出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/12/12 15:11:16」(JST)
食事 |
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習慣食 |
朝食 ブランチ イレブンシス 昼食 アフタヌーン・ティー 夕食 夜食 |
要素 |
アミューズブーシュ オードブル チーズ カクテル デザート 飲料 アントレ アントルメ 果実 主菜 ナッツ サラダ 副食 |
関連項目 |
宴会 食べ放題 料理 摂食 テーブルマナー 食品 間食 |
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夕食(ゆうしょく)とは、夕刻や晩に食べる食事のこと。
夕餉(ゆうげ)、晩御飯(ばんごはん)、晩餐(ばんさん)とも。
夕食というのは、夕刻に食べる食事のこと、あるいは晩に食べる食事のことである。
一般に夕食は、就寝前2~5時間程度の余裕を持って食べる傾向が見られ、これがいわゆる日没の時間帯=夕方に成るために夕飯といわれる。日没後の夜間に食べる食事は「晩飯」と呼ばれるが、夜間の活動時間が長くなった現代では、晩飯を「夕食」と呼ぶことも多い。
夕食というものの位置づけは、文化圏ごとに異なっている。
朝食や昼食を食事の中心におく食文化では、夕食は一般に軽い食事となる傾向がある。
反対に、昼食を軽いもので済ます食文化では、夕食でたっぷりとした量の食事を摂る。英米圏(アングロサクソン系)の一般的な夕食がこれにあたる。
照明の発達などで夜間に長く活動するようになった地域でも夕食が重視される傾向が強い。
なお、夜間・特に深夜帯に摂る食事は夜食と呼ばれる。夜食は通常、夕食とは別に摂取されるものであり、夕食とは区別される。
日本は、夕食を昼食と並んで重視する食文化の一つに属している。夕食は、一日で最も質・量ともに充実した食事になることが多い。また、夕食は一日の食事の中では最も時間的なゆとりがある食事である。
ただし、禅宗の食文化では昼食を主とすることで夕食を質素に済ませている。
平安時代の天皇は夕食を申の刻に食した(『寛平御遺誡』)が、江戸時代となると酉の刻暮六ツ(6時頃)に食すようになる[1]。一方、近世の征夷大将軍は申の刻夕七ツ半(5時頃)に食し、時に大奥で食べることもあった[2]。
伝統的には、日本では家庭で夕食を摂るのが一般的であった。
明治・大正・昭和期には、女性が家族のことを想いながら夕食の献立を考え、午後などに八百屋・魚屋・肉屋などに食材を買いに出かけ、夕刻に台所で調理を開始し、夫が帰宅し家族全員揃ってひとつの食卓で、家族水入らずで交流を深めながら食事を摂ることが一般的であり、外で夕食を食べることは基本的にしなかった。
一般的に食べられていたものは、主食の米、味噌汁、おかず(焼き魚や煮魚、野菜料理、まれに肉料理)、漬物などの副菜などであった。
当時の日本では、あくまで各家庭で女性(妻、主婦)が生の食材から調理、味付けしたものを家族で食べていたのであった(調理済みの惣菜の販売というものは皆無であった)。昭和中期までは、味噌汁のだしは、各家庭においてかつおぶしを削り、(昆布なども入れることで)作っていた。例えば野菜の煮物(煮付け)をつくる時は、まずは野菜の皮を包丁でむき、形を決めて切り、鍋で煮た。「さしすせそ」の順という指針はあるものの、女性が自分の舌の感覚で、醤油、塩、みりん、砂糖、酢などの調味料の量を判断し味をととのえた。洋風のコロッケなどを作る時も、自力でジャガイモをふかして、女性の判断でそこに混ぜるものを決め、それにパン粉と卵をつけて油で揚げていた。形や大きさもあげ方も、作る女性ごとに異なっていた。
よって、家庭ごとに、さらに言えば料理をつくる女性ごとに料理の味の傾向というのは異なっていて、子供は母親の独特の味つけに親しむことでそれを美味しいと感じるようになり、大人になっても「おふくろの味」を懐かしんだのであった。
