- 8か月の乳児。発熱とけいれんとを主訴に来院した。午前中は元気で哺乳力も良好であったが、午後になって発熱に気付いた。その後、約3分続く全身のけいれんを認めた。発熱もけいれんも出生後初めてだという。意識は清明。身長72cm、体重8,600g。体温38.6℃。大泉門の膨隆は認めない。咽頭に軽度の発赤を認める。鼓膜に異常はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部に異常を認めない。項部硬直とKernig徴候とはみられない。血液所見と血清生化学所見とに異常を認めない。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D020]←[国試_101]→[101D022]
★リンクテーブル★
[★]
- 77歳の男性。夜間の頻尿を主訴に来院した。就寝後に4、5回トイレに行く。既往歴に高血圧があり、服薬治療を受けている。前立腺は軽度肥大しているが硬結を触れない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、尿沈渣に赤血球、白血球を認めない。
- a. 睡眠薬を処方する。
- b. 導尿カテーテルを留置する。
- c. 午後から飲水を控えるよう指導する。
- d. 1日の飲水と排尿との時刻と量とを記録するよう指導する。
- e. 就寝時にオムツを着用し、オムツ内に排尿するよう指導する。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D021]←[国試_101]→[101D023]
[★]
- 32歳の男性。意識消失のため搬入された。うどんを食べてすぐに運動をしたころ、全身にじんま疹が出現し、その後、意識を消失した。小麦アレルギーの既往がある。呼吸数24/分。脈拍120/分、整。血圧74/52mmHg。まず行うべき処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D019]←[国試_101]→[101D021]
[★]
- 英
- febrile convulsion
- 同
- 熱性けいれん
- 関
- 痙攣
概念
- 発熱に伴って生じる年齢依存性の痙攣。
- 中枢神経系感染症に起因しない、明らかな頭蓋内の異常を伴わないもの。
疫学
- 日本では全人口の9%に見られる ⇔ 欧米では人口の5%。
- 6ヵ月から3-4歳。(1-2歳に発生しやすく、6ヶ月から6歳頃までありうる)。6ヶ月未満、6歳以降ではまれ
- 家族歴があることがある。親が熱性痙攣の場合20%、同胞が熱性痙攣の場合50%、双生児の一方が熱性痙攣であると80%の確立で熱性痙攣を発症。
- 1/4の症例では反復する
病型
- 以下の3つを満たす。
- 1. 全身性強直間代痙攣
- 2. 持続時間15-20分以下
- 3. 24時間以内に再発しない
- 単純型熱性痙攣の3つの条件の内いずれかを満たさないもの
- もう困らない救急・当直ver2 p.237
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単純型熱性痙攣
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複雑型熱性痙攣
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痙攣持続時間
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15分未満
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15分以上
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痙攣合計児間
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断続的30分未満
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断続的30分以上
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24時間以内
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1回のみ
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2回以上
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痙攣部位
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全身性痙攣
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局所性・片側性痙攣
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基礎疾患
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神経学的基礎疾患なし
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神経学的基礎疾患あり
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年齢
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1~6歳
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1歳未満、6歳超
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てんかんに移行する危険因子
- SPE.630
- 1項目以上該当すれば複雑型熱性痙攣
- 1. 初発の熱痙攣が15分以上遷延、24時間以内に反復、片側性、焦点性
- 2. 熱性痙攣の発現以前より神経学的異常や知的障害、運動障害を示すもの
- 3. 両親、同胞にてんかんの家族歴がある物
熱性痙攣の再発率を高める因子
- SPE.630
- 1. 初発が1歳未満のもの。
- 2. 両親、または片親に熱性痙攣の既往がある
症状
診断
- 他の神経所見がないか見て、あれば髄膜炎や脳炎を考慮。
治療
管理
- ワクチン接種により熱痙攣をきたしたら、一年間は予防接種をしない方が良い。抗痙攣薬や解熱剤でコントロールできる場合はこの限りでない。
参考
- 1. [charged] 熱性けいれん - uptodate [1]
- 2. [charged] 患者情報:熱性けいれん - uptodate [2]
国試
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=6eQHWsNhkOg</youtube>