- 82歳の男性。腎盂腎炎の治療のため入院中である。セフェム系抗菌薬を1日3回(毎食後)内服していたが、尿所見の改善がみられたため、昨夜、担当医は看護師に対して、「明朝からの抗菌薬を中止してください」と口頭で指示を行った。担当医は口頭で指示を行ったことを翌朝、出勤してからカルテの経過記録に記載した。ところが朝の配薬を担当する看護師は抗菌薬を患者に渡してしまい、リーダー看護師が口頭指示に気付いたときには、すでに患者は抗菌薬を服用していた。リーダー看護師から連絡を受けて担当医が患者を確認した時点では明らかな副作用は認められなかった。担当医は指示が履行されなかったことを患者に説明し、引き続き副作用の観察について看護師に指示書を渡した。
- 次に行う対応として適切なのはどれか。
- a 病室で看護師を注意する。
- b 口頭指示に関する記録を削除する。
- c 患者の血液を採取し検体を保存する。
- d 院外の事故調査委員会に調査を依頼する。
- e 医療安全管理部門にインシデントを報告する。
[正答]
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[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 76歳の男性。左上下肢が動かなくなったため救急車で搬入された。
- 現病歴:朝起床時に体が何となく重かったので、朝食を摂らず約2時間ベッドで休んでいた。トイレに起き上がろうとしたところ、左手で体を支えられないことに気付いた。左足も動きが悪いため、同居する妻が救急車を要請した。
- 既往歴:60歳から高血圧症で内服治療中。
- 生活歴:喫煙は20本/日を55年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長 160cm、体重 55kg。体温 37.2℃。心拍数 80/分、整。血圧 184/104mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(リザーバー付マスク5L/分酸素投与下)。左上下肢に弛緩性不全麻痺と感覚低下とを認める。構語障害を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 491万、Hb 15.2g/dL、Ht 46%、白血球 6,300、血小板 26万。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、AST 26U/L、ALT 28U/L、尿素窒素 11mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、トリグリセリド 240mg/dL、HDLコレステロール 46mg/dL、LDLコレステロール 100mg/dL。来院時の頭部MRIの拡散強調像(別冊No. 3)を別に示す。
- その後の経過:患者は緊急入院し、薬物治療とともに入院3日目からリハビリテーションが開始された。
- 退院後の生活に向けて、回復経過を評価する上で最も有用なのはどれか。
[正答]
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- 76歳の男性。肺炎のため5日前から入院中である。症状は軽快してきたが、食事摂取が十分ではなく特に主食をほとんど食べていない。そのことを気にした病棟看護師が、担当医に対して「入院してから主食をほとんど食べていないようです。今、5分粥食が出ていますがどうしましょうか」と話しかけた。
- 看護師に対する返答として最も適切なのはどれか。
- a 「私の食事指示が不適切だということでしょうか」
- b 「そうですね、しかしそれは栄養士が検討すべき問題です」
- c 「食べられない原因について、何かあなたの意見はありますか」
- d 「では、うつ病の可能性があるので精神科に診察を依頼します」
- e 「副菜は食べられているので消化管は問題ないということですね」
[正答]
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