- 英
- adenosine deaminase, ADA
- 同
- アデノシンアミノヒドロラーゼ adenosine aminohydrolase
- 関
結核
- 結核による結核性髄膜炎では、T細胞により産生されたアデノシンデアミナーゼが脳脊髄液に高値に認められる。
臨床関連
PrepTutorEJDIC
- Americans for Democratic Action 米国人民主行動連盟
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/18 19:49:26」(JST)
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アデノシンデアミナーゼ(ADA:adenosine deaminase; EC 3.5.4.4)は、細胞内で核酸の代謝に関わる酵素である。これが先天的に欠損していると重篤な免疫不全の原因になる。また、結核の診断において胸水・髄液中ADA活性の上昇が特徴的として知られており、臨床的に利用されている。
働きは、核酸塩基の一種アデノシンを分解しイノシンとアンモニアを生成することである。同様にアデノシンを代謝するものとしてアデノシンキナーゼが存在するが、ADAはアデノシン濃度が高いときに特に働いている。
血液腫瘍(白血病など)、肝炎などで高値を示すほか、胸水が結核性の場合は細菌性・心原性のときに比べて胸水中ADA濃度が上昇する。髄膜炎でも同じく、結核性髄膜炎では髄液中ADA濃度が高値を示す。
ADA欠損症(重症複合免疫不全症)
ADAはリンパ球増殖の際に特に需要が高く活性が上がるが、生まれつきADAを合成できない場合はリンパ球が減少するなどして免疫不全を来す。無治療の場合は多くが乳児期に死亡するという重篤な疾患である。
治療としては、ADA酵素を外部から補充する治療が一般的である。 しかしこれは、ADAを合成する遺伝子の欠損であるため究極的な治療法は遺伝子治療であり、最も早くから遺伝子治療の研究対象となってきた。 手法としてはウイルスをベクター(運び屋)として患者のリンパ球にADA合成遺伝子を組み込み、体内に戻すというものである。
出典
- IUBMB entry for 3.5.4.4(英語)
- BRENDA references for 3.5.4.4 (英語)
- PubMed references for 3.5.4.4(英語)
- PubMed Central references for 3.5.4.4(英語)
- Google Scholar references for 3.5.4.4(英語)
外部リンク
- IUBMB entry for 3.5.4.4(英語)
- KEGG entry for 3.5.4.4(英語)
- BRENDA entry for 3.5.4.4(英語)
- NiceZyme view of 3.5.4.4(英語)
- EC2PDB: PDB structures for 3.5.4.4(英語)
- PRIAM entry for 3.5.4.4(英語)
- PUMA2 entry for 3.5.4.4(英語)
- IntEnz: Integrated Enzyme entry for 3.5.4.4(英語)
- MetaCyc entry for 3.5.4.4(英語)
- Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 乳牛の初乳中アデノシンディアミナーゼ活性の臨床的意義の検討
- 佐藤 雅彦,今西 晶子,岡田 啓司 [他]
- 産業動物臨床医学雑誌 1(4), 197-202, 2010-12
- 乳汁中のアデノシンデアミナーゼ(ADA)活性の臨床的意義を検討した.まず臨床的に健康な搾乳中のホルスタイン種成乳牛35頭の乳汁を初乳と常乳(泌乳初期,泌乳最盛期,泌乳中期,泌乳後期)に区分し,乳清中のADA活性値を測定した.常乳の乳清ADAは0.03±0.01IU/ℓと著しく低値だったが,初乳は11.9±2.9 IU/ℓ(平均±標準誤差,以下同)と,常乳に比べて高値を示した …
- NAID 40018711999
- 膠原病・アレルギー疾患に対する遺伝子治療 原発性免疫不全症 (遺伝子診療学(第2版)--遺伝子診断の進歩とゲノム治療の展望) -- (遺伝子治療と核酸治療(Nucleic Acid-Based Therapeutics)--現状と展望)
Related Links
- アデノシンデアミナーゼ(ADA:adenosine deaminase; EC 3.5.4.4)は、細胞内で核酸の 代謝に関わる酵素である。これが先天的に欠損していると重篤な免疫不全の原因になる 。また、結核の診断において胸水・髄液中ADA活性の上昇が特徴的として知られて ...
- アデノシンデアミナーゼ(ADA)は,プリン体分解と再利用にかかわる酵素の一つであり, アデノシンを加水分解し,イノシンとアンモニアを生成する酵素でヒトの組織に広く分布し, とくに腸管粘膜,胸腺,脾,扁桃やリンパ球に活性が高い。意義として欠損症と過剰産生症 で ...
