- lavage irrigation
- 英
- gastric lavage, gastric irrigation, gastrolavage
適応
- SQ.116
- 毒物の経口摂取後1時間以内
- 毒性の高い物質の摂取
- 数時間経過後であっても胃に大量に残存していると考えられる場合
- 2. 上部消化管出血に対する緊急胃十二指腸内視鏡施行のための前処置
- 3. 幽門部通過障害時の胃内容物の排泄
- たばこ、アスピリン、中性洗剤、ナフタリン、樟脳
禁忌
- 1. 腐食性物質(強酸、強アルカリなど)の服用
- 2. 有機溶剤や石油製剤の服用(重篤な化学性肺炎のおそれ。気管挿管すればok):ガソリン、石油、灯油、シンナー、クレゾール
- 3. 大量出血を来しうる食道病変(食道静脈瘤、マロリー・ワイス症候群、出血性潰瘍)
- 4. 胃切除後
- 5. 意識レベルの低下(誤嚥性肺炎のおそれ。気管挿管すればok)
- 6. ストリキニーネ中毒:反射誘発の恐れ。気管挿管すればok
WordNet
- (medicine) cleaning a wound or body organ by flushing or washing out with water or a medicated solution
- supplying dry land with water by means of ditches etc
- washing out a hollow organ (especially the stomach) by flushing with water
PrepTutorEJDIC
- 潅漑(かんがい) / (傷口などの)洗浄
- (特に胃などの)洗浄
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/27 22:57:28」(JST)
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胃洗浄(いせんじょう)とは、人体に有害な物質を誤食・誤飲したとき、水や生理的食塩水などの洗浄液と胃チューブ(患者が意識を失っている時は誤嚥性肺炎を起こす可能性があるため、気管内チューブを挿管し、カフを膨らませてから胃洗浄を行う)、活性炭などの吸着剤や解毒剤、チューブの挿管を容易にする潤滑剤を用いて、胃に残る未吸収物質を除去する目的で行われる。また、内視鏡検査や手術の前にも行われることがある。
胃洗浄の有効性を左右する要素は、大きく分けて
- 摂取してから胃洗浄を行うまでの時間
- 摂取した量
- 摂取した物質の吸収速度などの臨床条件
の3つである。
特に重要なのが「摂取してから胃洗浄を行うまでの時間」であって、一般に1時間以内が目安である。しかし1時間以内と言うのは絶対的ではなく、農薬は胃の粘膜に長く付着していることが多いので、摂取後4時間以上経過していても、胃洗浄が有効なことがある。
また、胃の内部で塊になりやすい物質は胃の中に長時間停滞しやすいために時間が経っても胃洗浄が有効である。および抗コリン作用を持つ薬やサリチル酸を含む薬(アスピリンなど)や三環系抗うつ薬は、腸の蠕動を抑制するために腸に送られるのが妨げられるため、同じく時間が経過しても胃洗浄が有効である。この場合、飲んでから10時間程度経過していても、胃洗浄により相当量を回収出来た例もある。
目次
- 1 適応
- 2 禁忌
- 3 合併症
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
適応
次の3条件を満たす場合に適応になる。
- 経口摂取
- 大量服毒または高毒性物質摂取の疑い
- 胃内に十分量が残存
禁忌
- 強酸・強アルカリの摂取
- 石油製品や有機溶剤の摂取
- 食道静脈瘤をもつ患者
- 意識状態が低下していたり痙攣のある非気管挿管患者(気管挿管下に行う)
上記のような人に胃洗浄を行おうとチューブを挿入した場合、食道が傷付いているために食道内壁から出血したり(上3つ)、意識が朦朧としていたり意識がない場合は嘔吐したものが気管に詰まって窒息する危険性がある。
ちなみに強酸性や強アルカリ性の物質を摂取した場合は、水を飲ませて希釈させたり、牛乳などタンパク質のものを飲ませて酸やアルカリを無効化させるのが応急処置として有効である。
合併症
- 誤嚥性肺炎
- 体液の電解質異常
- 低体温
- 食道・胃などの損傷
参考文献
関連項目
外部リンク
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Japanese Journal
- 低容量のドパミン投与により治療したクレゾール中毒の一例
- 榎戸 正則,伊関 憲,福家 千昭,佐多 晶子,高橋 徹也,林田 昌子,清野 慶子,篠崎 克洋,大谷 浩一
