- 英
- chronic gastritis
- ラ
- gastritis chronica
- 関
- 胃炎、シドニー分類 Sydney system
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/07 15:31:47」(JST)
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胃炎 |
分類及び外部参照情報 |
顕微鏡でみた胃炎の組織像。HE染色
|
ICD-10 |
K29.0-K29.7 |
ICD-9 |
535.0-535.5 |
MedlinePlus |
001150 |
eMedicine |
emerg/820 med/852 |
MeSH |
D005756 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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胃炎(いえん、英: gastritis)とは、胃に起きる炎症のことであり、大きく分けると、急性胃炎と慢性胃炎の2つがある。
目次
- 1 急性胃炎
- 2 慢性胃炎
- 3 治療
- 4 関連項目
- 5 脚注
- 6 参考
急性胃炎
急性胃炎は胃粘膜の急性炎症で、臨床的には腹痛、嘔吐、消化管出血などの突発症状より発症する。アルコール、薬物(NSAIDs、抗生物質等)、ピロリ菌などの感染、ストレスなどが原因となる。24時間以上続くケースが多い。
慢性胃炎
慢性胃炎は、胃粘膜の慢性炎症と固有胃腺の萎縮、腺の過形成あるいは腸上皮化生を主要所見とする。固有胃腺の萎縮は幽門前庭部から胃体部へと加齢とともに拡大していく。近年、ヘリコバクター・ピロリ感染が慢性胃炎の一つの原因として注目されている。
ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の内視鏡所見には
- 多量の粘液、胃液の透明性低下
- 多発びらん、発赤
- 過形成性ポリープ (hyperplastic polyp)
- 腸上皮化生 (intestinal metaplasia)
- 黄色腫(xantoma)
- 鳥肌胃炎 (nodular gastritis)
- 萎縮性変化
などがある。[1]
慢性胃炎のひとつ、鳥肌胃炎の内視鏡像。羽をむしったあとの鶏の皮膚のようであるため、こう呼ばれる。
他方、ヘリコバクター・ピロリ陰性胃炎の特徴的な内視鏡所見は
- 胃体部の regular arrangement of collecting venules (RAC)[2]
- 稜線上発赤(櫛状発赤)
- 胃底腺ポリープ
治療
日常生活においては消化の良いものを取り、過食をさける。
対症療法として、胃酸過多に対して、アルギン酸ナトリウム(英: Sodium alginate)、炭酸水素ナトリウム(英: Sodium Hydrogen Carbonate)、炭酸カルシウム(英: calcium carbonate)などが制酸剤として使用されている。
急性胃炎の場合、効果が強いH2ブロッカー(英: Histamine H2-receptor antagonist)の投与が選択され、場合によっては、最も効果が強いプロトンポンプ阻害薬(英: Proton-pump inhibitor: PPI)を使用あるいは併用する。消化管運動賦活薬なども併用される。
原因がはっきりしている場合を除いては、ストレスによって発症する例が大部分を占めるため、薬物療法に加えて根治を目的とした精神科的治療を並行して行う場合もある。治療は長期化する場合が多い。
関連項目
脚注
- ^ 第85回日本消化器内視鏡学会ワークショップ「新たな内視鏡的胃炎分類『Up dated 京都分類』をめざして」
- ^ 胃と腸; 38(12), 1667-73, 2003.
参考
Merck Manuals 胃炎
|
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Japanese Journal
- 皮膚, 口腔病変を認めず, 診断に苦慮した食道天疱瘡の1例
- 田口 純,石橋 陽子,菅井 望,関 英幸,三浦 淳彦,藤田 淳,鈴木 潤一,鈴木 昭,深澤 雄一郎
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 52(8), 1866-1873, 2010-08-20
- … 症例は75歳女性.嚥下困難,食欲不振と唾液が常に流れてくる症状で近医を受診.上部消化管内視鏡検査で,逆流性食道炎と慢性胃炎の診断でプロトンポンプ阻害薬(PPI)を処方されていた.しかし,症状の改善を認めず当科を受診.難治性かつ上部消化管内視鏡検査にて食道粘膜に非連続性に地図状のびらんが散在し,易粘膜剥離も認めたため食道天疱瘡を疑った.抗デスモグレイン(Dsg)3抗体価が23 Indexと陽性であ …
- NAID 10026910868
- 問診票による症状評価とHelicobacter pylori関連慢性胃炎進展度評価によるGERDの病態解析 (特集 Dyspepsia症状と内視鏡所見)
Related Links
- 慢性胃炎とはどんな病気か. 胃のなかには、0・1規定の塩酸(胃の壁細胞で作られる 純度の高い塩酸)が常時存在していますし、食物自体も物理化学的に胃粘膜を障害する 可能性があります。したがって、年齢が増すごとに胃の粘膜は荒れていくというのが、 ...
