- 英
- birth canal infection, transbirth canal infection
- 同
- 産道内母子感染
- 関
概念
- 産道(子宮頚管、膣、外陰)を経ることによる感染症。
病原体
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伝染病(でんせんびょう)は、病気を起こした個体(ヒトや動物など)から病原体が別の個体へと到達し、連鎖的に感染者数が拡大する感染症の一種である。感染経路の究明が進んでいない近代までは、ヒトや家畜など特定の動物種の集団内で同じ症状を示す者が短時間に多発した状態(集団発生・疫病)を指していたため、現在でも「集団感染」との混同が見られる。
日本において「伝染病」の語は医学分野よりも「家畜伝染病予防法」など法令において限定的に用いられており、同法では「法定伝染病」や「届出伝染病」などの語で使用されている。過去には「伝染病予防法」という法律名にも使用されていたが、1999年の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)の施行により廃止され、法文中の「伝染病」の文言は「感染症」に改められている(経過規定の条文などを除く)。同様に、旧・学校保健法の施行規則に見られた「学校伝染病」の語も2009年4月施行の学校保健安全法の施行規則で「感染症」に改められ、一般に「学校感染症」と呼ばれている。
東洋医学では賊風の証が近い概念である。
目次
- 1 伝染の形式
- 1.1 個体同士の接触
- 1.2 糞から出た微生物を口から摂取
- 1.3 微生物が付着した飛沫(ほこり)を吸う
- 1.4 空気中に浮遊した微生物を吸う
- 1.5 動物を媒介する
- 2 ヒトの伝染病
- 2.1 伝染病と社会
- 2.2 歴史的に著名な伝染病
- 2.3 主な伝染病とその原因菌の発見
- 3 動物の伝染病
- 4 植物の伝染病
- 5 関連した用語
- 6 脚注
- 7 参考文献
- 8 関連項目
- 9 外部リンク
伝染の形式[編集]
伝染形式の主な例を挙げる。詳細は感染経路を参照
個体同士の接触[編集]
接触感染と呼ばれる。皮膚同士のふれあい、または手すりや聴診器など物体の表面を通じての間接的なふれあいで病原体が皮膚に付着し感染が成立するもの。疥癬をはじめ、性感染症の多くも含まれる。医療現場ではMRSAなどの薬剤耐性菌の伝染の主要な経路である。
糞から出た微生物を口から摂取[編集]
糞口感染と呼ばれる。感染動物由来の肉や、糞便で汚染された水などの経口摂取により感染が成立する。前者の例としてBSE、後者の例として病原性大腸菌O157やサルモネラが挙げられる。
微生物が付着した飛沫(ほこり)を吸う[編集]
飛沫感染と一般的に呼ばれる。粒子が5マイクロメートル以上と大きく重い微粒子で、3feet未満までしか到達しないものをいう。咳やくしゃみで放出された体液の飛沫が病原体を含んでいて、これが他人の粘膜に付着することで感染が成立する。風疹ウイルスを始め上気道炎症状を伴うウイルス感染症の多くがこの形式をとり、SARSの原因となったコロナウイルスについてもこの経路が主体だと考えられている。
空気中に浮遊した微生物を吸う[編集]
空気感染と呼ばれる。または医学的に飛沫核感染とも呼ばれる。空気中に飛散した病原体が空気中で飛沫の水分が蒸発して5マイクロメートル以下の軽い微粒子(飛沫核)となっても病原性を保ったまま、単体で3feet以上浮遊する。麻疹・水痘・結核は主にこの形式で伝染し、コロナウィルスでも可能性は示唆されている。
動物を媒介する[編集]
他の動物(特に節足動物)が媒介者(ベクター)となって、伝播することで感染が成立するもの。その病原体の生活環の一環としてベクターの体内で発育、増殖しそこから感染する場合と単にベクターの体表面に付着した病原体が機械的に伝播される場合(機械的ベクター感染)とがある。前者の事例としてはカによる日本脳炎やマラリアなどの媒介、シラミによる発疹チフスの媒介などが挙げられる。後者の例としてはハエによる病原大腸菌O157や赤痢菌の媒介、鳥インフルエンザの鶏舎間媒介が挙げられる。
ヒトの伝染病[編集]
伝染病と社会[編集]
社会に感染者がいると伝染によって次々と感染者が増える可能性があることから対策には社会的な対応が必要となり、公衆衛生学などにより、患者の隔離などの予防対策がなされる。
