- 英
- decompression sickness
- 同
- せんかんびょう 潜函病 dysbarism、減圧病、潜水病, 潜水夫病, diving disease, diver's disease、ケイソン病, caisson disease
- 関
- 気圧障害、窒素塞栓症
概念
- 高圧環境から常圧環境への急激な移動により生じる病態
- 水深10m以内の急浮上では発症しない。
- 急激な減圧後2時間以内に発症する場合がほとんど(90%)である。24時間以内の発症が90%という記載もみられる(SQ.504)
- 病型:I型は皮膚と筋関節症状のみのもので、それぞれ皮膚型、四肢型と呼ばれる。II型はI型以外の症状を呈するもので、中枢神経型、脊髄型、内耳型、呼吸循環型がある。(SQ.504)
- 治療は高圧酸素療法。II型減圧症の場合には再圧療法が必須。
参考
- http://www.divingmedicine.jp/decompression/d_3.html
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/16 18:29:10」(JST)
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減圧症 |
米国海軍兵士が治療のため減圧室に入っているところ
|
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
T70.3 |
ICD-9 |
993.3 |
DiseasesDB |
3491 |
eMedicine |
emerg/121 |
減圧症(げんあつしょう)は、身体の組織や体液に溶けていた気体が、環境圧の低下により体内で気化して気泡を発生し、血管を閉塞して発生する障害の事である。潜水症(病)、潜函症(病) 、空気塞栓症、あるいは ケーソン病 とも呼ばれる。
目次
- 1 概要
- 2 症状
- 3 治療
- 4 予防
- 5 外部リンク
- 6 関連項目
概要
気体の体積はボイル=シャルルの法則の法則によって一般に圧力に反比例[1]する。高圧下では体積が大変微小で液体中にあった気体が、急激な減圧により体積が膨張して大きな気泡を生じ、これが血液内で起きると血管を塞栓し循環器系に血行障害をひき起こす。通常、酸素や二酸化炭素など、血中に溶けこんでいる気体濃度は呼吸によって速やかに排泄されるが、窒素はすぐには排泄できず、これが典型的な減圧症の主な原因となる。より高圧な環境で使われる大深度潜水に用いられるヘリウムが原因になることもある。
急激に減圧が発生する環境下で発症し、これを減圧症と呼んでいる。スクーバダイビングやケーソン工事、与圧された旅客機において何らかの原因で急減圧が生じたときや、戦闘機で急速上昇を行った場合、高高度において爆撃機に搭乗中に被弾した場合、宇宙服で宇宙空間に出た場合などが知られる。
日本国内では、西伊豆でスクーバダイビングを楽しんだあと、箱根を越えて帰宅する場合に発症するケースが多く報告されている。
症状
急性症状としては関節痛(ベンズともいう)が典型的である。重症例では呼吸器系の障害(息切れ・胸の痛み)やチアノーゼが見られることもある。生涯にわたる神経系の損傷等、重篤な後遺症を招くケースも少なくない。
ごく軽い減圧症では、ごく微細な毛細血管のみが閉塞し、これらの急性症状が見られないこともあるが、この程度の減圧症でも長期的には骨の組織壊死を招くことがある。
治療
高圧酸素療法が、ほぼ唯一の治療法である。自然治癒はしないものと考えた方が良い。発症後できる限り早い時期に治療を開始することで、後遺症を最小限に留めることができる。特に重症のときは一刻を争い治療を開始する必要がある。緊急的には、再度潜水して気泡を縮小させ症状を軽快させる(フカシと言う)ことも行われないわけではないが、一般には推奨されない。
救急処置として(常圧の)純酸素を呼吸させることで、血管の閉塞に起因する低酸素状態から発生する障害や後遺症をある程度緩和できる可能性が高い。減圧症が疑われる場合には、可能な限り早期に最寄の医療機関を訪問し、あるいは救急車を呼ぶなどして酸素吸入を開始し、その後高圧酸素療法を施行可能な医療機関に移送すべきである。
高圧酸素療法は、どこの医療機関でも施行可能な治療ではないが、大学病院等の高度医療機関、労災病院、沿岸部の公立病院等、減圧症患者の来訪頻度が高い医療機関には施行設備が設置されていることが多い。また徳洲会系列の病院は、経営方針として高圧酸素療法の施行設備を有している場合が多い。同時に多人数の患者を治療することはできないため、訪問予定の医療機関が、減圧症患者の受け入れ可能な状態にあるか否か、あらかじめ確認してからの受診が望ましい。
潜水病の医学的研究機関として海上自衛隊の潜水医学実験隊が横須賀市に設立されている。また、空中での減圧症については、航空自衛隊の航空医学実験隊で研究されている。
予防
減圧症で塞栓を起こす原因物質は呼吸によるすみやかな代謝が期待できないため、減圧にゆっくりと時間をかけ体外への自然排出を行うことで予防できる。戦闘機搭乗や宇宙遊泳などでは、減圧症を発生させにくい純酸素を呼吸して予防することもできるが、このような特殊な環境下でなければ通常はスクーバダイビングなどをする場合にのみ注意すればよい。
PADIなどの指導団体の教則では、水面に浮上する前に水面下数mのところで静止させている。淡水では海水より浮力が強く、また高地でのダイビングでは、さらに慎重さと一層の技量が必要になる。ダイビング一般に、スクーバダイビングを行ってから24時間までは飛行機への搭乗を禁止し、また、ダイビングの直後に高山に登ることを禁止するなどの指導がある。
なお、潜水直後の飲酒は代謝を乱すため減圧症を招きやすい危険がある。
外部リンク
- 潜水医学(東京医科歯科大学医学部附属病院高気圧治療部准教授による減圧症の解説ページ)
関連項目
- 飽和潜水
- テクニカルダイビング
- 混合ガス#潜水における混合ガス
- 酸素中毒
- 窒素中毒
- 伏龍特攻隊
- クラッキング (関節)
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トウガラシスプレー (OC) - CSガス - CNガス (mace) - CRガス
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焼夷剤 |
三フッ化塩素
