- 英
- secretory otitis media SOM, serous otitis media, otitis media with effusion OME
- ラ
- otitis media catarrhalis
- 同
- 中耳カタル カタル性中耳炎
- 関
- 中耳炎。中耳滲出液
[show details]
病因
- SOTO.126
中耳の炎症
- 急性化膿性中耳炎の不適切な治療(抗菌薬を治療途中で中断する)
- 上気道感染の先行:H. influenzae, S. pneumoniae, S. aureus, M. catarrhalis
- 小児の滲出性中耳炎の約80に副鼻腔炎の合併が見られる。
耳管の機能不全
- アデノイド:(1)炎症の病巣、(2)後鼻漏の停滞 → 耳管感染 → 耳管のkの右不全
- 鼻アレルギー → 耳管機能の障害
症候
- 耳痛なし (103G011)
検査
鼓膜所見
- SOTO.127
- 光沢が無く、ツチ骨柄後上部のきわめて軽い発赤、放射状血管怒張。
- 内陥は必ずしも見られない
- 貯留液臥床液性の場合は貯留腺を見ることがある。
- 気泡と貯留線が見える?
- ティンパノグラム:B型(平坦),C型(陰圧), あるいはAs型(低コンプライアンス)
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/25 06:17:15」(JST)
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滲出性中耳炎 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
H65.0 (急性・亜急性)
H65.2 (慢性) |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん、英語: serous otitis media, SOM、あるいはotitis media with effusion, OME。かつては中耳カタル(英: otitis media catarrhalisとも))は、中耳炎の一つ。中耳腔に滲出液の貯留を認める一方、耳痛や発熱などの急性炎症症状を欠くことを特徴とする。
疫学・病態
年齢別発症率は小児(乳幼児から小学校低学年)と高齢者の二峰性の分布を示し、特に就学児童の難聴の原因としては最多であるが、軽度難聴以外の症状がないことから見逃されやすい[1]。10歳までに9割以上が治癒することから、治療が不必要な場合も多い。ときに遷延化するが、この場合も学童期においては急激に治癒する。しかし稀に改善を認めず、真珠腫性中耳炎などの後遺症を来たす例もある[2]。
本症は、何らかの理由により耳管の通気が障害された結果、中耳腔内が陰圧化することを病態の本質とする。この結果、周囲から組織液が滲出して中耳腔内に貯留するとともに、伝音性難聴を来たす。耳管の通気障害の原因としては、小児の場合は急性中耳炎や上気道炎、口蓋・咽頭扁桃の肥大や副鼻腔炎が、成人の場合は上咽頭の悪性腫瘍がある。また口唇口蓋裂、ダウン症候群、未熟児等にも続発しうる[1]。
診断・治療
中耳腔内の陰圧化により鼓膜が内陥することから、この所見により診断は比較的容易である。純音聴力検査では伝音難聴の所見を呈し、インピーダンス・オージオメトリではB型ないしC型のティンパノグラムを示す[1]。
基本的には保存的治療が主となる。中耳腔内の陰圧化を解除するため耳管通気が試みられ、また原疾患である感染症やアレルギーに対する薬物療法が行なわれる。ただしこれらの治療を行なっても遷延化する場合があり、この場合は鼓膜切開や鼓膜チューブの留置などの外科的治療が行なわれうる[2]。
参考文献
- ^ a b c 鈴鹿有子 「滲出性中耳炎」『今日の治療指針 2010年版』 医学書院、2010年。ISBN 978-4-260-00900-3。
- ^ a b 飯野ゆき子 「滲出性中耳炎」『今日の小児治療指針 第14版』 医学書院、2006年。ISBN 978-4-260-00090-1。
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Japanese Journal
- 耳鼻咽喉科疾患の病態と治療--アデノイド増殖症・扁桃肥大・滲出性中耳炎 (特集 短期入院や日帰りで手術を受ける小児の看護) -- (基礎知識)
- 鈴木 雪恵,佐場野 優一,山田 奈保子,馬場 陽子,松井 隆道,鈴木 輝久,小川 洋,大森 孝一
- 音声言語医学 52(2), 158-164, 2011-04-20
- … 聴覚障害のうち3例は滲出性中耳炎を認め, 滲出性中耳炎の加療にて, 言語発達・構音障害が改善した. …
- NAID 10028169979
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- □はじめに. 今回はお子さまに多くなってきている滲出性中耳炎についてお話しします。 滲出性中耳炎とは、鼓膜よりさらに奥にある骨で囲まれた中耳腔という空間に、液体が たまっている中耳炎のことを言います。通常中耳炎と言えば、激しい痛みと熱を伴うこと が ...
