- 英
- acute myocarditis
- 関
- 心筋炎
参考
- 1. 急性および慢性心筋炎の診断・治療に関する ガイドライン - 日本循環器学会
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_izumi_h.pdf
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心筋炎 |
分類及び外部参照情報 |
ウイルス性心筋炎の組織像
|
ICD-10 |
I09.0, I51.4 |
ICD-9 |
391.2, 422, 429.0 |
DiseasesDB |
8716 |
MedlinePlus |
000149 |
eMedicine |
med/1569 emerg/326 |
MeSH |
D009205 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
心筋炎(しんきんえん、英: myocarditis)は、感染症、中毒あるいは原因不明の心筋の炎症性変化。無症状のものから発熱、頻脈、呼吸困難などの臨床症状を示すものまである。特に急性心筋炎(acute myocarditis)は、特異的所見に乏しい上に急性の転帰をたどることから、臨床上重要である。大動脈解離やクモ膜下出血、急性喉頭蓋炎などとともに診断に苦慮する疾患のひとつとされている。
目次
- 1 原因
- 2 症状と所見
- 3 治療
- 4 関連項目
- 5 参考文献
原因[編集]
- ヒト
- 小児の急性心筋炎の原因としてはコクサッキーウイルスが最も多く、エコーウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスによるものもみられる。
- 犬
- 心筋炎の原因となるもののうち、感染性のものとしては、ウイルスとしてコクサッキーBウイルス(最多)、脳心筋炎ウイルス、犬パルボウイルス、口蹄疫ウイルス、犬ジステンパーウイルス、ヘルペスウイルス、オーエスキー病ウイルス、豚生殖器呼吸器症候群ウイルス、悪性カタル熱ウイルス、ブルータングウイルスなど、細菌としてListeria monocytogenes、Actinobacillus equuli、Haemophilis somnusなど、原虫としてトキソプラズマ、トリパノソーマなどがある。
また、感染性のもの以外にも、化学物質や放射線、膠原病などのほか、特発例も報告されている。
症状と所見[編集]
急性心筋炎は、無症状の場合もあるが、多くは感冒様症状 (かぜ症候群) や消化器症状などの前駆症状を伴う。前駆症状の1~2週間後に、胸痛、心不全症状、ショック、不整脈などの症状を呈する。
上述のとおり、心筋炎は特徴的な所見に乏しい疾患であるが、かろうじて特徴を見いだせるのが心電図である。心筋炎の急性期には、ほとんどの症例で完全房室ブロック(II, III度)、陰性T波、ST変化、心室性期外収縮(PVC)などの異常が見られる。また、これらに比べると稀ではあるが、心室頻拍(VT)、異常Q波、心房細動(AF)などが見られることもある。
- 非特異的ST変化はほぼ全例に認められる。R波減衰、異常Q波は、ほぼ半数に認められる。
また、心筋細胞の障害をきたすことから、一般生化学検査においては心筋逸脱酵素(CPK, AST, LDH)が上昇する。トロポニンTは迅速診断キットがあり、早期から異常を呈し、心筋特異的物質であることから、診断に特に有用である。BNP,NT-proBNPは心機能の把握に有用である。
心エコーでは、軽度の内腔拡大と心膜液貯留のほか、左室の壁運動低下と駆出率の著明な低下、壁肥厚などが認められる。
治療[編集]
現在はそれぞれのウイルスに対しては抗ウイルス薬を投与する他には、対症療法(PCPSや利尿剤など)とステロイド・γグロブリン投与しか選択肢がない状況である。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- 日本獣医病理学会編集 『動物病理学各論』 文永堂出版 2001年 ISBN 483003162X
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
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内科的治療
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心臓作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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血管作動薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 経皮的心肺補助(PCPS)導入が可能な当施設における小児急性心筋炎の予後
- 金 基成,安藤 和秀,朝海 廣子,林 泰佑,金子 正英,三崎 泰志,齊藤 一郎,関口 昭彦,賀藤 均
- 日本小児循環器学会雑誌 = Acta cardiologica paediatrica Japonica 26(3), 227-233, 2010-05-01
- NAID 10026282512
- 心臓移植を目的とした小児拡張型心筋症患児のブラジルへの移送経験
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- 急性心筋炎をご存じですか 監修:和泉 徹(北里大学医学部内科学教授) 元気な人が最初はかぜのような症状で数日経過し、突然、心不全症状を呈して、最悪のケースは死亡するといったことがまれにあります。そうした突然死の原因 ...
