フィンゴリモド
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Japanese Journal
- 新薬くろ~ずあっぷ(137)イムセラカプセル0.5mg ジレニアカプセル0.5mg(フィンゴリモド塩酸塩カプセル)
- 新規多発性硬化症治療薬フィンゴリモド塩酸塩(イムセラ^【○!R】/ジレニア^【○!R】カプセル0.5mg)の薬理学的特性および臨床効果
- 千葉 健治,吉井 成彦
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 139(6), 265-274, 2012-06-01
- … フィンゴリモド塩酸塩(イムセラ®/ジレニア®)は,世界初のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体1型(S1P1受容体)の機能的アンタゴニストであり,経口投与が可能な新規の多発性硬化症治療薬である.免疫系で中心的な役割を担うリンパ球は,リンパ節などの二次リンパ組織,リンパ液および血液中を循環し,抗原と出会った際に免疫応答を引き起こす.リンパ球循環の過程で,リン脂質メディエーターであ …
- NAID 10030760681
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ジレニアカプセル0.5mg
組成
成分・含量
- 1カプセル中フィンゴリモド塩酸塩0.56mg(フィンゴリモドとして0.5mg)
添加物
- D-マンニトール、ステアリン酸マグネシウム
カプセル本体にゼラチン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄含有
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な感染症のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- クラスIa(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)抗不整脈剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「重要な基本的注意」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 進行型多発性硬化症に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 通常、成人にはフィンゴリモドとして1日1回0.5mgを経口投与する。
慎重投与
- 感染症のある患者又は感染症が疑われる患者〔感染症が増悪するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- 水痘又は帯状疱疹の既往歴がなく、予防接種を受けていない患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 易感染性の状態にある患者〔感染症を誘発するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- 第II度以上の房室ブロック、洞不全症候群、虚血性心疾患又はうっ血性心不全のある患者〔投与開始時に重篤な心リズム障害があらわれるおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- *心拍数の低い患者、β遮断薬を投与中の患者、カルシウム拮抗薬を投与中の患者又は失神の既往歴のある患者〔投与開始時に本剤による心拍数低下の影響を受けやすい。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- *低カリウム血症、先天性QT延長症候群又はQT延長のある患者〔QT間隔を過度に延長させるおそれがある。〕(【薬物動態】の項参照)
- 高血圧の患者〔症状が増悪するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- 黄斑浮腫のある患者、糖尿病の患者又はブドウ膜炎の既往歴のある患者〔黄斑浮腫が増悪又は発現するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- 肝機能障害又はその既往歴のある患者〔血中濃度が上昇又は半減期が延長するおそれがある。また、症状が増悪するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」、【薬物動態】の項参照)
- 重度の呼吸器疾患を有する患者〔症状が増悪するおそれがある。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
感染症注1)(45.3%)
- 細菌、真菌、ウイルス等による感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、重篤な感染症が認められた場合には本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと。播種性帯状疱疹注2)、ヘルペス脳炎注2)の死亡例が報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)
*徐脈性不整脈注1)(徐脈:11.2%、房室ブロック(第I度から第II度:5.0%、第III度注2):0.04%)等)
- 心拍数低下、房室伝導の遅延等の徐脈性不整脈があらわれ、浮動性めまい、疲労、動悸等の症状を伴うこともあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
黄斑浮腫注1),注2)(0.6%)
- 黄斑浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には眼科学的検査を実施し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
悪性リンパ腫注1)(頻度不明)
- 悪性リンパ腫が認められたとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
可逆性後白質脳症症候群注1),注2)(頻度不明)
- 可逆性後白質脳症症候群があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、頭痛、意識障害、痙攣、視力障害等の症状があらわれた場合は、MRI等による画像診断を行うとともに、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
虚血性及び出血性脳卒中注1),注2)(頻度不明)
- 虚血性及び出血性脳卒中があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、頭痛、嘔気、麻痺症状、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRI等による画像診断を行うとともに、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
末梢動脈閉塞性疾患注1),注2)(0.04%)
- 末梢動脈閉塞性疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、四肢の疼痛、しびれ等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- フィンゴリモドは生体内で活性代謝物であるリン酸化体に代謝される。20)リン酸化体は、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体1(S1P1受容体)と結合し、その内在化と分解を誘導することで、S1P1受容体の機能的アンタゴニストとして作用するため、リンパ節などの二次リンパ組織からのリンパ球の移出を抑制する。ミエリン抗原特異的なTh17細胞を含む自己反応性T細胞も、同様の機序でリンパ節からの移出が抑制されるため、中枢神経系組織への浸潤が抑制される。21,22)
一方、外来性病原体の感染に対し重要な役割を担うエフェクターメモリーT細胞は、二次リンパ組織を介する循環能を有さないため、フィンゴリモドはエフェクターメモリーT細胞に対しほとんど影響しない。23)
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)
- 多発性硬化症の動物モデルであるマウスの再発寛解型EAEにおいて、フィンゴリモドを治療的に経口投与したとき、神経症状の再発抑制作用を示した。24)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- フィンゴリモド塩酸塩
(Fingolimod Hydrochloride)
化学名
- 2-Amino-2-[2-(4-octylphenyl)ethyl]propane-1,3-diol monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色の粉末である。水、メタノール又はエタノールに溶けやすく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- fingolimod
- 化
- フィンゴリモド塩酸塩 fingolimod hydrochloride
- 商
- イムセラ、ジレニア
- 関
- 多発性硬化症
- 他に分類されない代謝性医薬品
参考
- http://www.mt-pharma.co.jp/release/nr/2011/pdf/MTPC111125_1.pdf