- 英
- oxygen therapy
- 同
- 酸素吸入療法、酸素治療 oxygen treatment、酸素投与 oxygen administration
- 関
- 在宅酸素療法
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/05 18:30:23」(JST)
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酸素吸入(さんそきゅうにゅう)とは、空気よりも高濃度の酸素を人為的に吸入することである。医療や健康増進などの目的で行なわれる。
目次
- 1 急性期ケアにおける酸素吸入
- 1.1 目的
- 1.2 適応
- 1.3 装置および器具
- 1.4 診療報酬
- 1.5 潜水事故バイスタンダーによる酸素供給について
- 2 慢性期ケアにおける酸素吸入
- 3 副作用
- 4 脚注
- 5 参考文献
- 6 関連項目
急性期ケアにおける酸素吸入
目的
酸素療法の第1の目的は、吸入酸素濃度(FiO2)を増加させて、動脈血酸素分圧(PaO2)を正常に保ち、組織に十分な酸素を供給することである。また、肺胞酸素分圧(PAO2)が70mmHg以下になると低酸素性肺血管攣縮を起こし、肺高血圧症の原因となることから、これを防ぐことも目的のひとつである。
適応
低酸素血症とは、動脈血中PaO2が正常域値を下回った状態と定義される。
- ルームエア呼吸下でPaO2<60 torr、またはSaO2<90%。あるいはPaO2および/あるいはSaO2が特別な臨床的状況に関して好ましい範囲を下回った状態をいう。
- 低酸素血症が疑われる急性ケアの例。治療開始後の一定時間内に低酸素血症が認められた場合。
- 重症外傷。
- 急性心筋梗塞。
- 短期間の治療あるいは外科的治療。
装置および器具
酸素供給装置は、患者の吸気流量と酸素供給流量の関連から、低流量と高流量に分けられる。低流量のものは、経済的で侵襲度が低い一般的な酸素供給方法である。一方高流量のものは、酸素供給流量を患者吸気流量より高く設定するので大気の混入がなく、患者の換気状態が変化しても設定したFiO2を維持できる。
吸入器具としては、鼻腔カニューレ(nasalと通称されることが多い)、単純なフェイス・マスク、リザーバー付きのフェイス・マスクの3種が多用される。それぞれの器具を使用した場合の吸入酸素濃度(FiO2)は下表のとおりである。
鼻腔カニューレの場合 |
酸素マスクの場合 |
リザーバー付マスクの場合 |
100%酸素流量(l/min) |
FiO2(%) |
100%酸素流量(l/min) |
FiO2(%) |
100%酸素流量(l/min) |
FiO2(%) |
1 |
24 |
5 |
40 |
6 |
60 |
2 |
28 |
6 |
50 |
7 |
70 |
3 |
32 |
7 |
60 |
8 |
80 |
4 |
36 |
|
|
9 |
90 |
5 |
40 |
|
|
10 |
99 |
6 |
44 |
診療報酬
診療報酬上、医療機関での酸素吸入は処置に区分けされている。
潜水事故バイスタンダーによる酸素供給について
上記の適応には上げられていないが、減圧症(DCS)および動脈空気塞栓(AGE)に対しても酸素投与が有効であるとされている。これらの障害に対して最終的には高圧酸素療法が適用されるが、オンサイトでの大気圧酸素呼吸(NBO)は、適切な応急処置として推奨されている。これは、下記の根拠によるものとされている。
- 末梢組織に過飽和状態で溶け込んだ窒素が末梢血管内でバブルを形成するには、減圧終了後30分~1時間を要するとされ、末梢組織を傷害しているバブルは次第に大きくなっていく。100%の酸素を呼吸すると数分で肺の中の空気は全酸素に置き換えられ、30分以内に動脈血の窒素(78%)は、オキシジェン・ウィンドウ[1]理論により、酸素に置き換えられる。なお、高圧酸素療法においては、気泡の全圧も上昇して圧勾配がさらに大きくなることから、より効果的となる。
