リシノプリル
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Japanese Journal
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- 旭川厚生病院医誌 19(1), 14-19, 2009-06
- … いずれも,ステロイド外用剤の強さもストロンゲストクラスから,ストロングクラスへ減弱,または,タクロリムス外用剤へ変更できた。 …
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ロンゲス錠5mg
組成
成分・含量(1錠中):
- リシノプリル水和物5.45mg
(無水物として5mgに相当)
添加物:
- D-マンニトール,リン酸水素カルシウム水和物,トウモロコシデンプン,アルファー化デンプン,ステアリン酸マグネシウム
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫,遺伝性血管浮腫,後天性血管浮腫,特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]
デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。(「相互作用」の項参照)]
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69(R))を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシー様症状を発現することがある。(「相互作用」の項参照)]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
高血圧症
下記の状態で,ジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合
慢性心不全(軽症〜中等症)
高血圧症
- 通常,成人にはリシノプリル(無水物)として10〜20mgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では5mgから投与を開始することが望ましい。
慢性心不全(軽症〜中等症)
- 本剤はジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤と併用すること。
通常,成人にはリシノプリル(無水物)として5〜10mgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,腎障害を伴う患者では初回用量として2.5mgから投与を開始することが望ましい。
クレアチニンクリアランスが30mL/分以下,又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では,投与量を半量にするか,若しくは投与間隔を延ばすなど慎重に投与すること。[排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。(「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照)]
慎重投与
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
重篤な腎機能障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
脳血管障害のある患者[過度の血圧低下により病態を悪化させるおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
血管浮腫:呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫(0.1%未満)があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,アドレナリン注射,気道確保等適切な処置を行うこと。
腹痛,嘔気,嘔吐,下痢等を伴う腸管の血管浮腫(頻度不明)があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
急性腎不全(0.1〜5%未満):急性腎不全があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には,減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(0.1%未満):重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。
膵炎(0.1%未満):膵炎があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),天疱瘡様症状(いずれも頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),天疱瘡様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
溶血性貧血(頻度不明),血小板減少(0.1%未満):溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸(頻度不明):AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,ごくまれに肝不全に至った症例が報告されている。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
- 本薬は主としてアンジオテンシン変換酵素を阻害することによりアンジオテンシンIIの生成を抑制し,抗高血圧作用と抗心不全作用を示す。
抗高血圧作用
本態性高血圧症患者において,1日1回2.5〜20mg投与により血圧の日内プロフィール及び変動幅に影響を与えることなく24時間安定した降圧効果が認められた 9)。
高血圧自然発症ラット,腎性高血圧ラット,腎性高血圧イヌにおいて,著明かつ持続的な降圧作用を示した。
脳卒中易発症高血圧自然発症ラットにリシノプリルを8週間経口投与したとき,降圧作用を示すとともに,脳,心臓,腎臓等の高血圧性血管病変の進行を抑制した。
抗心不全作用
ジゴキシン製剤と利尿剤が投与されている慢性心不全患者に,リシノプリル2.5〜10mgを単回投与したとき平均動脈圧,肺動脈楔入圧,全末梢血管抵抗の低下及び心係数の増加を示した 10)。
冠動脈結紮急性心不全ラット,麻酔イヌに十二指腸内投与したとき,催不整脈作用及び抗不整脈作用を示さなかった。
冠動脈結紮慢性心不全ラットで12ヵ月の連続経口投与により,延命効果と共に,左心肥大の抑制を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:
