- 50歳の男性。四肢の脱力を主訴に来院した。10日前に微熱と咽頭痛とが出現したが2日間で哨失した。3日前に手先と足先のしびれ感が出現し、翌朝には両下肢の脱力、午後には両上肢の脱力が出現して、今朝は歩行が困難となった。10年前に強い頚椎症性変化を指摘された。3年前に房室ブロックのため心臓ペースメーカー植え込み術を受けた。意識は清明。四肢に中等度の脱力がみられる。腱反射は消失している。四肢遠位部の軽度の感覚低下を認める。
- 診断のために有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I064]←[国試_105]→[105I066]
★リンクテーブル★
[★]
- 70歳の男性。のどの違和感と出血とを主訴に来院した。数日前からのどに違和感があり、昨日のどの奥から出血があった。喫煙は40本/日を30年間であったが、3年前から禁煙している。飲酒は日本酒2台/日を45年間。3年前に膀胱癌治療の既往がある。体温37.2℃。嗄声はない。頭部リンパ節を触知しない。血液所見:赤血球 436万、Hb 13.5g/dl、Ht 41%、白血球 5,800、血小板 35万。CRP 0.3mg/dl。頚部造影CTでリンパ節の腫大を認めない。喉頭内視鏡写真(別冊No.20A)と生検組織のH-E染色標本(別冊No.20B)とを別に示す。
- 治療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I063]←[国試_105]→[105I065]
[★]
- 70歳の男性。物忘れを心配した娘に伴われて来院した。3年前に妻と死別し、現在は娘夫婦と同居している。1年前から物忘れが目立つようになり、徐々に進行した。半年前から「妻が赤い服を着て現れる」と言うようになった。表情は乏しく、暗算をさせると右手がふるえて、手関節に筋強剛がみられる。Mini-Mental State Examination(MMSE)では15点(30点満点)である。
- この患者の診断に最も有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I065]←[国試_105]→[105I067]
[★]
[★]
- 英
- Guillain-Barré syndrome Guillain-Barre syndrome GBS
- 同
- (国試)Guillain-Barre症候群
- 急性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー acute inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy AIDP
- 感染性多発神経炎 infective polyneuritis infectious polyneuritis、急性炎症性多発ニューロパシー acute inflammatory polyneuropathy
- 関
- 免疫介在性ニューロパチー
病型
- SPE.645
- ギラン・バレー症候群:経過中に蛋白細胞解離が見られたもの
症状
- 知覚異常:(初発)腰痛、手足のしびれ感。感覚障害は軽度にとどまる
- 運動神経:下肢末梢から左右対称性、上行性の弛緩麻痺。腱反射消失
- 自律神経:自律神経の障害による症状(不整脈、洞性頻脈、血圧の変動、発汗異常)が見られることがある。
検査
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- 抗原:GM1、GQ1b(→Fisher症候群と関連)、GD1a、GalNAc-GD1a、ガラクトセレブロシド
- 蛋白細胞解離。発症から1週間後の患者の80-90%の患者で見られる。近位神経根のレベルで血液神経関門の透過性が亢進したことによるのかもしれない(increased permeability of the blood-nerve-barrier at the level of the proximal nerve roots)。(参考1)
治療
- 免疫吸着療法(プラスマフェレーシス):侵襲の大きさから大量ガンマグロブリン静注療法が行われることが多いらしい。
- 大量ガンマグロブリン静注療法(高ガンマグロブリン大量静注法)
予後
- 予後良好:2週間程度で極期に達し徐々に回復する。しかしながら約5%の例で死亡、約10%の例では重篤な機能障害を残す。(IMD)
関連疾患
参考
- 1. [charged] Clinical features and diagnosis of Guillain-Barré syndrome in adults - uptodate [1]
- 2. [charged] Treatment and prognosis of Guillain-Barré syndrome in adults - uptodate [2]
国試