- この結果、末梢組織の過剰な窒素は毛細管壁を通って静脈血側に追い出され、気泡の増大を阻止するとともに、すでにできてしまったバブルも酸素に置き換えられ、バブルを縮小する。
- バブルは末梢の血流を阻害しているが、それには白血球やリンパ球が関与した赤血球凝集が原因となる。酸素分圧が高い状態では、赤血球凝集を阻止できる。
オンサイトでのNBO実施は、既に欧米では実績を上げている。例えばDANヨーロッパで行なわれた研究では、NBO非実施群では再圧治療開始までに症状が緩解ないし消滅したのは3.7%にすぎなかったのに対し、NBO実施群では60.8%に達している。しかし日本においては、オンサイトでNBOを実施しうる資格を有するダイバーがあまりに少ないと指摘されている。
オンサイトNBOにおいては、病室での酸素投与とは異なり、酸素の供給源に限りがあることから、デマンド式の機材が使用されることが多い。また、高圧酸素療法が可能になるまでの応急処置としての性格が強いことから、極力高濃度の酸素投与が推奨されることも特徴である。ただし、酸素による肺障害のリスクを考慮して、DANのガイドラインは、NBOが6時間を越えないように求めている。またオンサイトNBOでは、洞穴潜水など環境圧が高い状況での酸素投与も想定されるため、中枢神経系における酸素中毒にも留意すべきである。
慢性期ケアにおける酸素吸入
呼吸器疾患などの患者は、長期的に高濃度の酸素を吸入しなければいけないため、医師の処方指導の元自宅で日常生活をしながら酸素を吸入する在宅酸素療法(en)(home oxygen therapy 略称HOT)が行なわれている。これには短期間の医療機関の入院を行い動脈血液の酸素ガス濃度を測りながら酸素流量を調節し使用酸素濃度を調節するなど厳密な管理が必要である。また、外出中でも携帯装置で酸素を吸入することもできる。
装置および器具
自宅・携帯用の酸素を出す装置には、以下のものがある。
- 酸素濃縮器
- ランニングコストはほぼ電気代とレンタル料(医療費の自己負担分に応じて発生する)、酸素ボンベと比較するとランニングコストが安い。自宅では高濃度型の酸素濃縮器、外出時は携帯用酸素ボトルを使用する例が一般的。
- 携帯酸素発生器
- 二種類の薬剤と水を専用のプラスティックボトルに入れて100%の酸素をおよそ10分間発生させる器具がある。近年、航空機へはテロ対策として酸素ボンベなど酸素を発生する器具類は安全確保のため手荷物として持ち込むことが出来ない。しかし、この薬剤と水を反応させる携帯用の酸素発生器は、航空機へ載せることが出来る唯一の酸素発生器で、登山や高地への旅行には高山病予防に欠かせない器具である。
- 液体酸素容器
- 一般的には液体酸素が充填されている容器を「液酸容器」という。これは凍傷など各種の危険性が伴うため、家庭に設置する場合は許可や使用訓練が必要である。近年より簡便に使用出来るようになりライフラインに左右される事の無い事から使用例が増えつつある。自宅には液酸容器、外出時は携帯用液体酸容器に自分で充填して使用するか、携帯用酸素ボトルを使用する。電気代は電池代だけである。
- 携帯用酸素ボトル(酸素瓶)
- 外出時に使用する、気体の酸素を充填している高圧ガス容器である。空になったら専門の充填業者にて再充填して使用する。日本では酸素ボトルのことを酸素ボンベと呼ぶ場合もある。医療用のものはアルミ容器にグラスファイバーや炭素繊維等を巻きつけたもので軽く航空機への持ち込みも許可されるものが多い。(届け出は必要)なお携帯用酸素ボトルは、家庭で充填できる機器も存在する(日本では高圧ガス保安法の規定により使用出来ない)。呼吸に合わせて酸素を出したり止めたりする呼吸同調器(デマンドバルブ、サンソセーバーとも)という機器を使って使用するのが一般的である。尚、酸素を含む医療用ガスは医薬品に該当する為、医療機関を経ずに供給することは薬事法により禁止されている。アルミ製缶に酸素を充填した使い捨ての小型酸素ボンベも市販されている、酸素バルブを接続し流量を調整して使用するがきわめて短時間の使用しか出来ない(およそ9分)