- 心筋炎の発症1週間程度の早期に、鎮痛解熱剤(非ステロイド系消炎剤)を使用すると心筋の破壊を悪化させる可能性があり、使用しないほうがよいと報告されています。また、総合感冒薬は鎮痛解熱剤を含んでいるのでよくありません。
- 5 急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン を伴わない全誘導(aVRを除く)でのST上昇を認める ことも少なくない.逆に限局性のST上昇を呈し,急性 心筋梗塞と酷似する例にも遭遇する.心伝導障害(房室
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★リンクテーブル★
[★]
- 48歳の女性。食欲低下と倦怠感を主訴に来院した。5日前から感冒様症状と食欲低下があり、市販薬を内服して寝込んでいた。昨日から倦怠感が強くなり、さらに今朝になって呼吸困難やふらつきも生じたため受診した。既往歴、生活歴および家族歴に特記すべきことはない。身長 160cm、体重 50kg。脈拍 116/分、整。血圧 86/50mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 93%(room air)。心音は奔馬調律。両下胸部にcracklesを聴取する。血液所見:赤血球 495万、Hb 14.6g/dL、白血球 11,000、血小板 17万。血液生化学所見:AST 2,324U/L、ALT 2,532U/L、LD 3,292U/L(基準 120~245)、CK 6,064U/L(基準 30~140)、尿素窒素 47mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、総ビリルビン 1.4mg/dL。CRP 2.3mg/dL。来院時の心電図(別冊No.9A)を別に示す。心エコー検査で左室拡張末期径50mm、左室駆出率は20%。その後、完全房室ブロックが出現し、一時的ペースメーカー留置とともに冠動脈造影を行った。冠動脈造影像(別冊No.9B)を別に示す。
- 最も疑われる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D025]←[国試_114]→[114D027]
[★]
- 34歳の女性。前胸部不快感、呼吸困難および悪心のため救急車で搬入された。10日前から感冒様症状に続き、37℃台の発熱、悪心およびふらつきが出現していた。3日前から前胸部の不快感と呼吸困難とが出現し、増悪してきたため救急車を要請した。体温 36.9℃。心拍数 112/分、整。血圧 74/40mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 98%(鼻カニューラ1L/分酸素投与下)。Ⅲ音とⅣ音とを聴取する。両下胸部にcoarse cracklesを聴取する。四肢末柏の冷感を認める。血液所見:赤血球 418万、Hb 12.7g/dL、白血球 11,300、血小板 20万。血液生化学所見:AST 186U/L、ALT 64U/L、LD 995U/L(基準 176~353)、CK 352U/L(基準 30~140)、CK-MB 42U/L(基準 20以下)。CRP 11mg/dL。心筋トロポニンT迅速検査は陽性。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とを認める。来院時の心電図(別冊No. 20A)と心エコー図(別冊No. 20B)及び入院14日目の心エコー図(別冊No. 20C)を別に示す。
- 最も可能性の高い疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D043]←[国試_111]→[111D045]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B040]←[国試_096]→[096B042]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111B019]←[国試_111]→[111B021]
[★]
- 英
- ST segment elevation
- 関
- ST segment
原因
- EAB.44
-
-
- ECGP.188
疾患とST上昇
[★]
- 英
- exercise electrocardiogram, exercise ECG
- 同
- 負荷心電図
- 関
- 心電図
運動負荷法 LAB.1519
- :Master2段階負荷試験、トレッドミル、エルゴメーター
禁忌 LAB.1519
- 不安定狭心症
- 急性心筋梗塞発症後10日以内
- 心室頻拍、重症心室性期外収縮、重症上室性不整脈、高度の徐脈、高度のブロック
- 急性心筋炎
- 急性心膜炎
- 肺塞栓症
- 重症の心不全
- コントロールされていない高血圧、甲状腺中毒症
正常人における心電図の変化 EAB.202
- 心拍数増加
- PR間隔短縮 ← 伝導速度の短縮
- P波の振幅増大(II,III,aVFで著明)、Ta波増大
- QRS複合、T波の振幅減少
- QT間隔短縮
- RRに対するQTの割合は増大する
[★]
- 英
- fulminant myocarditis FM
- 関
- 心筋炎、急性心筋炎
[★]
- 英
- myocarditis
- 関
概念
- 種々の原因により心筋が局所的・びまん性に炎症性が生じた病態
分類
経過
病理学的
- (特発性)巨細胞性心筋炎:心筋生検あるいは剖検による組織学的検索で、炎症巣に多核巨細胞を認める場合で、なおかつ心臓サルコイドーシスが除外されるもの。好酸球とリンパ球の浸潤が強く、心筋壊死が高度である。
- 好酸球性心筋炎:心筋生検にて好酸球の浸潤・脱顆粒、心筋の破壊、末梢血における好酸球の増加が認められるもの。
類縁疾患
年齢
ガイドラインによる分類
病因分類
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組織分類
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臨床病型分類
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ウイルス
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リンパ球性
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急性
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細菌
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巨細胞性
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劇症型
