- 英
- retrovirus
- 関
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- any of a group of viruses that contain two single-strand linear RNA molecules per virion and reverse transcriptase (RNA to DNA); the virus transcribes its RNA into a cDNA provirus that is then incorporated into the host cell
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/09 13:31:13」(JST)
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レトロウイルス科 |
分類(ウイルス) |
群 |
: |
第6群(1本鎖RNA + 鎖逆転写) |
科 |
: |
レトロウイルス科 Retroviridae |
|
下位分類群 |
スプマウイルス亜科 spumavirinae
レンチウイルス亜科 Lentivirinae
オンコウイルス亜科 oncvirinae
オルソレトロウイルス亜科 Orthoretrovirinae
|
レトロウイルス科(retrovirus)とは、RNAウイルス類の中で逆転写酵素を持つ種類の総称。ウイルス核酸は、一本鎖RNAの+鎖である。単にレトロウイルスと呼ばれることも多い。
目次
- 1 特徴
- 2 生活環
- 3 分類
- 3.1 スプマウイルス亜科
- 3.2 レンチウイルス亜科
- 3.3 オンコウイルス亜科
- 3.4 オルソレトロウイルス亜科
- 4 関連
- 5 関連項目
- 6 脚注
特徴
レトロウイルス科のウイルスは直径約100nmの球状の形をしており、脂質のエンベロープに覆われている。ウイルス粒子のコアには逆転写酵素と通常2組の同一なRNAゲノムを持つ。共通の遺伝子としては、プロモーター活性のある2つのLTR(long terminal repeat)と呼ばれる塩基配列の繰り返し領域に挟まれて、gag(構造タンパク質をコード)、pro(プロテアーゼをコード)、pol(逆転写酵素などをコード)、env(エンベロープのタンパク質をコード)を持っている。
生活環
ウイルスのエンベロープが細胞膜の受容体と結合することで、細胞内にRNAと逆転写酵素が侵入する。
その後逆転写酵素が作用し、ウイルスRNAを鋳型にマイナス鎖DNAを合成する。そして合成されたマイナス鎖DNAを鋳型にプラス鎖DNAが合成され、一本鎖RNAが二本鎖DNAに変換される。
その後二本鎖DNAは宿主細胞のDNAに組み込まれ、プロウイルスと呼ばれる状態になる。プロウイルスは恒常的に発現している状態となっており、ウイルスRNAやメッセンジャーRNAが次々と合成されていく。メッセンジャーRNAはウイルス蛋白を合成させ、完成したウイルスは宿主細胞から発芽していく。
このレトロウイルスは近現代において「天然のナノマシン」として、様々な遺伝子治療や遺伝子研究に利用されている。
分類
レトロウイルス科は以下の亜科に分けられる。
スプマウイルス亜科
細胞を培養すると泡状 (spuma) の細胞変性効果が見られることから名づけられたウイルス。病原性は不明。
レンチウイルス亜科
発病までの進行がゆっくり (lente) であることを意味するウイルス。
- ヒト免疫不全ウイルス (HIV: human immunodeficiency virus) -1,2
- サル免疫不全ウイルス (SIV: Simian Immuno-deficiency Virus)
- 猫免疫不全ウイルス (FIV: feline immunodeficiency virus)
- 馬伝染性貧血ウイルス(EIA: Equine infectious anemia virus)
オンコウイルス亜科
腫瘍 (onc) を引き起こすウイルス。
- ヒトTリンパ好性ウイルス (HTLV: human T-lymphocytropic virus) -I,II
オルソレトロウイルス亜科
ガンマレトロウイルス属にはマウス白血病ウイルス、猫白血病ウイルス、細網内皮症ウイルスがある。 XMRV (Xenotropic murine leukemia virus-related virus)は前立腺がん、慢性疲労症候群との関連が示唆されたが、後に人の疾病との関連は否定された[1]。
関連
B型肝炎ウイルス (HBV: hepatitis B virus) はDNA→RNA→DNAと逆転写を経て複製するためレトロイドともよばれ、HIVの治療薬でもある逆転写酵素阻害薬の一部が効果を示す(エンテカビル、アデフォビル、ラミブジンは日本でも保険適応がある)。
関連項目
- アルファレトロウイルス属
- ベータレトロウイルス属
- ガンマレトロウイルス属
- デルタレトロウイルス属
- ビスナウイルス
ウイルスの分類(ボルティモア分類) |
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DNA |
I: 2本鎖DNAウイルス (dsDNA) |
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カウドウイルス目
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マイオウイルス科 - サイフォウイルス科 - ポドウイルス科
