IgA血管炎
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ヘノッホ・シェーンライン紫斑病 |
分類及び外部参照情報 |
Typical purpura on lower legs and buttocks
|
ICD-10 |
D69.0
(ILDS D69.010) |
ICD-9 |
287.0 |
DiseasesDB |
5705 |
MedlinePlus |
000425 |
eMedicine |
derm/177 emerg/767 emerg/845 ped/3020 |
MeSH |
D011695 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(ヘノッホ・シェーンラインしはんびょう)とは、全身性の小血管炎を主徴とする疾患である[1]。小児に頻繁に発症する[1]。
目次
- 1 概要
- 2 原因
- 3 治療
- 4 脚注
- 5 関連項目
概要
ヘノッホ・シェーンラインの重症例。手と足に紫斑ができている
全身性の小血管炎を主徴とし、紫斑、関節炎、糸球体腎炎などの症状を呈する[1][2][3]。小児(4~7才)に多発し、秋~冬に多い。
原因
皮膚やその他の部位の小動脈へのIgAを含有する免疫複合体の沈着と、その結果生じる補体の活性化によりおこる[1][3]。抗原として考えられているのはウイルス、昆虫咬傷、薬物などである[1]。
治療
主に対症療法である。症状が激しい場合はステロイドを使用する[1]。
脚注
- ^ a b c d e f メルクマニュアル 第18版 日本語版 ISBN 978-4822203986
- ^ 南山堂医学大辞典 第12版 ISBN 978-4525010294
- ^ a b Stedman's Medical Dictionary 28th ISBN 978-0781733908
関連項目
- アレルギー性紫斑病
- 急速進行性糸球体腎炎
- 医療大麻
|
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Japanese Journal
- 肺癌術後膿胸に合併したHenoch-Schönlein紫斑病
- 吉屋 智晴,河野 匡,藤森 賢,文 敏景,一瀬 淳二
- 日本呼吸器外科学会雑誌 25(6), 643-648, 2011
- 症例は50代男性.左下葉の進行癌に対し後側方切開左下葉切除・舌区合併切除およびリンパ節郭清術が施行された.術後繰り返す肺炎に伴う膿胸のため再度入院となり,ドレーン挿入後胸腔洗浄等行うも十分なコントロールが得られず,術後化学療法早期導入の必要もあり,開窓術を施行する方針となった.しかし手術予定の数日前に,激しい下腹部痛とわずかに鮮血の混ざった頻回少量の水様便が出現し,原因精査のため手術は延期となった …
- NAID 130001292619
- Erlotinib 投与後に発症したヘノッホ・シェーンライン紫斑病の1例
- 弓場 達也,永田 一洋,塩津 伸介,岡野 晃,初瀬 真弓,村頭 智,森原 潔,島崎 千尋
- 日本呼吸器学会雑誌 = The journal of the Japanese Respiratory Society 48(1), 81-85, 2010-01-10
- NAID 10027677007
- Erlotinib 投与後に発症したヘノッホ・シェーンライン紫斑病の1例
- ヘノッホ・シェーンライン紫斑病に対する耳鼻咽喉科治療
Related Links
- ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(ヘノッホ・シェーンラインしはんびょう)とは、全身性の小 血管炎を主徴とする疾患である。小児に頻繁に発症する。 目次. 1 概要; 2 原因; 3 治療; 4 脚注; 5 関連項目. 概要 [編集]. 足にできた紫斑. ヘノッホ・シェーンラインの重症例。
- ヘノッホ・シェーンライン紫斑病. どんな病気ですか? ヘノッホ・シェーンライン紫斑病( Henoch-Schoenlein Purpura; HSP)は、小さな血管に炎症が起こる病気で、日本では アレルギー性紫斑病とも呼ばれます。この炎症は血管炎と呼ばれ、よく皮膚や腸管、 ...