- 携帯用液体酸素容器
- 外出時に液体酸素を常圧で保冷して携帯するための容器である。携帯用酸素ボンベの大きさに比べて、小型かつ軽量な機種がほとんどで、携帯用酸素ボンベに比べて長時間の外出が可能である。近年その携帯性と長時間利用可能なメリットとより簡便な利用が可能になり使用する例が増えて来つつある。(航空機への持ち込みは出来ない)デメリットは、酸素を低温で液体状態にして魔法瓶のような構造の容器で保存する関係上、利用しなくても徐々に蒸発していく事で、保存しておける時間は、ヘリオスリザーバーで約57日、ヘリオスポータブルで約18時間である。
- 酸素発生器・酸素缶
- 酸素発生器は水の中にタブレットを投入し水との化学反応で酸素が発生する機器だが一度反応を始めたら止める事は出来ないし使用可能時間も少ない、また、酸素缶は一般的に良く売られているスプレー缶に酸素を詰めたもので連続使用には不向で、それぞれ一時的に気分が悪くなった場合などに使用するのが一般的である。
いずれの容器、装置を使用する場合でも、火気厳禁(最低2m、できれば5m範囲)である。しかし、煙草や蚊取り線香、石油ストーブや電気ストーブ等による火災事故が後を絶たない。
副作用
酸素吸入に関して警戒すべき副作用としては、未熟児においては未熟児網膜症による失明、慢性呼吸不全患者においては炭酸ガスナルコーシスによる自発呼吸の停止および意識障害がある。また、高濃度酸素の長時間吸入による酸素中毒症や吸収性無気肺なども発生しうるほか、活性酸素を増やすため、場合によっては弊害もあるとの説もある。そのため医療機関では厳密な酸素濃度管理を行い過度の血中酸素ガス濃度にならないよう管理している。
脚注
- ^ オキシジェン・ウィンドウとは、組織での酸素消費によって肺胞気、動・静脈血の全圧の間に較差が生じることをさしたもので、これは呼吸する酸素分圧に比例して増大することから、酸素吸入によって肺・組織間のオキシジェン・ウィンドウが増大すると、気泡と組織の間の圧勾配が大きくなり、気体の拡散が促進されて気泡は縮小することになる。
参考文献
- 大岩弘典『新しい潜水医学』水中造形センター, 2003年
関連項目
- 酸素
- 酸素濃縮器
- 酸素バー
- 酸素カプセル
- 高気圧酸素治療
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 東日本大震災直後での山形大学医学部附属病院救急部の診療状況
- 伊関 憲,林田 昌子,清野 慶子,岩下 義明,篠崎 克洋
- 山形大学紀要. 医学 : 山形医学 30(1), 1-7, 2012-02-25
- … さらに来院した一酸化炭素中毒と在宅酸素療法(HOT)、在宅人工呼吸療法(HMV)の患者についても検討した。 … 余震のため高圧酸素療法を行わない方針とし、大気圧下酸素吸入療法をおこなった。 …
- NAID 110008906958
- 長崎県下初の脳死肺移植術の経験 -国内最長距離を搬送した脳死肺移植-
- 宮崎 卓郎 [他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 86(4), 195-200, 2011-12-25
- … その後在宅酸素療法となり、徐々に呼吸状態が悪化していった。 …
- NAID 110008897041
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- 在宅酸素療法(HOT)についての医学的情報と在宅酸素療養者の生活を応援する在宅 酸素療法専門サイトです。呼吸のしくみと病気、在宅酸素療法とはの2つのテーマに 分かれたコンテンツがあり、基礎的な知識から導入までの手順を詳しく解説しています。
- 酸素療法. 酸素療法の目的と効果. ① 低酸素血症の改善 ② 呼吸仕事量の改善 ③ 心筋仕事量の改善. 酸素投与法. 酸素流量, 吸入酸素濃度, O2濃度調整, CO2蓄積, 備考 ... ①気道の乾燥 ②酸素中毒 ③CO2ナルコーシス ④吸収性無気肺 ⑤火災 ⑥ 感染 ...