社会基盤に打撃を与えるほどの被害を及ぼした伝染病は疫病(えきびょう)と呼ばれる。歴史上はペスト、スペイン風邪などの重大な伝染病が流行して非常に多くの死者を出したことが有名である。また、天然痘は撲滅されるまでのあいだ長期にわたって全世界で死者を出し続けてきた。
歴史的に著名な伝染病[編集]
詳細は「感染症の歴史」を参照
- 古代ギリシアのペロポネソス戦争初期にアテナイを襲った疫病は指導者・ペリクレスを初めとする多くの市民を死亡に至らせて、劣勢(やがて敗戦)に追い込まれる一因となった。
- 日本では737年と995年に大規模な伝染病が都を直撃して(前者は天然痘、後者ははしかと推定)、政府高官が多数死亡して政治が麻痺状態に陥った。
- 14世紀のヨーロッパで流行したペスト。当時のヨーロッパ人口の3分の1が死亡した。
- スペインかぜは1918年から翌1919年にかけ、全世界的に猛威を振るったインフルエンザの一種である。感染者6億人、死者4000~5000万人。
主な伝染病とその原因菌の発見[編集]
主な疫病菌の発見は以下の通りであり、19世紀後葉から20世紀初頭にかけての時期に多い[1]。
病名 |
発見年 |
病原菌発見者 |
ハンセン病 |
1875年 |
アルマウェル・ハンセン(ノルウェー) |
マラリア |
1880年 |
シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴラン(フランス) |
腸チフス |
1880年 |
カール・エーベルト(ドイツ) |
結核 |
1882年 |
ロベルト・コッホ(ドイツ) |
コレラ |
1883年 |
ロベルト・コッホ(ドイツ) |
破傷風 |
1884年 |
アルトゥール・ニコライエル(ドイツ語版)(ドイツ) |
ブルセラ症 |
1887年 |
デビッド・ブルース(イギリス) |
ペスト |
1894年 |
アレクサンドル・イェルサン(フランス語版)(フランス)、北里柴三郎(日本) |
赤痢 |
1898年 |
志賀潔(日本) |
梅毒 |
1905年 |
フリッツ・シャウディン(ドイツ語版)(ドイツ) |
百日咳 |
1906年 |
ジュール・ボルデ(フランス) |
チフス |
1909年 |
シャルル・ジュール・アンリ・ニコル(フランス) |
動物の伝染病[編集]
- トリインフルエンザ:2005年、世界的に流行し養鶏業に大打撃を与えた。
- 馬インフルエンザ:2007年、流行の阻止のため日本では競馬や馬術競技の大会が中止された。
植物の伝染病[編集]
植物病害の名称としての疫病については、植物病理学を参照のこと。
関連した用語[編集]
- エンデミック(英 endemic)
- 一定の地域に一定の罹患率で、または一定の季節的周期で繰り返される状態を示す言葉である。その地域内で流行するため地方性流行とも略される。予測は可能で他の地域に広がってはいかない。感染症が原因の風土病もこの一種、特定の地域に限定される場合をいう(ただし感染症・伝染病に限定した言葉ではないので注意が必要)。
- エピデミック(英 epidemic)
- 伝染病が予想されるエンデミックの範囲を超えて、急激に社会的に広がっていく(流行していく)状態を示す言葉である。規模が大きくなった場合をアウトブレイクという。
- パンデミック(英 pandemic)
- さらに多国間にまたがって広範囲に散発的な広がりを示した状態を示す言葉である。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- ハンス・ジンサー『ネズミ・シラミ・文明 -伝染病の歴史的伝記- 』
- 倉持不三也『ペストの文化誌 -ヨーロッパの民衆と疫病- 』朝日新聞社<朝日選書>、1995年8月。ISBN 4-02-259633-3
関連項目[編集]
- 感染症
- 伝染病予防法(現在は廃止)/感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法、感染症新法)
- 医学/歯学
- 医療/医療行為/医業/歯科医業/院内感染/細菌叢調査
- 公衆衛生学/疫学
- 微生物学/細菌学/ウイルス学/免疫学/生化学/分子生物学
- 感染症専門医/インフェクションコントロールドクター/日本性感染症学会認定医/感染制御専門薬剤師/感染症対策看護師(感染症管理看護師)/医療環境管理士
- 医師/歯科医師/臨床検査技師/薬剤師/看護師/歯科衛生士
- 避病院
- SEIRモデル
外部リンク[編集]
- 感染症情報センター(IDSC)
