- 英
- esomeprazole
- 化
- エソメプラゾールマグネシウム水和物 esomeprazole magnesium hydrate
- 商
- ネキシウム
- 関
- オメプラゾール、消化性潰瘍用剤
ADME
代謝
- CYP2C19及び一部CYP3A4で代謝:in vitro肝代謝試験の結果から、ヒドロキシ体、5-O-脱メチル体の生成にはCYP2C19、スルホン体の生成にはCYP3A4が関与し、これら3種の代謝物への代謝クリアランスは同程度であると報告されている(添付文書ネキシウム20mg)
=排泄
外国人のデータでは、14C標識エソメプラゾールを単回経口投与したとき、投与放射能の約95%が48時間までに尿中及び糞中に排泄され、尿中排泄量と糞便中排泄量の比は約4対1であった(添付文書ネキシウム20mg)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/21 22:11:08」(JST)
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エソメプラゾール
|
IUPAC命名法による物質名 |
(S)-5-methoxy-2-[(4-methoxy-3,5-dimethylpyridin-2-yl)
methylsulfinyl]-3H-benzoimidazole |
臨床データ |
商品名 |
Nexium |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a699054 |
胎児危険度分類 |
B3(AU) B(US) |
法的規制 |
Prescription Only (S4) (AU) POM (UK) ℞-only (US) 処方せん医薬品(日本) |
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
50 - 90% |
代謝 |
肝臓 (CYP2C19, CYP3A4) |
半減期 |
1–1.5 時間 |
排泄 |
80% 腎臓
20% 糞便 |
識別 |
CAS登録番号 |
119141-88-7 |
ATCコード |
A02BC05 |
PubChem |
CID 9579578 |
DrugBank |
APRD00363 |
ChemSpider |
7853936 |
UNII |
N3PA6559FT |
KEGG |
D07917 |
ChEBI |
CHEBI:50275 |
ChEMBL |
CHEMBL1201320 |
化学的データ |
化学式 |
C17H19N3O3S |
分子量 |
345.417 g/mol |
SMILES
- COc1ccc2nc([nH]c2c1)S(=O)Cc1ncc(C)c(OC)c1C
|
InChI
-
InChI=1S/C17H19N3O3S/c1-10-8-18-15(11(2)16(10)23-4)9-24(21)17-19-13-6-5-12(22-3)7-14(13)20-17/h5-8H,9H2,1-4H3,(H,19,20)/t24-/m1/s1
Key:SUBDBMMJDZJVOS-XMMPIXPASA-N
|
エソメプラゾール (英: esomeprazole) は、日本では4番目に開発・上市されたプロトンポンプ阻害剤である[1]。日本国外では Zoleri、Nexium、Lucen、Esopralなどの商品名でアストラゼネカから製造販売されている。日本では2011年よりネキシウム®の商品名で製造・開発: アストラゼネカ、流通・販売: 第一三共で上市された。
エスメプラゾールはオメプラゾール(商品名:Losec/Prilosec)のS-エナンチオマーであり、アストラゼネカは、単一のエナンチオマーであるエスメプラゾールはラセミ混合物であるオメプラゾールよりも薬効が改善していると主張している[2]。しかしながら、活性が向上しているかについては議論があり、一部ではオメプラゾールからエスメプラゾールに切り替える利点はないと主張されている[3]。
プロトンポンプ阻害剤であるエスメプラゾールは、胃壁細胞のATPアーゼを阻害することによって胃酸分泌を抑制する。
目次
- 1 薬理
- 2 適応症[4]
- 3 脚注
- 4 関連事項
薬理[編集]
エソメプラゾールは、オメプラゾールを光学分割したS-エナンチオマーである。S体はR体に比べ、肝臓での初回通過効果を受けにくく、未変化体のAUCはオメプラゾールに比べおよそ1.7倍で推移するため、より強い酸分泌抑制効果を示す。S体とR体の酸分泌抑制作用には差はない。
適応症[4][編集]
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍
- 逆流性食道炎
- Zollinger-Ellison症候群
- 非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
- 下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助(他剤との組み合わせで用いる)
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃
脚注[編集]
- ^ 北村 正樹 (2011年8月25日). “【新薬】エソメプラゾールマグネシウム水和物:ネキシウム:4成分目のプロトンポンプ阻害薬”. 日経メディカルオンライン. 2011年10月21日閲覧。
- ^ Gladwell, Malcolm (2004-10-25). “High Prices: How to think about prescription drugs”. The New Yorker. http://www.newyorker.com/archive/2004/10/25/041025crat_atlarge 2006年6月23日閲覧。.
