特発性器質化肺炎
UpToDate Contents
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- 1. 特発性器質化肺炎cryptogenic organizing pneumonia [show details]
- 2. 特発性間質性肺炎:分類および病理idiopathic interstitial pneumonias classification and pathology [show details]
- 3. 間質性肺疾患の診断における気管支肺胞洗浄検査の役割role of bronchoalveolar lavage in diagnosis of interstitial lung disease [show details]
- 4. 成人における気管支障害の概要overview of bronchiolar disorders in adults [show details]
- 5. 急性呼吸窮迫症候群:成人における臨床的特徴、診断、合併症acute respiratory distress syndrome clinical features diagnosis and complications in adults [show details]
Japanese Journal
- 症例報告 糖尿病の経過観察中,細菌性肺炎を伴った特発性器質化肺炎を発症した1例
- 香西 光
- 日本病院総合診療医学会雑誌 16(3), 131-135, 2020-05
- NAID 40022269780
- ステロイド治療中に発症した腹腔内遊離ガスを伴う胃気腫症の1例
- 川合 寛治,岡村 寛子,吉井 一博,相良 幸彦
- 日本臨床外科学会雑誌 81(3), 473-478, 2020
- … <p>症例は86歳,男性.肺炎の診断で内科にて加療していたが,難治性のため特発性器質化肺炎が疑われ,第22病日よりステロイド治療が行われた.その後,臨床所見は改善したが,第31病日の胸部X線検査で腹腔内遊離ガス像を認めた.同日施行された腹部CTで腹腔内遊離ガスに加え胃壁内に気腫像を認め,外科へ転科となった.腹部症状はなく,全身状態の悪化も認めなかったため,十分な観察下に保存的治療を開始 …
- NAID 130007919404
- 特発性器質化肺炎 (特集 びまん性肺疾患診療の新しい展開) -- (特発性間質性肺炎(原因不明の間質性肺炎))
- 海老名 雅仁
- 臨牀と研究 = The Japanese journal of clinical and experimental medicine 96(10), 1151-1155, 2019-10
- NAID 40022056373
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- 特発性器質化肺炎 【概要】 正常な肺には、気管支が末梢に20回以上分かれた先に吸い込んだ空気を入れるぶどうの房状の「肺胞」と呼ばれる小さな袋が多数あります。器質化肺炎とは、肺胞から肺胞近くの細気管支にかけての炎症 ...
- のは特発性器質化肺炎と呼びます。 【疫学】 50歳代から60歳代に多く、性別の差や喫煙と の関連はみられません。【発症のメカニズム】 明らかにされていませんが、何らかの吸入物質 ...
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国試過去問 | 「109I007」 |
リンク元 | 「閉塞性細気管支炎性器質化肺炎」「特発性間質性肺炎」 |
関連記事 | 「肺炎」「特発性」「炎」「器質化肺炎」 |
「109I007」
- 肺炎と抗菌薬の組合せで正しいのはどれか。
※国試ナビ4※ [109I006]←[国試_109]→[109I008]
「閉塞性細気管支炎性器質化肺炎」
- 英
- bronchiolitis obliterans organizing pneumonia、BOOP
- 同
- ブープ、特発性器質化肺炎 cryptogenic organizing pneumonia COP
特徴
臨床診断名 | IPF | NSIP | BOOP/COP |
病理組織像 | UIP | OP | |
発症様式 | 慢性 | 慢性/亜急性 | 亜急性 |
BALF所見 | リンパ球± | CD8↑ | CD8↑ |
