- 英
- penetrating ulcer
- ラ
- ulcus penetrans
- 関
- 穿孔性潰瘍
- 深い潰瘍が漿膜をまで突き抜け、周辺臓器と癒着・周辺臓器を障害するが、腸管内容物は腹腔に漏出しないものを言う。(⇔穿孔性潰瘍)
- 腹膜炎は起こさないが、周辺臓器を障害することにより、出血を来す。
- 穿通性潰瘍では大量出血を伴うことあるが、穿孔性潰瘍ではほとんど出血はない(QB.A.353)
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 急性大動脈解離とそれ以外の急性大動脈症候群の概要overview of acute aortic dissection and other acute aortic syndromes [show details]
…intramural hematoma and penetrating ulcer may imply a more malignant course, particularly in the ascending aorta, and surgery should be considered . Type B penetrating aortic ulcer may also have a more aggressive …
- 2. 消化性潰瘍の合併症の概要overview of complications of peptic ulcer disease [show details]
…in detail separately. Penetrating ulcers – Management of penetrating ulcers should follow the intensive measures outlined for refractory ulcers. Perforation – Many ulcer-related perforations of the …
- 3. 難治性消化性潰瘍に対するアプローチapproach to refractory peptic ulcer disease [show details]
… diagnosis, and initial management of peptic ulcer disease are discussed in detail, separately. A refractory peptic ulcer is defined as an endoscopically proven ulcer greater than 5 mm in diameter that does …
- 4. 消化性潰瘍の外科的マネージメントsurgical management of peptic ulcer disease [show details]
… posterior duodenal ulcer has penetrated into the pancreas and is not amenable to resection. It requires the duodenum to be dissected from the proximal portion of the ulcer bed, leaving the ulcer intact with a …
- 5. 消化性潰瘍:臨床症状および診断peptic ulcer disease clinical manifestations and diagnosis [show details]
…by food or antacids. This change in symptom pattern may be gradual or sudden. Patients with penetrating ulcers often present with a change in symptoms due to symptomatic involvement of adjacent structures …
Japanese Journal
- 回腸穿通性潰瘍により尿膜管膿瘍を来したCrohn病の1例
- 岡田 直大,立神 史稔,伊達 秀二,市木 敏夫,中山 宏文,井上 勝己,志々田 将幸,粟井 和夫
- 広島医学 74(5), 252-255, 2021-05
- NAID 40022617483
- 増田 隆洋,矢野 文章,青木 寛明,三森 教雄,小村 伸朗,矢永 勝彦
- 日本腹部救急医学会雑誌 33(7), 1165-1168, 2013
- 要旨:症例は50歳代,男性。吐・下血,全身倦怠感を主訴に当院救急搬送された。来院時Hb 6.2g/dLであり,濃厚赤血球を8単位輸血した。緊急の上部消化管内視鏡検査を施行したところ,十二指腸球部後壁に活動性出血性潰瘍を認め,内視鏡的に止血した。腹部CT検査にて,十二指腸の浮腫性変化,肝内門脈ガスおよび門脈血栓を認めた。翌日もHbが8.6g/dLまで低下したため,腹部血管造影による塞栓術を試みたが, …
- NAID 130004509186
- 石川 和徳,緑川 博文,菅野 恵,小野 隆志,森島 重弘
- 日本心臓血管外科学会雑誌 37(2), 144-146, 2008-03-15
- … 覆した.腸管の浮腫が強く閉腹困難であったため,エスマルヒ駆血帯を利用して一時的に閉腹し,術後4日後に二期的に閉腹術を施行した.術後感染兆候なく経過は良好であった.瘻孔部の病理所見から,動脈硬化性穿通性潰瘍(PAU)による動脈壁の局所的突出部が腸管へ破綻して生じたPAEFと推定した.AEFの予後は著しく不良で救命率も低く,とくに一次性大動脈腸管瘻はその発生頻度も希であることから文献的考察を加え報告する. …
- NAID 110006632908
Related Links
- 穿通すると、刺すような強い持続性の痛みが起こります。
- 胃十二指腸穿孔の原因のほとんどは胃十二指腸潰瘍です。
- 穿通性胃潰瘍. 先週の土曜日は、今月からバイトに来ることになった他の施設の若い先生が日当直に入っていた。. 翌日曜日に日直で来た時に、どんな患者さんが受診していたのか確認した。. 日直帯で、66歳男性が2週間前からの心窩部痛と嘔吐で受診していた。. もともと80Kgあった体重が数か月で20Kg減少したという。. 小球性貧血があり、腹部造影CTで胃に潰瘍性病変 ...