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有エンベロープ: ヘルペスウイルス科 - ポックスウイルス科 無エンベロープ: アデノウイルス科 - パピローマウイルス科 - ポリオーマウイルス科
未分類: アスコウイルス科 - アスファウイルス科 - バキュロウイルス科 - コッコリスウイルス科 - コルチコウイルス科 - フセロウイルス科 - グッタウイルス科 - イリドウイルス科 - リポスリクスウイルス科 - ニマウイルス科 - フィコドナウイルス科 - プラズマウイルス科 - ルディウイルス科 - テクティウイルス科
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II: 1本鎖DNAウイルス (ssDNA) |
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有エンベロープ: パルボウイルス科(パルボウイルスB19)
未分類: サーコウイルス科 - ジェミニウイルス科 - イノウイルス科 - ミクロウイルス科 - ナノウイルス科
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RNA |
III: 2本鎖RNAウイルス (dsRNA) |
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レオウイルス科(ロタウイルス) - ビルナウイルス科 - クリソウイルス科 - シストウイルス科 - ハイポウイルス科 - パルティティウイルス科 - トティウイルス科
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IV: 1本鎖RNA+鎖 ((+)ssRNA) |
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ニドウイルス目
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コロナウイルス科 - アルテリウイルス科 - ロニウイルス科
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トガウイルス科(風疹ウイルス) - フラビウイルス科 - ピコルナウイルス科(エンテロウイルス, ライノウイルス) - カリシウイルス科 - アストロウイルス科 - へペウイルス科 - バルナウイルス科 - ブロモウイルス科 - カルシウイルス科 - クロステロウイルス科 - コモウイルス科 - ディシストロウイルス科 - フレキシウイルス科 - レビウイルス科 - ルテオウイルス科 - マルナウイルス科 - ナルナウイルス科 - ノダウイルス科 - ポティウイルス科 - セキウイルス科 - テトラウイルス科 - トンブスウイルス科 - ティモウイルス科
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|
V: 1本鎖RNA-鎖 ((−)ssRNA) |
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モノネガウイルス目
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パラミクソウイルス科 - ラブドウイルス科 - フィロウイルス科 - ボルナウイルス科
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オルトミクソウイルス科 - アレナウイルス科 - ブニヤウイルス科
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逆転写 |
VI: 1本鎖RNA逆転写ウイルス(ssRNA-RT) |
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レトロウイルス科 - メタウイルス科 - シュードウイルス科
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VII: 2本鎖DNA逆転写ウイルス (dsDNA-RT) |
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ヘパドナウイルス科 - カリモウイルス科
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脚注
- ^ http://www.cancerit.jp/3493.html
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 新ガイドラインと最新のHIV治療 (特集 感染症 : 診断と治療の進歩) -- (新興・再興感染症)
- 症例 インターフェロン先行投与後の抗レトロウイルス療法により免疫再構築症候群の発症なくHBs抗原の陰性化か得られたHBV/HIV重複感染の1例
- 光本 富士子,村田 昌之,池崎 裕昭 [他]
- 感染症学雑誌 = The journal of Japanese the Association for Infectious Diseases 86(6), 763-767, 2012-11
- NAID 40019502555
Related Links
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - レトロウイルスの用語解説 - RNA (→リボ核酸 ) を遺伝子とする RNA型ウイルスの仲間で,RNAを鋳型にして DNA (→デオキシリボ核酸 ) を合成する酵素 (逆転写酵素) をもつウイルス群の総称。逆転写 ...
