- 英
- camostat
- 化
- メシル酸カモスタット camostat mesilate カモスタットメシル酸塩
- 商
- アーチメント、カモエント、カモスタール、カモステート、カモストン、カモタット、カルモザシン、パンクレール、パンルーク、フオイパン、メシタット、メシルパン、モスパン、ラインタット、リーナック、リビリスター、レセプロン
- 関
- 他に分類されない代謝性医薬品
作用機序
- フオイパン錠100mg
- 本剤は経口投与ですみやかに生体のキニン生成系、線溶系、凝固系及び補体系に作用し、その酵素活性をすみやかに阻害し異常亢進を抑制することにより、慢性膵炎の炎症症状と疼痛の緩解並びにアミラーゼ値の改善に効果が認められている。また、術後食道内に逆流する消化液中のトリプシンを阻害することにより、術後逆流性食道炎の改善に効果が認められている。
効能又は効果/用法及び用量
- フオイパン錠100mg
- 1. 慢性膵炎における急性症状の緩解
- 2. 術後逆流性食道炎
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3999003F1297_1_05/3999003F1297_1_05?view=body
Japanese Journal
- メシル酸カモスタット増量により高アミラーゼ血症の改善が得られた潰瘍性大腸炎合併慢性膵炎の1例
- 福田 重信,宮谷 博幸,本田 英明,高松 徹,福西 昌徳,岩城 孝明,宇賀神 卓広,中島 嘉之,鷺原 規喜,吉田 行雄
- 膵臓 = The Journal of Japan Pancreas Society 23(4), 533-540, 2008-08-25
- NAID 10024367913
- 経口蛋白分解酵素阻害剤メシル酸カモスタットが奏功した慢性蕁麻疹の1例
- Functional dyspepsiaにメシル酸カモスタットは有効か? (下部消化管疾患に対する最新の診断と治療) -- (主題3 Functional dyspepsiaの診断と治療)
Related Links
- フオイパンとは?カモスタットの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
- カモスタットメシル酸塩(慢性膵炎、術後の逆流性食道炎の治療薬)について主な作用 副作用 用い方と注意点を説明します.
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カモスタール錠100
組成
1錠中の有効成分:
- ※カモスタットメシル酸塩(日局)・・・・・100mg
添加物:
- ※乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースCa、ステアリン酸Mg、※ヒプロメロース、マクロゴール、タルク、酸化チタン
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
慢性膵炎における急性症状の緩解
術後逆流性食道炎
慢性膵炎における急性症状の緩解には
- 通常1日量※カモスタットメシル酸塩として600mgを3回に分けて経口投与する。症状により適宜増減する。
術後逆流性食道炎には
- 通常1日量※カモスタットメシル酸塩として300mgを3回に分けて食後に経口投与する。
慎重投与
過敏症を有する患者
- [過敏症を有していた場合、副作用が発現しやすくなる。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状:
(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、呼吸困難、そう痒感等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少:
(頻度不明)
- 血小板減少があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること。
肝機能障害、黄疸:
(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症:
(頻度不明)
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、血清電解質検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- reflux esophagitis
- 同
- peptic esophagitis
- 関
- 胸骨下痛、食道炎、バレット食道、胃食道逆流症 GERD
概念
- 胃食道の逆流防止機構が十分に作動せず、胃・小腸内容液の逆流から粘膜傷害をきたした状態(IMD)。
- 上位の疾患概念に胃食道逆流症 GERDがある。
分類
- ロサンゼルス分類:(内視鏡的な分類)
- Savary-Miller分類
- 食道疾患研究会による分類:色調変化型、びらん型、潰瘍型、隆起肥厚型
リスク
- 肥満、妊娠(腹腔内圧上昇、エストロゲン・プロゲステロンによるLES圧低下)、過食、高カロリー食(チョコレート、和菓子、高脂肪食、餅)・刺激物、食後臥位(3時間以内)、喫煙、アルコール、薬剤(Ca拮抗薬、硝酸薬、テオフィリン)
- 滑脱型食道裂孔ヘルニア、LES機能不全、胃切除後
症状
- 食道症状:胸焼け、呑酸、嚥下困難
- 食道外症状:咳嗽、前胸部痛(胸骨後部痛)、嚥下困難、嚥下痛、つまり感
検査
- 確定診断のために、食道内24時間pHモニター、食道内圧測定、内視鏡検査が重要。特に食道内24時間pHモニターでpHの低下が証明できなければ、胃食道逆流症は否定的。(QB.A-53)
- X線造影
- 胃カメラ
- 食道内24時間pHモニター
24-hour pH monitoring
治療
- (胃酸分泌抑制)H2受容体阻害薬、プロトンポンプ阻害薬
- (胃の逆流阻害)消化管運動促進薬 ← 本当?
- 粘膜保護薬 (QB.A-53)
- 術後胃で十二指腸液の逆流があるばあいには酸分泌抑制薬は無効であり、メシル酸カモスタットが用いられる。
プロトンポンプ阻害薬
- hospitalist vol.2 no.3 2014.9 P.741
- 血液濃度が低い:腸溶コーティングされたPPIが長時間胃に留まると胃の中で溶解してしまい成分が失活して、血液中濃度が十分に上昇しない場合がある。腸管運動の運動改善薬が有効なことがある。
- rapid metabolizer:PPIはCYP2C19の代謝を受けるが、遺伝子多形により代謝の速度が異なる(homozygous extensive metabolizer, heterozygous extenstive metabolizer, poor metabolizer)。ランソプラゾールでは多型の影響をうける。エソメプラゾールやラベプラゾールは影響が少ない。
- 胃内環境が酸性でない:PPIの活性化には酸性環境が必要であるが、食後など胃内に大量の食物がある場合には胃酸が希釈されて酸性環境が得られない場合がある。これに対して腸管の運動改善薬や食前内服が等の対策が必要。
胃酸以外の逆流の可能性
国試