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対物剤 |
パイロフォリック - 機動阻止システム
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化学兵器規制 |
ジュネーヴ議定書 - 化学兵器禁止条約 (CWC) - 化学兵器禁止機関 (OPCW) - 遺棄化学兵器問題
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(補足:関連項目) |
催涙スプレー - 防犯装備 - スカンク
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火山ガス
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農薬中毒
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金属中毒 |
- 鉛中毒
- 水銀中毒
- ヒ素中毒
- カドミウム中毒
- マンガン中毒
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物理的要因 |
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- ^ 温度一定の場合。ボイル=シャルルの法則を参照。
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Japanese Journal
- 減圧症 (特集 スポーツ医学と救急医学) -- (環境障害に伴う病態への対応)
- ダイビング : 圧損傷と減圧症 (特集 夏場の救急傷病 初期対応とケア) -- (概説と事例,初期対応とケア)
Related Links
- 山見信夫によるダイバーの為の潜水医学 ... 減圧が原因で起こる障害を総じて減圧障害(decompression illness)といいます。ここでは、減圧障害のひとつである減圧症について説明します。
- 減圧症(潜水病、潜函病)は、高圧環境下で血液や組織中に溶けていた窒素が、減圧に伴い気泡をつくる状態です。 ... 空気は主に窒素と酸素から成り立っています。圧力が高いと空気は圧縮されるので、深い水中で吸った空気は水面 ...
- 館山セミナーオフィシャルソングとして「減圧ソング」音楽CDが全国販売されました。 昨年のテーマ曲「耳抜き 音頭」も収録されています。 安全停止中に運動すると減圧症になりにくくなるという昨年の講演内容をもとに作成された3 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 21歳の男性。手指の震えを主訴に来院した。週に 3日午前中、派遣先の大型塗料店で在庫管理の仕事をしている。 4日前、離島でダイビングをしている時、水深 21 mまで潜ってから浮上する途中に、潜水の履歴から浮上の必要性や手順を計算するダイビングコンピュータから浮上を停止するよう指示を受けた。その際、一旦浮上を停止した後インストラクターの指示に従い浮上した。 2日前もダイビングをした後、夕方ジェット旅客機に搭乗し帰宅した。帰路、天候が悪く機体の揺れのため席から離れることができなかった。就寝時、右中指の近位指節間関節が少し痛いのに気付いた。昨日も指先の感覚に違和感を覚えた。本日、字を書く時に指先が震えるため受診した。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A020]←[国試_108]→[108A022]
[★]
- 38歳の男性。意識障害のため仲間に伴われて救急車で搬入された。本日、海で水深30m程度のスキューバ潜水を楽しんでいた。2回目に浮上したとき、約5分後に全身倦怠感を訴え、意識を消失した。搬入時は意識は清明で、顔面腫脹、両上肢の感覚低下および両下肢の運動麻痺と感覚低下とを認める。血液所見:赤血球560万、Hb20.2g/dl、Ht61%、白血球8,800。胸部エックス線写真に異常はなく、心電図は正常範囲である。
- 適切な治療法はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097I046]←[国試_097]→[097I048]
[★]
- 21歳の男性。手指の震えを主訴に来院した。18歳時から事務仕事をしていたが、昨年から週に3日午前中、派遣先の大型塗料店で在庫管理の仕事をしている。4日前と一昨日離島でダイビングをし、一昨日の夕方、ジェット旅客機に搭乗し帰宅した。帰路、天候が悪く、機体の揺れのため席から離れることができなかった。帰宅日の就寝時、右中指の近位指節間関節が痛いのに気付いた。昨日も指先の感覚に違和感を覚えたという。本日、字を書く時に指先が震えるため受診した。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D034]←[国試_114]→[114D036]
[★]
- a 深部体温44℃の熱中症は予後が悪い。
- b 減圧症は旅客機に搭乗することで改善する。
- c 凍傷では壊死部分のマッサージが有効である。
- d 高地脳浮腫では酸素吸入で登山続行が可能となる。
- e 全身被ばく後に下血を伴う急性放射線障害は予後が良い。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I028]←[国試_107]→[107I030]
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[正答]
※国試ナビ4※ [101B118]←[国試_101]→[101B120]
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- 英
- barotrauma
- 関
- 気圧性外傷、圧外傷。潜函病。気圧、減圧症
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減圧症、ケイソン病
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- 英
- vacuum、reduced pressure、hypobaric
- 関
- 吸引、低圧、低比重、真空
[★]
- 英
- sis, pathy