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- gastric ulcer GU, stomach ulcer
- ラ
- ulcus ventriculi UV
- 関
- 胃、十二指腸潰瘍、胃十二指腸潰瘍、消化性潰瘍
疫学
病態
- 高位潰瘍:高齢者。低酸。 ← 幽門腺(ガストリン分泌)と胃底腺(胃酸・ペプシノゲン分泌)の境界が上昇する。このため潰瘍形成部位が上昇する
- 幽門部潰瘍:若年者。高酸
- 急性潰瘍:多発性。体部
- 穿孔・穿通:潰瘍が筋層以下に進展すれば生じうるが、十二指腸潰瘍に比べで頻度は多くない。→穿通性潰瘍 →穿孔性潰瘍
症状
- 食後1時間以内の早期痛と数時間後の晩期痛がある。(QB.A-308)
- 腹痛の十二指腸潰瘍/胃潰瘍に対する陽性予測率は高くない。NSAIDによる粘膜病変をもつ患者の10%までが先行症状なくcomplication(出血、穿孔、閉塞)を来す。(HIM.1860)
- 十二指腸潰瘍/胃潰瘍では、焼けるようなあるいは差し込むような痛みと表現される。the discomfort is also described as an ill-defined, aching sensation or as hunger pain.(HIM.1861)
- 痛みのパターン:(十二指腸潰瘍)食事後30分~3時間で痛みが治まる。深夜からA.M.3時までの間に痛みで目をさます。これがとっとも鑑別する症状であり、2/3の患者にみられる。しかし、non ulcerative dyspapsia患者の1/3でもこのような症状はみられる。(胃潰瘍)痛みは食事により強まり、悪心と体重減少が起こるのが一般的である。(HIM.1861)
合併症
- 好発部位:小弯部上の巨大潰瘍
- 症状:突然現れる上腹部痛。前屈位・側臥位となる。上腹部腹壁緊張亢進、筋性防御、板状硬をみとめ、Blumberg徴候陽性となる。
検査
上部消化管内視鏡
崎田分類(ステージ分類)
- 参考1
- A1:潰瘍辺縁は浮腫状であり潰瘍底は黒苔で覆われている
- A2:辺縁の浮腫は改善し潰瘍底は白苔により被覆されている
- H1:潰瘍辺縁に再生上皮の出現を認める
- H2:白苔は薄く縮小し再生上皮の部分が拡大している
- 胃潰瘍瘢痕期:潰瘍の治癒期には再生上皮による被覆が完成し白苔は消失
消化管造影
- 胃癌との対比(RNT.191)
|
良性潰瘍
|
悪性潰瘍
|
ニッシェ
|
円形、輪郭明瞭、深い
|
不整型、輪郭不明瞭、浅い
|
軟膜ヒダ
|
不整なく均一
|
不整、不均一(先細り、肥大、融合)
|
診断
治療
生活療法
- 精神的・肉体的安静
- 食事療法(刺激物摂取禁止)
- 生活習慣改善(禁煙・禁酒)
薬物療法
- 胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプインヒビター、H2受容体拮抗薬、ムスカリン受容体拮抗薬)
- Helicobacter pyloriの除菌(プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン、クラリスロマイシン)。クラリスロマイシン無効ならメトロニダゾールに変更。
interventional radiology
手術療法
- SSUR.501
- 手術適応:内科的手法で止血が得られず、また止血されても繰り返す場合。
- 幹迷走神経切離術 truncal vagotomy:腹部食道の高さで迷走神経を切離:肝枝や腹腔枝が切離され、下痢や胆石症を生じる。胃内容物停滞が起こる
- 選択的迷走神経切離術 selective gastric vagotomy:胃枝のみ切離し、肝枝、幽門枝、腹腔枝を温存:胃内容物停滞が起こる
- 選択的近位迷走神経切離術:selective proximal vagotomy, proximal gastric vagotomy, highly selective vagotomy, parietal cell vagotomy:胃の壁細胞領域に分布する胃体部枝のみを切離する。幽門洞枝が温存され、幽門洞の運動機能が保存される。