- 厚生労働省検疫所 海外感染症情報
- 感染症危機管理対策室(日本医師会)
- WHO: Disease Outbreak News
- 日本臨床微生物学会ホームページ
- 臨床微生物迅速診断研究会ホームページ
- 日本感染症学会ホームページ
- 日本環境感染学会ホームページ
- 日本細菌学会ホームページ
- 日本ウイルス学会ホームページ
- 日本性感染症学会
- ICD制度協議会ホームページ
- アメリカ疾病管理予防センター(CDC)のホームページ
Japanese Journal
- TT ウイルス母子感染の後方視的,前方視的研究 ─特に母子感染様式と周産期における臨床的意義について─
- 稲葉 未知世,大島 教子,林田 志峯,西川 正能,岡嶋 祐子,北澤 正文,深澤 一雄,渡辺 博,高見澤 裕吉,稻葉 憲之
- Dokkyo journal of medical sciences 38(1), 41-47, 2011-03-25
- … DNA 陽転化した総数17 名の出生児は全員生後18 ヶ月時点までTTV DNA 陽性が持続しており,脱キャリア化は認められていない.また,キャリア化児におけるTTV DNA 出現時期および哺育方法より経胎盤感染,経産道感染および経唾液感染は否定的であり,経母乳感染の可能性が強く示唆される結果であった.また,キャリア妊婦及びキャリア化児における肝機能異常は母子共々TTV 単独キャリアでは認められず,TTV 感染の周産期に …
- NAID 110008427642
- HIV (今月の臨床 母子感染--新しい制御戦略) -- (産道感染・母乳感染への対策)
- クラミジア,パピローマウイルス,カンジダ (今月の臨床 母子感染--新しい制御戦略) -- (産道感染・母乳感染への対策)
Related Links
- 山本産婦人科(三重県津市)の産道感染症・B 群溶連菌感染症についてのページです。
- 産道感染 (さんどうかんせん): 母体の持っていた病原体(ウイルスや菌など)が分娩の とき産道の粘膜や血液を介して赤ちゃんに感染 ... B群溶血性連鎖球菌や大腸菌のほか 、B型肝炎ウイルス、性感染症である性器ヘルペスやクラミジアなどの感染があります。 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 24歳の初妊婦。妊娠14週。子宮頸部細胞診の異常と外陰部腫瘤とを指摘され来院した。細胞診はクラスIIIa。視診では、腟壁および外陰部に鶏冠状外観を呈する腫瘤を認める。外陰部の写真を以下に示す。
- 正しいのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D041]←[国試_103]→[103D043]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F048]←[国試_101]→[101F050]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
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[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B071]←[国試_095]→[095B073]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096G066]←[国試_096]→[096G068]
[★]
- 英
- hepatitis B virus, HBV, hepatitis virus B
- 関
- ウイルス、肝炎、B型肝炎、肝炎ウイルス
ウイルス学
抗原&および抗体
HBs抗原
|
HBsAg
|
表面抗原である。HBs抗原(+)はウイルスが体内に存在することを示す。
|
抗HBs抗体
|
anti-HBs
|
中和抗体である。抗HBs抗体(+)は過去にHBVに感染して治癒しているか、HBVワクチンを接種されているかをしめす。
|
HBc抗原
|
HBcAg
|
HBVを構成するタンパク質であるが、キャプシド内のタンパク質である。
|
抗HBc抗体-IgM
|
IgM anti-HBc
|
感染初期に現れ、数ヶ月後に消える。急性肝炎の診断に使用される。
|
抗HBc抗体-IgG
|
IgG anti-HBc
|
