L-システイン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/11 19:07:31」(JST)
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ハイチオールCはエスエス製薬から発売されているL-システイン製剤である。
目次
- 1 概要
- 2 効能・効果
- 3 ラインナップ
- 4 製品名の由来
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
概要
もとは1970年代にL-システインを主成分とする医療用医薬品「ハイチオール」として発売され、その後大衆薬として1972年5月に発売され、どちらも現在に至っている。
医療用発売に際し種々の臨床試験が行われているが、湿疹などの皮膚科領域、肝機能改善などの内科領域、リウマチやアトピーなどのアレルギー領域などスタンダードなものから放射線障害の防止軽減やホルムアルデヒドの解毒、発毛など実際に薬効を得ていない領域にも有意な効果があるとされている。
なお、医療用は事業譲渡により久光製薬より発売されているが、医師によっては市販薬と同等の症状で、保険診療として処方してもらえれば大衆薬と同等の「ハイチオール」などが非常に廉価で入手出来る。(転売・譲渡すると薬事法により処罰の対象となる)
一般薬としてはL-システインの肝臓に対する解毒効果で「二日酔い」に効くために繁用されてきたが、その肝臓への作用でメラニンの生成を抑え、メラニンを無色化するとともに肌の新陳代謝を助ける効果が注目され、1998年7月に全面改良を行う。錠剤の小型化が図られるとともに、1日の服用量も12錠から6錠に半減、パッケージも見直され「しみ・そばかす」に重点を置いた訴求内容となった。さらには1990年代後半からの「美白ブーム」も追い風となり、売り上げを伸ばしていくようになる。この頃から、女優を起用したCMや雑誌・新聞広告が例年春から初秋頃にかけて数多く出稿されるようになる。
「ハイチオールC」の人気は他のメーカーにも波及するようになり、武田薬品工業・第一製薬(現第一三共ヘルスケア)・資生堂薬品(資生堂の子会社)・明治製菓など大手各社から、「ハイチオールC」と殆ど同一成分が含まれ、内容量も同一で、市場価格では「ハイチオールC」よりも廉価な製品が数多く発売。新たな市場を創造することとなった。
市場が活性化していることを受け、エスエス製薬は2006年3月から従来の内用薬(錠剤)と新たに肌に塗るクリームの2タイプで、成分の配合量を従来より多くした「ハイチオールC プルミエール」を発売。
また、肝臓に作用する医薬品ではあるが、指示量より多く服用しても水溶性ビタミンと同じく成分が過剰若しくは不要となると尿などで体外に排出されるため、過敏症を除いて害のある副作用は殆ど無い。また、効果を期待して過剰に服用しても余分なものは効果を発揮せずに体外に排出されてしまうため、無駄である。効能的には医薬品よりサプリメントに近いものの一つである。
また、従来の薬理作用であった肝臓に対する解毒効果、すなわち二日酔い、全身怠感症状の改善を謳った「アルケシクール」という商品も2007年11月に同社から発売されている。成分は「ハイチオールC」と全く同一であるが、ターゲットを男性に絞っており、黒いパッケージである。但し、「ハイチオールC」の他社類似品では一切、「二日酔」という効果効能の記載がない。これは、薬効標榜のためには各品目毎に許可申請が必要であるが、それを各メーカーが行っていないためである。
2010年7月には「二日酔」と共に他社類似品では記載がない「全身倦怠(疲労・だるさ)」にも着目し、12年ぶりの全面改良により、商品名を「ハイチオールCプラス」に変更。ビタミンC(アスコルビン酸)の含有量を300mgから500mgに増量した。
効能・効果
以下の効能・効果は「ハイチオールCプラス」・「ハイチオールCプルミエール」共通である。
- しみ・そばかす・日焼けなどの色素沈着症
- 全身倦怠
- 二日酔い
- にきび、湿疹、じんましん、かぶれ、くすりまけ
ラインナップ
- ハイチオールCプラス【第3類医薬品】
- 肌の代謝(ターンオーバー)を助けてしみ・そばかすにも、体の代謝(体内エネルギーの産生)を助けることで体の疲れやだるさにも効くL-システイン製剤。
- ハイチオールCプルミエール【第3類医薬品】
- 9mmの小粒錠剤にL-システインを凝縮したことで、1日2回の服用を可能に。同時に配合されているビタミンCとの相乗効果で3段階にアプローチしてシミ・そばかすを改善する。もちろん、二日酔や全身倦怠にも効果がある。
- ハイチオールB【第3類医薬品】
- 2009年6月発売。L-システインが肌代謝に、ビタミンB2が脂質代謝にそれぞれ働きかけ、肌あれやニキビなどを緩和する。1日2回服用。2010年に270錠の大容量サイズが追加された。
- ハイチオールC プルミエール薬用ホワイトスポッツ【医薬部外品】
- 浸透力が高いビタミンC誘導体と保湿成分としてL-システイン誘導体を配合したシミ・そばかすを防ぐ薬用クリーム。
- ハイチオールC プルミエール デイリープロテクトUV
- 強力紫外線をブロックする日焼け止めクリーム。ノンケミカル・ノンパラベン処方で、紫外線吸収剤不使用のため、化粧下地としても使える(SPF40/PA+++)
- ハイチオールCドリンク【第3類医薬品】