予後 | 不良 | 良好(時に不良) | 良好 |
分布 | 斑状,不均質, 胸膜下・小葉辺縁 | びまん性,均質 | 小葉中心性 |
時相 | 多様 | 均質 | 均質 |
間質への細胞浸潤 | 少ない | 通常多い | やや多い |
胞隔の炎症 | 軽度,斑状 | びまん性,多彩 | 軽度 |
線維芽細胞巣 | 多数 | まれ | なし |
肺胞内マクロファージ集積 | 巣状 | 巣状 | なし |
肺胞腔内線維化 | まれ | しばしば | 多数 |
顕微鏡的蜂巣肺(肺胞虚説) | 高頻度 | 通常なし(一部に認める) | なし |
硝子膜 | なし | なし | なし |
概念
- 細気管支領域内腔がポリープ状肉芽により閉塞され、細気管支胞隔炎を呈した病態
- 病理学的な定義:
- 1. 閉塞性細気管支炎および器質化肺炎の所見が斑状に分布する、
- 2. 種々の程度の単核球細胞浸潤が間質にみられる、
- 3. 肺胞腔内に泡沫細胞が集簇する、
- 4. 肺の既存構造は保たれており、蜂窩肺形成や広範な間質性線維化は認められない
疫学
- 50歳代の発症が多い
- 喫煙との関連なし
症状
- 咳、発熱、咳嗽
身体所見
- 肺の副雑音
- バチ指は稀
病因
- 膠原病、感染症、移植後など ← 特発性BOOPとは病態や治療に対する反応も異なる
- 原因不明 → 特発性BOOP
検査
血液検査
- 赤沈亢進、CRP陽性
- 白血球数増加もあり売る
胸部単純X線写真
- びまん性、下肺野優位の両側斑状陰影
- 肺炎様の浸潤、陰影はしばしば移動
=胸部CT写真
- 2パターン:エアブロンコグラムを伴う肺炎様の恋浸潤英(肺胞性パターン)、びまん性の微細粒状影(間質性パターン)
- 主として胸膜下に沿うすりガラス陰影(コンソリデーション)
- 蜂窩肺 は ない
BALF所見
- リンパ球%↑、CD8%増加(50%の症例)、好中球%・好酸球%増加(50%の症例)
肺機能検査
- 拘束性換気障害、拡散障害
- 閉塞性換気障害は稀
診断
鑑別診断
臨床症状・胸部X線写真上での鑑別疾患
- 感染性肺炎
- ウェゲナー肉芽腫症
- 特発性肺線維症 IPF:発症時期が明確でない、慢性経過をたどっている。BOOPで認められない蜂巣肺所見がX線・CTで認められる。BALF所見がCD8↑でない。リンパ球数±
- 非特異性間質性肺炎 NSIP:一部に蜂巣肺所見。
- 慢性好酸急性肺炎:肺病理所見を除けば、臨床所見・検査所見で区別できない。リンパ球%↑は同様
BALFでの鑑別疾患
- サルコイドーシス、慢性ベリリウム肺:胸部X線写真、CD8↓から鑑別可能 (SPU.274)
- 過敏性肺臓炎:胸部X線写真上で鑑別可能
治療
- 自然軽快が少なくないので、軽症例では経過観察
- ステロイド薬
予後
- 特発性BOOPはステロイド薬が有効で予後良好。時に再燃する。
「特発性間質性肺炎」
- 英
- idiopathic interstitial pneumonia IIP, idiopathic interstitial pneumonias IIPs
- 同
- 特発性線維化肺炎 cryptogenic fibrosingalveolitis
- 関
- 間質性肺炎 IP
特徴 YN.I-78 SPU.265-279 RNT.138
臨床診断名 | 急性間質性肺炎 | 特発性肺線維症 | 非特異性間質性肺炎 | 特発性器質化肺炎 | 剥離性間質性肺炎 |
AIP | IPF | NSIP | COP | DIP | |
病理組織像 | びまん性肺胞障害 | 通常型間質性肺炎 | 非特異性間質性肺炎 | 閉塞性細気管支炎性器質化肺炎 器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎 |
剥離性間質性肺炎 |
DAD | UIP | NSIP | BO + OP = BOOP |
DIP | |
発症様式 | 急性 | 慢性 | 慢性/亜急性 | 亜急性 | 慢性 |
BALF所見 | 好中球↑ | リンパ球± | CD8↑ | CD8↑ | MΦ↑ |
予後 | 不良 | 不良 | 良好(時に不良) | 良好 | 良好 |
分布 | びまん性,均質 | 斑状,不均質, 胸膜下・小葉辺縁 | びまん性,均質 | 小葉中心性 | びまん性,均質 |
時相 | 均質 | 多様 | 均質 | 均質 | 均質 |
間質への細胞浸潤 | 少ない | 少ない | 通常多い | やや多い | 少ない |