- 山形大学紀要. 医学 : 山形医学 29(2), 63-69, 2011-08-15
- … クレゾール中毒に対する初期治療としては胃洗浄、強制利尿、直接血液潅流が挙 げられている。 …
- NAID 110008614767
- 林田 昌子,清野 慶子,伊関 憲
- 山形大学紀要. 医学 : 山形医学 29(2), 57-62, 2011-08-15
- … 中毒治療としては、毒物を除去するために、催吐、胃洗浄が行われることがある。 …
- NAID 110008614766
- 胃洗浄法 (特集 内科医に必要な基本的診療手技のノウハウ)
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[★]
- 次の文を読み、22~24の問いに答えよ。
- 30歳前後の男性。人工呼吸下に救急車で搬入された。
- 現病歴 : 公園で倒れているのを通行人に発見された。救急隊到着時、意識は混濁し、自発呼吸は微弱であった。呼気に芳香臭があり、発見現場から不凍液(エチレングリコール)の空容器と三環系抗うつ薬アミトリプチリンの空包装とが見つかった。
- 既往歴 : 不明。
- 現 症 : 体格栄養中等度。体温36.5℃。脈拍100/分、整。血圧90/60mmHg。痛み刺激を与えても開眼せず、言語反応はない。運動反応を認めない。舌根は沈下し、自発呼吸を認めない。瞳孔径は4mmで左右差を認めないが、対光反射が消失している。眼瞼結膜に貧血なく、眼球結膜に黄染を認めない。心雑音を聴取しない。腹部は平坦で、腸雑音が減弱している。下腿に浮腫はなく、人工呼吸下にチアノーゼを認めない。深部反射は保たれている。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球497万、Hb14.9g/dl、Ht42%、白血球9,800、血小板35万。
- 血清生化学所見:血糖197mg/dl、総蛋白7.2g/dl、アルブミン4.9g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総ビリルビン0.8 mg/dl、AST28単位(基準40以下)、ALT25単位(基準35以下)、LDH298単位(基準176~353)、アルカリホスファターゼ220単位(基準260以下)、γーGTP48単位(基準8~50)、アミラーゼ120単位(基準37~160)、CK28単位(基準10~40)、Na138 mEq/l、K3.4mEq/l、Cl101mEq/l。
- 動脈血ガス分析(人工呼吸、酸素投与下):pH7.54、PaO2 305Torr、PaCO2 24Torr、HCO3 -15mEq/l、血漿浸透圧:実測値は345mOsm/kg H2O (基準285~295)で、Na、血糖および尿素窒素の血中濃度からの計算値293mOsmL/kg H2O(基準285~295)との間に浸透圧ギャップを認める。
- a. 胃洗浄
- b. 気管内挿管
- c. 活性炭投与
- d. カテコラミン投与
- e. 乳酸加リンゲル液大量輸液
[正答]
※国試ナビ4※ [098C022]←[国試_098]→[098C024]
[★]
- 次の文を読み、63~65の問いに答えよ。
- 23歳の男性。自宅で倒れているのを発見され救急車で搬入された。
- 現病歴:徹夜でゲームをしており、昨夜から母親の制止を聞かずに市販のカフェイン含有飲料を多量に飲用していた。摂取カフェイン総量は2,500mg以上と推定された。今朝、自宅で倒れているのを母親が発見し救急車を要請した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:家族と同居、一日中家にいて、外出することは少ない。3年前に退職後は定職についていない。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:呼びかけにより開眼、「アー」と発語はあるが問いかけには答えられない。痛み刺激に対して手で払いのける。体温 38.2℃。心拍数 148/分、整。血圧 98/70mmHg。呼吸数 30/分。SpO2 97%(マスク 5L/分酸素投与下)。瞳孔径5mmで左右差を認めない。口腔内に吐物を認める。運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。心音に異常を認めない。両胸部にcoarse cracklesを聴取する。多量の尿失禁を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 459万、Hb 15.1g/dL、Ht 44%、白血球 11,400、血小板 25万。血液生化学所見:AST 28U/L、ALT 24U/L、CK 624U/L(基準 30~140)、尿素窒素 40mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、血糖 112mg/dL、Na 142mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 96mEq/L。CRP 2.4mg/dL。
