出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/08/02 18:44:51」(JST)
ヒドロキシプロリン | |
---|---|
IUPAC名 | 4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸 |
別名 | HYP |
分子式 | C5H9NO3 |
分子量 | 131.13 |
CAS登録番号 | [51-35-4] |
SMILES | OC1CNC(C1)C(O)=O |
ヒドロキシプロリン(Hydroxyproline)は天然に存在するアミノ酸の一種である。
ヒドロキシプロリンは、プロリンのγ炭素原子にヒドロキシ基が結合した構造をしている。
また珪藻の細胞壁にありケイ素の堆積に必要な2,3-シス-3,4-トランス-ジヒドロキシプロリンのように、別の形のヒドロキシプロリンも天然に存在する。原生生物である卵菌にもヒドロキシプロリンが見られる。[1]
ヒドロキシプロリンはタンパク質合成後の翻訳後修飾として、プロリルヒドロキシラーゼによってプロリンにヒドロキシル基が導入されることにより生成される。
ヒドロキシプロリンはコラーゲンの主要な成分であり、プロリンとともにコラーゲンの安定性を担っている。[2]これらは、コラーゲンのらせんをきつく巻くことを可能にし、[3]また水素結合を作ることで、コラーゲンの三本鎖らせんを安定化している。コラーゲン以外には滅多に見られないが、哺乳類の持つタンパク質で他に唯一含まれているのはエラスチンである。[4]このため、ヒドロキシプロリンはコラーゲンやゼラチンの量を測定する指標となりうる。
プロリンのヒドロキシル化にはアスコルビン酸(ビタミンC)が必要である。そのためビタミンCが不足するとコラーゲン中のヒドロキシプロリンの割合が少なくなって安定性が低下し、壊血病を引き起こす。
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分類 | 極性 | 電荷 | 名前 | 1 | 3 | 糖原性 | ケトン原性 | 必須アミノ酸 | 分枝アミノ酸 | pK1 α-COOH |
pK2 α-NH2 |
pKR 側鎖 |
側鎖 | |
疎水性アミノ酸 | 無 | 無 | グリシン | G | Gly | 2.35 | 9.78 | ―H | ||||||
無 | 無 | アラニン | A | Ala | 2.35 | 9.87 | ―CH3 | |||||||
無 | 無 | バリン | V | Val | ○ | ○ | 2.29 | 9.74 | ―CH(CH3)2 | |||||
無 | 無 | フェニルアラニン | F | Phe | ○ | ○ | ○3 | 2.2 | 9.31 | ―○C6H5 | ||||
無 | 無 | プロリン | P | Pro | 1.95 | 10.64 | αCとNH2の間に ―CH2CH2CH2- | |||||||
無 | 無 | メチオニン | M | Met | ○2 | 2.13 | 9.28 | ―CH2CH2-S-CH3 | ||||||
無 | 無 | イソロイシン | I | Ile | ○ | ○ | ○ | ○ | 2.32 | 9.76 | ―CH(CH3)CH2CH3 | |||
無 | 無 | ロイシン | L | Leu | ○ | ○ | ○ | 2.33 | 9.74 | ―CH2CH(CH3)2 | ||||
荷電アミノ酸 | 有 | 酸性 | アスパラギン酸 | D | Asp | 1.99 | 9.9 | 3.9 β-COOH |
―CH2COOH | |||||
有 | 酸性 | グルタミン酸 | E | Glu | 2.1 | 9.47 | 4.07 γ-COOH |
―CH2CH2COOH | ||||||
有 | 塩基性 | リシン | K | Lys | ○ | ○ | 2.16 | 9.06 | 10.54 ε-NH2 |
側鎖のCH2は4つ ―-CH2CH2CH2CH2NH2 | ||||
有 | 塩基性 | アルギニン | R | Arg | ○1 | 1.82 | 8.99 | 12.48 グアニジウム基 |
側鎖のCH2は3つ ―CH2CH2CH2-NH-C-(NH2)NH | |||||
極性アミノ酸 | 有 | 無 | セリン | S | Ser | 2.19 | 9.21 | ―CH2OH | ||||||
有 | 無 | スレオニン | T | Thr | ○ | ○ | ○ | 2.09 | 9.1 | ―CH(CH3)OH | ||||
有 | 無 | チロシン | Y | Tyh | ○ | ○ | 2.2 | 9.21 | 10.46 フェノール |
―CH2-φ | ||||
有 | 塩基性 | ヒスチジン | H | His | ○ | 1.8 | 9.33 | 6.04 イミダゾール基 |
―CH2-C3H3N2 | |||||
有 | 無 | システイン | C | Cys | 1.92 | 10.7 | 8.37 -SH基 |
―CH2-SH | ||||||
有 | 無 | アスパラギン | N | Asn | 2.14 | 8.72 | ―CH2-CO-NH2 | |||||||
有 | 無 | グルタミン | Q | Gln | 2.17 | 9.13 | ―CH2-CH2-CO-NH2 | |||||||
無 | 無 | トリプトファン | W | Trp | ○ | ○ | ○ | 2.46 | 9.41 | ―Indol ring | ||||
1 人体で合成できるが、不十分。 | ||||||||||||||
2 Cysが足らなければ、Metから合成することになる。 |
名称 | 基となるアミノ酸 | ||
修飾されたアミノ酸 | シスチン | システイン | システイン2分子が酸化されて生成する。 |
ヒドロキシプロリン | プロリン | ゼラチン、コラーゲンに含まれる。 | |
ヒドロキシリジン | リジン | ||
チロキシン | チロシン | 甲状腺タンパク質に含まれる。 | |
O-ホスホセリン | カゼインなど、多くのリンタンパク質に含まれる。 | ||
デスモシン | |||
蛋白質の構成要素ではない | オルニチン | アルギニン | ミトコンドリア中でカルバモイルリン酸と反応 |
シトルリン | オルニチン、カルバモイルリン酸 | ||
クレアチン | アルギニン、グリシン | ||
γアミノ酪酸 | アルギニン |
準必須 | ア | アルギニン |
必須 | メ | メチオニン |
フ | フェニルアラニン | |
リ | リジン | |
バ | valine | |
ス | スレオニン | |
ト | トリプトファン | |
ロ | ロイシン | |
イ | イソロイシン | |
準必須 | ヒ | ヒスチジン |
近位尿細管 | 70% |
遠位尿細管 | 20% |
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