現代日本の夕食に眼を向けると、現代でも家族で共に夕食を摂ることが、家庭の一つの理想の形と認識されている(→一家団欒)。しかし、昭和期以降になって、一次産業の従事者や自営業者が減って、かわりに企業勤務のサラリーマンという仕事の形態で仕事をする男性の割合が増え、やがて残業が常態化し残業のせいで深夜まで帰宅できない人の割合が増えたことや、子供も学校以外の活動(塾や習い事など)から帰宅する時刻が遅くなる傾向にあることによって、平日は家族全員が揃って夕食を食べることが困難なことも多く、家族の各人がそれぞれのタイミングでバラバラに夕食を摂る家庭が増えている(個食も参照)。従来の夕食という一家団らんの場が失われることが、近年の社会問題(青少年の非行や道徳の衰退)の原因になっていると指摘している人もいる。なお、平日の夕食は家族揃って食べることが実際上困難な分、せめて土曜や日曜の夕食は家族揃って食べようとする家庭もある。
成人は、食事中、ご飯(米)を食べる替わりに晩酌を行うことがある。これは酒と飯を同時に食べないという日本人の食習慣に由来する。この場合晩酌が終わってから、残りのオカズや茶漬けなどで、ご飯を食する事が多い。
昭和の後半、あるいはバブル崩壊後などに、女性のなかで外で仕事を本格的にする人の割合も増えると、こうした女性は自分の手で料理をする手間を避ける傾向があり、結果として、夕食を家庭ではなく外の飲食店で食べることになる人の数が増えた。外で摂る食事をすることは外食と呼ばれる。
ファミリーレストランは、家庭の夕食スタイルを飲食店に持ち込んだもので、1970年のすかいらーくを嚆矢として、日本全国に広まった。外食の提供元は、レストラン形式以外にも、居酒屋や焼肉屋など多様な形態があり、2000年度には27兆円規模になっている。
日本では、1990年以降のバブル景気崩壊以降の不景気によって、出費がかさむ外食は避け、出来上がった惣菜を買って帰って家庭で食べる食事スタイルを採る人々が増えた。こうしたスタイルはもともとほとんど行われておらず、呼ぶための呼称も存在しなかったので、中食(なかしょく)という表現が造語された。[3]
英語圏では、夕刻や晩にとる食事の位置づけはいくつかある。 dinnerと呼ばれているものは、夕や晩に摂る、主たる食事のことである。ディナーは、洗練された、響宴のような食事でもある。
英語のdinnerという語は、フランス語のdîner に由来する。dîner は更に古フランス語のdisner に由来する。
dinnerという名の食事で摂られているものは、通常調理した[注 1]タンパク質(肉、魚、豆類)と野菜、デンプン製品(パスタ、ジャガイモ、コメ)などである。
ただし、英国でもハイティーという食習慣では、午後の日没前(概ね午後4時ごろ)に軽食を摂り、特に児童などはそのまま日没以降暫らくして就寝するまでの間、これと云って食べ物を口にしない。
イギリスでは、「dinner」は伝統的に1日の主要な食事を意味している。19世紀中頃以前の農耕社会では、「dinner」は昼間に食べられていた。その後の夕方の残り物の軽食は、上流階級の家庭により「tea」と呼ばれていた。中流および上流階級の男性の多くが都会の会社で働き、郊外で暮らす家族を養うようになり(以前は弁護士、医師、農家、商人は、自宅で働いていた)、多くの食事のために昼間に家に戻ることは不便となった。1860年頃まで、多くの上流および中流階級家族は食事時間を切り替えた。家の女主人は「ランチョン」と呼ばれる軽い昼間の食事をとり、午後早く「ティー」と呼ばれる軽食が続く(また、子供が就寝する前の食事も続く)。その後、主人が仕事から帰宅したとき多くの「ディナー」の食事を、しばしば客を招待して、食べるようになった。多くのフォーマルな夕方の食事は、例外なく「ディナー」と呼ばれた。(従って、「イブニング・ドレス(正装)」を「ディナー・ジャケット(タキシード)」と呼ぶ。)農家と労働者階級の人々は家の近くで働いていたため、食事の時間は急激に変化しなかった。彼らは主要な食事を昼間に食べ続け、「ディナー」に続いて夕方の軽い食事「ティー」を摂る。階級によるこれらの慣習の相違のため、「ディナー」は上流階級が使う場合は夕方の食事を意味し、労働者階級が使う場合は昼間の食事を意味した。労働者階級にとっての夕方の食事は「ティー」である。現在でもイギリスの階級制度(上流階級英語と非上流階級英語)のなごりが、夕方の食事に使用する言葉に残っており。先祖が上流階級の場合、「ディナー」とも「ティー」とも言わず、区別せずに「サパー」と呼ぶ。「サパー」は伝統的に、集会の後の夜遅くの食事を意味していた。夜半すぎまで続く舞踏会やパーティーの後にたいてい「サパー」がある。北部の人々は、ココアやホット・チョコレートのような暖かい、牛乳入りの飲み物とビスケットを「サパー」と呼び、就寝直前に食べる。
