腎尿細管性アシドーシス
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 遠位尿細管性アシドーシスクリーゼに高アンモニア血疾を合併した1症例
- 橋本 卓,松元 陽一,林 昌子,吉岡 秀人,東野 博彦
- 日本小児科学会雑誌 99(11), 1999-2005, 1995-11-01
- NAID 10005649449
- 刈谷 裕成,長島 晃司,沼尾 賢,山口 修,油原 美明,稲葉 隆,中村 耕三,大井 淑雄
- 関東整形災害外科学会雑誌 26(1), 70-73, 1995-01
- NAID 10004930763
Related Links
- 尿細管性アシドーシスは,アシドーシスと電解質異常であり,原因は腎の水素イオン排泄障害(1型),HCO 3 再吸収障害(2型)または異常なアルドステロンの産生または反応(4型)である。(3型は非常にまれであるので考察しない。
- 食物の分解によって体内で生成された酸は、血液中に入って体内を循環します。腎臓はこの酸を血液から取り除いて尿中に排出しますが、この機能を主に担っているのが尿細管です。尿細管性アシドーシスでは、酸を排出する腎臓の ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
[★]
- 英
- metabolic acidosis
- 関
- アシドーシス、酸塩基平衡異常
酸塩基平衡異常とその代償 SP.660
原因
a. アニオンギャップの開大するアシドーシス 有機酸の蓄積
- 代謝アシドーシスをきたしているとき、HCO3-によりH+を滴定するため、HCO3-が減少する。HCO3-の減少を、Cl-ではない陰イオンが増加することで生体内の電気的中性を保つような病態ではアニオンギャップが開大する。
- (病態の形成機序としては不揮発酸が増大した結果としてHCO3-が減少しているのだが)
- (1)腎不全時のリン酸、硫酸の増加、(2)低酸素血症時の乳酸の増加[ 乳酸アシドーシス ]、(3)ケトン体増加[ 糖尿病性ケトアシドーシス ]
b. アニオンギャップの開大しない代謝性アシドーシス プロトン過剰 or HCO3-喪失
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版
- メカニズム:代謝アシドーシスでは、HCO3-によりH+を滴定されておりHCO3-が減少する。代償的にCl-が増加してアニオンジャップが正常になっている(Cl-の値に注意する)。
- (不揮発性酸の過剰産生ではなく、代謝的にHCO3-の過剰喪失、H+の過剰産生、H+の排泄障害が考えられる)
-
症状
検査
- 血液ガス:pH↓
- 尿検査:カルシウム排泄増加 ← 遠位尿細管でのカルシウム再吸収が抑制されるため。
治療
- 重炭酸ナトリウム投与:volume overload、イオン化カルシウムの減少によりテタニーに注意
- 後者は、急激にpHを上げると、アルブミンが負に帯電、イオン化カルシウムが急激に減少することでテタニーを生じる。このような場合にはグルコン酸カルシウムの投与を行う。(QB.D-354)
その他
- 代謝性アシドーシスでは、呼吸性代償が機能していれば、PaCO2=pHの小数点以下2桁、となる。pH 7.34の代謝性アシドーシスではPaCO2 34Torrが期待されるが、34を大きく上回る場合、呼吸性代償が機能していないと判断される。(出典不明)
[★]
- 英
- anion gap, AG
- 同
- 陰イオンギャップ
- 関
- AG
定義
- [Na+]-[HCO3-]-[Cl-]
血液中の陽イオン
血液中の陰イオン
- Cl-, HCO3-, HPO42-, SO42-, 有機イオン、アルブミン
意義
- [Na+]-[HCO3-]-[Cl-] = 未測定陰イオン - 未測定陽イオン
- 未測定陽イオンの変動はほとんど無く、アニオンギャップは未測定陰イオン濃度の推定に用いられる
- 不揮発性酸(乳酸、リン酸、硫酸、ケト酸など)↑→未測定陰イオン↑→アニオンギャップ↑
- アニオンギャップが開大していると言うことは、不揮発性酸(乳酸、リン酸、硫酸、ケト酸)が血中に増加していることを示す。
