- 英
- gabapentin
- 化
- ガバペンチンエナカルビル gabapentin enacarbil
- 商
- (ガバペンチン)ガバペン、(ガバペンチンエナカルビル)レグナイト、Neurontin
- 同
- ギャバペンチン
- 関
- 抗てんかん薬
- その他の中枢神経系用薬
作用機序
- 1. 興奮性神経系の前シナプスにおいて電位依存性Caチャネルのα2δサブユニットへの結合を介してCaの流入を抑制することによりグルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制
- 2. 脳内GABA量を増加させ、GABAトランスポーターを活性化することによって抑制性神経系であるGABA神経系機能を維持・増強
WordNet
- an anticonvulsant (trade name Neurontin) used to control some types of seizures in the treatment of epilepsy; also used to manage neuralgia caused by shingles (同)Neurontin
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/19 23:49:04」(JST)
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ガバペンチン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-[1-(aminomethyl)cyclohexyl]acetic acid |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- UK: POM
- US: ℞-only
- ℞ Prescription only
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
血漿タンパク結合 |
3%未満 |
代謝 |
ほぼ代謝されない |
半減期 |
5-7時間 |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS番号 |
60142-96-3 |
ATCコード |
N03AX12 |
PubChem |
CID 3446 |
DrugBank |
APRD00015 |
KEGG |
D00332 |
化学的データ |
化学式 |
C9H17NO2 |
分子量 |
171.237 g/mol |
|
ガバペンチンは、GABA誘導体の抗てんかん薬である[1]。日本を含む世界では代表的な薬であり、けいれん発作に対する補助薬としても用いられる。
目次
- 1 概要
- 2 適応
- 3 副作用
- 4 禁忌
- 4.1 絶対禁忌
- 4.2 慎重投与
- 4.3 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 5 効能・効果
- 6 用法・用量
- 7 関連項目
- 8 脚注
- 9 外部リンク
概要
ガバペンチンは1973年Warner Lambert社(現pfizer社)のドイツ研究所で抗てんかん薬として合成された。イギリスおよびアメリカ合衆国で、成人におけるてんかんの部分発作に対する併用療法として承認され、1999年以降、欧州主要各国・アメリカ合衆国で小児の適応を取得後は、アジアを含め世界中で抗てんかん薬として現在も広く使用されている。日本では1993年に臨床試験が開始され、国内外の臨床試験の結果、既存の抗てんかん薬では発作の抑制が不十分な部分発作に併用で有用性が認められた。2006年に製造販売承認を取得し、同年9月25日に発売を開始した。
2003年にWarner Lambert社(現pfizer社)の医療情報担当者が承認外の11の適応症に効くと病院医師に宣伝し、オフラベル使用を勧めていたことを、1996年の内部告発と提訴をきっかけに、全米各地で団体訴訟が発生した。誇大宣伝等のAntitrust法違反で政府調査が実施され、この結果、ファイザー社は2003年末に4億2700万ドル以上の巨額の引当金を計上していた。これにはFDA承認を取得した「帯状疱疹後神経痛」も含む。
適応
ガバペンチンはてんかんへの対症療法に用いる抗けいれん薬として使われる。その他、適応外用法としてレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)や慢性疼痛の緩和に対しての使用報告もある。ただし慢性疼痛の緩和の効果についてはまだはっきりと確認されていない。
- 難治性慢性咳嗽への二重盲検試験にて、有用性が確認された。[2]
ガバペンチンは他の抗てんかん薬と併用して使用すること。国内臨床試験において、本剤単独投与での使用経験はない[3]。
副作用
ガバペンチンの副作用は以下のようなものがある。
なおアメリカでは、抗けいれん薬すべてに自殺企図や自殺年慮を高める旨の警告表示がなされている[4]。日本でも、精神疾患に適応のあるほかの抗けいれん薬において、自殺年慮の症状が悪化する可能性についての警告表示がある[5]。
禁忌
ガバペンチンの禁忌には以下のようなものがある。
絶対禁忌
ガバペンチンの投与中に薬剤性過敏症症候群が起きた場合、初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害等の臓器障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、十分な観察をする必要がある。このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること、となっている[6]。
慎重投与
- 腎機能障害のある患者
- 高齢者(腎機能が低下している場合)
- 低出生体重児、新生児、乳児または3歳未満の幼児 - 外国で実施された3~12歳の幼児及び小児患者を対象とした臨床試験では、投与時の感情不安定、敵意、運動過多及び思考障害の発現率がプラセボ群と比較して、有意に高かったと報告されている。なお、本邦では臨床試験は行われていない。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
ガバペンチンのアメリカ合衆国アメリカ食品医薬品局 (FDA)・胎児危険度分類 (pregnancy category) はカテゴリー「C」である。これは、動物実験では胎児への有害作用が証明されているが、その薬物の潜在的な利益によって、潜在的なリスクがあるにもかかわらず妊婦への使用が正当化されることがありうることを意味する。しかし、動物実験において動物実験で、胎児・出生児に骨化遅延、尿管拡張・腎盂拡張、着床後胚死亡率の増加が報告されている。
なお、乳汁中へ移行することが認められているため、授乳中の婦人には投与中は授乳を避けた方がよい、とされる。
効能・効果
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法[3]
用法・用量
成人及び13歳以上の小児には初日1日量600mg、2日目1日量1200mgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は、維持量として1日量1200mg~1800mgを3回に分割経口投与する。1日最高投与量は2400mgまでとする。
3~12歳の幼児及び小児には初日1日量10mg/kg、2日目1日量20mg/kgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は維持量として、3~4歳の幼児には1日量40mg/kg、5~12歳の幼児及び小児には1日量25~35mg/kgを3回に分割経口投与する。1日最高投与量は50mg/kgまでとする。なお、いずれの時期における投与量についても、成人及び13歳以上の小児での投与量を超えないこととする[3]。
関連項目
脚注
- ^ Baillie, J Kenneth; Ian Power (2006-01). "The mechanism of action of gabapentin in neuropathic pain". Current Opinion in Investigational Drugs (London, England: 2000) 7 (1): 33–9. ISSN 1472-4472. Retrieved 2009-04-19.
