- 英
- hypoaldosteronism, aldosterone hypo function
- 関
- 低レニン血症性低アルドステロン症、4型尿細管性アシドーシス、腎尿細管性アシドーシスIV型 renal tubular acidosis type IV RTA IV
- アルドステロン症
概念
- 尿細管においてアルドステロンの作用が低下した病態。アルドステロンは接合尿細管や集合管でナトリウム再吸収、カリウム排泄、酸排泄を促進するので、低アルドステロン症ではこのアルドステロンの作用が減少することで本病態を引き起こす。
病因
- 1. 副腎皮質からのアルドステロンの分泌低下
- 2. 尿細管におけるアルドステロンに対する反応性低下
副腎皮質からのアルドステロンの分泌低下
ホルモンによる分類
- アルドステロン分泌調節に対する刺激因子の低下:低レニン性
- 副腎皮質球状層におけるアルドステロン生合成の低下:高レニン性
尿細管におけるアルドステロンに対する反応性低下
症状
検査
- 低ナトリウム血症、高カリウム血症
- 尿中ナトリウム高値、尿中カリウム低値
- 血中HCO3-低下
- 糖尿病性ケトアシドーシスに糖尿病性腎症による低アルドステロン症が合併している場合、アニオンギャップの低下以上に重炭酸イオン濃度が低下する。この差が低アルドステロン症による過剰の重炭酸イオンの消費となる。
参考
- http://enotes.tripod.com/hypoaldosteronism.htm
- http://www.endotext.org/adrenal/adrenal24/adrenal24.html
- Wikipedia:Hypoaldosteronism
uptodate
- 1. [charged] 高カリウム血症患者の評価および低アルドステロン症(4型 RTA)の診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 低アルドステロン症(4型RTA)の病因および治療 - uptodate [2]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 偽性低アルドステロン症2型 (特集 尿細管疾患の臨床)
- 偽性低アルドステロン症1型 (特集 尿細管疾患の臨床)
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- metabolic acidosis
- 関
- アシドーシス、酸塩基平衡異常
酸塩基平衡異常とその代償 SP.660
原因
a. アニオンギャップの開大するアシドーシス 有機酸の蓄積
- 代謝アシドーシスをきたしているとき、HCO3-によりH+を滴定するため、HCO3-が減少する。HCO3-の減少を、Cl-ではない陰イオンが増加することで生体内の電気的中性を保つような病態ではアニオンギャップが開大する。
- (病態の形成機序としては不揮発酸が増大した結果としてHCO3-が減少しているのだが)
- (1)腎不全時のリン酸、硫酸の増加、(2)低酸素血症時の乳酸の増加[ 乳酸アシドーシス ]、(3)ケトン体増加[ 糖尿病性ケトアシドーシス ]
b. アニオンギャップの開大しない代謝性アシドーシス プロトン過剰 or HCO3-喪失
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版
- メカニズム:代謝アシドーシスでは、HCO3-によりH+を滴定されておりHCO3-が減少する。代償的にCl-が増加してアニオンジャップが正常になっている(Cl-の値に注意する)。
- (不揮発性酸の過剰産生ではなく、代謝的にHCO3-の過剰喪失、H+の過剰産生、H+の排泄障害が考えられる)
-
症状
検査
- 血液ガス:pH↓
- 尿検査:カルシウム排泄増加 ← 遠位尿細管でのカルシウム再吸収が抑制されるため。
治療
- 重炭酸ナトリウム投与:volume overload、イオン化カルシウムの減少によりテタニーに注意
- 後者は、急激にpHを上げると、アルブミンが負に帯電、イオン化カルシウムが急激に減少することでテタニーを生じる。このような場合にはグルコン酸カルシウムの投与を行う。(QB.D-354)
その他
- 代謝性アシドーシスでは、呼吸性代償が機能していれば、PaCO2=pHの小数点以下2桁、となる。pH 7.34の代謝性アシドーシスではPaCO2 34Torrが期待されるが、34を大きく上回る場合、呼吸性代償が機能していないと判断される。(出典不明)
[★]
- 英
- acid-base imbalance, acid-base balance disturbance, acid-base balance disorder
- 同
- 酸塩基平衡障害
- 関
- 酸塩基平衡
酸塩基平衡異常
- LAB.675,1651
[★]
- 英
