- 英
- biliary atresia
- 同
- 良性胆道狭窄 benign biliary stricture
- 関
- 胆道閉鎖、先天性胆道閉鎖症
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/02 15:29:54」(JST)
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胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう、英: BA; biliary atresia)とは、肝臓と十二指腸を結ぶ胆道が閉鎖している病気のことである。肝臓で作られた胆汁が十二指腸に流れないため、黄疸を引き起こし、放置すると胆汁性肝硬変に進行して死亡してしまう危険性が高い。出生9,000人から10,000人あたりに1人の割合で発症するとされており、女児の発症率は男児の発症率の約2倍。出産前に検査する方法は見つかっていない。 平成24年度より、全国の母子手帳に便色カードが収載される事が決まっており、便色カードによる早期発見の試みが行われている。[1]
この病気は完治することはない。葛西手術の術後黄疸消失率は平均70-80%とされているが、再燃しやすく、肝移植が一般的になる以前では、10年生存率は約50%、20年生存率は20%とも報告されている。また、葛西手術後に減黄しても、胆管炎・食道静脈瘤などの合併症を引き起こすことがある。 自己の肝臓での長期生存は難しく、現在ではほぼ半数の患者が肝移植を受ける。
目次
- 1 症状
- 2 原因
- 3 検査
- 4 治療
- 5 脚注
- 6 外部リンク
- 7 関連項目
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症状[編集]
黄疸、灰白色便・淡黄色便(十二指腸に胆汁が流れないため)、尿の茶褐色化(胆汁の分解物が尿に混じるため)が見られる。
医学書の記述では、灰白色便と記される事が多いが、実際には白だけでなく、淡黄色・クリーム色・薄緑色も見受けられる。 これは腸壁より滲み出すビリルビンによって、少量ではあるが着色したものと考えられ、注意が必要である。 脂溶性ビタミンの吸収障害により、頭蓋骨内出血して発覚し、後遺症を残したり、死亡例も後を絶たないため、早期発見が望まれる。
原因[編集]
はっきりとした原因は判明していないが、以下のような説が存在する。
- 先天的器官発生異常説
- サイトメガロウイルスやレオウイルス3型などによるウイルス感染説
- これらのウイルスは肝内胆管に影響を与えるが、全ての患者に存在するという研究結果は出ていない。
- 膵胆管合流異常説
- 胆汁酸障害説
- 血行障害説
- 免疫異常説
検査[編集]
治療節に記載の通り、生後60日以内の手術が望ましいため、早期の検査が重要とされている。新生児期から黄疸が続く場合は、類似症状の他の病気との切り分けのための検査を実施する。シュミットテストで便中のビリルビンが検出されなければ本症の疑いがある。超音波所見としては胆嚢の萎縮が特徴的。
治療[編集]
胆道の閉鎖を取り除く手術(葛西式)を行う治療法がある。但し、この治療法を実施するには生後60日以内が望ましく、生後60日を超えると肝臓の線維化が進むために、手術後の胆汁排泄効果が弱まってしまうとされている。
予後因子として肝内胆管の形成の程度、胆汁鬱滞の程度がある。術後合併症として胆管炎が予後に大きく影響するため、抗生剤・利胆剤の投与、ステロイドパルス療法が行われる。
術後に脂溶性ビタミンの吸収障害に注意する必要がある。
手術をしても胆汁排泄が行われない場合や、既に肝機能障害が進行している場合は、さらに肝移植が有効とされる。今日の肝移植は目覚ましい進歩を遂げ、一般的な治療手段として位置づけられるようになった。 肝移植を受けたほぼ全ての患者は、生涯免疫抑制剤を服用する必要があり、免疫の抑制により感染性やリンパ増殖症などのリスクが残る治療方法である。
肝移植の有無に関わらず、一度起こった肝機能障害は改善までに時間が掛かる。
脚注[編集]
- ^ http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001u2ad.html
外部リンク[編集]
- 国立成育医療研究センター:胆道閉鎖症早期発見のために(便色カードについてのQ&A)
- 肝ったママ’s早期発見(胆道閉鎖症の情報提供、及び便色カードによる早期発見の活動をしている)
- 胆道閉鎖症の子どもを守る会
関連項目[編集]
- 先天性胆道拡張症
- 新生児黄疸
- さと子の日記
- 移植_(医療)
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Japanese Journal
- 左側房室弁置換術後に血栓弁を繰り返し,好酸球増多症候群の関与が疑われた完全房室中隔欠損の1例
- 木戸 高志,西垣 恭一,川平 洋一,前畠 慶人,村上 洋介,江原 英治,川崎 有希,平野 恭悠,鈴木 嗣敏,吉田 葉子,岸本 慎太郎
- Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 30(2), 200-204, 2014
- … はない.今回,左側房室弁置換術(lt. AVVR)後に血栓弁を繰り返し,HESとの関連が疑われた小児例を経験したので報告する.症例:4歳女児.Polysplenia,SA,CAVSD(Rastelli C),IVC欠損,Azygos connection,先天性胆道閉鎖症.1ヵ月時に肺動脈絞扼術を施行し,2ヵ月時に葛西手術を施行.1歳1ヵ月時にCAVSD修復術を施行.左側房室弁逆流が残存し,4歳時にSJM 23mmにてlt. AVVRを施行.ワーファリンを投与しPT-INRを2.0~2.5に調節した …
- NAID 130003398258
- 小児外科から成人内科への移行(トランジション) (特集 小児科から内科へのシームレスな診療をめざして)
- 小児外科疾患 (特集 小児疾患と妊娠・周産期・トランジション) -- (慢性疾患と妊娠・周産期・トランジション)
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- 胆道閉鎖症は肝から十二指腸へ胆汁を送る(肝外)胆管が閉鎖し、肝から胆汁が出なくなる病気です。 妊娠後期から分娩前後(周産期)にかけての炎症により胆管が障害されると考えられていますが、その原因についてはウィルス説や胆管 ...
