アセタゾラミド
UpToDate Contents
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- 1. 急性高山病および高地脳浮腫 acute mountain sickness and high altitude cerebral edema
- 2. 利尿剤の作用機序 mechanism of action of diuretics
- 3. 換気調節障害 disorders of ventilatory control
- 4. 高山病:小児特有の懸念事項 high altitude disease unique pediatric considerations
- 5. 代謝性アルカローシスの治療 treatment of metabolic alkalosis
Japanese Journal
- アセタゾラミド(商品名ダイアモックス)は6,000mを超える高山での脳への酸素供給を改善する[含 英語文]
- Vuyk Jaap,Van Den Bos Jan,Terhell Kees 他
- 日本旅行医学会学会誌 5(1), 99-122, 2007-08-00
- NAID 40015643820
- ダイアモックス(成分名;アセタゾラミドナトリウム) Acetazolamide 125mg Twice Daily (特集 高山病)
Related Links
- ダイアモックスとは?アセタゾラミドの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ られる(おくすり110番:薬事典版)
- 株式会社三和化学研究所のダイアモックス錠250mg(循環器官用剤)、一般名 アセタゾラミド(Acetazolamide) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ダイアモックス末
組成
- ダイアモックス末は、「日局」アセタゾラミドである。
禁忌
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害のある患者[血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
- 無尿、急性腎不全の患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 高クロール血症性アシドーシス、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者、副腎機能不全・アジソン病の患者[電解質異常が増悪されるおそれがある。]
次の患者には長期投与しないこと
- 慢性閉塞隅角緑内障の患者[緑内障の悪化が不顕性化されるおそれがある。]
効能または効果
ダイアモックス末
- 緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群
ダイアモックス錠250mg
- 緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群、睡眠時無呼吸症候群
緑内障
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜1,000mgを分割経口投与する。
てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜750mgを分割経口投与する。
肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250〜500mgを経口投与する。
月経前緊張症
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回125〜375mgを月経前5〜10日間又は症状が発現した日から経口投与する。
メニエル病及びメニエル症候群
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250〜750mgを経口投与する。
睡眠時無呼吸症候群[ダイアモックス錠250mgのみ]
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜500mgを分割経口投与する。
- なお、いずれの場合も、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症の患者[急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
- 重篤な腎障害のある患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 肝疾患・肝機能障害のある患者[血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
- 糖尿病又は耐糖能異常のある患者[血糖値の異常変動が報告されている。]
- レスピレータ等を必要とする重篤な高炭酸ガス血症の患者[アシドーシスを進行させることがある。]
- ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- 減塩療法時の患者[低ナトリウム血症を起こすおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 乳児[「小児等への投与」の項参照]
重大な副作用
代謝性アシドーシス、電解質異常
- 代謝性アシドーシス、低カリウム血症、低ナトリウム血症等の電解質異常があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少性紫斑病
