カンレノ酸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/28 09:30:49」(JST)
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カンレノ酸
|
IUPAC命名法による物質名 |
potassium 3-[(8 R,9 S,10 R,13 S,14 S,17 R)-
17-hydroxy-10,13-dimethyl-3-oxo-2,8,9,
11,12,14,15,16-octahydro-1H-cyclopenta[a]
phenanthren-17-yl]propanoate
|
臨床データ |
投与方法 |
経静脈投与(日本),Intravenous(US) |
薬物動態データ |
代謝 |
肝臓代謝 |
排泄 |
Renal and fecal |
識別 |
CAS番号 |
2181-04-6 |
ATCコード |
C03DA02 |
PubChem |
CID: 656614 |
ChemSpider |
570975 |
化学的データ |
化学式 |
C22H29KO4 |
分子量 |
369.516 g/mol |
SMILES
-
[K+].[O-]C(=O)CC[C@]3(O)CC[C@H]2[C@@H]4/C=C\C1=C\C(=O)CC[C@@]1([C@H]4CC[C@@]23C)C
|
InChI
-
InChI=1S/C22H30O4.K/c1-20-9-5-15(23)13-14(20)3-4-16-17(20)6-10-21(2)18(16)7-11-22(21,26)12-8-19(24)25;/h3-4,13,16-18,26H,5-12H2,1-2H3,(H,24,25);/q;+1/p-1/t16-,17+,18+,20+,21+,22-;/m1./s1
-
Key:JTZQCHFUGHIPDF-RYVBEKKQSA-M
|
カンレノ酸(かんれの・さん, canrenoate)は、一般的にはカンレノ酸カリウム(Potassium canrenoate)として使用されている医薬品。かつてファルマシア社から製造・販売されていたが、現在はファイザー社から「ソルダクトン」として販売されている。
目次
- 1 特徴
- 2 副作用
- 3 効能・効果
- 4 用法・用量
- 5 関連
- 6 外部リンク
特徴
プロドラッグであり、投与されたのち体内で薬効を示すカンレノンとなる。カンレノンは他の抗アルドステロン受容体拮抗薬と同様に作用し、カリウム保持性利尿薬と分類される。
副作用
- 女性化乳房(鉱質コルチコイド抑制作用を持つため)
- 高カリウム血症
効能・効果
- 原発性アルドステロン症
- 心性浮腫 (うっ血性心不全)、肝性浮腫
- 開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常
用法・用量
1回100~200 mgを1日1~2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液または注射用水10~20mLに溶解してゆっくりと静脈内注射する。1日投与量として600mgをこえないこと。また、投与期間は原則として2週間をこえないこと。
関連
外部リンク
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 臨床で併用されるカンレノ酸カリウム(ソルダクトン^[○!R])の配合変化
- 小澤 和雄,阿部 誠治,根本 亜紀子,伊藤 葉子,佐藤 和恵,山元 俊憲,村山 純一郎
- 医療薬学 28(4), 331-338, 2002-08-10
- We examined the compatibility of a commercialized potassium canrenoate preparation (Soldactone^[○!R]) with 124 other kinds of currently prescribed injectable preparations as counter substances based u …
- NAID 110001166615
- 126 ソルダクトンにて重積発作を誘発した気管支喘息の1例
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ソルダクトン静注用100mg
組成
1アンプル中:
有効成分
添加物
禁忌
- 無尿又は腎不全の患者[腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。]
- 腎機能の進行性悪化状態の患者[腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。]
- 高カリウム血症の患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]
- エプレレノン又はタクロリムスを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- アジソン病の患者[アジソン病ではアルドステロン分泌低下により、カリウム排泄障害を来しているので、高カリウム血症となるおそれがある。]
- 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- てんかん等の痙攣性素因のある患者[動物試験で、痙攣誘発及び異常脳波が報告されている。]
効能または効果
- 経口抗アルドステロン薬の服用困難な下記症状(高アルドステロン症によると考えられる)の改善
- 原発性アルドステロン症
- 心性浮腫(うっ血性心不全)、肝性浮腫
- 開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常
- 本剤の適用対象は、経口抗アルドステロン薬の服用が困難で、高アルドステロン症によると考えられる症状であり、投与に際しては、特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できない場合にのみ本剤の投与を考慮すること。
- カンレノ酸カリウムとして、通常成人1回100〜200mgを1日1〜2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液または注射用水10〜20mLに溶解してゆっくりと静脈内注射する。
なお、症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgをこえないこと。また、投与期間は原則として2週間をこえないこと。
注射液調製法
- 1アンプルあたりソルダクトン静注用100mgは10mL、ソルダクトン静注用200mgは20mLの溶解液に溶解する。
- はじめに溶解液2〜3mLで本剤を溶解し、これを残りの溶解液に混合希釈して調製する。
- 溶解後は速やかに使用すること。[「適用上の注意」の項参照]
- 本剤は、経口抗アルドステロン薬の服用が可能になった場合及び所期の効果が認められない場合には速やかに投与を中止すること。なお、本剤の投与期間は、原則として2週間までとし、漫然と長期にわたって投与しないよう留意すること。
慎重投与
- 心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
- 肝機能障害のある患者[ショックがあらわれやすい。また、高カリウム血症が発現するおそれがある。]
- 腎機能障害のある患者[高カリウム血症等の電解質異常を起こしやすい。]
- 減塩療法時[水分・電解質が欠乏し、脱水症状や低ナトリウム血症等があらわれやすくなる。]
重大な副作用
ショック
- ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、輸液、副腎皮質ホルモン製剤、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低クロール血症、高クロール血症等)
- 高カリウム血症(4.8%)、低ナトリウム血症(1.3%)、低クロール血症(0.3%)、高ナトリウム血症(0.1%)、高クロール血症(0.1%未満)等の電解質異常があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
また、電解質異常に伴い、不整脈等があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗アルドステロン作用3)
- アルドステロンを負荷した副腎摘出ラットにカンレノ酸カリウムを筋注したところ、アルドステロンのNa貯留、K排泄作用が阻止され、尿中Na/K比の上昇がみられた。
スピロノラクトンとの力価比較4)
- デオキシコルチコステロンを負荷した副腎摘出ラットに本剤又はスピロノラクトンを経口又は皮下投与し、尿中Na/K比を指標として両剤の力価を比較したところ、投与経路のいかんにかかわらず、両剤はほぼ同等の力価を示した。
利尿作用5)
- クリアランス法により、イヌに本剤を静注した後の腎機能に及ぼす影響を検討したところ、血圧、GFR(糸球体濾過値)及び腎血流量にほとんど影響を及ぼすことなく、明らかな利尿作用が認められた。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- カンレノ酸カリウム(Potassium Canrenoate)
化学名
- Monopotassium 17-hydroxy-3-oxo-17α-pregna-4,6-diene-21-carboxylate
分子式
分子量
性状
- 微黄白色〜微黄褐色の結晶性の粉末である。
水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、クロロホルム又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- diuretic、diuretic drug
- 関
- 利尿、利尿薬
商品
[★]
- 英
- canrenoate
- 化
- カンレノン酸カリウム, potassium canrenoate、canrenoate potassium
- 同
- ソルダクトン、ベネクトミン
- 関
- 利尿薬
[★]