- 慢性胃炎は、はっきりとした原因を突き止められないというのが特徴の1つです。 胃粘膜 に炎症が慢性的に起こる症状を指し、2つのタイプがあります。 一つ目は「特発性慢性 胃炎」という名で知られており、胃に炎症以外の症状がないものです。 この「特発性 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 36歳の女性。1か月前からの全身倦怠感を主訴として来院した。大学卒業後、24歳で結婚し、主婦をしている。15歳時、交通事故で輸血を受けた。喫煙は24歳から1日15本。飲酒は30歳から夕食時ビール小ピン1本/日。身長160cm、体重45kg。体温36.4℃。呼吸数22/分。脈拍68/分、整。血圧128/76mmHg。胸部と腹部とに異常所見はない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球380万、Hb12.1g/dl、Ht35%、白血球8,200、血小板20万。血清生化学所見:空腹時血糖80mg/dl、総蛋白7.6g/dl、アルブミン3.9mg/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、直接ビリルビン0.6mg/dl、AST150単位、ALT180単位。胸部エックス線写真と上部消化管造影写真とに異常を認めない。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G059]←[国試_099]→[099H001]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103I004]←[国試_103]→[103I006]
[★]
- 英
- stomach (Z)
- ラ
- gaster, ventriculus
- 関
- 消化器系#上皮の移行
解剖
- 胃は以下の間膜によって連結されている。
- 横隔膜の下面との間は胃横隔間膜
- 脾臓との間は胃脾間膜
胃の位置
- 噴門口:第7肋軟骨の胸骨付着部より約2cm左(T11の高さ) (KL.342)
- 胃底:胃底の上端は左第5肋骨の高さ (KL.342)
- 幽門:L1の高さ (KL.342)
胃の動脈
生理
胃腺の分布
2007年後期生理学授業プリント
HIS
胃腺の移動
- 胃底腺と幽門腺の境界は移動する。
- 年齢に伴って上昇する?らしく、これにともない胃酸の分泌が低下する。
胃液のホルモンによる分泌調節
生理
神経支配
-
- T6,7の側柱→大内臓神経(節前線維)→腹腔神経叢(節後線維)→内在神経叢内でシナプス前抑制、一部直接作用
- 迷走神経(節前線維)→内在神経系(アセチルコリン作動性ニューロン(興奮性)、VIP,NO作動性ニューロン(抑制性))
役割
- 1. タンパク質の消化
- 2. 食物の貯蔵
- 3. 殺菌
機能
- 受け入れ弛緩(胃近位部弛緩)
- 蠕動運動、逆移送
受け入れ弛緩
- 迷走神経反射。胃近位部伸展受容器→迷走神経→脳幹→迷走神経
臨床関連
[★]
- 英
- type A gastritis
- 関
- 萎縮性胃炎、慢性胃炎
|
A型胃炎
|
B型胃炎
|
胃体部胃炎
|
著名
|
なし~軽度
|
前庭部胃炎
|
なし~軽度
|
著名
|
酸分泌
|
無酸症
|
|
ガストリン
|
高値
|
正常
|
壁細胞抗体
|
高値
|
正常
|
鉄欠乏性貧血
|
合併
|
|
悪性貧血
|
合併
|
|
頻度
|
|
99%
|
[★]
- 英
- atrophic gastritis
- 関
- 慢性胃炎
- 慢性胃炎に含まれる疾患概念。
- 胃粘膜の萎縮、固有胃腺の萎縮を伴う。
- 胃粘膜の菲薄化により、内視鏡的には血管が透見される。
- 胃酸分泌能:低下 ← 固有胃腺の萎縮による
- 検査:
[★]
- 英
- Sydney system
- 関
- 慢性胃炎
- 1990年の世界消化器病学会で検討された胃炎の分類
-
- a) Type A胃炎:自己免疫性 autoimmune
- b) Type B胃炎:H.pylori Bacteria
- c) Type C胃炎:非ステロイド系抗炎症薬、アスピリン、エタノールetc. Chemical
- 急性胃炎/慢性胃炎/特殊型
- 汎胃炎/前庭部胃炎/体部胃炎
- 炎症性
- 活動性
- 萎縮性
- 腸上皮化生
- H.pylori
[★]
- 英
- intestinal metaplasia
- 関
- 化生、胃腺、消化器系#上皮の移行
- Stomach intestinal_metaplasia_CBT_QB_vol2.jpg:胞体が白く抜けているのが杯細胞。腺の基底には赤色で染まるパネート細胞が存在する。
[★]
- 英
- gastritis
- 同
- 胃カタル gastric catarrh
- 関
- シドニー分類
分類
経過
病態
- A型胃炎:壁細胞に対する自己抗体により破壊され、胃体部を中心とした萎縮性胃炎を来す。
- B型胃炎
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- chronicity
- 関
- 慢性的、慢性型