- 1本にビタミンC1000mg配合したドリンク剤。1日2回まで服用可能。また、カフェインフリーで就寝前にも服用可能。
- ハイチオールECドリンク【指定医薬部外品】
- ビタミンCとビタミンEを配合した栄養補給ドリンク。コンビニエンスストアやスーパーで入手可能。
製品名の由来
- 「ハイチオール」は「High」と「チオール」。主成分のL-システインを構成するチオール基に因む。
- 末尾のアルファベットはビタミンのうち、主な効能に関係するものに由来する。
参考文献
関連項目
外部リンク
- ハイチオール ブランドサイト - エスエス製薬
- システイン - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- OTCブランドPickup 肌トラブル用剤 チョコラ×ハイシー×ハイチオール
- OTC売れ筋リサーチ しみ・そばかす治療薬 ハイチオールCが独走態勢
- L‐システイン錠(SK‐153)の尋常性ざそうにおける臨床効果と安全性の検討 Well controlled studyによるL‐システイン錠とハイチオールカプセルの比較臨床試験:Well controlled studyによるL-システイン錠とハイチオールカプセルの比較臨床試験
Related Links
- あの人は、スキンケアの前からはじめてる。内側からのワンステップ。L-システイン配合、エスエス製薬の「ハイチオール」のブランドサイト。シミ・そばかすに「ハイチオールCプラス」、にきび・肌あれの緩和に「ハイチオールB」。
- あの人は、スキンケアの前からはじめてる。内側からのワンステップ。L-システイン配合、エスエス製薬の「ハイチオール」のブランドサイト。ハイチオールCプラス、ハイチオールCプルミエールなどハイチオールCシリーズについてご ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ハイチオール錠40
組成
有効成分
含量
添加物
- 結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、ステアリン酸マグネシウム、タルク
効能または効果
- ○湿疹、蕁麻疹、薬疹、中毒疹、尋常性ざ瘡、多形滲出性紅斑
- 通常成人下記1回量を1日2〜3回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
- L-システインとして1回80mg
====ハイチオール錠40
==
====ハイチオール錠80
==
====ハイチオール散32%
==
- ○放射線障害による白血球減少症
- 通常成人下記1回量を1日3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
- L-システインとして1回160mg
====ハイチオール錠40
==
====ハイチオール錠80
==
====ハイチオール散32%
==
薬効薬理
- L-システインは、生体内代謝系において、SH供与体としての役割を果たし、SH酵素のactivator(賦活剤)として作用する。
皮膚科関連
- 皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒などの作用により各種皮膚疾患に応用される。動物実験において、実験的皮膚糜爛の治癒時間短縮(モルモット)5)、浮腫抑制・透過性抑制・キニン様物質の遊離活性の抑制(モルモット)6)、各種化学薬品・重金属・農薬に対する解毒効果(マウス・ラット)7)などが報告されている。
放射線科関連
- 放射線を照射した動物の延命(マウス)8)、白血球減少抑制(ラット)9)、脾障害の防護(マウス)10)などが報告されており、臨床的には放射線療法にともなう白血球減少症に応用される。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Amino-3-mercaptopropionic acid
分子式
性状
- 無色〜白色の結晶又は白色の結晶性粉末で、特異なにおいと味がある。
水に溶けやすく、エタノール(95)、ジエチエーテル又はアセトンにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
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商品
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- 英
- L-cysteine
- 商
- アスファーゲン、アミグランド、アミゼットB、アミゼットXB、エコラン、カーディオライト、カラシミンC、キョウミノチン、クリストファン、グリファーゲン、グリベルチン、ケベラS、テルフィス、ニチファーゲン、ニューロライト、ネオパレン1号、ネオファーゲン、ネオファーゲンC、ハイ・プレアミン、ハイ・プレアミンS、ハイチオール、ビーシー、ビーフリード、ヒカリレバン、ヒシファーゲンC、フルカリック1号、マックアミン、ミキシッド、ユニカリックL、レミゲン、強力ネオミノファーゲンシー、強力ネオミノファーゲンシーP
- エコラン、ハイチオール
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- 英
- thiol
- 同
- thiol基
- 関
- ジスルフィド、スルフィド、チオエーテル