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★リンクテーブル★
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- 70歳の女性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。3年前から風邪をひいていなくても咳や喀痰が出るようになり、風邪をひくと咳と痰が悪化し、時に喘鳴が出現するようになった。2年前から坂道や階段を昇る際に呼吸困難を自覚するようになり、3か月前からは、平地でも100m歩くと強い息切れを自覚し途中で休むようになったため受診した。喫煙は69歳まで15本/日を49年間。身長 153cm、体重 45kg。脈拍 88/分、整。血圧 140/80mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 95%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口唇や指尖にチアノーゼを認めない。頸部の胸鎖乳突筋が肥厚し、吸気時に肋間や鎖骨上窩の陥入を認める。胸郭は前後に拡張し、呼気が延長している。胸部の聴診で呼吸音が減弱している。胸部の打診で鼓音を呈する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。心エコーで異常を認めない。胸部エックス線写真で肺の過膨張所見を認める。呼吸機能検査は、FVC 2,500mL、%FVC 104%、FEV1 700mL、%FEV1 36%、FEV1% 28%であった。
- この患者の増悪予防のために有用なのはどれか。2つ選べ。
- a 酸素療法
- b インフルエンザワクチン接種
- c 長時間作用性β2刺激薬の吸入
- d 短時間作用性抗コリン薬の吸入
- e 経口ペニシリン系薬の少量長期投与
[正答]
※国試ナビ4※ [110I074]←[国試_110]→[110I076]
[★]
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 68歳の男性。下腹部の痛みと尿が出ないこととを主訴に来院した。
- 現病歴 : 3年前から頻尿、残尿感および排尿困難があったが放置していた。2時間前に自宅で晩酌をしていたところ、下腹部に痛みが出現し、触ると痛みが増強した。排尿ができず、痛みも持続している。
- 既往歴 : 5年前から高脂血症を指摘されているが放置している。
- 生活歴 : 喫煙20本/日を30年間。飲酒晩酌程度。
- 現症 : 意識は清明。身長163cm、体重65kg。体温36.5℃。脈拍100/分、整。血圧156/90mmHg。上腹部はほぼ平坦で、肝・脾は触知しない。下腹部は軽度膨隆しており、正中に腫瘤を触知し、同部に圧痛を認める。下肢に浮腫を認めない。骨盤部超音波写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D036]←[国試_100]→[100D038]
[★]
- 次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
- 26歳の1回経妊、未産婦。今朝、多量の性器出血と下腹部痛とが突然出現したため来院した。
- 現病歴 : 2か月前に経ロ避妊薬の服用を中止し、消退出血があった。その後、持続する性器出血があったが、自然に消失した。
- 現症 : 意識は清明。身長156cm、体重50㎏。体温36.5℃。臥位で、脈拍68/分、整。血圧104/76mmHg。腹部はほぼ平坦であるが、下腹部に圧痛を認める。双合診で子宮の大きさは鷲卵大、軟。両側付属器に異常を認めない。膣鏡診で外子宮ロから多量の出血を認める。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球380万、Hb11.2g/dl、Ht35%、白血球6,300、血小板19万。
[正答]
※国試ナビ4※ [097F033]←[国試_097]→[097F035]
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- 5歳の男児。1年前から、手背に皮疹が出現した。放置したところ、肘頭と膝蓋とにも拡大してきたので来院した。右手背の写真を以下に示す。適切な治療はどれか。
[正答]
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- 1歳2か月の女児。2日前から感冒気味であった。夕方から左耳痛と発熱とがあり来院した。左鼓膜写真を以下に示す。適切な治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F016]←[国試_096]→[096F018]
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[正答]
※国試ナビ4※ [097E038]←[国試_097]→[097E040]
[★]
- 英
- oxygen administration
- 関
- 酸素療法
酸素投与の悪影響(1)
- 1)動脈管依存型 → 酸素投与により動脈管が閉鎖方向に向かう
-
- 肺動脈閉鎖、右室低形成、重症肺動脈狭窄
- 大動脈縮窄・大動脈離断、大動脈閉鎖
- 2)肺循環負荷型 → 酸素投与により肺血管が拡張し、肺血管抵抗も減少して肺うっ血が増強
-
- 心室中隔欠損、大動脈縮窄複合、完全心内膜床欠損、総動脈幹遺残、
- 完全大血管転位(II型)、三尖弁閉鎖(C型)、大動脈肺動脈窓など
- 総肺静脈環流異常、三心房心、僧帽弁狭窄、肺静脈狭窄など
- http://nmcg.shiga-med.ac.jp/rc_lectur
[★]
- 英
- oxygen mask
- 同
- マスク
- 関
- 酸素療法
- ネーザルカニューレ
- 酸素マスク
- リザーバー付き酸素マスク
- ベンチュリーマスク
[★]
- 英
- home oxygen therapy, HOT、(欧米)long-term oxygen therapy LTOT
- 同
- 家庭酸素療法
- 関
- 酸素、酸素療法
概念
- 1985年に医療保険の適用
- HOTを導入されている患者:約10万人(2002年)、約13万人(2008年?)