- 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん、英語: serous otitis media, SOM、あるいは otitis media with effusion, OME。かつては中耳カタル(英: otitis media catarrhalisとも ))は、中耳炎の一つ。中耳腔に滲出液の貯留を認める一方、耳痛や発熱などの急性 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 57歳の女性。半年前から続く左難聴と左耳閉感とを主訴に来院した。発症初期に38 ℃前後の発熱が続き3kgの体重減少があった。1か月前に自宅近くの診療所で抗菌薬投与と左鼓膜穿刺とを施行されるも症状は変わらなかった。拍動性の耳鳴はない。血液所見:赤血球 410万、Hb 11.8g/dL、Ht 35%、白血球 10,800(桿状核好中球 2%、分葉核好中球 70%、好酸球 3%、好塩基球 1%、単球 4%、リンパ球 20%)、血小板 27万。血液生化学所見:尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.5mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 106mEq/L。免疫血清学所見:CRP 4.5mg/dL、MPO-ANCA 陰性、PR3-ANCA 陽性であった。胸部エックス線写真で異常を認めない。左鼓膜写真(別冊No. 15A)と左側頭骨CTの水平断像(別冊No. 15B)とを別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A044]←[国試_110]→[110A046]
[★]
- 30歳の男性。右難聴を主訴に来院した。1年前、バイクで走行中に転倒し、頭部右側を打撲した。転倒直後に右耳から出血し、難聴を自覚したが放置していた。1年経っても難聴が改善しない。鼓膜所見に異常はない。純音聴力検査の結果を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A011]←[国試_101]→[101A013]
[★]
- 5歳の女児。耳が聴こえにくいことを心配した母親に伴われて来院した。3か月前に感冒に罹患した。数週前からテレビの音を大きくし、呼びかけに応答しないことがしばしばあった。鼓膜写真(別冊No.8)を別に示す。
- この患者のインピーダンスオージオメトリの型はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G047]←[国試_105]→[105G049]
[★]
- 42歳の女性。難聴を主訴えに来院した。以前から軽度の難聴を自覚していたが、4、5年前から増悪し、耳鳴りも出現するようになった。耳疾患の既往はない。鼻腔、咽喉頭および鼓膜に異常を認めない。オージオグラムを以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A041]←[国試_102]→[102A043]
[★]
- 6歳の男児。小学校入学時の検査で左の難聴を指摘され来院した。耳痛と耳漏とはない。家族歴と既往歴とに特記すべきことはない。オージオグラムは平均約50dBの伝音難聴である。鼓膜の写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G010]←[国試_101]→[101G012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I048]←[国試_107]→[107I050]
[★]
- 3歳の男児。急性中耳炎に罹患後、聞き返しが多くなった。インピーダンスオージオメトリによる検査結果を以下に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095C034]←[国試_095]→[095C036]
[★]
- 右鼓膜写真(別冊No. 1①~⑤)と疾患の組合せで正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I006]←[国試_111]→[111I008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E014]←[国試_099]→[099E016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H011]←[国試_098]→[098H013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B016]←[国試_100]→[100B018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103G010]←[国試_103]→[103G012]
[★]
- 英
- tympanometry
- 関
- インピーダンスオージオメトリー
[show details]
SOTO.76
型
|
空気圧-コンプライアンス関係
|
疾患
|
A型
|
AD型
|
ピークが高い
|
萎縮した鼓膜、耳小骨連鎖離断
|
AS型
|
ピークが低い
|
耳小骨連鎖固着、耳硬化症
|
B型
|
平坦
|
鼓膜の癒着、滲出性中耳炎(鼓室内に液体が充満)
|
C型
|
ピークが陰圧側
|
耳管狭窄症、滲出性中耳炎:鼓室内が陰圧
|
- a:A型、b:Ad型、c:鼓室の陽圧を示唆するが、検査の過程で一過性にみられるとか、d:C型、e:B型
国試
[★]
- 英
- tympanogram
ティンパのグラムの型 SOTO.76改変
A型
|
|
正常
|
|
AD型
|
鼓膜の可動性が上昇
|
耳小骨連鎖離断
|
AS型
|
鼓膜の可動性が低下
|
耳硬化症、耳小骨連鎖固着
|
B型
|
皮膜の可動性が高度に低下した状態
|
鼓膜癒着、(重度の)滲出性中耳炎
|
C型
|
中耳が陰圧である
|
耳管狭窄症、滲出性中耳炎
|
[★]
滲出性中耳炎、中耳滲出液
- 関
- otitis media with effusion、secretory otitis media、serous otitis media
[★]
- 英
- myringostomy tube, tympanostomy tube
- 同
- 換気チューブ ventilation tube
- 関
- 滲出性中耳炎
[★]
滲出性中耳炎
- 関
- middle ear effusion、otitis media with effusion、serous otitis media
[★]
- ラ
- otitis media, OM
中耳炎
- 滲出性中耳炎:耳管の閉塞と中耳炎が原因。
- 急性中耳炎(急性化膿性中耳炎)
- 慢性中耳炎(慢性化膿性中耳炎):急性中耳炎発症後3ヶ月を経過しても耳漏が持続する病態。難聴、鼓膜穿孔、耳漏が3大症状。
[★]
- 英
- exudate, exudation
- 関
- 漏出、滲出液
- 血管内皮の間隙を通って、組織に血漿タンパク質が出ること
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- middle ear (KH)
- ラ
- auris media
- 関
- 外耳、内耳
[★]
- 英
- exudative
- 関
- 浸出性