胞隔の炎症 | なし | 軽度,斑状 | びまん性,多彩 | 軽度 | 軽度 |
線維芽細胞巣 | びまん性,間質 | 多数 | まれ | なし | なし |
肺胞内マクロファージ集積 | なし | 巣状 | 巣状 | なし | びまん性高度 |
肺胞腔内線維化 | しばしば | まれ | しばしば | 多数 | なし |
顕微鏡的蜂巣肺(肺胞虚説) | なし | 高頻度 | 通常なし(一部に認める) | なし | まれ |
硝子膜 | 高頻度 | なし | なし | なし | なし |
局在性 | びまん性 | 下肺優位 | 下肺優位 | 下肺優位・びまん性 | 下肺野背側 |
その他 | 予後不良 | 最も多い ステロイドの反応悪く予後不良 |
2番目に多い | ステロイド著効 | 喫煙との関連あり ステロイド著効 |
病態
- 原因不明の機序により間質の線維化を来たし、拘束性肺疾患を呈する。
検査
- II型肺胞上皮細胞の活性化による:KL-6上昇、SP-D上昇、SP-A上昇
参考
- 特発性間質性肺炎 認定基準
「肺炎」
- 英
- pneumonia pneumonitis
- 関
疫学
- 日本の肺炎の受療率は人口10万対3、死亡率は人口10万対7。死因順位は第4位である。
- 受療率・罹患率共に高齢になるに従い急激に増加し、85歳以上の男性では死因第2位、90歳以上の男性では死因第1位となる(ガイドライン1)。
- 死亡者の95%以上が高齢者である。
- 年代と病原体
乳児 | RSウイルス | インフルエンザウイルス | 肺炎球菌 | インフルエンザ菌 | |
小児 | RSウイルス | インフルエンザウイルス | 肺炎球菌 | クラミジア・ニューモニエ | マイコプラズマ・ニューモニエ |
青年期 | 肺炎球菌 | インフルエンザ菌 | マイコプラズマ・ニューモニエ | ||
成人 | 肺炎球菌 | インフルエンザ菌 | |||
高齢者 | 肺炎球菌 | インフルエンザ菌 | レジオネラ・ニューモニエ | インフルエンザウイルス |
日本における肺炎の年齢階級別受療率と死亡率(人口10 万対,2002 年)
- ガイドライン1 2004 年「国民衛生の動向」 改変
年齢階級 | 総数 | 15~ | 25~ | 35~ | 45~ | 55~ | 65~ | 75~ | 85~ | 90~ | |
19 | 29 | 39 | 49 | 59 | 69 | 79 | 89 | ||||
受療率 | 外来 | 6 | 3 | 4 | 3 | 3 | 6 | 7 | 14 | 21 | 21 |
入院 | 19 | 2 | 3 | 2 | 3 | 7 | 21 | 86 | 309 | 489 | |
死亡率 | 男性 | 76.4 | 0.5 | 0.5 | 1.5 | 4.6 | 15.2 | 69.2 | 339 | 2087 | 4317 |
女性 | 62.7 | 0.3 | 0.5 | 0.9 | 1.9 | 5.6 | 22.4 | 144 | 934 | 2291 | |
総数 | 69.4 | 0.4 | 0.5 | 1.2 | 3.2 | 10.3 | 44.6 | 249 | 1291 | 2787 |
分類
発症の場
- 市中肺炎:上気道のウイルス感染後に多い。
- 起炎菌:肺炎球菌(最多)、インフルエンザ菌、マイコプラズマ、クラミジア・ニューモニエ
- 院内肺炎:入院後48時間以降に発症
- 起炎菌:グラム陰性桿菌(緑膿菌、クレブシエラ、大腸菌)、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌、真菌、Pneumocystis jirovecii、サイトメガロウイルス
原因
病理
- 上気道から連続的に下気道へ、あるいは、直接下気道に及んでいる。炎症は上皮に包まれた管腔内
- 間質性肺炎は、肺の実質や間質に炎症が存在
肺炎の比較
- 肺炎球菌性肺炎:発熱、咳嗽、喀痰。大葉性肺炎となることが多く、区域性に濃い浸潤影を示す。
- マイコプラズマ肺炎:発熱、強い咳嗽
- ニューモシスチス肺炎:発熱、乾性咳嗽、呼吸困難。びまん性スリガラス影
- 肺アスペルギルス症:肺アスペルスギローマ、侵襲性肺アスペルギルス症、慢性壊死性肺アスペルギルス症
ガイドライン
- 1. 成人市中肺炎診療ガイドライン
「特発性」
「炎」
- n.
- comb form.
- (炎症の接尾辞)itis