基準値
- 「[Na+]-[HCO3-]-[Cl-]の場合」
- 基準値 :12 mEq/l
- 基準範囲:8-16 mEq/l or 12±2 mEq/l or 12±4 mEq/l(LAB.643)
解釈
高値
- 代謝アシドーシスをきたしているとき、HCO3-によりH+を滴定するため、HCO3-が減少する。HCO3-の減少を、Cl-ではない陰イオンが増加することで生体内の電気的中性を保つような病態ではアニオンギャップが開大する。
- (病態の形成機序としては不揮発酸が増大した結果としてHCO3-が減少しているのだが)
- (1)腎不全時のリン酸、硫酸の増加、(2)低酸素血症時の乳酸の増加[ 乳酸アシドーシス ]、(3)ケトン体増加[ 糖尿病性ケトアシドーシス ]
注意
- アニオンギャップの開大しない代謝性アシドーシスもある
- 代謝アシドーシスをきたしているとき、HCO3-によりH+を滴定するため、HCO3-が減少する。このとき、陰イオンが代償的に増加していれば、アニオンギャップは正常となる。アニオンギャップの開大しない代謝アシドーシスではCl-が増加している(Cl-の値に注意する)。
- (不揮発性酸の過剰産生ではなく、代謝的にHCO3-の過剰喪失、H+の過剰産生、H+の排泄障害が考えられる)
- 消化管からのHCO3-喪失、尿細管アシドーシスによるH+排泄の障害、NH4Cl負荷などの外因性H+摂取
低値
- 多発性骨髄腫、ブロム中毒、高ナトリウム血症
- unmeasured anionの減少 or unmeasured cationの増加 (水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p. 144)
- unmeasured anionの減少:低アルブミン血症。Alb 1mg/dlの低下→AG約2.5-3.0mEqの低下。高AGをマスクしうるので注意。
[★]
- 英
- renal tubular acidosis, RTA
- 関
- 尿細管アシドーシス 、尿細管性アシドーシス
- 代謝性アシドーシス
- 遠位尿細管性アシドーシス、近位尿細管性アシドーシス、1型尿細管性アシドーシス、尿細管性アシドーシスI型
[show details]
概念
分類
- 遠位尿細管性アシドーシス RTA I :H+の排泄障害。代わりにK+が排泄。高度の血清K低下。尿pH≧5.5(酸性化できない)。尿路結石を生じやすい。
- 近位尿細管性アシドーシス RTA II:近位尿細管でのHCO3-再吸収障害による。遠位尿細管でK+が排泄され、低カリウム血症を生じる。尿pH≦5.5(酸性化ok)。
- 低アルドステロン症 RTA IV:アルドステロン欠乏やアルドステロン抵抗性と関連した病態。高カリウム血症を呈し代謝性アルカローシスとなる。HCO3-≧17mEq/L, pH≦5.3 (参考)
参考
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [1]
[★]
- 英
- Dent disease, Dent's disease
- 同
- Dent病
- 関
- 塩素イオンチャネル病、X連鎖劣性腎結石症、X連鎖劣性遺伝病
概念
症状
病因
- 電位依存性クロライド輸送体(CLC-5)の遺伝子異常
- OCR1遺伝子
[★]
- 同
- 低K性四肢麻痺、低K血症性周期性四肢麻痺
- 関
- 周期性四肢麻痺
[show details]
病型
- 1. 原発性低K性周期性四肢麻痺:AD
- 2. 続発性低K性周期性四肢麻痺
[★]
- 英
- acidosis
- 関
- アルカローシス
産科
- 胎児では7.0未満でアシドーシスと判断する。
- 胎児末梢血pH7.20以下で急遂分娩の適応
治療
- 重炭酸ナトリウムによるpHの補正は必要に迫られない限り行わないらしい。組織の酸素化を障害したり、脳血流を減少させたりするため、らしい。
[★]
- 英
- duct、tube、canal、pipe
- ラ
- ductus、vas、meatus
- 関
- 水路、チューブ、導管、道管、卵管、道
[★]
- 英
- canaliculus、canaliculi、tubule
- 関
- 小管、尿細管