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★リンクテーブル★
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- 生後2か月の乳児。元気がないことと皮膚の黄染とを主訴に来院した。在胎40週3日、2,580gで出生した。母乳栄養である。3日前に鼻出血の痕に気付いたが様子を見ていた。2日前から哺乳力が低下した。身長56.4cm、体重4,980g。体温36.3℃。呼吸数66/分。心拍数136/分、整。大泉門の膨隆は認めない。眼球結膜に黄染を認める。瞳孔径左3mm、右2mm。心音と呼吸音とに異常を認めない。右肋骨弓下に肝を5cm触知する。脾は触知しない。血液所見:赤血球290万、Hb7.5g/dl、白血球9,600、血小板32万、PT<6%(基準80~120)、APTT>180秒(基準対照32.2)。血液生化学所見:血糖70mg/dl、総ビリルビン17.4mg/dl、直接ビリルビン16.1mg/dl、AST97IU/l、ALT67IU/l、LDH822IU/l(基準324~755)。頭部単純CTを以下に示す。
- 直ちに行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D048]←[国試_102]→[102D050]
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- 2か月の乳児。意識障害のため救急車で搬入された。在胎 40週、3,100gにて出生した。出生後からこれまで哺乳力は良好であった。30分前にけいれんが起こり、その後ぐったりしたため母親が救急車を要請した。来院時、自発運動は乏しいが痛み刺激には反応する。身長 60cm、体重 5.0kg。体温 37.0℃。脈拍 128/分、整。呼吸数 36/分。SpO2 98%(マスク5L/分 酸素投与下)。眼球結膜と皮膚とに黄染を認める。血液所見:赤血球 435 万、白血球 11,200、血小板 21万、PT 65%(基準 80~120)、APTT 60秒(基準 32.2)、ヘパプラスチンテスト低下。血液生化学所見:総ビリルビン 8.5mg/dL、直接ビリルビン 3.5mg/dL、AST 58IU/L、ALT 34IU/L。頭部CTで多発性の脳出血を認めた。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D029]←[国試_110]→[110D031]
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- 生後 1日の新生児。在胎 39週、 2,980 gで出生した。生後 12時間から黄疸が目立つようになり、生後 22時間における血清総ビリルビン値は 20.4 mg/dl(基準 12以下 )であった。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G043]←[国試_108]→[108G045]
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[正答]
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- 新生児期に光線療法の対象となる黄疸を生じるのはどれか。
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※国試ナビ4※ [110E021]←[国試_110]→[110E023]
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※国試ナビ4※ [102D014]←[国試_102]→[102D016]
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- 英
- hepatomegaly, hypertrophy of the liver
- 同
- 肝肥大
- 関
- 肝臓
概念
症状
- ほぼ無症状。
- 著名に腫大すれば、周囲臓器圧迫により腹満感や息苦しさを訴えることがある。
診察
- 健常者でも約20%に右肋骨弓下に肝を触れる
- 右肋骨弓下に2横指触れれば肝腫大と診断可能
頻度
- 右心不全:100%
- 一過性肝腫脹:高頻度(80%以上)急性心不全、急性ウイルス感染症、薬物性肝障害。
- 持続的肝腫大:高頻度(80%以上)脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変。原発性胆汁性肝硬変、ヘモクロマトーシス、Wilson病、巨大肝嚢胞、巨大肝血管腫。
原因
- 脈管:特発性門脈圧亢進症、肝静脈閉塞(バッド・キアリ症候群)、右心不全
