の有用性と弊害--歯科麻酔の立場から (特集 麻酔科臨床EBMを巡る問題点)
Related Links
- 笑気は1772年、イギリス人の化学者ジョゼフ・プリーストリーが発見した。亜酸化窒素を 吸入すると軽く酔ったような感じになることから、当時はパーティーなどを盛り上げるため に使用していた。ところが1795年、こちらもイギリス人化学者のハンフリー・デービーが ...
- 笑気麻酔(しょうきますい)は、医療用ガスの一種である笑気ガスと医療用酸素を用いた 全身麻酔。笑気は亜酸化窒素の別名である。笑気の語源には亜酸化窒素を用いた手術 中に麻酔に拠って弛緩した患者の表情が笑っているように見えたからという説が有力 ...
- それは歯の治療が怖い人には笑気ガスというものでリラックスさせてくれるという内容で した。 ポスターのイラストは診察イスに座っている患者さんが笑気ガスを吸うと、まるで南 の島のビーチにいるようないい気持ちになって、治療がまったく怖くなくなるというふうに ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
小池笑気
組成
効能または効果
- 本剤は酸素と併用し酸素の吸気中濃度は必ず20%以上に保つこと。
使用目的、患者の状態に応じ適宜酸素濃度を増加させること。
慎重投与
- ビタミンB12欠乏症の患者[本剤の副作用が強くあらわれるおそれがある。]1)2)
- 造血機能障害のある患者[本剤の副作用が強くあらわれるおそれがある。]1)2)
- 耳管閉塞、気胸、腸閉塞、気脳症等、体内に閉鎖腔のある患者[閉鎖腔内容量及び内圧が変化する。]3)4)
重大な副作用
造血機能障害(顆粒球や血小板の減少等)(頻度不明)
- 顆粒球や血小板の減少等、造血機能障害があらわれることがあるので、長期にわたって連用する場合には血液検査をおこない、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
薬効薬理
麻酔作用
- 単独では麻酔作用は弱いが、他剤と併用すると併用麻酔剤の使用量を低く抑えることができ、しかも麻酔効果が十分得られる。(ヒト)13)
その他
- 亜酸化窒素は循環器系への影響は少なく、換気能への影響も少ない。中枢神経系への毒性はほとんどなく、肝・腎・消化器に対する著明な作用は見られない。14)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
分子式
ガス容積
臨界温度
臨界圧力
沸点
性状
- 本剤1mLは温度20℃、気圧101.3kPaで、水1.5mL又はエタノール(95)0.4mLに溶け、ジエチルエーテル又は脂肪油にやや溶けやすい。
★リンクテーブル★
[★]
- 31歳の初産婦。骨盤位で選択的帝王切開を受けるため妊娠38週に入院した。手術室で静脈路確保後に側臥位で脊髄くも膜下麻酔を施行された。皮膚切開予定部位の消毒のため仰臥位となったところ、3分後に悪心を訴えた。意識は清明。呼吸数 18/分。脈拍 96/分、整。血圧86/56mmHg。SpO2 98%(room air)。胎児心拍数 120/分。
- 輸液速度を速めるのと同時に行うのはどれか。
- a 気管挿管
- b 笑気の吸入
- c 半坐位への体位変換
- d アドレナリンの静注
- e 患者左側方向への子宮の用手的移動
[正答]
※国試ナビ4※ [109A020]←[国試_109]→[109A022]
[★]
- 英
- inhalation alanesthetic agent, inhaled anesthetic
- 同
- ガス吸入麻酔薬、ガス麻酔薬
- 関
- 薬理学、全身麻酔薬
吸入麻酔薬の身体影響
- YN.M7 SAN.40
- 中枢神経系:意識消失、酸素消費量減少、脳血管拡張、頭蓋内圧上昇、(亜酸化窒素のみ)鎮痛作用
- 呼吸器系:用量依存的にコキュを抑制、一回換気量減少、呼吸回数増加、気管拡張作用、線毛運動抑制、気道分泌抑制、低酸素性肺血管収縮抑制
- 循環器系:用量依存的に血圧低下(血管拡張or心筋抑制)、内臓血流減少、脳・筋肉・皮膚血流増加
- 筋肉:(揮発性吸入麻酔薬のみ)
吸入麻酔薬
- SAN.39
化合物名
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分子式
|
小さいほど強力
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小さいほど効きが早い
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特徴
|
麻酔に必要な条件
|
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MAC
|
血液ガス分配係数
|
意識消失
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鎮痛
|
筋弛緩
|
反射抑制
|
笑気
|
N2O
|
101
|
0.47
|
|
△ 低MAC
|
○
|
×
|
?
|
イソフルラン
|
F3C-CH(Cl)-O-CHF
|
1.15
|
1.48
|
|
○
|
×
|
○
|
?
|
セボフルラン
|
FH2C-O-CH(CF3)2
|
1.71
|
0.63
|
|
○
|
×
|
○
|
?
|
ハロタン
|
F3C-CHClBr
|
0.76
|
2.3
|
- 肝障害(3万例に1例)
- アドレナリン感受性↑(不整脈リスク)
- 生体内分解20%
|
○
|
×
|
△
|
?
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
麻酔薬と脳に及ぼす影響
- 参考4
参考
- http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Acropolis/6786/Inhaled.html
- http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/ouu/Inhalation.html
- http://www.shinshu-masui.jp/information/2011/06/22/%E5%90%B8%E5%85%A5%E9%BA%BB%E9%85%94%E8%96%AC%E3%81%AE%E8%96%AC%E7%90%86.pdf
- http://www.shinshu-masui.jp/information/2010/05/26/%E5%90%B8%E5%85%A5%E9%BA%BB%E9%85%94%E8%96%AC.pdf
[★]
- 英
- nitric oxide NO, nitrogen monooxide
- 商
- アイノフロー
- 関
- その他の循環器官用薬
平滑筋弛緩作用
- →NOの分泌が失われると下部食道括約筋が緊張しアカラジアを生じる
炎症との関連(BPT.50)
- iNOSにより産生される
- 1. vasodilation:血管平滑筋の弛緩
- 2. 血小板活性化の全ての段階の拮抗作用(adhesion, aggregation, and degranulation
- 3. 炎症部位への白血球のリクルートメントの減少
- 4. 活性化マクロファージの中でのバクテリア障害物質としての作用
メモ
[★]
- 英
- oxygen
- 関
- 空気、酸素療法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B0%97
麻酔科
- 参考1
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酸素
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笑気
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空気
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二酸化炭素
|
医療ガス配管
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緑
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青
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黄
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橙
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ガスボンベの色(日本)
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|
|
|
緑
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ピンインデックス
|
・ ・
|
・
・
|
・
・ ・
|
・ ・
|
ピン
|
2
|
2
|
3
|
2
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角度(時計回り)
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180
|
135
|
120
|
-90
|
参考
- http://www.eonet.ne.jp/~hidarite/me2/anzenkanri05.html
[★]
- 英
- neurolept anesthesia, NLA
- 同
- 神経遮断麻酔
- 関
- 全身麻酔
ニューロレプト原法
- ドロペリドール + フェンタニル
ニューロレプト麻酔
- ドロペリドール + フェンタニル + 笑気
メリット
デメリット
- 導入に時間がかかる。麻酔深度を調節できない。呼吸抑制が強い。
ニューロレプト麻酔変法
- ジアゼパム ペンタゾシン
[★]
- 英
- general anesthetic
- 関
- 全身麻酔薬
商品
[★]
- 英
- laughter gas
- 関
- 亜酸化窒素 N2O
[★]
- 英
- vital energy, life energy, active energy