抗HBc抗体-IgMに少し遅れて現れ、ほぼ生涯にわたって血中に存在する。過去にHBVにかかったことを示す。
|
HBe抗原
|
HBe
|
HBe抗原は発症に遅れて一ヶ月後から増加し始め、治癒した後2,3ヶ月かけて減少する。HBe抗原(+):HBVが増殖する際に過剰に作られるタンパク質。HBVの活発な増殖を示しており、感染力が強いことを示す。
|
抗HBe抗体
|
anti HBe
|
抗HBe抗体(+):HBVウイルス量と増殖が落ち着いていることを示しており、感染力が弱いことを示す。
|
HBcAg
- HIM.1935
- ヌクレオキャプシドはC geneがコードしている。ヌクレオキャプシド:に発現している抗原をHBcAgという。
HBeAg
- HIM.1935
- C geneがコード。スタートコドンが箇所有り、precore regionから開始するものは小胞体シグナルを含み、細胞外に分泌される。core regionから翻訳されたものがnucleocapsid particleの組み立てに用いられる。この蛋白はRNAと結合する。ウイルスの増殖性・感染性と関係がある。HBs-Ag陽性キャリアの母親が妊娠・出産して子供にHBVが伝播する確率は、HBeAg陽性で90%、HBe陰性で10-15%。3ヶ月を越えてHBeAg陽性だったら、慢性化した事の証。(HIM.1933)
- HBeAgは、HBsAgと同時かあるいはそのちょっと後に出現する。急性のB型肝炎の場合は、ALTがピークをつけたあたりで検出できなくなる。
初感染時に、末梢血でみられる血清学的変化の順番
- IgM anti-HBc (対応抗原が末梢血に出てこないから検出が容易という訳じゃよ、たぶん) -> anti-HBe ->anti-HBs
HBV抗原の局在
- QB.278
- HBsAg:肝細胞質内
- HBeAg:肝細胞質内
- HBcAg:肝細胞核内? ← ホントかな。末梢血に出ないというだけじゃね?
抗原/抗体の状態
|
HBs抗原
|
抗HBs抗体
|
抗HBc抗体
|
HBe抗原
|
抗HBe抗体
|
RT-PCR
|
未感染者
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
ワクチン接種者
|
-
|
+
|
-
|
-
|
-
|
-
|
既感染者
|
-
|
+
|
+
|
-
|
+
|
-
|
キャリア
|
+
|
-
|
+++
|
+
|
-
|
+
|
-
|
+
|
慢性化
- HBsAgが6ヶ月以上陽性で、IgG anti-HBcが優性となり、anti-HBsは検出できないか検出限界以下となる。このころにHBV DNAは末梢血・肝細胞の核内に存在し、free or episomal form(エピソーム)として存在する。
- 1. replacative stage: HBVの増殖や肝障害が激しい。このstageにおいてHBV DNAは量的, HBeAgは質的なマーカーとなる。
- 2. nonreplacative stage: 年に~10%の割合で起こる。HBeAg陽性からanti-HBeへの血清変換(seroconversion)が起こる。この時期にたいていALTが上昇するが、身体の細胞性免疫がウイルスを排除したと考えられている。このころにはHBV DNAは核内に存在して、宿主のゲノム内にintegrateされている。末梢血にはウイルス粒子ではなく、球状・管状のウイルス粒子がみられる。肝臓の障害もやんでいる傾向にある。時に、HBeAgへの血清変換とHBV DNAの上昇、IgM anti-HBcの出現を伴ってウイルスの再活性化が起こる。IgM anti-HBcはウイルスの再活性化でも起こるから、初感染の指標としては使えないね。患者の病歴が重要。(HIM.1935)
- 血清変換は細胞性免疫が減弱した老人で起こりにくく、若者に多い。
- 3. inactive HBV carrier: nonreplicative stageに入った患者のうち、活動性の肝障害がないヒトを指している。
ウイルスの生活環
- when packaging within viral peoteins is complete, synthesis of the incomplete plus strand stops
侵入&増殖
- ウイルスDNAは核内に移行
- ニックの入った鎖がDNAポリメラーゼに修復され2本鎖環状DNAとなる
遺伝子型
遺伝子型
|
A
|
C
|
地域
|
海外?