- アレルギー性紫斑病または過敏症様紫斑病). ヘノッホ-シェーンライン紫斑病は,小児に 最も頻繁に発症する,主として小血管を侵す脈管炎である。よくある症状には,触知可能 な紫斑,関節痛,胃腸の症状および徴候,糸球体腎炎がある。診断は臨床的に行う。
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★リンクテーブル★
[★]
- 27歳の男性。腹痛と発疹とを主訴に来院した。3日前から腹痛と両下肢の赤い発疹とを生じた。両下腿から足背に浸潤を触れ、硝子圧試験で消退しない発疹が多発している。皮膚の病理組織学的検索で真皮上層に血管周囲性の炎症性細胞浸潤を認める。同時に蛍光抗体直接法を施行したところ免疫グロブリンの沈着を認める。下腿の写真(別冊No.12A)と皮膚生検組織の蛍光抗体直接法の写真(別冊No.12B)とを別に示す。
- 沈着している免疫グロブリンはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I054]←[国試_105]→[105I056]
[★]
- 英
- examination、test、testing、assessment、trial、exam、examine
- 関
- アセスメント、計測、検査、検定、試み、査定、試行、調べる、診断、治験、調査、テスト、判定、評価、検討、影響評価、実験デザイン、研究デザイン、データ品質、対応群、スコアリング法
循環器
肝臓異物排泄能
カルシウム
ビタミン
血液
- ショ糖溶血試験:(方法)等張ショ糖液に血液を加える。(検査)溶血の存在。低イオン強度では補体の赤血球に対する結合性が増し、発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては溶血をきたす。スクリーニング検査として用いられ、確定診断のためにはハム試験を行う。
- ハム試験 Ham試験:(方法)洗浄赤血球に塩酸を加え、弱酸性(pH6.5-7.0)条件にする。(検査)溶血の存在。発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては弱酸性条件で補体に対する感受性が亢進するため
産婦人科
内分泌
視床下部-下垂体-糖質コルチコイド
高血圧
- 立位フロセミド負荷試験:(投与)フロセミド、(検査)血漿レニン濃度:フロセミドでhypovolemicとし歩行負荷で交感神経を興奮させレニンの分泌を促す。原発性アルドステロン症の場合、レニン高値のまま無反応。
膵臓
膵外分泌機能
腎臓
ガストリノーマ
感染症
[★]
- 英
- idiopathic thrombocytopenic purpura, ITP
- 同
- ヴェルルホフ紫斑病 Werlhof purpura、(immune thrombocytopenic purpura← これは上位の疾患概念?)
- 関
- 血小板減少
概念
- 血小板に対する自己抗体によって血小板数が減少し、出血傾向をきたす自己免疫疾患
- 他の自己免疫性疾患による血小板減少は除外(除外診断)。
- 他の自己免疫性疾患との合併も多く、自己免疫性溶血性貧血・SLE・橋本病などが合併しうる。
疫学
- 小児に多い。1-3週前にウイルス感染症に罹患した後に発症。6ヶ月以内に治癒。
- 成人(10歳以上。20-40歳)女性に多い。緩慢に発症。軽快と増悪を繰り返す。
病因
- 血小板に対する自己抗体の出現による。
- 凝集に関与する糖蛋白GpIIb\GpIIIaに対する自己抗体が出現することで、自己の血小板に対する免疫反応が惹起され、血小板の破壊亢進が起こる。さらに原因は不明ではあるが粘着に関与する糖蛋白GpIb/GpIXに対する自己抗体も出現してくる。
症候
- 出血症状:皮膚の紫斑(点状出血・斑状出血)・鼻出血・歯肉出血・性器出血(月経多過)
- 関節内出血や深部出血は稀。
身体所見
- 急性特発性血小板減少性紫斑病:軽度の発熱、脾臓の軽度腫大?(10%の子供の患者にみられるが、正常な群でも同程度みられる。また、脾摘を受けた患者では脾臓の重さは正常であった。(WCH.1537) → つまり脾腫は一般的な症状とは言えない)
検査
血液
- 血小板数 10万 /μl 以下。赤血球数・白血球数は正常
骨髄検査
- 正形成。巨核球数は正常or増加
- 血小板付着を欠く巨核球が多い。
- [show details]
巨核球が若干多いかもしれないがよく分からない
免疫血清学的検査
- 血小板結合性IgG(PAIgG):高値 ←特異度低(SLE、肝硬変などでも↑)
- GPIIb・GPIIIa・GPIb・GPIXに対する自己抗体:特異度は高いが、感度が低い。民間病院レベルでは施行できない。
診断
成人の慢性ITPの診断基準
- 厚生労働省特定疾患特発性造血障害研究班(2004試案)
- 1.血小板減少(10万/ul以下)
- 2.末梢血塗沫標本は正常
- 3.以下の検査のうち3項目以上を満たすこと
- (1)貧血がない
- (2)白血球減少がない
- (3)末梢血液中の抗GPIIb/GPIIIa抗体産生B細胞の増加
- (4)血小板関連抗GPIIb/GPIIIa抗体の増加
- (5)網状血小板比率の増加