- リシノプリル水和物(JAN)[日局]
Lisinopril Hydrate
化学名:
- (2S)-1-{(2S)-6-Amino-2-[(1S)-1-carboxy-3-phenylpropylamino]hexanoyl}pyrrolidine-2-carboxylic acid dihydrate
分子式:
分子量:
化学構造式:
性状:
- 白色の結晶性の粉末で,わずかに特異なにおいがある。
水にやや溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
融点:
分配係数:
- 0.0004[pH7.4,1-オクタノール/緩衝液]
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 英
- angiotensin-converting enzyme inhibitor angiotensin converting enzyme inhibitor , ACE inhibitor, ACEI
- 同
- アンジオテンシン変換酵素阻害剤 アンギオテンシン変換酵素阻害薬 アンギオテンシン変換酵素阻害剤 アンジオテンシン転換酵素阻害薬、ACE阻害薬 ACE阻害剤 ACE inhibitor、アンギオテンシン変換酵素拮抗薬, アンギオテンシン変換酵素拮抗薬, angiotensin-converting enzyme antagonist
- 関
- アンジオテンシン, アンジオテンシン転換酵素 ACE, 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬 アンジオテンシンII受容体拮抗薬 ARB
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
=粉砕可能性
一般名
|
製品名
|
規格
|
剤形
|
用法
|
粉砕
|
アラセプリル
|
セタプリル
|
12.5,25,50
|
錠
|
1日
|
25-75mg
|
1日
|
1-2回分服
|
|
イミダプリル
|
タナトリル
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5-10mg
|
1日
|
1回
|
○
|
エナラプリル
|
レニベース
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5-10mg
|
1日
|
1回
|
|
カプトプリル
|
カプトリル
|
12.5,25
|
錠,細粒
|
1日
|
37.5~75mg
|
1日
|
3回
|
|
キナプリル
|
コナン
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
5~20mg
|
1日
|
1回
|
|
シラザプリル
|
インヒベース
|
0.25,0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.25~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
テモカプリル
|
エースコール
|
1,2,4
|
錠
|
1日
|
1~4mg
|
1日
|
1回
|
|
デラプリル
|
アデカット
|
7.5,15,30
|
錠
|
1日
|
15~120mg
|
1日
|
1-2回分服
|
|
トランドラプリル
|
オドリック
|
0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.5~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
トランドラプリル
|
プレラン
|
0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.5~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
ベナゼプリル
|
チバセン
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5~10mg
|
1日
|
1回
|
|
ペリンドプリル
|
コバシル
|
2,4
|
錠
|
1日
|
2~8mg
|
1日
|
1回
|
○
|
リシノプリル
|
ロンゲス
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
2.5~20mg
|
1日
|
1回
|
○
|
リシノプリル
|
ゼストリル
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
2.5~20mg
|
1日
|
1回
|
○
|
副作用
- 咳嗽:ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、血漿滲出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 高カリウム血症:間接的に血漿中のレニン濃度が低下するためにナトリウム取り込みとカリウム排泄が低下して高カリウム血症を来す
- 低血圧
- 腎不全
空咳の頻度
禁忌
- 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれ。アンジオテンシンIIによる輸出細動脈の収縮作用がblockされ、両腎共に腎血流が減少しているためにGFRの低下を代償できず腎機能の悪化をきたす。
参考
- http://www.naoru.com/ace.htm
- http://kanri.nkdesk.com/drags/arb.php
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
- 英
- dibasic calcium phosphate、calcium hydrogen phosphate
- 化
- アスラーン、アムロジピン、アムロジピンOD、アリーゼS配合、アリチア配合、エバスチンOD、ガスペラジン、ガスポート、ガスメット、ガスリック、クエチアピン、サニアーゼ配合、スルカイン配合、セルニルトン、ソファルコン、デプロメール、トラベルミン配合、トリプタノール、パロキセチン、ファモチジン、フェニルアラニン除去ミルク配合、フスコデ配合、フルボキサミンマレイン酸塩、プロモーション、ミルナシプラン塩酸塩、リシノプリル、リン酸水素カルシウム水和物、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合、ロンゲス、ロンゲリール、第二リン灰
- 関
- 無水リン酸水素カルシウム
[★]
- 英
- lisinopril
- 商
- アスラーン、ゼストリル、リシトリル、ロコプール、ロンゲス、ロンゲリール