- ^ von Markus, Grill (2007年8月14日). “Vorsicht, Pharma - Wie die Industrie Ärzte manipuliert und Patienten täuscht” (ドイツ語). Der Stern. http://www.stern.de/wirtschaft/news/unternehmen/pharmaindustrie-vorsicht-pharma-wie-die-industrie-aerzte-manipuliert-und-patienten-taeuscht-595277.html 2009年6月23日閲覧。
- ^ アストラゼネカ・第一三共 (2011年9月). “ネキシウム®カプセル10mg (PDF)”. 2011年10月20日閲覧。
関連事項[編集]
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Related Links
- 2010年11月1日 ... AZと第一三共 PPIエソメプラゾール 日本でのコ・プロ契約締結 | アストラゼネカと第一 三共は10月29日、AZのプロトンポンプ阻害薬エソメプラゾールマグネシウム水和物 について、日本国内におけるコ・プロモーション契約を締結したと発表 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- reflux esophagitis
- 同
- peptic esophagitis
- 関
- 胸骨下痛、食道炎、バレット食道、胃食道逆流症 GERD
概念
- 胃食道の逆流防止機構が十分に作動せず、胃・小腸内容液の逆流から粘膜傷害をきたした状態(IMD)。
- 上位の疾患概念に胃食道逆流症 GERDがある。
分類
- ロサンゼルス分類:(内視鏡的な分類)
- Savary-Miller分類
- 食道疾患研究会による分類:色調変化型、びらん型、潰瘍型、隆起肥厚型
リスク
- 肥満、妊娠(腹腔内圧上昇、エストロゲン・プロゲステロンによるLES圧低下)、過食、高カロリー食(チョコレート、和菓子、高脂肪食、餅)・刺激物、食後臥位(3時間以内)、喫煙、アルコール、薬剤(Ca拮抗薬、硝酸薬、テオフィリン)
- 滑脱型食道裂孔ヘルニア、LES機能不全、胃切除後
症状
- 食道症状:胸焼け、呑酸、嚥下困難
- 食道外症状:咳嗽、前胸部痛(胸骨後部痛)、嚥下困難、嚥下痛、つまり感
検査
- 確定診断のために、食道内24時間pHモニター、食道内圧測定、内視鏡検査が重要。特に食道内24時間pHモニターでpHの低下が証明できなければ、胃食道逆流症は否定的。(QB.A-53)
- X線造影
- 胃カメラ
- 食道内24時間pHモニター
24-hour pH monitoring
治療
- (胃酸分泌抑制)H2受容体阻害薬、プロトンポンプ阻害薬
- (胃の逆流阻害)消化管運動促進薬 ← 本当?
- 粘膜保護薬 (QB.A-53)
- 術後胃で十二指腸液の逆流があるばあいには酸分泌抑制薬は無効であり、メシル酸カモスタットが用いられる。
プロトンポンプ阻害薬
- hospitalist vol.2 no.3 2014.9 P.741
- 血液濃度が低い:腸溶コーティングされたPPIが長時間胃に留まると胃の中で溶解してしまい成分が失活して、血液中濃度が十分に上昇しない場合がある。腸管運動の運動改善薬が有効なことがある。
- rapid metabolizer:PPIはCYP2C19の代謝を受けるが、遺伝子多形により代謝の速度が異なる(homozygous extensive metabolizer, heterozygous extenstive metabolizer, poor metabolizer)。ランソプラゾールでは多型の影響をうける。エソメプラゾールやラベプラゾールは影響が少ない。
- 胃内環境が酸性でない:PPIの活性化には酸性環境が必要であるが、食後など胃内に大量の食物がある場合には胃酸が希釈されて酸性環境が得られない場合がある。これに対して腸管の運動改善薬や食前内服が等の対策が必要。
胃酸以外の逆流の可能性
国試
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- 英
- esomeprazole magnesium hydrate
- 関
- エソメプラゾール