- 58歳の男性。食後の胸やけと夜間の胃液の逆流とを主訴に来院した。3年前から同様の症状があり、近医で制酸薬の投与を受けていたが、服薬中断で容易に症状が再発している。
- 内視鏡検査のほかに、病態診断のために行う検査はどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 19歳の男性。バイクで走行中に転倒し、救急車で搬入された。呼吸数24/分。脈拍104/分、整。血圧88/60mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)90%(酸素10l/分投与下)。呼び掛けると開眼する。瞳孔は左右とも4mmで対光反射はある。前額部に5cm長の挫創がありガーゼで圧迫止血されている。右側胸部から右上腹部に打撲痕がある。右胸部は吸気時に陥凹し、呼気時に突出し、握雪感を認める。右胸部の呼吸音は聴取しない。腹部は平坦で、腸雑音を聴取する。右上腹部に圧痛がある。骨盤に可動性はない。四肢に擦過傷を認めるが、運動障害と感覚障害とを認めない。末梢静脈路を確保して乳酸加リンゲル液の投与を開始した。
- 次に行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100H014]←[国試_100]→[100H016]
[★]
- 62歳の男性。1週前からの左眼の視力低下を主訴に来院した。視力は右1.0(矯正不能)、左0.02(矯正不能)。瞳孔径に左右差はなく、直像鏡検査で左眼は眼底の透見が不能である。右眼の眼底には異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [100H016]←[国試_100]→[100H018]
[★]
- 英
- reflux esophagitis
- 同
- peptic esophagitis
- 関
- 胸骨下痛、食道炎、バレット食道、胃食道逆流症 GERD
概念
- 胃食道の逆流防止機構が十分に作動せず、胃・小腸内容液の逆流から粘膜傷害をきたした状態(IMD)。
- 上位の疾患概念に胃食道逆流症 GERDがある。
分類
- ロサンゼルス分類:(内視鏡的な分類)
- Savary-Miller分類
- 食道疾患研究会による分類:色調変化型、びらん型、潰瘍型、隆起肥厚型
リスク
- 肥満、妊娠(腹腔内圧上昇、エストロゲン・プロゲステロンによるLES圧低下)、過食、高カロリー食(チョコレート、和菓子、高脂肪食、餅)・刺激物、食後臥位(3時間以内)、喫煙、アルコール、薬剤(Ca拮抗薬、硝酸薬、テオフィリン)
- 滑脱型食道裂孔ヘルニア、LES機能不全、胃切除後
症状
- 食道症状:胸焼け、呑酸、嚥下困難
- 食道外症状:咳嗽、前胸部痛(胸骨後部痛)、嚥下困難、嚥下痛、つまり感
検査
- 確定診断のために、食道内24時間pHモニター、食道内圧測定、内視鏡検査が重要。特に食道内24時間pHモニターでpHの低下が証明できなければ、胃食道逆流症は否定的。(QB.A-53)
- X線造影
- 胃カメラ
- 食道内24時間pHモニター
24-hour pH monitoring
治療
- (胃酸分泌抑制)H2受容体阻害薬、プロトンポンプ阻害薬
- (胃の逆流阻害)消化管運動促進薬 ← 本当?
- 粘膜保護薬 (QB.A-53)
- 術後胃で十二指腸液の逆流があるばあいには酸分泌抑制薬は無効であり、メシル酸カモスタットが用いられる。
プロトンポンプ阻害薬
- hospitalist vol.2 no.3 2014.9 P.741
- 血液濃度が低い:腸溶コーティングされたPPIが長時間胃に留まると胃の中で溶解してしまい成分が失活して、血液中濃度が十分に上昇しない場合がある。腸管運動の運動改善薬が有効なことがある。
- rapid metabolizer:PPIはCYP2C19の代謝を受けるが、遺伝子多形により代謝の速度が異なる(homozygous extensive metabolizer, heterozygous extenstive metabolizer, poor metabolizer)。ランソプラゾールでは多型の影響をうける。エソメプラゾールやラベプラゾールは影響が少ない。
- 胃内環境が酸性でない:PPIの活性化には酸性環境が必要であるが、食後など胃内に大量の食物がある場合には胃酸が希釈されて酸性環境が得られない場合がある。これに対して腸管の運動改善薬や食前内服が等の対策が必要。
胃酸以外の逆流の可能性
国試