- 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)の重篤な血液障害、また、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少、血小板減少性紫斑病等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、腎・尿路結石
- 急性腎不全、腎・尿路結石があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血尿、結晶尿、乏尿等があらわれた場合には、投与を中止すること。
精神錯乱、痙攣
- 精神錯乱、痙攣等の中枢神経症状があらわれることがあるので観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 炭酸脱水酵素は腎上皮、赤血球、脳、毛様体上皮等に存在し、生体内で、炭酸ガスと水から炭酸を生成する可逆反応(CO2+H2O←→H2CO3)にあずかる酵素である。アセタゾラミドはこの酵素を特異的に抑制し、以下の作用を発揮する。
眼圧低下4)
- アセタゾラミドは毛様体上皮中に存在する炭酸脱水酵素の作用を抑制することによって房水の産生を減じ、眼圧を低下させるといわれている。
てんかん発作の抑制5)
- アセタゾラミドは中枢神経組織内に存在する炭酸脱水酵素を抑制し、脳のCO2濃度を局所的に増大させることにより、脳の異常な興奮を抑制して、精神神経系の諸症状を緩解すると考えられている。
呼吸性アシドーシス・睡眠時無呼吸の改善6〜9)
- アセタゾラミドは炭酸脱水酵素抑制作用により肺胞中のHCO3-の尿中排泄を増加させるとともに、他方代謝性アシドーシスを起こし、H+を増加させる。増加したH+により呼吸中枢が刺激され、換気量が増大し、併せて低酸素・炭酸ガス換気応答が改善される。この換気量の増大により血中O2が増加し、CO2は減少し、呼吸性アシドーシス・無呼吸による睡眠中の低酸素血症が改善する。また、換気応答の改善により睡眠中の呼吸感受性が維持され、無呼吸の回数が減少する。
利尿10)
- アセタゾラミドは腎上皮において炭酸脱水酵素の働きを抑制し、Na+並びにHCO3-の尿細管からの再吸収を抑制することによって利尿効果をあらわす。その効果は投与後6〜12時間持続する。
月経前緊張症の緩解11)
- アセタゾラミドによる体内貯留水分の排泄、神経系に対する抑制作用が本症の症状を緩解するといわれている。
メニエル症候群の改善12)
- メニエル症候群に対するアセタゾラミドの効果は内耳の局所的リンパ分泌抑制作用、利尿による内耳水腫の除去、中枢神経系に対する抑制作用等によるといわれている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- N-(5-Sulfamoyl-1,3,4-thiadiazol-2-yl)acetamide
分子式
分子量
融点
性状
- 「日局」アセタゾラミドは白色〜微黄白色の結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
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- 英
- urolithiasis
- 関
- 尿路結石症、尿管結石症 尿管結石
疫学
まとめ
- CBT QB vol2 p.382改
結石の種類
|
X線での描写
|
形成されやすい尿pH
|
酸解離定数
|
リン酸カルシウム
|
+
|
アルカリ性
|
pKa1=2.12 pKa2=7.21 pKa3=12.67
|
シュウ酸カルシウム
|
+
|
酸性
|
pKa1=1.27 pKa2=4.27
|
シスチン
|
-
|
酸性
|
pKCOOH<1 pKCOOH<2.1 pKNH3+=8.02 pKNH3+=8.71 pI=5.03
|
尿酸
|
-
|
酸性
|
pK1=5.8 pK2=10.3
|
キサンチン
|
-
|
酸性
|
|
成分による区分
組成
- 頻度を%で示す。
成因
尿の性状と結石形成
- c. 尿停滞と濃縮 ← 長期臥床・尿路通過障害・海綿腎
- ⇒閉経前の女性は男性より尿中クエン酸量が3倍ほど多い
その他の結石形成因子
大きさと排石
- 5-6mm程度の大きさの場合、自己での排石は不能らしい。
治療
予防
[★]
- 英
- acetazolamide
- 同
- アセタゾールアミド acetazol amide
- 商
- ダイアモックス、Dazamide, Diamox
- 関
- 利尿薬
分類
作用機序
- 近位尿細管の上ににはCAは管腔側細胞膜と細胞質に存在。
- HCO3-は原尿としていったん排泄されるが、近位尿細管でH2CO3となり、これがCAによりCO2とH2Oに分解されてCO2(膜透過性が高いので)が近位尿細管上皮に取り込まれる。細胞内でCO2は細胞内に存在するCAによりH+とHCO3-となる。細胞内のH+は管腔側に存在するNa+/H+交換系によって分泌されると共にNa+が取り込まれる。ここでNa+とともにH2Oが再吸収される。細胞内のNa+とHCO3-はNa+/HCO3-共輸送体により血管側に運ばれる。
- 管腔側のCAを阻害することでNa+、HCO3-、およびH2Oは再吸収を受けることなく排泄される (SPC.263)。
適応
[★]
- 英
- diuretic、diuretic drug
- 関
- 利尿、利尿薬
商品
[★]
- 英
- acetazolamide test
- 同
- Diamox負荷試験
[★]
- 英
- Diamox brain perfusion scintigraphy