- (6)血漿トロンボポエチン軽度上昇にとどまる(<300pg/ml)
- 4.他の免疫性血小板減少を除外できる(SLE, リンパ増殖性疾患, HIV感染症, 肝硬変, 薬剤性)。
鑑別診断
治療
modality
- ステロイド
- 免疫グロブリン
- ヘリコバクター・ピロリの除菌:日本ではHP感染症との関連が統計的に明らかとなっており、ステロイドに先んじてHP除菌が試みられる。
- 脾摘:ステロイドが奏効しない場合にはやむなく脾臓摘出が検討される。小児の場合は急性例であることが多く、かつ免疫機構の一部として重要な臓器であるため、発症6ヶ月以内では脾摘は見合わせる。
- 血小板輸血は、輸血後破壊されてしまうために、緊急時以外は適応ではない。
治療の選択
- 出典不明
- 血小板数3万/ul以上:経過観察
- 血小板数1万-3万/ul以上 or 重篤な粘膜出血:経口ステロイド
- 血小板数1万以下-3万/ul以上:免疫グロブリン
参考
- 1. 妊娠により重症化した難治性特発性血小板減少性紫斑病に対して摘脾が有効であった1例
- http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/ITP.pdf
- 2. 難病情報センター | 特発性血小板減少性紫斑病(公費対象)
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/303
uptodate
- 1. [charged] 成人における免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 成人における免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病の治療および診断 - uptodate [2]
- 3. [charged] 成人における慢性難治性免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病 - uptodate [3]
- 4. [charged] 小児における免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病の臨床症状および診断 - uptodate [4]
- 5. [charged] 小児における免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病の治療および予後 - uptodate [5]
国試
[★]
- 英
- IgA vasculitis IgAV
- 同
- アナフィラクトイド紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病 Henoch-Schönlein purpura, Henoch-Schonlein purpura, HSP, Schonlein-Henoch purpura, Schonlein-Henoch purpura
- ヘノッホ・シェンライン紫斑病、Henoch-Schonlein紫斑病、Henoch-Schonlein紫斑、シェンライン・ヘノッホ紫斑病、シェーンライン・ヘノッホ紫斑病、Schonlein-Henoch紫斑病
- アナフィラキシー様紫斑病 アナフィラクトイド紫斑病 アナフィラクトイド紫斑、anaphylactoid purpura、アレルギー性紫斑病 アレルギー性紫斑 allergic purpura purpura allergica、アレルギー性血管炎 allergic vasculitis、リウマチ性紫斑病 rheumatic purpura purpura rheumatica、ヘノッホ紫斑病
- 関
- IgA腎症。血管性紫斑病、皮膚小血管性血管炎、血管炎、劇症紫斑病、血小板非減少性紫斑病
まとめ
- 先行する上気道感染後に出現する紫斑が特徴的な血管炎である。IgAによる免疫複合体の血管壁への沈着、およびこれに次いで起こるIII型アレルギーが本態と考えられている。症状はG2AP、すなわち消化管症状、糸球体腎炎、関節痛、紫斑である。血液検査では軽度の好中球増多・好酸球増多がみられ、血液中のIgAも上昇するが、血小板、補体、IgG,IgEは変化しない。
定義
- CHCC2012
- IgA1優位の免疫沈着を伴い、小血管(主に毛細血管、細静脈または細動脈)を障害する血管炎。しばしば、皮膚、消化管、そして高頻度に関節炎を来す。IgA腎症と区別できない糸球体腎炎を生ずる。
概念
- 全身性疾患
- 血管炎(血管性紫斑病の一つである) ← 皮膚小血管性血管炎の特殊型
- 二次的にIgAによる免疫複合体がメサンギウムに沈着し糸球体腎炎を引き起こす
病因
- IgA免疫複合体が血管壁に沈着。III型アレルギーの機序により、補体や好中球による組織障害
- 1. 溶連菌感染
- 2. 薬剤(ペニシリン、アスピリン)、食物(牛乳、卵)
疫学
病理
症状 (PED.805, NDE.137)
- 皮膚(purpuric rash)、消化管(abdominal pain)、関節(arthritis)、腎臓(glomerulonephritis)
- HSPの症状は「GA2P」と覚えてみる?
