- 英
- Gitelman's syndrome、Gitelman syndrome
- 同
- Gitelman症候群
- 関
- 利尿薬。バーター症候群、Bartter症候群
概念
- チアジド系利尿薬感受性Na-Cl co transporter(NCCT)の機能変異により、ナトリウム吸収が障害される疾患である。ナトリウムと塩素イオンの喪失によるhypovolemiaによりRAA系が亢進し、高アルドステロン血症を呈するが、高血圧とはならない。アルドステロンによるカリウム排泄の亢進と、集合管でのナトリウム再吸収亢進によりカリウムイオン・水素イオン排泄亢進により低カリウム血症、代謝性アルカローシスをきたす。バーター症候群と異なり、低マグネシウム血症をきたすのが特徴的である。
バーター症候群とギテルマン症候群
- 出典不明
参考
- 1. GITELMAN SYNDROME - OMIM
- http://omim.org/entry/263800
- 2. [charged] Bartter and Gitelman syndromes - uptodate [1]
- 3. [charged] Regulation of magnesium balance - uptodate [2]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 中山 智祥,青井 則子,佐藤 直之,佐藤 三佳乃,小菅 琴子,泉 洋一,相馬 正義,松本 紘一
- 臨床病理 58(2), 156-161, 2010-02-25
- NAID 10026444437
- 地域住民におけるサイアザイド感受性Na-Cl共輸送体(SLC12A3)遺伝子変異頻度について : 岩木町健康増進プロジェクト
Related Links
- バーター症候群およびギテルマン症候群はまれな遺伝性疾患であり,腎臓からの カリウムおよびナトリウムの喪失,レニンおよびアルドステロンの過剰産生,ならびに 正常血圧を特徴とする。バーター症候群(異常腎輸送症候群: バーター症候群も参照 ) は,ヘンレ ...
- バーター症候群†. まれな先天性疾患で,小児期早期に腎臓からの塩類喪失および体液 量減少を伴い発症し,高アルドステロン症および低カリウム性代謝性アルカローシスを 引き起こす。 ギテルマン症候群†. バーター症候群様の疾患で,低マグネシウム血症や ...
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- Bartter syndrome, Bartter's syndrome
- 同
- Bartter症候群
- 関
- ギテルマン症候群 Gitelman症候群
概念
- 常染色体劣性遺伝 AR
- RAA系の亢進 にもかかわらず 正常血圧、浮腫の欠如
- 低カリウム血症、代謝性アルカローシス
- 傍糸球体細胞の過形成
- 多飲、多尿 ← アルドステロンのエスケープ現象(尿濃縮脳の障害)。これにより血圧上昇がキャンセル?
- ヘンレループ太い上行脚にあるループ利尿薬の標的輸送体の機能異常 → 常にフロセミドが効いた状態と考えてみる。
病因
- 1つは、NKCC2をコードしているSLC12A1の遺伝子異常
原因遺伝子
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Location
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Phenotype
|
Phenotype
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Gene/Locus
|
Gene/Locus
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MIM number
|
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MIM number
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1
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15q21.1
|
[[3]]
|
Bartter syndrome, type 1
|
601678
|
[[4]]
|
SLC12A1
|
600839
|
[[5]]
|
2
|
11q24.3
|
[[6]]
|
Bartter syndrome, type 2
|
241200
|
[[7]]
|
KCNJ1
|
600359
|
[[8]]
|
3
|
1p36.13
|
[[9]]
|
Bartter syndrome, type 3
|
607364
|
[[10]]
|
CLCNKB
|
602023
|
[[11]]
|
4A
|
1p36.13
|
[[12]]
|
Bartter syndrome, type 4, digenic
|
602522
|
[[13]]
|
CLCNKB
|
1p32.3
|
[[14]]
|
Bartter syndrome, type 4a
|
BSND
|
606412
|
[[15]]
|
Sensorineural deafness with mild renal dysfunction
|
4B
|
1p36.13
|
[[16]]
|
Bartter syndrome, type 4b, digenic
|
613090
|
[[17]]
|
CLCNKA
|
602024
|
[[18]]
|
病態
- uptodate.1
- 尿希釈能低下:ヘンレループ上行脚と遠位曲尿細管の療法は尿希釈に重要な部位であり(ADHの作用がない条件下で、水の移動なしにNaClを再吸収できるので)、本疾患では尿希釈能の低下をきたす。
- 尿濃縮能低下:尿濃縮にはループヘンレの正常な働きととADHが必要 → 本疾患では尿濃縮能の低下をきたす ⇔ ギテルマン症候群ではnot substantially impaired
症候および検査異常
- uptodate.1
- しかし、出典不明の情報では、RAA系の亢進による血圧上昇がプロスタグランジンE2による血圧低下で相殺され、血圧正常とあるが、、、どうなの?出典はYNらしい。
- 発育遅滞、精神発達遅滞 ← 幼小児で発見されるきっかけ?