|
日本
|
慢性化
|
する
|
しにくい
|
重症度
|
軽い
|
重い
|
IFN効果
|
奏効しやすい
|
奏効しにくい
|
腫瘍
|
|
肝細胞癌発症しやすい
|
潜伏期
- 60-160日
- 約35日でHBV DNAが検出可能
- 約59日でHBs抗原が検出可能
感染経路
- 血液、体液、分泌液(唾液)が粘膜と接触することで引き起こされる
- 垂直感染:母子感染(経産道感染。経胎盤感染しない。母乳感染なし。) ⇔ ときに経胎盤感染するらしい(G10M.168)
G10M.168
疫学
- 世界中に存在する
- 流行地:中国、東南アジア、サハラ砂漠地域、アマゾン川流域、太平洋湾岸地域
症状
急性肝炎
慢性肝炎
合併症
経過
- 感染後、10%がキャリアーとなり慢性化する
急性B型肝炎 (SMB.547)
- 急性B型肝炎→慢性B型肝炎
- 免疫能が正常な人に感染した場合、長い潜伏期の後にA型肝炎様の症状を発症する。2-4ヶ月で治癒する
- 1-2%の確率で劇症肝炎を引き起こす
慢性B型肝炎 (SMB.547)
- HBVキャリア:血中のHBs抗原が6ヶ月以上にわたり陽性である
- 無症候性キャリア:自発症状がない
- キャリアとなるとウイルス量は多いが肝障害がない無症候性キャリアとなる ← 免疫系が誘導されていない。免疫寛容の状態
- 10-30歳で肝炎を発症し、多くの場合、B型肝炎ウイルスを排除する方向に向かっていく(HBe抗体が立ち上がる)が、10%の症例で肝炎が持続する。HBe抗体が立ち上がっても5-10%の症例で変異型HBVにより肝炎が持続する。肝炎が持続すると肝硬変、原発性肝癌を生じる (SMB.547)
検査
治療
治療薬
急性肝炎
慢性肝炎
インターフェロン
- seroconversion(HBe抗原→HBe抗体)しにくいHBe抗原陽性活動性肝炎
- HBV DNA陽性・HBe抗体陽性活動性肝炎
ラミブジン
- 目的:救命
- 絶対適応:重症化、重症化の予想される慢性肝炎、活動性肝硬変、F3/A3の慢性肝炎、発症早期の劇症肝炎
- 相対適応:35歳以上のF2/A2慢性肝炎
- 禁忌 :35歳以下でF1/A1慢性肝炎
- 炎症:A1<A2<A3、線維化の程度F1<F2<F3<F4
ラミブジン耐性株
検査
予防
- HBs抗原の遺伝子を酵母に遺伝子導入して作らせた成分ワクチン
母子感染の予防
- ↓陽性
- 2-a.(HBe陽性)ウイルス量が多い場合の予後 :感染率100%, キャリア化率80-90%
- 0ヶ月:HBIG
- 1ヶ月: →HBs抗原検査
- 2ヶ月:HBIG:B型肝炎ワクチン
- 3ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 4ヶ月:
- 5ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 6ヶ月: →HBs抗原/HBs抗体検査
- 2-b.(HBe陰性)ウイルス量が少ない場合の予後:感染率 10%, キャリア化率まれ
- 0ヶ月:HBIG
- 1ヶ月:
- 2ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 3ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 4ヶ月:
- 5ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 6ヶ月: →HBs抗原/HBs抗体検査
消毒薬
- アルコールでは不十分
- 0.5%次亜塩素酸、2%グルタルアルデヒドを用いる
ステロイド使用
- http://www.kenei-pharm.com/medical/academic-info/icnews/2015/4072/
- http://www.ryumachi-jp.com/info/news110926_gl.pdf#search=%27%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89+B%E5%9E%8B%E8%82%9D%E7%82%8E+%E9%99%A4%E5%A4%96%27
関連疾患
参考
- http://www.bml.co.jp/genome/product_service/invader01.html
[★]
- 英
- mother-to-child transmission MTCT
- 関
- 垂直感染, vertical disease transmission, vertical transmission、周産期感染症
母子感染において重要なウイルス
- RV :風疹ウイルス:先天性風疹症候群
- CMV :サイトメガロウイルス巨細胞封入体症