- ほぼ全例
- 両側の下腿や足背を中心に、時には大腿~上肢~腹部にまで、直径数~10mm以内の浸潤をふれる点状出血・紫斑が播種状に生じる。ときに圧痛が見られる。(NDE.138)
- 丘疹状で触知可能(palpable purpura)
[show details]
- http://graphics8.nytimes.com/images/2007/08/01/health/adam/19832.jpg
- http://www.umm.edu/graphics/images/en/19831.jpg
- http://en.wikipedia.org/wiki/Henoch%E2%80%93Sch%C3%B6nlein_purpura
- 1/3の症例
- 一過性の限局性浮腫。東部、顔面、手足、陰嚢
消化管
- 約半数~80%
- 腹部の疝痛様疼痛、悪心や嘔吐、吐血、下血
関節
- 約2/3の症例
- 足、膝、手、肘などの関節炎症状。関節の腫脹、疼痛
腎臓
- 発症から一ヶ月以内人タンパク尿、血尿で始まる腎炎を合併。多くは顕微鏡的血尿。
- 急性腎炎~ネフローゼ
- 組織的にはメサンギウム増殖性腎炎を呈する。
診断
検査
- PED.805
- 血小板:正常~やや増加 ← 血管炎が紫斑の原因であって、血小板減少が原因ではない。
- PED.805
治療
国試
[★]
- 一次止血異常
- 血小板減少
- 産生機構の異常
- 巨核球低形成
- 先天性
- ファンコーニ貧血
- 先天性造血障害
- メイ・ヘグリン異常
- 後天性
- 再生不良性貧血
- 無巨核芽球性血小板減少症
- 急性白血病
- 骨髄癌腫症
- 放射線障害
- 抗癌薬投与
- 無効造血
- 巨赤芽球性貧血
- 骨髄異形成症候群
- 血小板寿命の短縮(後天性)
- 免疫学的機序
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 膠原病の合併症
- 薬剤アレルギー
- 血栓性血小板減少性紫斑病
- その他
- 人工弁
- 人工血管
- 分布異常
- 脾腫(後天性)
- 希釈
- 大量赤血球輸血
- 血小板機能異常
- 先天性
- 血小板無力症
- ベルナール・スーリエ症候群
- 放出異常
- その他
- フォンウィルブランド病
- 二次止血異常
- 血液凝固異常
- 凝固因子産生の異常
- 先天性
- 血友病
- その他の先天性凝固因子異常症
- 凝固因子消費の亢進(後天性)
- 播種性血管内凝固(DIC)
- 後天性凝固因子インヒビター
- 後天性血友病
- フォンウィルブランド病
- 線溶の亢進
- 先天性
- α2プラスミンインヒビター欠乏症
- プラスミノゲンアクティベーターインヒビター欠乏症
- 後天性
- 一次線溶亢進
- 急性骨髄球性白血病によるDIC
- 動脈瘤によるDIC
- 血管の異常
- 先天性
- 遺伝性出血性毛細血管拡張症:オスラー・ウェバー・ランデュ病
- エーラス・ダンロス症候群 Ehlers-Danlos syndrome, EDS
- 後天性
- ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
[★]
- 英
- factor XIII, F XIII
- 同
- フィブリン安定化因子, fibrin-stabilizing factor, fibrin stabilizing factor, FSF、血漿トランスグルタミナーゼ, plasma transglutaminase、血液凝固第XIII因子、凝固第XIII因子
- 商
- フィブロガミンP
- 関
- 血液凝固因子
- トロンビンにより活性化され、フィブリン線維を架橋してフィブリン網を安定化させる血液凝固因子の一つ。
臨床関連
低下
[★]
- 英
- purpura
- 関
- 紫斑病
紫斑
治療
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患
[★]
- 英
- line
- 関
- 裏打ち、系統、線
[★]
- 英
- purpura
- 関
- 紫斑