ベンチルヒドロクロロチアジド
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Related Links
- ベハイドとは。効果、副作用、使用上の注意。腎臓(じんぞう)でつくられる尿の量を増やし(利尿)、体内の余分なナトリウムや水を体外へ排泄(はいせつ)する薬です。むくみ(浮腫(ふしゅ))の解消のほか、血圧を下げる効果も ...
- ベハイドとは?ベンチルヒドロクロロチアジドの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 概説 尿の量を増やし、血圧を下げるお薬です。 作用 【働き】 体の余分な水分を塩分とともに尿に排出 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ベハイド錠4mg
組成
販売名
成分・含量(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
無尿の患者
- [無尿の患者に無効であり、また、本剤投与により高窒素血症を起こすおそれがある。]
急性腎不全の患者
- [急性腎不全の患者に無効であり、また、本剤投与により高窒素血症を起こすおそれがある。]
体液中のナ卜リウム・カリウムが明らかに減少している患者
- [本剤のナ卜リウム・カリウム排泄作用により、体液中濃度が更に減少し、電解質失調を悪化させるおそれがある。]
チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
テルフェナジン又はアステミゾールを投与中の患者
- [QT延長、心室性不整脈を起こすおそれがある。また、他の利尿剤(ループ利尿剤)でテルフェナジンとの併用によりQT延長、心室性不整脈を起こしたとの報告がある。]
効能または効果
高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫
- 通常、成人にはベンチルヒドロクロロチアジドとして、1回4〜8mg(1〜2錠)を1日2回経口投与する。
- なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 維持量として、1週2〜3回間歇投与する。
ただし、高血圧症に用いる場合には少量から投与を開始して徐々に増量すること。また、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。
慎重投与
進行した肝硬変症の患者
心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症の患者
- [急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮をきたし、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
重篤な腎障害のある患者
肝疾患・肝機能障害のある患者
本人又は両親、兄弟が痛風、糖尿病の患者
- [本剤は血中尿酸値、血糖値を上昇させることがあるので、痛風又は糖尿病の症状を悪化あるいは誘発させるおそれがある。]
下痢、嘔吐のある患者
高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症の患者
- [高カルシウム血症あるいは副甲状腺機能亢進症による高カルシウム血症を悪化させるおそれがある。]
ジギタリス製剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
減塩療法時の患者
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
乳児(「小児等への投与」の項参照)
- (3)〜(11)項は「重大な副作用」の項及び「その他の副作用」の項の代謝異常参照
交感神経切除後の患者
重大な副作用
再生不良性貧血(頻度不明)
- 再生不良性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
低ナトリウム血症(頻度不明)
- けん怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
低カリウム血症(0.1〜5%未満)
- けん怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- ベンチルヒドロクロロチアジドはチアジド系の利尿・降圧剤である。一般的にチアジド剤の血圧降下作用は、腎尿細管におけるNa+、Cl−の再吸収を抑制し、Na+、Cl−及び水の排泄を増加させ、循環血漿量を減少させ3)4)、また、動脈壁のNa+含量を低下させ、交感神経刺激に対する感受性を低下させることによって降圧効果が得られるとされている5)。
塩類排泄作用6)
- 経口投与でベンチルヒドロクロロチアジド1.0mg/kg以上の用量において用量依存的にNa+及びCl-の尿中排泄を増加した(ラット)。
利尿作用6)
- 経口投与でベンチルヒドロクロロチアジド1.0mg/kg以上の用量より、無投与群に比し、有意に(P<0.05)尿の排泄を増加した(ラット)。