- ウイルスは、私たち人間の生活をたびたび邪魔する悪者です。細胞を持っていないので生物ではないとされることもあります。彼らは人間の体内に侵入しては、細胞に取り付いて自己を複製し、風邪などの病気を引き起こします。
- pMEI-5 DNAは高発現遺伝子導入用レトロウイルスベクターを調製するためのレトロウイルスベクタープラスミドである。 本ベクターは、LTRとパッケージングシグナル(Ψ配列)以外のMoMLV由来遺伝子(gag, pol, envコード配列)を含まず、かつ ...
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- 英
- myocarditis
- 関
概念
- 種々の原因により心筋が局所的・びまん性に炎症性が生じた病態
分類
経過
病理学的
- (特発性)巨細胞性心筋炎:心筋生検あるいは剖検による組織学的検索で、炎症巣に多核巨細胞を認める場合で、なおかつ心臓サルコイドーシスが除外されるもの。好酸球とリンパ球の浸潤が強く、心筋壊死が高度である。
- 好酸球性心筋炎:心筋生検にて好酸球の浸潤・脱顆粒、心筋の破壊、末梢血における好酸球の増加が認められるもの。
類縁疾患
年齢
ガイドラインによる分類
病因分類
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組織分類
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臨床病型分類
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ウイルス
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リンパ球性
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急性
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細菌
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巨細胞性
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劇症型
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真菌
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好酸球性
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慢性(遷延性/不顕性)
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リケッチア
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肉芽腫性
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スピロヘータ
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|
|
原虫,寄生虫
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その他の感染症
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薬物,化学物質
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|
アレルギー,自己免疫
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|
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膠原病,川崎病
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|
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サルコイドーシス
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放射線,熱射病
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|
|
原因不明,特発性
|
|
|
疫学
病因
- 参考1より
YN.C-137
- ウイルス(コクサッキーB、エコーウイルス、ヘルペスウイルス。風疹ウイルス、ムンプスウイルス、インフルエンザウイルスでも生じる)、細菌、心筋、原虫(シャーガス病)。
- 化学物質、放射線、膠原病、特発性
病理
- 実質性心筋炎 parenchymatous myocarditisと間質性心筋炎 interstitial myocarditisの像がみられる。
- 心筋細胞の融解、間質浮腫、円形細胞浸潤、壊死巣形成
病態
- ウイルス性の場合、免疫反応に基づき心筋を障害する。
- 薬剤性の場合は、薬剤による心筋障害
- 心筋の障害 → 伝導障害、不整脈、心不全、ショック
経過
- 急性の場合、かぜ症状や消化器症状に続発。これらの初発症状から数時間から数日で心症状が出現(YN.C-137)。
