代謝性アルカローシス
酸塩基平衡異常とその代償 SP.660
| HCO3- | pCO2 | |
| 呼吸性アシドーシス | ↑ | ↑ |
| 呼吸性アルカローシス | ↓ | ↓ |
| 代謝性アシドーシス | ↓ | ↑ |
| 代謝性アルカローシス | ↑ | ↓ |
原因
- 低カリウム性代謝性アルカローシス:H+とCl-の喪失:嘔吐、利尿薬など
- 嘔吐
- 細胞内からH+が供給され、K+が細胞内に移動しカリウムが低下する。H+の減少は遠位尿細管におけるHCO3-の排泄を抑制し代謝性アシドーシスが完成する。
- 塩素欠乏は腎臓におけるHCO3-再吸収を刺激(ICU.489)
- アニオンギャップ(AG=[Na+] - [HCO3-] - [Cl-])を保つようにHCO3-が増加したと考えればよいのか。
原因による分類
- ICU.493
- 塩素反応性:尿中塩素<15mEq/L
- 1. 胃酸の喪失 → H+, Cl-の喪失
- 2. 利尿薬 → 多くの利尿剤でCl-を喪失(see. 利尿薬)
- 3. 循環血液量不足
- 4. 高二酸化炭素症に対する腎性の代償:CO2↑ → 腎で代償的にHCO3-排泄↓ → (おそらく)HCO3-の代替としてCl-が排泄
- 塩素抵抗性:尿中塩素>25mEq/L
- 1. ミネラルコルチコイド過剰:尿細管でNa+再吸収、K+排泄亢進。体内では代償的に細胞外へのK+放出、細胞内へのH+取り込みが起こる → 代謝性アルカローシス
- 2. カリウム欠乏
- YN.D-155
- 腎からのH+喪失、重炭酸再吸収の亢進:糖質コルチコイド・鉱質コルチコイド投与、アルドステロン症、クッシング症候群、腎血管性高血圧、バーター症候群、ギテルマン症候群
- 細胞内へのH+移動:
- 消化管からのH+喪失:嘔吐、胃管による消化液吸引、慢性下痢、先天性塩類漏出症
- NaCl喪失に伴う細胞外液の喪失
- その他
- 炭酸水素ナトリウム過剰投与
- ミルクアルカリ症候群
- 高カルシウム血症
- 大量輸液 → 抗凝固薬として加えられているクエン酸が代謝されて重炭酸イオンが形成される ← どう考えてもこの代謝pathが分からない。
- refeeding syndrome
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.163
- I. H+の喪失
- 1. 消化管からの喪失
- 胃液への排出(嘔吐、胃液吸引)
- 2. 尿中への喪失
- 鉱質コルチコイド過剰
- 利尿薬
- 多量のカルベニシリンなどのペニシリン誘導体等よ
- 高カルシウム血症
- 3. H+の細胞内への移行
- 低カリウム血症
- II. HCO3-の投与
- 大量の輸液(大量のクエン酸摂取による)
- NaHCO3の投与
- ミルク・アルカリ症候群
- III. contraction alkalosis
- 出典不明
- 腎でのH+再吸収低下(硫酸イオン、高カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、ペニシリン)
症例
- 16歳女性、神経過食症であり、自己誘発性嘔吐を制御できなかった。この女性で予想されるK, HCO3-の状態は?