- renal tubular acidosis, RTA
- 関
- 尿細管アシドーシス 、尿細管性アシドーシス
- 代謝性アシドーシス
- 遠位尿細管性アシドーシス、近位尿細管性アシドーシス、1型尿細管性アシドーシス、尿細管性アシドーシスI型
[show details]
概念
分類
- 遠位尿細管性アシドーシス RTA I :H+の排泄障害。代わりにK+が排泄。高度の血清K低下。尿pH≧5.5(酸性化できない)。尿路結石を生じやすい。
- 近位尿細管性アシドーシス RTA II:近位尿細管でのHCO3-再吸収障害による。遠位尿細管でK+が排泄され、低カリウム血症を生じる。尿pH≦5.5(酸性化ok)。
- 低アルドステロン症 RTA IV:アルドステロン欠乏やアルドステロン抵抗性と関連した病態。高カリウム血症を呈し代謝性アルカローシスとなる。HCO3-≧17mEq/L, pH≦5.3 (参考)
参考
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [3]
[★]
- 英
- type IV renal tubular acidosis
- 関
- 低アルドステロン症、低レニン血症性低アルドステロン症、尿細管性アシドーシスIV型
[★]
- 関
- 低アルドステロン症 hypoaldosteronism
[★]
- 英
- selective hypoaldosteronism, isolated hypoaldosteronism
- 関
- アルドステロン症、低アルドステロン症、低レニン性低アルドステロン症、アルドステロン
[★]
- 英
- hyporeninemic hypoaldosteronism
- 関
- 低アルドステロン症、低レニン性低アルドステロン症、4型尿細管性アシドーシス
[★]
- 英
- pseudohypoaldosteronism PHA
- 同
- 偽低アルドステロン症
[★]
- 英
- hypereninemic hypoaldosteronism
- 関
- [[]]
[★]
- 英
- aldosterone
- 関
- 尿細管
基準値
- 血漿濃度は35-240 pg/ml, EDTA加血漿 安静臥位 30-160 pg/ml
- 30-160 pg/ml (LAB.715)
- 35.7-240 pg/ml (随時), 29.9-159pg/ml (臥位), 38.9-307pg/ml (立位) (SRL)
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用
- 1. 腎の接合尿細管と集合管、唾液腺、乳腺、汗腺等に働いてNa+の再吸収を促進し、K+の排出(分泌)を促進する (SP.791,792 によれば、腎接合尿細管を含む)
- 2. 腎集合管でH+の排出(分泌)を促進する。
- Na+/K+-ATPase活性↑@遠位尿細管・皮質集合管 → 管腔側K↑ → K再吸収/H+分泌 (QB CBT vol2 p.360) ← 成書での裏付けがないが、確かにアルドステロン↑によりK+分泌が↑となれば、管腔側にK+があふれるのでα間在細胞上の管腔側にあるK+/H+交換輸送体担体によりH+管腔側にくみ出されるな。
作用機序
- アルドステロンは何らかの経路を経て、ある遺伝子(アルドステロン誘導タンパク質 AIP)の転写・発現を促進する。これにより、以下の作用を及ぼす (2007年度後期生理学授業プリント)
- (1)Na+-K+ATPaseの発現
- (2)基底膜面積の増加
- (3)Na+チャネルの活性化
- (4)K+チャネルの活性化
- Na+-K+ ATPase活性を上昇させる(SP.792)
- ミトコンドリアのエネルギー産生系が活性化される(SP.792)
分泌調節
- 1. 体液↓、血圧↓→レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系でアンジオテンシンIIが生成→P450scc↑、P450aldo↑
-
- →レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系
- 2. 血漿K+↑→アルドステロン分泌↑ ← direct action on the adrenal cortical cells.
- 3. ドパミン、ソマトスタチン→アルドステロン分泌↓ (出典不明)
- 4. ACTH
- アルドステロン分泌作用は弱い。only a short-term effect(NEL.2351).
分子機構
生合成
臨床関連
[★]
- 英
- aldosteronism
- 同
- アルドステロン過剰症 高アルドステロン症 hyperaldosteronism
- 関
- コン症候群 (アルドステロン産生腺腫) 80-90%
- 特発性アルドステロン主要 副腎皮質球状層の過形成 10%程度
-
[★]
- 英
- sis, pathy