身体所見
心臓
- (重症の場合)muffled first heart sound, along with a third heart sound (HIM.1486)
- (心不全に至れば)奔馬調律(gallop rhythm) (YN.C-138)
- 心雑音:(重症の場合)a murmur of mitral regurgitation (HIM.1486)
- 心膜摩擦音:心膜炎を伴った場合に聴取
肺
症状
検査
- 心電図、心エコー所見、単純胸部X線写真、及び症状がが短時間に変化していくのはacute myocarditisを示唆(IMD)
- 心電図:(特異的な変化はない)非特異的ST-T変化、QRS低電位、異常Q、ST上昇(心膜炎があれば)、心室内伝導障害、房室ブロック
- 血液検査:心筋障害、炎症を示唆する様な結果
- CK-MB、LDH、AST上昇、CRP陽性、ESR亢進、WBC増加
- ウイルス学的検査:
- 心エコー:壁運動低下、(間質に浮腫が認められれば)壁肥厚、心室腔拡大(心不全)、心嚢液貯留(心膜炎)
- 心筋生検:心臓への炎症細胞の浸潤。
- 好酸球増加性心疾患による心筋炎:急性期に心内膜を中心とした好酸球の浸潤:*自己免疫疾患(劇症型心筋炎、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎など)による心筋炎:多核巨細胞の出現
- 核医学検査:67Ga,99Tc-ピロリン酸の心臓への集積。
診断
鑑別疾患
- 心筋梗塞
- 甲状腺機能低下症、心筋障害を伴うミオパチー
- 膠原病
- (慢性心筋症の鑑別)拡張型心筋症
治療
- ウイルス性心筋炎では根治療法がなく、対症療法にとどまる。
- 不整脈:(完全房室ブロック)体外式一時ペーシング、(頻脈性不整脈)除細動・抗不整脈薬
- 心不全:SGカテーテルで血行動態を見ながら、利尿薬、血管拡張薬、カテコラミンを使用する。
- 重症心不全・ショック:経皮的心肺補助(PCPS)、大動脈内バルーンパンピング(IABP)
- ステロイド、免疫グロブリン:考慮されることがあるがエビデンスなし。
予後
- 急性型は予後良好であるが、劇症型心筋炎、拡張型心筋症にいたる場合もある。
参考
- 1. 急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン - 日本循環器学会
[★]
学会メモ
- 概日時計
- 自律性
- 同調性
- 温度補償性
- 哺乳類の場合、mPer1,2,3とmCry1,2がある。
- 培養細胞レベルでも時計機構を有する
- iPS
- iPSとES細胞との違い
- iPSは拒絶されない組織を作ることができるが、ES細胞は拒絶される。
- 現在のガイドラインは、個体作成は認めないこと、神経細胞を大脳皮質に移植しないこと、らしい
- 遺伝子治療
- ベクター系
- Pott症候群
- リンパ管内皮マーカー
特別講演メモ
要調査 080607
- 血中における白血球の比率が変動する遺伝的疾患とは?
[★]
- 英
- oncovirus、oncogenic virus
- 関
- オンコルナウイルス、腫瘍ウイルス、レトロウイルス、レトロウイルス科、オンコウイルス亜科、RNA腫瘍ウイルス
[★]
- 英
- RNA tumor virus
- 関
- オンコウイルス、オンコルナウイルス、レトロウイルス、レトロウイルス科、オンコウイルス亜科
[★]
- ラ
- Oncovirinae
- 関
- オンコウイルス、オンコルナウイルス、レトロウイルス、レトロウイルス科、RNA腫瘍ウイルス
[★]
- 英
- Retroviridae
特徴 (SMB.483)
- 逆転写酵素を持つ
- エンベロープ有り
- サイズ100nm
- ゲノム100kb
- 一本鎖RNA(+)
逆転写酵素 (SMB.483)
- 逆転写酵素はプラス鎖RNAを鋳型にしてマイナス鎖DNAを合成する。次に(この逆転写酵素が持つ?)RNaseH活性により
[★]
- 英
- retroviral infection、retrovirus infection
- 関
- レトロウイルス感染症
[★]
- 英
- human endogenous retrovirus、HERV
- 関
- 内在性レトロウイルス
[★]
- 英
- deltaretrovirus antigen
[★]
- 英
- virus
- 同
- ウイルス粒子 virus particle、ビリオン virion
- 関
- 微生物学、抗ウイルス薬、国試に出がちなウイルス
感染経路による分類 SMB.374
学名
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
増殖過程
- 吸着 absorption
- 侵入 penetration
- 脱殻 uncoating
- ゲノムの複製 replication、遺伝子発現 transcription
- ウイルス粒子の組み立て assembly
- 放出 release
感染の分類
持続時間
ゲノム
- 一本鎖RNA(-)をゲノムとするウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNA合成酵素を有する。
[★]
- 英
- solder
- 関
- はんだ、鑞着