- 低カリウム血症
- 代謝性アルカローシス
- 多尿、多飲 ← 尿濃縮能低下
- 尿中カルシウム:正常~増加
- 血清マグネシウム:正常~軽度低下
- (時に)低リン酸血症 ← 二次性副甲状腺亢進症による
鑑別診断
- IMD.1003
バーター症候群とギテルマン症候群
- 出典不明
参考
uptodate
- 1. [charged] バーター症候群およびギテルマン症候群 - uptodate [19]
- 2. [charged] 原因不明の代謝性アルカローシスおよび低カリウム血症:嘔吐;利尿薬;ギテルマンまたはバーター症候群 - uptodate [20]
OMIM
- 1. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 1
- http://omim.org/entry/601678
- 2. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 2
- http://omim.org/entry/241200
- 3. BARTTER SYNDROME, TYPE 3
- http://omim.org/entry/607364
- 4. BARTTER SYNDROME, TYPE 4A
- http://omim.org/entry/602522
- 5. BARTTER SYNDROME, TYPE 4B
- http://omim.org/entry/613090
国試
[★]
- 英
- thiazide diuretic, benzothiazide diuretic
- 同
- サイアザイド系利尿薬
- 関
- 利尿薬、利尿薬の作用部位、sodium-chloride symporter inhibitor。ギテルマン症候群
特徴
- 安価である
- 有効率が高い
- 遠位尿細管前半部に作用するらしい
- Na+とCl-の共輸送体(NCCT)を阻害→Na+,Cl- の再吸収を阻害する
排泄される電解質の変化
- Na↑、K↑、H↑、Ca↓、Mg↑、Cl↑、HCO3↑、H2PO4↑
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → つまり管腔側から受動的に引き込まれるということ。
- ループ利尿薬と同様の機序による (GOO.755)
チアジド系利尿薬
効能・効果
禁忌
- 無尿(効果なし)
- 急性腎不全(腎機能悪化):緻密斑より下流にチアジド系利尿薬の作用部位があるため、GFRを増加させたい場合にフィードバックがかかりにくいため?(緻密斑は適正量のNaが排泄されていると検出し、GFRを低下させても、下流では想定より多くのNaを喪失し、hypovolemicになる?)
- 電解質異常
副作用
- 長期間の使用における副作用:低カリウム血症、高尿酸血症、高脂血症、耐糖能低下、光線過敏症、脂質代謝障害。高カルシウム血症(YN.C-62) → (利尿薬参照。ループ利尿薬との違いはカルシウムを排泄するかどうか)
低カリウム血症
- GOO.756
- カリウムは抗高血圧作用があるので、チアジド系利尿薬の利尿作用を打ち消してしまう。
耐糖能の低下
- GOO.756
- 低カリウム血症の関与が示唆されている。K+をチアジド系利尿薬と共に投与すると高血糖が改善されるから。
歴史
- 第二次世界大戦中、衛生状態の悪い兵士の間でシラミを介したバルトネラ属の感染症(塹壕熱、病原体はBartonella quintana)が流行していたが、この治療にサルファ剤が用いられていた。このサルファ剤が有する利尿作用に中臆して開発されたのがチアジド系利尿薬である。1957年にクロロチアジド、1959年に10倍の利尿作用を有するヒドロクロロチアジドが開発された。いずれも光線過敏症が副作用として知られている。日本では光線過敏症がより少ないと言われているトリクロルメチアジド(フルイトラン)がもっぱら用いられている。チアジド系利尿薬は日本では光線性白斑黒皮症と知られており、色素沈着と白斑を伴う。
- 参考:チアジド系利尿剤の副作用の歴史 日本医史学雑誌第58巻第2号(2012)p156
[★]
- 英
- pseudogout
- 同
- 仮性痛風
- 関
- 軟骨石灰化、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着症
概念
疫学
- 高齢者に多い。
- 80歳以上の半数に認められる
- 65歳以上の高齢の女性女性に多い(REU.301)
- 加齢により軟骨石灰化の頻度は上昇し、65-75歳では10-15%、85歳以上では30-60%にみられる。症状を呈するのはその一部である。(REU.301)
病因
- ポケメ
好発部位
- 膝関節が最多。手関節の線維性軟骨、恥骨結合、関節唇、椎間板線維輪
症候
- 急性関節炎
- 関節液:白濁(白血球の増多による)
- 変形性関節症:多くの症例で合併が認められる。
- (ときに)全身症状:発熱、白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進
経過
- 関節炎:数時間~1日でピーク。数日~2週間持続して軽快
検査
- 血液検査:白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進が認められることがある。
- 単純X線写真:点状、線状の軟骨石灰化
- 半月板の石灰化
[show details]
- ピロリン酸カルシウム2水和物の結晶。偏光顕微鏡下で弱い正の複屈折性が認められる
- 小さい結晶は白血球に貪食されている。
国試
[★]
- 英
- collecting duct (Z) CD, collecting tubule
- ラ
- tubulus renalis colligens
- 関
- 尿細管、腎臓、ヘンレループ。後腎、中腎管
発生
- L.291
- 由来:中腎管の尿管芽
- 過程:後腎組織に入り拡張、原始腎盂(大腎杯)を形成。管腔が分岐を繰り返し小腎杯を形成、さらに集合管が多数分岐して腎錐体を形成する。
集合管 (HIS. 381)
-
機能
ナトリウム再吸収
水再吸収
各疾患における集合管の役割
- 大量のNaが集合管に到達し、ENacによる再吸収をうける。これがカリウムイオンと水素イオンの分泌を促進し、低カリウム血症と代謝性アルカローシスをきたす。(HIM.1801)
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候