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★リンクテーブル★
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- 65歳の男性。右前胸部の疼痛を主訴に来院した。2か目前から乾性咳嗽と労作時の呼吸困難とが出現し、徐々に増悪した。16歳から60歳まで自動車整備工をしていた。喫煙は20本/日を45年間、意識は清明.身長168cm、体重54kg、体温37.0℃。脈拍76/分、整。血圧130/90mmHg、胸部右側の呼吸音の滅弱を認める。血液所見:赤血球429万、Hb14.6g/dl、Ht45%、白血球4,100、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dl、アルブミン3.5g/dl.AST 22IU/l、ALT 9IU/l、LDH 128IU/l(基準176~353)。CRP O.2mg/dl。穿刺排液した胸水は黄色混濁で、比重1.019。蛋白5.2g/dl、LDH 151IU/l、アデノシンデアミナーゼ 45.OIU/l(基準50以下)、ヒアルロン酸高値。一般細菌および抗酸菌培養は陰性で、結核菌のPCR検査も陰性であった。胸部単純CTを以下に示す。確定診断のため、胸腔鏡下で壁側胸膜上の結節を生検した。生検組織のH-E染色標本とカルレチニン免疫組織染色標本とを以下に示す。CEAによる免疫組織染色は陰性であった。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A053]←[国試_102]→[102A055]
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- 72歳の男性。2か月前からの咳、痰および[微熱]]を主訴に来院した。ときに39℃台の発熱もある。体温37.8℃。脈拍92/分、整。聴診上特に異常は認めない。血液所見:赤血球380万、白血球6,240、胸水所見:胸水・血清蛋白濃度比0.6、アデノシンデアミナーゼ高値。セフェム系抗菌薬で症状は改善しなかった。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 検査結果で考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A057]←[国試_097]→[097A059]
[★]
- 右半身の感覚障害と左上下肢の筋力低下とを訴える30歳台女性の頭部MRlのFLAIR像(別冊No.1A、B)を別に示す。
- 脳脊髄液検査で異常を示す可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I029]←[国試_105]→[105I031]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105D014]←[国試_105]→[105D016]
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- 英
- tuberculous meningitis
- ラ
- meningitis tuberculosa
- 関
- 結核、結核菌、髄膜炎
脳脊髄液所見
- 細胞数増加(リンパ球優位)、蛋白増加、グルコース減少(化膿髄膜炎ほどではないが、ウイルス性髄膜炎の様に変動しないことはない)
- 特異的な所見としては、Cl-減少、アデノシンデアミナーゼ高値
国試
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- 英
- adenosine aminohydrolase
- 関
- アデノシンデアミナーゼ
[★]
アデノシンデアミナーゼ adenosine deaminase
[★]
アデノシンデアミナーゼ ADA
[★]
- 英
- adenosine deaminase deficiency
- 同
- ADA欠損症 ADA deficiency
- 関
- アデノシンデアミナーゼ
遺伝
参考
- 1. [charged] Adenosine deaminase deficiency: Pathogenesis, clinical manifestations, and diagnosis - uptodate [1]
- 2. [charged] Adenosine deaminase deficiency: Treatment - uptodate [2]
- 3. ADENOSINE DEAMINASE; ADA - OMIM
- http://omim.org/entry/608958
[★]
- 英
- adenosine
- 同
- 6-アミノ-9-β-D-リボフラノシル-9H-プリン, Ado
- 商
- Adenocard
- 関
- プリンヌクレオチド
神経伝達物質
代謝産物
- 運動により筋肉より乳酸、二酸化炭素と共に放出され、筋血管の拡張を引き起こす
薬理
概念
- 海外では上室性頻拍の薬物治療として用いられる。日本ではATPが用いられる。(用量:ATP 10mg⇔アデノシン6mg (改訂3版 救急蘇生法の指針 2005 医療従事者用))
構造
作用機序
- アデノシンを結合するGタンパク質共役型受容体に結合→心房、洞房、房室結節でアセチルコリン感受性のK電流を増加→膜の過分極→活動電位持続時間を短縮。
- Ca電流を減らす
薬理作用
心血管における作用
SP.590
適応
- 上室性不整脈 (GOO.917)
- first drug for most forms of stable narrow-complex SVT. Effective to reentry involving AV node or sinus node. AF, AFL, VTは適応外。(Advanced Cardiovascular Life Support Provider manual ISBN 978-1-61669-010-6 p.165)
用法
- ACLS:アデノシン6mgを急速静注(1-3秒)、次いで生食を20ml入れる。その後、注射した肢を挙上。必要があれば2回目の投与は12mgを1-2分かけて静注。(Advanced Cardiovascular Life Support Provider manual ISBN 978-1-61669-010-6 p.165)
- PALS:1回目 0.1mg/kgを急速静注/骨髄内投与(max 6mg) 2回目 0.2mg/kgをを急速静注/骨髄内投与(max 12mg)
禁忌
- 薬剤誘発性の頻拍、二度房室ブロック、三度房室ブロック(Advanced Cardiovascular Life Support Provider manual ISBN 978-1-61669-010-6 p.165)
注意
- Advanced Cardiovascular Life Support Provider manual ISBN 978-1-61669-010-6 p.165)
- テオフィリン・カフェインを摂取・投与されている場合、効果が低下する。
- ジピリダモール、カルバマゼピン、心臓移植、あるいは中心静脈ルートが確保されている患者では投与量を3mgとする。
副作用
- Advanced Cardiovascular Life Support Provider manual ISBN 978-1-61669-010-6 p.165)
妊婦
- Advanced Cardiovascular Life Support Provider manual ISBN 978-1-61669-010-6 p.165)