- 疾患別HOT導入患者数:COPD(約半数) > 肺結核後遺症 > 肺線維症 > 肺癌
目的
- 生命予後改善、運動耐容能の改善、QOLの向上
- 低酸素血症の持続による全身的な臓器障害の予防、生存期間の延長
- 呼吸困難感の軽減や運動耐容能の改善および入院回数の減少 → QOL改善
対象疾患
保険上の適応
- 種々の原因による呼吸不全症例であって(慢性呼吸不全で少なくとも1か月以上病態が安定していること)、(1)もしくは(2)であるもの。
社会保険の適用基準 - 日本呼吸リハビリテーション学会
- 医科点数表記改定点の解釈 平成 26 年 4 月版
対象疾患
- 1: 高度慢性呼吸不全例
- 2: 肺高血圧症
- 3: 慢性心不全
- 4: チアノーゼ型先天性心疾患
高度慢性呼吸不全例の対象患者
- 動脈血酸素分圧(PaO2)が 55 Torr 以下の者、および PaO2 60 Torr 以下で睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症を来す者であって、医師が在宅酸素療法を必要であると認めた者。適応患者の判定に、パルスオキシメータによる酸素飽和度を用いることは差
し支えない。
慢性心不全の対象患者
- 医師の診断により、NYHA Ⅲ度以上であると認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数(1 時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう)が 20 以上であることが睡眠ポリグラフィー上で確認されている症例。
チアノーゼ型先天性心疾患について
- チアノーゼ型先天性心疾患に対する在宅酸素療法とは、ファロー四徴症、大血管転位症、三尖弁閉鎖症、総動脈幹症、単心室症などのチアノーゼ型先天性心疾患患者のうち、発作的に低酸素または無酸素状態になる患者について、発作時に在宅で行われる救命的な酸素吸入療法をいう。
装置
- 酸素濃縮装置/酸素濃縮器(膜型・吸着型):空気から酸素を取り出す方式 ← 9割以上の症例で
- 液体酸素:外出の機会の多い活動度の高い症例のみ
- 酸素ボンベ
- その他:(外出用)携帯用酸素ボンベ、(長時間利用できるタイプ:吸気時にのみ酸素を供給)節約装置
導入
- 在宅酸素療法の導入には入院でおこない、酸素流量の決定と患者さんの学習が行われる。
治療目標
- 酸素流量の決定:動脈血酸素飽和度により低酸素状態を評価。デバイスとしてパルスオキシメーターが許容されているが、動脈血液ガス検査を施行することが好ましい。
- 在宅酸素療法で用いる機械をベットサイドに用意、3つの状況(安静時、睡眠時、労作時)毎に酸素流量を決定する。
- 安静時:(1)高CO2血症を伴わない症例:PaO2 80-100Torr。高CO2血症を伴う症例:PaO2 70Torr前後。
- 睡眠時:睡眠中SpO2が90%以上。REM睡眠期に低酸素の著しい症例では高CO2血症に陥ることがある。
- 労作時:6分間歩行テストがSpO2が90%以上。目安:「COPD・肺結核後遺症」安静時の1-2L/分増し。「肺線維症」安静時の3倍
ガイドライン
参考
- http://rockymuku.sakura.ne.jp/kokyuukinaika/zaitakusannsoryouhounotekiyou.pdf
- http://www.zaitakusansoryoho.com/hot/h04.html
- http://nsleep.com/hp/home-care/ho-hot/ho-hot.htm
- http://www.jrs.or.jp/home/modules/glsm/index.php?content_id=48
- 5. 酸素療法マニュアル - 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
- http://www.jsrcr.jp/uploads/files/%E9%85%B8%E7%B4%A0%E7%99%82%E6%B3%95%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB.pdf
[★]
- 英
- hyperbaric oxygen therapy HBOT、hyperbaric oxygenation、hybaroxia、HBO、hyperbaric、oxygen under high pressure OHP
- 関
- 高圧、高気圧酸素治療、高気圧酸素療法
[★]
- 英
- hyperbaric oxygen therapy HBO
- 関
- 高圧酸素療法、高気圧酸素治療
[★]
- 英
- home oxygen therapy
- 関
- 在宅酸素療法
[★]
- 英
- oxygen
- 関
- 空気、酸素療法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B0%97
麻酔科
- 参考1
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酸素
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笑気
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空気
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二酸化炭素
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医療ガス配管
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緑
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青
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黄
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橙
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ガスボンベの色(日本)
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緑
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ピンインデックス
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・ ・
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・
・
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・
・ ・
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・ ・
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ピン
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2
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2
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3
|
2
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角度(時計回り)
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180
|
135
|
120
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-90
|
参考
- http://www.eonet.ne.jp/~hidarite/me2/anzenkanri05.html
[★]
- 英
- method、law
- 関
- 測定法、測定方法、訴訟、方法、法律学、手法、方式、法律
[★]
- 英
- therapy、regimen、cure、remedy、therapeutic