- 蓄積:脂肪肝、ヘモクロマトーシス、アミロイドーシス、ウィルソン病、糖原病、
- 炎症:急性ウイルス性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、アルコール性肝障害、薬物性肝障害、結核、サルコイドーシス、種々のウイルス感染、寄生虫感染、膠原病
- 胆汁鬱滞:肝内胆汁うっ滞、肝外胆汁うっ滞、原発性硬化性胆管炎
- 腫瘍浸潤:白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患
- 肝腫瘍:肝細胞癌、胆管細胞癌、肝芽腫、肝嚢胞、肝海綿状血管腫、転移性肝癌
診断
- 血液検査で肝機能、アルブミン、肝炎ウイルス、ANA、ANA、EBV、CMVを評価
- 腹部超音波検査、腹部造影CT、MRCPが有用
- 腫瘍を疑う場合にはPIVKA II, AFP, CEA, CA19-9
鑑別診断
- DIF
[★]
- 英
- liver transplantation、liver transplant、hepatic transplantation、hepatic transplant
- 同
- 肝臓移植
- 関
- 臓器移植
[show details]
肝臓移植 : 約 343,000 件
肝移植 : 約 1,350,000 件
適応疾患
- 従来の内科的・外科的治療が奏効しないか、もしくはそれらによっても延命が期待できないあらゆる進行性・不可逆性の末期肝疾患が適応
適応外
参考
- http://www.tokyo-med.ac.jp/surg5/kansyousai.htm#7
国試
[★]
[★]
- 英
- congenital biliary atresia CBA, congenital atresia of bile duct
- 関
- 閉塞性黄疸、先天性胆道閉鎖、新生児黄疸
概念
- 肝外胆管が生来あるいは生後まもなく完全閉鎖し、未治療では胆汁性肝硬変により死にいたる
病型
症状
- 黄疸、白色便、肝脾腫、腹部膨満、肝硬変、ピリルビン尿
- 初発症状は黄疸である。
- 生後1ヵ月以上の遷延性黄疸であり、黄疸の増強、無胆汁性白色便(無胆汁便、白色便)を認める。 ← 生来完全閉塞していることもあれば、次第に閉塞してくることがあるため。
- 生後4-5ヵ月以後は栄養障害と肝硬変をきたす。
検査
- 血液生化学:血中コレステロール高値、リン脂質高値、トリグリセリド高値。異常リポ蛋白(リポプロテインX)の出現。コレステロールの胆汁への排泄が低下するため
- 尿検査:尿中ビリルビン上昇、尿中ウロビリノゲン低下
- 胆道シンチグラム:99mTc-PMTの腸管内排泄が認められない
- 経腹超音波検査:胆嚢内に胆汁を認めない。
- その他:十二指腸に胆汁を認めない
診断
- 新生児黄疸との鑑別が難しい
治療
- YN. A-134 SSUR.687
- 肝障害は進行性であるため生後60日以内に手術を行わなければ予後不良となる。
- 1. 手術療法:吻合できる肝外胆管が残存すれば(症例の10%)、瘢痕組織を切除し胆管と空腸を吻合する。吻合できる肝外胆管が残存しなければ(症例の90%)、空腸を切除し肝門部に縫合する手術(葛西手術)を行う。口側の空腸断端は空腸壁に端側吻合する。
- 2. 肝移植 :肝実質の障害が進行し、肝硬変、肝不全に至る例では肝移植が行われる。
- 葛西手術 シェーマ
- [show details]
予後
- 生後60日以内の外科治療が必須。そうでなければ予後不良
症例
- 1ヶ月の新生児。検診で黄疸を指摘され来院。便は黄白色である。腹部超音波エコーで胆嚢の腫大は認められない。
- →遷延性黄疸→便の色を確認する。先天性胆道閉鎖症では黄疸、灰白色便、濃黄色尿、肝脾腫、超音波エコーで胆嚢が描出されない(萎縮している)、尿が濃褐色、直接ビリルビン上昇。
[★]
- 英
- extrahepatic biliary atresia、extrahepatic biliary obstruction、extrahepatic bile duct obstruction
- 同
- 肝外胆管閉塞
- 関
- 肝外胆汁うっ滞
[show details]
[★]
- 英
- bile duct
- 関
- 胆管系
胆道の正常計測値
- 腹部超音波テキスト p.88
- 胆嚢径 :長径8cmx短径4cm以下
- 胆嚢壁圧:3mm以下
- 総胆管径: 8mm以下 9mm以上 10mm以上
- 総肝管径: 6mm以下 7mm以上 8mm以上
- 肝管径(右・左):4mm以下
- 肝内胆管径: 1mm以下
[★]
- 英
- closure
- 同
- 縫合
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- atresia
- 関
- 閉鎖、閉塞症