- 英
- chondroitin
- 商
- アイドロイチン、エルネオパ1号、エレジェクト、エレメンミック、ガイシード、ガシクロン、カシミタール、カシロン、カシワドール、コンドナール、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロン、サイリジン、ザルソロイチン、ザルチロン、シザナリンN、シボンN、ディスコビスク、ハウゼマイム、バロジェクト、ビスコート、ピリツイン、ホモック、ボルビサール、ボルビックス、ミネラミック、ミネラリン、ミネリック-4、ミネリック-5、ムコティア、ムコファジン、ムコロイド、メドレニック、ヤスラミン、ロイサールS、硫酸バリウム
- 関
- コンドロイチン硫酸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/09/24 18:47:50」(JST)
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コンドロイチン硫酸(コンドロイチンりゅうさん、chondroitin sulfate)は、動物体内にみられるグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種。通常、コアタンパク質と呼ばれる核となるタンパク質に共有結合したプロテオグリカンとして存在する。特に軟骨の細胞外マトリックスにアグリカンと呼ばれるプロテオグリカンとして多く存在するが、皮膚などの結合組織、脳などあらゆる組織に広くみられる。
目次
- 1 化学構造
- 2 機能
- 3 医薬品・健康食品
- 4 脚注
- 5 外部リンク
化学構造
D-グルクロン酸 (GlcA) と N-アセチル-D-ガラクトサミン (GalNAc) の2糖が反復する糖鎖に、硫酸が結合した構造を持つ。この「GlcA-GalNAc」2糖単位の中で硫酸基の付加やエピ化(GlcA からイズロン酸)で構造の著しい多様性がある。生体内に見られる長いコンドロイチン硫酸鎖には、一本の鎖で均一にすべての2糖単位が同じ構造(例:コンドロイチン6硫酸構造)をしているというものはほとんど存在しないといってもよい。このことは、多くの生化学や細胞生物学の教科書において誤解を与える記述がなされており注意を要する。
硫酸基の位置は、GalNAc の4位に硫酸がついたコンドロイチン4硫酸(コンドロイチン硫酸Aともいう)、コンドロイチン6硫酸(コンドロイチン硫酸C)が主なものである。GalNAc 4位の硫酸化がみられるデルマタン硫酸(dermatan sulfate、コンドロイチン硫酸B)は、コンドロイチン硫酸の GlcA がエピ化し、イズロン酸となっている。コンドロイチン硫酸の中には、4位、6位の両方が硫酸化されたコンドロイチン硫酸Eや、グルクロン酸やイズロン酸のヒドロキシル基が硫酸化されたoversulfatedな構造もしばしばみられる。これらの構造の変化や存在比は、プロテオグリカンの種類、動物種、組織、発生段階、病気によって違ってくる。例えば、哺乳類の皮膚にはデコリンと呼ばれるプロテオグリカンにデルマタン硫酸構造が豊富に見られる。哺乳類マスト細胞には、コンドロイチン硫酸Eが多く存在する。サメの軟骨には、グルクロン酸の2位に硫酸基が付加したコンドロイチン6硫酸(コンドロイチン硫酸D)が多い。また線虫には、硫酸化されていないコンドロイチンがみられる。コンドロイチンは、ある種の細菌によっても合成されている。
コンドロイチン硫酸のコアタンパク質への付加は、キシロース、ガラクトースを含む構造をしている。
コンドロイチン硫酸の種類[1]
コンドロイチン硫酸 |
繰り返し二糖構造 |
由来 |
A |
グルクロン酸 - アセチルガラクトサミン4硫酸 |
軟骨 |
B |
イズロン酸2硫酸 - アセチルガラクトサミン4硫酸 |
デルマタン硫酸、皮膚 |
C |
グルクロン酸 - アセチルガラクトサミン6硫酸 |
軟骨 |
D |
グルクロン酸2硫酸 - アセチルガラクトサミン6硫酸 |
デルマタン硫酸 |
E |
グルクロン酸 - アセチルガラクトサミン4,6二硫酸 |
イカ |
機能
コンドロイチン硫酸のほとんどは、プロテオグリカンとして細胞外マトリックスや細胞表面に存在している。その機能で代表的なものは、軟骨のコンドロイチン硫酸である。軟骨のコンドロイチン硫酸の多くは、アグリカンというプロテオグリカンとして存在し、ヒアルロン酸、リンクタンパク質とともに超高分子複合体を形成している。この複合体は、軟骨特有なII型コラーゲンとともに、軟骨の細胞外マトリックスを形成し、軟骨の持つクッション作用に重要な役割をしている。皮膚に多く存在するデコリンは、コラーゲン繊維に結合し細胞外マトリックス形成の調節を行う。その他の組織のコンドロイチン硫酸もプロテオグリカンとして、多くは細胞外マトリックスの形成に関与し、細胞接着、移動、分化、増殖など細胞形質の制御を行っていると考えられている。脳においては、神経線維の再生を阻害する因子のひとつとして知られるほか、神経細胞の回りを取り巻く構造であるperineuronal netの主要成分として脳機能の可塑性に関与するとされる。やや特殊な機能をするコンドロイチン硫酸としては、マスト細胞やナチュラルキラー細胞の細胞内顆粒に存在するものなどもある。
医薬品・健康食品
医療用医薬品としてはコンドロイチン硫酸ナトリウムが以下のように用いられる。
- 注射液で腰痛症、関節痛、肩関節周囲炎(五十肩)などの治療
- 点眼液で角膜表層の保護
一般用医薬品としてはコンドロイチン硫酸ナトリウムが以下のように用いられる。
また、健康食品に配合されることもある。
脚注
- ^ 『コールドスプリングハーバー糖鎖生物学』Maarten Chrispeels 鈴木康夫訳 丸善 2003.9 p122
外部リンク