- HSV :単純ヘルペスウイルス:新生児ヘルペス
- VZV :水痘・帯状疱疹ウイルス:先天性水痘帯状疱疹症候群
- B19V:パルボウイルス:非免疫性胎児水腫
- HPV :ヒトパピローマウイルス:咽頭乳頭症
その他
- HBV :B型肝炎ウイルス感染症
- HCV :C型肝炎ウイルス感染症
- HIV :ヒト免疫不全ウイルス感染
- HTLV:ヒトT細胞白血病ウイルス感染症
TORCHS症候群
- TO:トキソプラズマ
- R :風疹ウイルス
- C :サイトメガロウイルス
- H :ヘルペスウイルス(単純ヘルペス、水痘・帯状疱疹ウイルス)
- S :梅毒
母子感染の経路
- 資料2
1. 胎内感染
- 1. 母体が感染した場合,あるいは持続感染した微生物が再活性化した場合に,母体血を介し胎盤から臍帯を通じ児に感染
- 2. 胎盤に感染した微生物が増殖し児に感染
- 3. 子宮頸部や腟から上行性に羊膜や羊水を介し感染
2. 分娩時感染
- 1. 産道感染:
- 1. 子宮頸部,腟,外陰部などに感染している微生物が分娩時に産道内で児の粘膜などから感染
- 2. 産道内の母体血中の微生物が児の粘膜などから感染
- 2. placental leakage : B 型肝炎ウイルスやHIV の胎内感染率が切迫早産既往群に多いことから推定された.母体血の新生児血中への混入量を胎盤性アルカリフォスファターゼを指標として測定した場合,予定帝切群で0.8ml/kg(新生児体重)、経腟分娩群で1.2ml/kg と有意差があるという報告もある
3. 経母乳感染
- 母乳中の微生物や感染リンパ球が経口的に児に感染。
- サイトメガロウイルスは経母乳感染をするが、成熟児はこの感染により自然免疫を得て,成人してから初感染することは防げる。
- 1,500g 未満の極低出生体重児では経母乳感染により,肝炎などを発症する可能性がある。
母子感染症
- G10M.168
- G10M.182改変
感染時期と胎児影響
- 妊娠初期:早産、先天性胎児奇形:風疹ウイルス、水痘ウイルス、麻疹ウイルス、HHV-6、パルボウイルスB19
- 妊娠中期~末期:新生児ウイルス感染:単純ヘルペスウイルス、水痘ウイルス、サイトメガロウイルス、梅毒トレポネーマ(妊娠13週までは胎児感染しにくい)
資料
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-416.pdf
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5609-535.pdf
[★]
- 英
- group B streptococcal infection GBSI
- 同
- B群溶連菌感染症、GBS感染症 GBS infection、B群溶血性レンサ球菌感染症 infectious diseases due to group B streptococci
- 関
- B群連鎖球菌
病原体
感染経路
症状
予防
- 予防の適応:妊娠33-37週に膣周辺の培養検査を行い、陽性であった場合、あるいは前回の分娩でGBS感染患児が分かっている場合、さらに培養検査の結果が明らかになっていない場合(ガイドライン1)
- 抗菌薬はペニシリンを用いるが、ペニシリンアレルギーがある場合にはクリンダマイシン、さらにこれに抵抗性がある場合にはバンコマイシンを経腟分娩中に経静脈的に投与する。
- 分娩中に投与するのは、分娩前の投与では産道に定着しているGBSを除去できないためである。(経口でなく)静脈投与するのは経胎盤的に胎児に移行させるため母親の血中、そして胎児が嚥下する羊水中、この両方の薬物濃度を迅速に上昇させるために必要とされる。(参考1)
ガイドライン
- http://www.jsog.or.jp/activity/guideline.html
参考
- 1. [charged] 新生児および乳児におけるB群レンサ球菌感染症 - uptodate [1]
[★]
- 英
- fetomaternal infection, maternal infection
- 関
- 産道感染、C型肝炎、垂直感染、B型肝炎
[★]
- 英
- trans-birth canal infection
- 関
- 垂直感染
[★]
- 英
- infection
- 関
- 定着、感染症、不顕性感染、顕性感染。サブクリニカル感染
- 細菌が宿主の体表面、体内や組織内に付着して増殖し、定着している状態。
- 感染の成立には微生物(定着能、増殖能、細胞内進入能、毒素産生能などを総合した病原性)と宿主(排除能、殺菌能などの生体防御機構)の力関係が崩れたときに生じる
[★]
- 英
- birth canal, parturient canal
- ラ
- canalis pelvigenitalis