- ^ The Lancet, Early Online Publication, 28 August 2012.
- ^ a b c “ガバペン錠”. 2015年8月31日閲覧。
- ^ “Postmarket Drug Safety Information for Patients and Providers > Information for Healthcare Professionals: Suicidal Behavior and Ideation and Antiepileptic Drugs”. U.S. Food and Drug Administration (FDA) (2008年1月31日). 2013年1月15日閲覧。
- ^ テグレトール錠100mg/テグレトール錠200mg/テグレトール細粒50% デパケン錠100mg/デパケン錠200mg ラミクタール錠小児用2mg/ ラミクタール錠小児用5mg/ ラミクタール錠25mg/ ラミクタール錠100mg トピナ錠25mg/トピナ錠50mg/トピナ錠100mg添付文書情報(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
- ^ ガバペン錠200mg/ ガバペン錠300mg/ ガバペン錠400mg添付文書情報(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
外部リンク
- 痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief
- 医薬品医療機器情報提供ページ - 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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Japanese Journal
- ガバペンチンが奏効した結膜充血と流涙をともなう短時間持続性片側神経痛様頭痛発作の1例
- ガバペンチン (特集 症例から学ぶ--新しい薬を使いこなすには)
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- ガバペンとは?ガバペンチンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ガバペン錠200mg
組成
成分・分量[1錠中]
添加物
- タルク、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、トリアセチン、プロピレングリコール、コポリビドン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
効能または効果
- 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法
- 通常、成人及び13歳以上の小児にはガバペンチンとして初日1日量600mg、2日目1日量1200mgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は、維持量として1日量1200mg?1800mgを3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は2400mgまでとする。
通常、3?12歳の幼児及び小児にはガバペンチンとして初日1日量10mg/kg、2日目1日量20mg/kgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は維持量として、3?4歳の幼児には1日量40mg/kg、5?12歳の幼児及び小児には1日量25?35mg/kgを3回に分割経口投与する。症状により適宜増減するが、1日最高投与量は50mg/kgまでとする。なお、いずれの時期における投与量についても、成人及び13歳以上の小児での投与量を超えないこととする。
- 本剤は他の抗てんかん薬と併用して使用すること。[国内臨床試験において、本剤単独投与での使用経験はない。]
- 投与初期に眠気、ふらつき等の症状があらわれることがあるので、投与初期においては眠気、ふらつき等の発現に十分注意しながら用量を調節すること。
- 1日3回投与の場合に、各投与間隔は12時間を超えないものとする。
- 本剤の投与を中止する場合には、最低1週間かけて徐々に減量すること。[症状が悪化するおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
,*腎機能障害のある成人患者に対する本剤の投与
- 腎機能障害のある成人患者に本剤を投与する場合は、下表に示すクレアチニンクリアランス値を参考として本剤の投与量及び投与間隔を調節すること。なお、ここで示している用法・用量は成人でのシミュレーション結果に基づくものであるので、腎機能低下者を対象とした国内外試験成績も踏まえて、各患者ごとに慎重に観察しながら用法・用量を調節すること。[「薬物動態」の項参照]
,*血液透析を受けている成人患者に対する本剤の投与
- 血液透析を受けている成人患者に本剤を投与する際、クレアチニンクリアランスが5mL/min以上の場合には、上記の投与量に加え、血液透析を実施した後に本剤200mgを追加投与する。また、クレアチニンクリアランスが5mL/min未満の場合には、初日に200mgを単回投与したのち、血液透析を実施した後に本剤1回200、300又は400mgを追加投与する(それぞれクレアチニンクリアランス60mL/min以上の患者における1回400、600又は800mg1日3回投与に相当)。なお、ここで示している用法・用量は、48時間ごとに4時間血液透析した場合の成人でのシミュレーション結果に基づくものであるので、腎機能低下者を対象とした国内外試験成績も踏まえて、各患者ごとに慎重に観察しながら用法・用量を調節すること。[「薬物動態」の項参照]