イギリスでは学校給食を「school dinner(スクール・ディナー)」と呼ぶ。これは当初の学校給食が労働者階級の子に主要な食事を提供していたことを反映している。また、学生食堂で働く女性は、イギリスでは「dinner lady(ディナー・レディー)」と呼ばれる。(しかし、家庭から持っていく弁当の場合、「packed lunch(パックド・ランチ)」と呼ばれる。)
昼の食事を「ランチ」と呼ぶことで曖昧さが回避できる。
「ディナー」のより正式な定義は、複数のコースを持つ夕方の食事である。コースは通常3つで、7つの場合もある。1980年代にティファニーが作った銀食器は、1人あたり13種類あり、複数コースの食事を摂るために全てが必要となる。[要出典]
コースは以下の通りである。
この後通例、ロイヤル・トースト(乾杯)に続きコーヒーまたはブランデーと葉巻が供される。
フランス語でentrée は、「入り口」、「入場」を意味する。L'entrée(単数形)またはles entrées(複数形)は前菜を意味する。イギリスでentrée は、同じ意味で使われるが、starters がより一般的に使われる。オーストラリアではentrée が一般的に使われる。、北アメリカでもまた、当初は、より早いコースのひとつであったが、現在はメインコースとして使われる。オックスフォード英語辞典にはメインコースと記載されるが、魚料理とメイン料理の間に出される簡易な料理という、イギリス英語の意味が加わる。
ディナーの後、通常紅茶またはコーヒーとミント・チョコレートや他の菓子、またはブランデーや食後酒が続く。ディナーが多くのコースからなる場合、2〜3コースの場合に比べて各料理は少量となり長時間となる傾向がある。複数コースのディナーは、晩餐会や響宴などのフォーマルなイベントで出される。
フォーマルなディナーは、通常夕方の7時半から8時半の間に開始される(しかしながら、ニュージーランドでは通常6時である)。昼またはその直後の場合もあるが、これは他の国よりも、スコットランドで典型的である。スペインおよびポルトガルでは、日中の食事が1日の主要な食事である。したがって、夕方の食事は一般に夜8時以降の遅くに開始する。多くの場合、夕方の食事はスペイン語のcena から英語のdinner に翻訳される。comida またはalmuezo は、それが1日の主要な食事であっても、lunchと翻訳される。
アメリカ合衆国の南部や中西部の田舎、アトランティック・カナダ、サスカチュワン州の一部、ケベック州のような地域では、夕方の食事を「サパー」とび、「ディナー」は昼の食事を意味する。昼の食事はアメリカ合衆国とカナダのほとんどで「ランチ」と呼ばれる。オーストラリア、アメリカ合衆国北部およびカナダでは、ディナーは午後7時頃の夕方の食事である。伝統的に、アメリカ合衆国では一日の3度の食事は朝食(Breakfast )、昼食(Lunch )、夕食(Dinner )であり、ディナー(Dinner )は一日の主要な食事と同義である。地方では主要な食事が昼食(Lunch )である場合があり(重要な人物との昼食を摂りながらの会談を「パワーランチ」と呼ぶ)、都会ではサパー(Supper )である。
アメリカ合衆国の食事は時系列で、朝食(Breakfast )、ブランチ(Brunch )、昼食(Lunch )、夕食(Dinner )、サパー(Supper )であるが、1日に5度の食事をすることはない。
オーストラリアとニュージーランドでは、「ティー」と「ディナー」は同義である。
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