予後
参考
- 1. H19(2007)胃潰瘍GLの適用と評価に関する研究班編/医療・GL(07年)胃潰瘍GLの適用と評価に関する研究班編/医療・GL(07年)
- http://minds.jcqhc.or.jp/lo/ps/Fpastlist.aspx
国試
[★]
- 英
- duodenal ulcer, DU
- ラ
- ulcus duodeni
- 関
- 胃潰瘍、胃十二指腸潰瘍、消化性潰瘍
まとめ
- 十二指腸粘膜にびらん・潰瘍を来した病態であり、攻撃因子(ストレス、薬剤、ゾリンジャー・エリソン症候群、甲状腺機能亢進症)が防御因子(慢性肺気腫、喫煙、肝硬変、関節リウマチ、低栄養、腎不全、糖尿病、ステロイド、NSAID、ビスホスホネート)を上回ったことにより生じると考えられている。20-40歳に多く、十二指腸球部前壁に好発する。空腹時・夜間に心窩部痛を覚え、摂食により軽快、その他胸焼け・悪心嘔吐が認められることがある。吐血よりむしろ下血が認められることがある。治癒後瘢痕性の幽門狭窄による通過障害を来すことがある。再発は胃潰瘍よりも頻繁である。胃酸の分泌過多が原因と考えられているが、血中ガストリンは正常なことが多い。検査上、血清中ペプシノゲンIの上昇が認められる。
病因
- 参考1
-
- ピロリ菌
- 単純ヘルペスウイルス
- サイトメガロウイルス
- Helicobacter heilmanni
- その他:結核菌、淋菌
- NSAID
- アスピリン
- 高用量のアセトアミノフェン
- ビスホスホネート(+NSAID)
- クロピドグレル(+NSAID or 高リスク患者)
- コルチコステロイド(+NSAID)
- シロリムス
- スピロノラクトン
- mycophenolate mofetil
- potassium chloride
- 抗悪性腫瘍薬(
- ガストリノーマ
- 全身性肥満細胞症
- 骨髄増殖疾患における好酸球症
- 前庭部G細胞機能亢進
- crack cocaine使用を含めた血行不全
- (器質的な)十二指腸閉塞(輪状膵など)
- 放射線療法
- 浸潤性疾患
- 特発性過分泌十二指腸潰瘍(ピロリ菌陰性)
- 非NSAID家族性消化性潰瘍, ピロリ菌陰性
- 非NSAID消化性潰瘍, ピロリ菌陰性
- ICUストレス潰瘍
- 肝硬変
- 臓器移植
- 腎不全
- COPD
病態
- ガストリンの分泌を十分に抑制できない。
- 壁細胞が過形成している ←ガストリンの作用
- 胃酸の基礎分泌量が上昇している
- ペプシンの分泌が増加している。
- 空腹時の血中ガストリン濃度は変わっていない
- 十二指腸潰瘍では胃潰瘍より胃酸の過剰分泌が明らかである。
- 好発部位:球部小弯側前壁
- 穿孔・穿通:潰瘍が筋層以下に進展すれば生じうるが、胃潰瘍より多い。→穿通性潰瘍 →穿孔性潰瘍
合併症
- 好発部位:球部前壁潰瘍
- 症状:突然現れる上腹部痛。前屈位・側臥位となる。上腹部腹壁緊張亢進、筋性防御、板状硬をみとめ、Blumberg徴候陽性となる。
検査
- 十二指腸球部は壁が薄いために、潰瘍により容易に変形をきたす。タッシェ(憩室様突出)をともなうクローバー城辺型が認められる。
国試
参考
- 1. [charged] Epidemiology and etiology of peptic ulcer disease - uptodate [1]
[★]
- 英
- perforating ulcer, perforated ulcer
- 関
- 穿通性潰瘍、punched-out ulcer
- 深い潰瘍が漿膜を突き抜けて腹腔と交通した状態を指す(⇔穿通性潰瘍)
- 腸管内容物の腹腔への漏出により腹膜炎を起こす。
[★]
- 英
- ulcer
- ラ
- ulcus
- 関
- びらん
- 粘膜の損傷が粘膜筋板に達し、その筋層を貫通した場合。
[★]
- 英
- facultative、facultatively
- 関
- 偶発性、任意、随意
[★]
- 英
- penetrating
- 関
- 貫通性、浸透性