血圧降下作用7)
- 高血圧ラットにベンチルヒドロクロロチアジド10mg/kgを投与した場合、10%以上の降圧作用を示し、その作用は投与1時間後より始まり、5時間以上持続した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- ベンチルヒドロクロロチアジド(Benzylhydrochlorothiazide) [JAN]
化学名:
- 6-Chloro-7-sulfamoyl-3-benzyl-3,4-dihydro-1,2,4-benzothiadiazine-1,1-dioxide
分子式:
分子量:
融点 :
性状 :
- 本品は白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。
本品はn-ブチルアミンに溶けやすく、アセトンにやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール又はメチルイソブチルケトンに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
化学構造式:
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- thiazide diuretic, benzothiazide diuretic
- 同
- サイアザイド系利尿薬
- 関
- 利尿薬、利尿薬の作用部位、sodium-chloride symporter inhibitor。ギテルマン症候群
特徴
- 安価である
- 有効率が高い
- 遠位尿細管前半部に作用するらしい
- Na+とCl-の共輸送体(NCCT)を阻害→Na+,Cl- の再吸収を阻害する
排泄される電解質の変化
- Na↑、K↑、H↑、Ca↓、Mg↑、Cl↑、HCO3↑、H2PO4↑
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → つまり管腔側から受動的に引き込まれるということ。
- ループ利尿薬と同様の機序による (GOO.755)
チアジド系利尿薬
効能・効果
禁忌
- 無尿(効果なし)
- 急性腎不全(腎機能悪化):緻密斑より下流にチアジド系利尿薬の作用部位があるため、GFRを増加させたい場合にフィードバックがかかりにくいため?(緻密斑は適正量のNaが排泄されていると検出し、GFRを低下させても、下流では想定より多くのNaを喪失し、hypovolemicになる?)
- 電解質異常
副作用
- 長期間の使用における副作用:低カリウム血症、高尿酸血症、高脂血症、耐糖能低下、光線過敏症、脂質代謝障害。高カルシウム血症(YN.C-62) → (利尿薬参照。ループ利尿薬との違いはカルシウムを排泄するかどうか)
低カリウム血症
- GOO.756
- カリウムは抗高血圧作用があるので、チアジド系利尿薬の利尿作用を打ち消してしまう。
耐糖能の低下
- GOO.756
- 低カリウム血症の関与が示唆されている。K+をチアジド系利尿薬と共に投与すると高血糖が改善されるから。
歴史
- 第二次世界大戦中、衛生状態の悪い兵士の間でシラミを介したバルトネラ属の感染症(塹壕熱、病原体はBartonella quintana)が流行していたが、この治療にサルファ剤が用いられていた。このサルファ剤が有する利尿作用に中臆して開発されたのがチアジド系利尿薬である。1957年にクロロチアジド、1959年に10倍の利尿作用を有するヒドロクロロチアジドが開発された。いずれも光線過敏症が副作用として知られている。日本では光線過敏症がより少ないと言われているトリクロルメチアジド(フルイトラン)がもっぱら用いられている。チアジド系利尿薬は日本では光線性白斑黒皮症と知られており、色素沈着と白斑を伴う。
- 参考:チアジド系利尿剤の副作用の歴史 日本医史学雑誌第58巻第2号(2012)p156
[★]
- 英
- diuretic、diuretic drug
- 関
- 利尿、利尿薬
商品
[★]
- 英
- carbazochrome
- ラ
- carbazochromum
- 化
- カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム carbazochrome sodium sulfonate
- 商
- アーツェー、アドカルAC、アドナ、アドナミン、オダノン、オフタルム、カルタゾン、カルバジャスト、タジン、チチナ、ベハイド、ラノビ
- 関
- 止血剤
[★]
- 英
- hydrochlorothiazide HCT
- ラ
- hydrochlorothiazidum
- 商
- エカード配合、コディオ配合、ニュートライド、プレミネント配合、ベハイドRA配合、ベハイド、ミコンビ配合、ダイクロトライド
- 関
- チアジド系利尿薬、利尿薬
[★]
- 英
- benzylhydrochlorothiazide
- 商
- ベハイド
- 関
- ベンジルヒドロクロロチアジド、利尿剤
[★]
ベンチルヒドロクロロチアジド、レセルピン、カルバゾクロム
- 関
- 血圧降下剤