|
真菌
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好酸球性
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慢性(遷延性/不顕性)
|
リケッチア
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肉芽腫性
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|
スピロヘータ
|
|
|
原虫,寄生虫
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|
|
その他の感染症
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|
薬物,化学物質
|
|
|
アレルギー,自己免疫
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膠原病,川崎病
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サルコイドーシス
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放射線,熱射病
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原因不明,特発性
|
|
|
疫学
病因
- 参考1より
YN.C-137
- ウイルス(コクサッキーB、エコーウイルス、ヘルペスウイルス。風疹ウイルス、ムンプスウイルス、インフルエンザウイルスでも生じる)、細菌、心筋、原虫(シャーガス病)。
- 化学物質、放射線、膠原病、特発性
病理
- 実質性心筋炎 parenchymatous myocarditisと間質性心筋炎 interstitial myocarditisの像がみられる。
- 心筋細胞の融解、間質浮腫、円形細胞浸潤、壊死巣形成
病態
- ウイルス性の場合、免疫反応に基づき心筋を障害する。
- 薬剤性の場合は、薬剤による心筋障害
- 心筋の障害 → 伝導障害、不整脈、心不全、ショック
経過
- 急性の場合、かぜ症状や消化器症状に続発。これらの初発症状から数時間から数日で心症状が出現(YN.C-137)。
身体所見
心臓
- (重症の場合)muffled first heart sound, along with a third heart sound (HIM.1486)
- (心不全に至れば)奔馬調律(gallop rhythm) (YN.C-138)
- 心雑音:(重症の場合)a murmur of mitral regurgitation (HIM.1486)
- 心膜摩擦音:心膜炎を伴った場合に聴取
肺
症状
検査
- 心電図、心エコー所見、単純胸部X線写真、及び症状がが短時間に変化していくのはacute myocarditisを示唆(IMD)
- 心電図:(特異的な変化はない)非特異的ST-T変化、QRS低電位、異常Q、ST上昇(心膜炎があれば)、心室内伝導障害、房室ブロック
- 血液検査:心筋障害、炎症を示唆する様な結果
- CK-MB、LDH、AST上昇、CRP陽性、ESR亢進、WBC増加
- ウイルス学的検査:
- 心エコー:壁運動低下、(間質に浮腫が認められれば)壁肥厚、心室腔拡大(心不全)、心嚢液貯留(心膜炎)
- 心筋生検:心臓への炎症細胞の浸潤。
- 好酸球増加性心疾患による心筋炎:急性期に心内膜を中心とした好酸球の浸潤:*自己免疫疾患(劇症型心筋炎、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎など)による心筋炎:多核巨細胞の出現
- 核医学検査:67Ga,99Tc-ピロリン酸の心臓への集積。
診断
鑑別疾患
- 心筋梗塞
- 甲状腺機能低下症、心筋障害を伴うミオパチー
- 膠原病
- (慢性心筋症の鑑別)拡張型心筋症
治療
- ウイルス性心筋炎では根治療法がなく、対症療法にとどまる。
- 不整脈:(完全房室ブロック)体外式一時ペーシング、(頻脈性不整脈)除細動・抗不整脈薬
- 心不全:SGカテーテルで血行動態を見ながら、利尿薬、血管拡張薬、カテコラミンを使用する。
- 重症心不全・ショック:経皮的心肺補助(PCPS)、大動脈内バルーンパンピング(IABP)
- ステロイド、免疫グロブリン:考慮されることがあるがエビデンスなし。
予後
- 急性型は予後良好であるが、劇症型心筋炎、拡張型心筋症にいたる場合もある。
参考
- 1. 急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン - 日本循環器学会
[★]
- 英
- cardiac muscle (K), heart muscle, myocard cardiac muscle, myocardium
- 関
- 心筋の活動電位、横紋筋、筋肉
- 筋小胞体が発達していない
心筋の酸素消費量 (SPC.226)
- (tension-time index)=左心室内圧曲線収縮期相の面積(mmHg/s)×心拍数
- (doble product)∝(tension-time index)
- 1. 骨格筋細胞と違い心筋細胞は介在板を有しており、介在板近傍に存在するギャップ結合によって活動電位が伝播する。
- 2. ギャップジャンクションを通じて活動電位が伝播すると、心筋細胞膜上の電位依存性Na+チャネルが開き、脱分極が筋細胞全体に広がる。
- 3. 脱分極はT細管(横行管)に伝わり、T細管に存在する電位依存性のタンパク質の構造を変化させ、筋小胞体上のCa2+放出チャネルを開く。
- 4. さらに少し遅れてCa2+/Na+チャネルが長時間開口し、細胞内に多量のCa2+/Na+を取り込む。
- 5. 心筋細胞のT細管は細胞外部に開口しており、Ca2+の取り込みが容易になっている。
- 6. このようにして、細胞外と筋小胞体中のCa2+が細胞質に拡散する。
- 7. ここで、筋収縮に関わるアクチンフィラメントにトロポミオシンとトロポニンが結合し、収縮開始を妨げているが、Ca2+がトロポニンに結合すると、トロポミオシンがアクチンフィラメント上で場所を変える。
- 8. この結果、トロポミオシンが覆い隠していたアクチンフィラメントのミオシン結合部位が露出する。
- 9. ミオシンはATPの加水分解のエネルギーを使って、アクチンフィラメントに結合できる構造をとり、アクチンに結合する。
- 10. ミオシンがアクチンフィラメントで首振り運動をすることで筋収縮が起こる。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型
[★]
- 英
- myositis
- 同
- 炎症性筋疾患 inflammatory myopathy