- 腎機能障害のある小児患者及び透析を受けている小児患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない[使用経験はない]。
慎重投与
- 腎機能障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照]
- 高齢者[「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照]
重大な副作用
急性腎不全(頻度不明注))
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明注))
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬剤性過敏症症候群(頻度不明注))
- 初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害等の臓器障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明注))
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
電撃けいれんモデルにおける抗けいれん作用33)
- ガバペンチンは、マウス及びラットにおける最大電撃による強直性伸展けいれんを用量依存的に抑制した。また、ガバペンチンはフェニトイン、カルバマゼピン及びバルプロ酸のマウスにおける最大電撃けいれん抑制作用のED50値を減少させた。
薬物誘発モデルにおける抗けいれん作用33)
- ガバペンチンは、ペンチレンテトラゾール、ビククリン、ピクロトキシン、ストリキニーネ及びチオセミカルバジド誘発強直性伸展けいれんを抑制した。また、ペンチレンテトラゾール誘発間代性けいれんも抑制したが、ビククリン及びピクロトキシン誘発間代性けいれんを抑制しなかった。
キンドリングモデルにおける抗けいれん作用33)
- ガバペンチンは、海馬キンドリングラットにおいて、けいれん発作行動を改善し、後発射持続時間を短縮した。
遺伝動物モデルにおける抗けいれん作用33)
- ガバペンチンは、マウスの聴原発作及びスナネズミの反射性てんかんを抑制した。一方、ラット欠神発作(小発作)及びヒヒ光原性ミオクロニー発作には効果を示さなかった。
作用機序
- ガバペンチンの抗けいれん作用の作用機序は不明であるが、ガバペンチンはGABA関連受容体を含めて各種受容体及び主要なイオンチャネルとは結合せず、既存のてんかん薬とは異なる機序で抗けいれん作用を発現することが示唆されている。電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニット34)に結合して前シナプスでカルシウムの流入を抑制し35)、興奮性神経伝達物質の遊離を抑制すること35)が寄与しているものと考えられている。また、脳内GABA量を増加させること36)が認められたが、その寄与は不明である。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (1-Aminomethylcyclohexyl)acetic acid
分子式
分子量
分配係数(logP)
- ?1.18(pH4.0、1-オクタノール/水系溶媒)
性状
- ガバペンチンは白色?微黄白色の結晶性の粉末である。水又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- antiepileptic drug, antiepileptic antiepileptics
- 関
- てんかん、薬理学
抗てんかん薬
*1 第一選択薬ではない
*2 他薬が無効な精神運動発作のみに使用
*3 てんかん重積の第一選択薬
*4 第一選択薬
新規の抗てんかん薬
抗てんかん薬の選択
- 部分発作:カルバマゼピン、バルプロ酸
- 全般発作:バルプロ酸、フェニトイン
- ミオクローヌス発作:クロナゼパム
[★]
- 英
- postherpetic neuralgia PHN
- 同
- ヘルペス後神経痛
- 関
- 帯状疱疹, 水痘、神経因性疼痛
概念
- 帯状疱疹後、3ヶ月以上立っても神経痛が残るも。帯状疱疹において、高齢者、感覚異常が強く出た例、皮膚症状が重篤であった例で特に本症が出現しやすい。
症状
- 参考1
- 帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛は日常生活に支障を来すほど重篤である:睡眠障害、食欲低下、性欲低下。
- 胸髄(T4-T6)、頚髄、三叉神経の支配域に好発。
- 痛みは典型的には鋭い指すような痛みであり、焼けるような痛みと形容される。
- 90%以上の患者でアロディニアが出現する。
治療
- 抗うつ薬
- 抗痙攣薬
- 抗てんかん薬:ガバペンチン、テグレトール
- オピオイド
- カプサイシン
- 局所リドカイン
- くも膜下腔糖質コルチコイド
- NMDA受容体拮抗薬
- 冷凍療法(cryotherapy)
- 外科手術
参考
- 1. [charged] Postherpetic neuralgia - uptodate [1]
[★]
- 英
- hemifacial spasm
- 同
- 半側顔面痙攣、片側顔面けいれん、半側顔面けいれん
- 関
- 片側顔面攣縮
[show details]
病因
- 参考1
- 顔面神経が脳幹を出る部位で血管に接触圧迫されることが原因
治療法
- 参考1
参考
- 1. 片側顔面麻痺 標準的神経治療 - 日本神経治療学会
- http://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/keiren.pdf