モザバプタン
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Japanese Journal
- 低ナトリウム血症改善薬フィズリン--異所性ADH症候群での臨床応用 (特集 オーファンドラッグの開発戦略と売上予測のポイント)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
フィズリン錠30mg
組成
有効成分
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、酸化チタン
禁忌
- 本剤の成分又は類似化合物(トルバプタン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
- 本剤の適用は、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断の手引き」を参照すること。(〔警告〕1.、〔参考〕の項参照)
- 本剤の投与は、可能な限りの水分制限を実施しても効果不十分な患者に限定すること。なお、本剤投与中も水分制限を継続すること。(〔警告〕2.の項参照)
- 通常、成人にはモザバプタン塩酸塩として30mgを1日1回食後に経口投与する。
- 投与開始3日間で有効性が認められた場合に限り、引き続き7日間まで継続投与することができる。[7日間を超えた投与、再発後の再投与及び減量投与の有効性及び安全性は検討されていない。]
- 悪心、嘔気・嘔吐等のため、食事を摂取せずに本剤を投与する場合、食後投与に比べ血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。(〔薬物動態〕の項参照)
- 夜間の排尿を避けるため、朝食後又は昼食後に投与することが望ましい。
慎重投与
- 肝機能障害のある患者[未変化体及び活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。]
- 腎機能障害のある患者[未変化体及び活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。また、本剤の投与により、高カリウム血症が発現するおそれがある。]
- 高カリウム血症の患者[本剤の投与により、高カリウム血症が増悪するおそれがある。]
- 低血圧症あるいは循環不全のある患者[循環血漿量の減少により、低血圧症あるいは循環不全が増悪するおそれがある。]
- 食事の摂取が困難な患者[食後投与に比べ空腹時では、血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
薬効薬理
薬理作用
バソプレシンV2-受容体拮抗作用1)
- モザバプタン塩酸塩は、ヒトバソプレシンV2-受容体発現細胞及びラット、イヌ腎臓膜標本において、標識バソプレシンのV2-受容体への結合を濃度依存的に阻害した。モザバプタン塩酸塩は、ヒトバソプレシンV2-受容体発現細胞において、それ自身ではcAMPの産生増加を示さず、バソプレシンによるcAMPの産生を抑制したことから、バソプレシンV2-受容体拮抗作用を有していることが示された。また、一部の主要代謝物にもバソプレシンV2-受容体拮抗作用が認められた。ヒトバソプレシンV2-受容体に対する阻害定数は、未変化体(9.42±0.85nM)、M1(0.88±0.11nM)、M2(1.88±0.30nM)、M3(6.59±0.50nM)、M4(22.5±2.3nM)、M5(24.3±3.0nM)であった。
覚醒動物における利尿作用2)
- モザバプタン塩酸塩は、覚醒ラット及びイヌにおいて、用量依存的に尿量を増加させ、尿浸透圧を低下させた。覚醒イヌでは、既存の利尿薬であるフロセミドとは異なり、尿中電解質排泄への影響はみられず、自由水クリアランスの上昇が認められた。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群モデル動物における作用3)
- モザバプタン塩酸塩は、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群モデルラットにおいて、低ナトリウム血症の改善を示した。
作用機序
- モザバプタン塩酸塩は、バソプレシンV2-受容体拮抗作用を薬理学的特徴とする薬剤であり、腎臓集合管でのバソプレシンによる水再吸収を阻害することにより、選択的に水を排泄し、電解質排泄の増加を伴わない利尿作用(水利尿作用)を示す。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:モザバプタン塩酸塩〔Mozavaptan Hydrochloride (JAN)〕
- 化学名:N-(4-{[(5RS)-5-(dimethylamino)-2,3,4,5-tetrahydro-1H-benzo[b]azepin-1-yl]carbonyl}phenyl)-2-methylbenzamide monohydrochloride
- 構造式:
- 分子式:C27H29N3O2・HCl
- 分子量:464.00
- 性 状:白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、酢酸(100)及びメタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、ヘキサンにほとんど溶けない。本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
- 融点:約264℃(分解)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- diuretic、diuretic drug
- 関
- 利尿、利尿薬
商品
[★]
- 英
- mozavaptan
- 化
- 塩酸モザバプタン、モザバプタン塩酸塩、mozavaptan hydrochloride
- 商
- フィズリン
- 関
- 利尿剤
バソプレシンV2受容体遮断薬;抗利尿ホルモン不適合分泌症候群治療
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3