- コンドロイチン硫酸 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- コラーゲンの安全性と機能性(国立健康・栄養研究所)
- グライコフォーラム
- コンドロイチン硫酸プロテオグリカン - 脳科学辞典
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- コンドロイチン硫酸と健康維持・増進 (特集 動物由来のパワフル機能性素材)
- 魚介類不可食部に含まれるコンドロイチン硫酸 : 廃棄物の高付加価値化
- Receptor for Advanced Glycation End Products (RAGE)ノックアウトマウスのコンドロイチン硫酸・デルマタン硫酸の構造解析
- コンドロイチン含有サプリメントが原因と考えられた薬剤性肺障害の1例
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カシロン静注10mL(ポリエチレン容器)
組成
有効成分[1管(10mL)中]
- コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 200mg
日局サリチル酸ナトリウム 400mg
添加物[1管(10mL)中]
- 亜硫酸水素ナトリウム 5mg
塩化ナトリウム 40mg
炭酸水素ナトリウム 適量
禁忌
- 本剤又はサリチル酸系化合物(アスピリン等)、コンドロイチン硫酸に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 症候性神経痛、腰痛症
- 通常、成人には1回10mLを1日1回3分間以上かけて緩徐に静脈内投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。本剤は、鎮痛剤の経口投与が不可能な場合または急速に症状を改善する必要がある場合のみ使用する。
慎重投与
- 本人又は両親・兄弟に他の薬物に対するアレルギー、蕁麻疹、気管支喘息、アレルギー性鼻炎又は食物アレルギー等のある患者
- 肝又は腎障害のある患者〔肝又は腎障害を悪化させるおそれがある。〕
- 出血傾向のある患者〔血小板機能異常を起こすおそれがある。〕
- 消化性潰瘍のある患者〔消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。〕
- 潰瘍性大腸炎の患者〔他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。〕
- クローン氏病の患者〔他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック
(頻度不明)
- ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸困難等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)
(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血
(頻度不明)
- 再生不良性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
鎮痛作用2)
- 酢酸Writhing法(マウス)、Randall-Selitto法(ラット)及び圧刺激法(マウス)により検討したところ、サリチル酸ナトリウムとコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを配合することにより、その鎮痛作用は増強される。
抗炎症作用2)
- ラットにおけるカラゲニン浮腫はカシロン静注10mLの投与により、用量依存的に抑制される。
体内動態:蛋白結合
- ヒトの血漿蛋白との結合率を限外ろ過法で測定したところ、サリチル酸ナトリウムの値は78.9±3.3%(濃度:25〜200μg/mL)であった(in vitro)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(Chondroitin Sulfate Sodium)
性状
- 白色〜微黄褐色の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおい及び味がある。
水に溶けやすく、エタノール(95)、アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品の水溶液(1→100)のpHは5.5〜7.5である。
吸湿性である。
一般名
- サリチル酸ナトリウム(Sodium Salicylate)
分子式
化学名
- Monosodium 2-hydroxybenzoate
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすい。
光によって徐々に着色する。
★リンクテーブル★
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商品
[★]
- 英
- chondroitinase
- 関
- コンドロイチナーゼ、コンドロイチナーゼおよびコンドロイチンリアーゼ
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- 英
- proteochondroitin sulfate
- 関
- コンドロイチン硫酸プロテオグリカン
[★]
- 英
- chondroitinsulfatase
- 関
- コンドロイチンスルファターゼ
[★]
- 英
- chondroitin ABC lyase
- 関
- コンドロイチナーゼABC
[★]
- 英
- chondroitin sulfate-iron complex