- 静脈路確保の次に行うべき対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114C063]←[国試_114]→[114C065]
[★]
- 次の文を読み、59~61の問いに答えよ。
- 46歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。
- 現病歴:部屋で倒れているのを母親が発見し、救急車を要請した。
- 既往歴:20歳ころ、うつ病の治療歴あり。
- 生活歴:無職。喫煙歴および飲酒歴は長いようだが詳細は不明。
- 家族歴:独身。母親は健康で農業を営んでいる。父親は高校生の時に死亡したが詳細は不明。
- 現症:体温 36.8℃。脈拍 108/分、整。血圧 140/90mmHg。呼吸数 8/分。SpO2 88%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。閉眼しており痛み刺激で開眼しない。発語はない。痛み刺激を何回か繰り返すとわずかに四肢を動かす。瞳孔は両側とも径1mmに縮瞳し、対光反射は確認できない。呼気に有機溶媒臭があり、鼻汁、流涎および発汗がみられる。両側の胸部全体にwheezesを聴取する。心雑音を聴取しない。筋線維束攣縮を認める。腱反射の異常を認めない。
- この患者において除染後直ちに行うべき処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B058]←[国試_110]→[110B060]
[★]
- 46歳の男性。全身のしびれと悪心とを主訴に来院した。初夏のある朝、朝食にアサリの味噌汁、焼魚および山菜を食べた。アサリと魚は汽水域で採ったもの、山菜は近くの山野で採取したものである。食べて10分後に口唇がしびれるのを感じ、20分後にはしびれが全身に広がり悪心も生じたため朝食後40分して受診した。一緒に食事をした妻も口唇のしびれを訴えている。来院時、意識は清明。体温36.0℃。脈拍 84/分、不整。血圧 116/70mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。顔面と四肢とに知覚異常がある。瞳孔径は両側6mmで、対光反射は正常。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図モニターで心室性期外収縮が観察されている。
- 優先すべき処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E045]←[国試_110]→[110E047]
[★]
- 次の文を読み、47、48の問いに答えよ。
- 8か月の乳児。急に激しく泣き、嘔吐したため来院した。
- 現病歴 : 2時間前から突然激しく泣き始めた。その後泣き止み、ぐったりしていたが、再び泣き始め、このような発作を繰り返している。30分前に1回嘔吐がみられた。排便は6時間前にあり、普段と変わらない固形便であった。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。予防接種はDPT2回とBCGとを受けている。
- 現症 : 体温37.2℃。呼吸数40/分。心拍数140/分、整。顔色不良で、顔貌は無欲様である。聴診で心雑音はなく、呼吸音も正常である。腹部は軽度膨隆し、右季肋部に鶏卵大の腫瘤を触れる
[正答]
※国試ナビ4※ [100D046]←[国試_100]→[100D048]
[★]
- 45歳の男性。呼吸困難のため救急車で搬入された。自殺目的で台所にある洗浄剤(水酸化ナトリウム)を大量に内服したが、すぐに嘔吐した。その後、自宅近くの診療所を受診したが呼吸困難と喘鳴が出現したため搬送された。意識は清明。身長 156cm、体重 53kg。体温 37.8℃。心拍数 84/分、整。血圧 124/70mmHg。呼吸 数30/分。SpO2 96%(鼻カニューラ 3L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は発赤し口唇は腫脹している。咽頭から喉頭は浮腫状である。前胸部でstridorを聴取する。心音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。
