出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/11 00:18:35」(JST)
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出血性梗塞(しゅっけつせいこうそく)とは、脳梗塞の合併症の一つである。
血栓性脳梗塞や心原性塞栓性脳梗塞において塞栓子が融解や遠位側へ移動することによって壊死組織に血流が再開通することがある。壊死組織では血管壁の透過性が上昇しているため、再開通を機に血管性浮腫が増悪したり、あるいは梗塞により脆くなった血管壁があると、そこから出血がおこることがある。これを再潅流障害という。出血が起こった場合を出血性梗塞という。
出血性梗塞は急性期の再灌流傷害時(目安として2~5日)と発症2週間後以降の側副血行路により血液供給が行われる時期や、血管が新しく作られる際に起りやすいとされている。発症直後の出血性梗塞は虚血強度が強く、再開通しやすい塞栓性梗塞と頻度が高い。出血量も大量なことが多く、神経症状を増悪させ脳梗塞の予後不良因子の一つである。発症第一日で出血性梗塞が発症することは稀であり、病歴の聴取が非常に重要となる。また、再開通後に高血圧が続いたり、心原性脳塞栓症で抗凝固薬を投与していたりしているような場合には、大出血を起こすおそれがある。
亜急性期には梗塞巣内部や大脳皮質、脳回表面に小さな出血を認めることがある。T2*で低信号で検出される。ラクナ梗塞では抗血小板薬使用の際に判断基準となる重要な所見である。
中大脳動脈水平部(M1)の塞栓性閉塞再開通後に合併する外側線条体動脈領域の出血性梗塞では高血圧性の被殻出血と鑑別になる。特に、皮質枝領域が梗塞に陥らなかった場合は鑑別が難しくなる。
分類 | 内容 |
---|---|
出血性梗塞タイプ1(HI1) | 梗塞辺縁部に沿った小さな点状出血 |
出血性梗塞タイプ2(HI2) | 梗塞領域内にありmass effectはない融合性点状出血 |
実質性出血タイプ1(PH1) | 軽度のmass effectを伴う。梗塞領域の30%以内の血腫 |
実質性出血タイプ2(PH2) | 明らかなmass effectを伴う。梗塞領域の30%を超える、もしくは梗塞巣から外れる血腫。 |
PH2は早期神経学的悪化のリスクおよび3カ月以内の死亡リスクが著名に増加することが知られている。
抗凝固療法中の場合は一週間の抗凝固療法の中止を行う場合が多い。しかし3日の中止後抗凝固療法の開始が可能であるという報告もありコンセンサスは得られていない。
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