- まず行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E045]←[国試_111]→[111E047]
[★]
- 40歳の女性。夫婦げんかの末、発作的にメチルアルコールを飲み、15分後に救急車で来院した。やや興奮しているが意識は清明である。呼吸数24/分。血圧130/78mmHg。まず行うべき処置はどれか。
- a. 心電図モニター
- b. 胸部エックス線単純撮影
- c. 胃洗浄
- d. ジアゼパム静注
- e. マニトール静注
[正答]
※国試ナビ※ [095D059]←[国試_095]→[095E001]
※国試ナビ4※ [095D059]←[国試_095]→[095E001]
[★]
- 36歳の男性。けいれん発作のために救急車で搬送された。診察時けいれんはないが全身の著明な振戦を認める。記銘力と見当識とが著しく障害されている。家族からの情報により、現在医師から処方されている炭酸リチウムを、約10時間前に大量に服用したことが判明した。1か月前から悲観的になり、自殺の目的で服用したと推定された。
- 最も適切な処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D003]←[国試_095]→[095D005]
[★]
- 48歳の女性。夫に付き添われて救急車で来院した。激しい夫婦げんかの末「死んでやる。」と言って納屋に行き、そこにあったパラコートを飲んだ。夫の話によると飲んだのは約15分前で、およそ40mlの量であった。興奮しているが意識は清明である。呼吸数24/分。脈拍104/分、整。血圧138/88mmHg。まず行うのはどれか。
- a. 酸素吸入
- b. 胃洗浄
- c. エピネフリン皮下注
- d. 副腎皮質ステロイド薬静注
- e. マニトール静注
[正答]
※国試ナビ4※ [097D059]←[国試_097]→[097E001]
[★]
- 22歳の男性。昼食1時間後から全身の掻痒感と嘔気とを伴うようになったので来院した。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧120/64mmHg。全身に地図状の膨疹を認める。口唇はやや腫脹している。昼食に何を食べたか聞くと、しっかりした声で「アジの干物、芋の煮つけ、豆腐のミソ汁を食べました。」と答えた。適切な処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096A058]←[国試_096]→[096A060]
[★]
- 4歳の女児。30分前にボタン電池を飲み込んだため父親に連れられて来院した。機嫌はよい。胸腹部エックス線写真で胃内にあることが確認された。
- 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D066]←[国試_112]→[112D068]
[★]
- 56歳の男性。意識障害(昏迷)のため救急車で搬入された。自殺を目的として、1時間前に除草剤のパラコートを飲んだ。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F059]←[国試_100]→[100G001]
[★]
- 2歳の男児。4時間前に紙巻きタバコを約1cm誤飲したため来院した。症状はない。
- 最も適切な対応はどれか。
- a. 胃洗浄を行う。
- b. 水を飲ませる。
- c. 牛乳を飲ませる。
- d. 緩下薬を投与する。
- e. 無処置で観察する。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D028]←[国試_100]→[100D030]
[★]
- 10か月の乳児。1時間前に紙巻タバコ1本を食べたことを主訴に来院した。意識は傾眠傾向で、顔色は不良である。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D012]←[国試_101]→[101D014]
[★]
- a. 毒は肝臓と卵巣とに多い。
- b. 毒は加熱調理によって分解される。
- c. 摂食して1日以上経過してから発症する。
- d. 胃洗浄は禁忌である。
- e. 手指振戦が出現する。
[正答]
※国試ナビ4※ [096H073]←[国試_096]→[096H075]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
胃洗浄 gastric irrigation
[★]
胃洗浄 gastric lavage
[★]
- 英
- cleansing, cleaning, irrigation
- 関